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公開番号
2024180209
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-26
出願番号
2023109660
出願日
2023-06-16
発明の名称
分離歯形を持つ平行軸はすば歯車歯形
出願人
個人
代理人
主分類
F16H
55/08 20060101AFI20241219BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約
【課題】平行軸“はすば”歯車の歯面において、歯面接触応力を平坦にするため、接触線に沿って定値の歯面相対曲率を与えるラック歯形を数値積分で求める方法の開発を第一の課題とし、その方法により定値の歯面相対曲率を持ち、ピッチ点を通過する接触点の軌跡を持ち、与えられた歯底曲線に接するラック歯形を求めると、歯車歯形、ラック歯形、定値相対曲率の値K
IS
などが唯一に確定するが、この限界K
IS
を超えて定値歯面相対曲率の小さい歯面を探索することを第二の課題とする。
【解決手段】ラック歯面曲率と歯面相対曲率の微分関係式を求めた研究成果を、数値積分する手法で定値の歯面相対曲率を与えるラック歯形を求める方法を開発し、歯車軸を結ぶ中心線と交わらないように接触点の軌跡を歯先側と歯元側に分割し、中心線から離れた領域に、それぞれの有効な接触点の軌跡を設置する手段により、値K
IS
よりも小さい相対曲率値を得る手法を示している。
【選択図】図4
特許請求の範囲
【請求項1】
平行軸の“はすば”歯車の大歯車歯面と小歯車歯面とラック歯面は共通の接触線を持ち、ラックの歯面あるいは歯形を規定すれば歯車歯面は確定するという関係があり、そのラック歯面の曲率が既知であるとして歯面接触点の歯面相対曲率を求めた研究があり、この研究結果を用いて、N番目の接触点において、歯車歯面の相対曲率を定値K
S
として与えるラック歯形の曲率K
N
を求め、接触点でラック歯形法線上に歯形曲率K
N
から定まる歯形円弧中心点が定まり、N番接触点の近傍に、歯形円弧上の点として、N+1番目の歯形点を定め、次に、このN+1番目点が接触する位置にラックを移動させて、移動後の接触位置で、歯車歯面の相対曲率を定値K
S
として与えるラック歯形曲率K
N+1
を求めるという、数値積分の手法により、はすば歯面の接触線に沿って定値K
S
の歯面相対曲率を持つラック歯形を求める方法。
続きを表示(約 1,400 文字)
【請求項2】
歯車軸に直角な平面内の両歯車軸点を結ぶ中心線、中心線上のピッチ点、ピッチ点を通り中心線に垂直なゼロ圧力角線が作る座標系内で、はすば歯車歯面の接触点の移動を捉えた接触点の軌跡の形状を規定すれば、“はすば”歯車歯面、ラック歯形が確定するという関係があり、そのラック歯形には、歯底曲線を持つ歯溝と実質を持つ歯を1ピッチ幅内に配置しなければならない“歯溝空間の第1制約”があり、また、歯先側の歯形と歯元側の歯形が連続して噛み合いを行うには、接触点の軌跡はピッチ点を通過しなければならないという“ピッチ点通過の第2制約”があり、さらに、請求項1で述べた手法により可能となる、歯面接触圧力分布を考慮して接触線の全域で歯面相対曲率が一定であるという“定値歯面相対曲率の第3制約”を加えると、十分な歯丈を持ち歯底曲線に接するラック歯形やその接触点の軌跡はインボリュート歯形の場合の歯形や軌跡に似た形状として確定し、その歯車歯面(便宜上、IS歯面と呼ぶことにする)の相対曲率の値K
IS
も唯一に確定することになるが、本発明では、“定値歯面相対曲率の第3制約”において、このIS歯面の定値歯面相対曲率値K
IS
よりも小さい値K
SS
を歯面相対曲率とする歯面(便宜上、SS歯面と呼ぶことにする)を得るための新たな手段として、“接触点の軌跡がピッチ点を通過するとする第2制約”を取り外し、歯元側歯形や歯先側歯形の有効に接触する接触点の軌跡が、両車軸点を結ぶ中心線と交わらず、歯先側と歯元側に分割し、中心線から離れた位置に来るように設計する手段により、“定値歯面相対曲率の第3制約”を持つSS歯面を設計する“はすば”歯車歯面の設計方法。
【請求項3】
請求項2においては、“はすば”歯車において、請求項1の方法により定値歯面相対曲率を持つSS歯面を求めるとしているが、歯筋に対する接触線の傾きの変化が接触線に沿って小さい場合において、歯車軸に直角な断面内の“すぐば”歯車歯形に対して、請求項2と同様にIS歯形の定値歯形相対曲率値K
IS
よりも小さい定値歯形相対曲率K
SS
を歯形全体に一定として持つ“すぐば”歯車の歯形あるいはラック歯形を求め、その歯形を“はすば”歯車の軸直角断面内の歯形あるいはラック歯形と考えて、“はすば”歯車の歯面を設計する方法。
【請求項4】
請求項2、請求項3の設計方法により得られる歯面の接触点の軌跡は、両歯車軸点を結ぶ中心線を境にして歯先側領域と歯元側領域に分離し、それに対応して“はすば”歯車の歯面領域も歯先側と歯元側に分離するという特徴を持つ歯面となるが、その歯先側歯面部分あるいは歯元側歯面部分の片歯面部分、あるいはこれら両歯面部分の接触線上の歯面相対曲率を、上記IS歯面の定値歯面相対曲率K
IS
よりも小さい定値歯面相対曲率K
SS
となるように歯車歯面の全体形状を設計する方法。
【請求項5】
請求項2、請求項3に述べたラック歯形の、ピッチ点近傍の領域では歯形の圧力角が小さく、その領域が歯形に占める割合は極小さいが、この小さい歯形領域だけを、歯形圧力角が数度程度の歯形で置き換えるラック歯形の設計方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、平行軸のはすば歯車の歯面形状を設計する方法に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)
【背景技術】
【0002】
インボリュート歯形は、軸間距離の変化の影響が無く、工具製作が容易であり、多くの研究、実績による知恵・知識があるなど多くの利点があるが、歯数が少ない歯形の基礎円の近くでは歯面干渉の問題や、歯面相対曲率が大きいなどの問題がある。
近年、複雑な形状を高精度で作れるようになり、インボリュート歯形では凸歯面同士の接触となるのに対して、凸面と凹面の歯面同士のかみ合いを取り入れる手法により、歯車負荷能力の評価の一つである面圧能力を向上させようとする歯形の設計が試みられている。このような歯形では歯面の接触応力分布が一様ではなく、インボリュート歯面と比較して接触応力の大きい部分が含まれるという問題があることが分かってきている。
【0003】
基本的な用語や事項などを説明しておくことにする。図1(a)に、平行軸歯車の車軸に直角な断面における、歯車のピッチ円、ラックの転がりピッチ線、また、歯形1と歯形2とラック歯形が共通の接触点で接触することを示す。このように、平行軸の“はすば”や“すぐば”歯車の大歯車歯面と小歯車歯面、および工具歯面と考えることが出来るラック歯面は共通の接触線を持ち、そのラックの歯面あるいは歯形を規定すれば歯車歯面は確定する一対一の対応関係にある。ラック歯形は歯車歯形の設計の特徴を捉える目的には有用である。また、図1(b)に、歯車軸に直角な平面内の両歯車軸点を結ぶ“中心線”、中心線上の“ピッチ点”、ピッチ点を通り中心線に垂直な“ゼロ圧力角線”が作る座標系内で、接触点の移動を捉えた“接触点の軌跡の形状”を示す。“接触点の軌跡の形状”は、“はすば”や“すぐば”歯車やラックなどの歯面形状と一対一の対応関係にあり、歯車歯形の性能の特徴を捉える目的には有用である。ここに、歯車軸に直角な平面を軸方向のどの位置に定めても、平行軸歯車の接触点の軌跡の形は変わらない。
【0004】
インボリュート歯形が持つ歯形干渉の問題に対して、特許文献1は“すぐば”歯車(平歯車)歯形間の歯形相対曲率を歯形全体に亘り一定とする手段で対処している。もちろん、歯面干渉が生じやすい基礎円近傍の歯形相対曲率が大きいという課題も解決できるとしているが、主たる目的は歯数が22よりも小さいような場合に、干渉が生じやすく、歯元歯厚が薄くなる問題への対処に注目している。この問題に対処するために、“平歯車を対象とした接触点の軌跡形状と歯形相対曲率の関係”を示し、この関係を用いてピッチ点における歯形相対曲率の値が歯形全体においても一定に保たれる“定値相対曲率の制約”を持つ歯形の近似解を与えている。
【0005】
特許文献2では、“すぐば”歯車における干渉を避け、しかも、かみ合い率を3程度にするために、歯形中央部はインボリュート歯形とし、歯先や歯元側部分の歯形を湾曲させる手法として特許文献1の手法を利用している。
【0006】
ラック歯形の設計に関する基本的な事項を説明しておくことにする。図2に示すように、ラック歯形の設計では、1ピッチの幅の中に歯と歯溝を設置するが、ラックの転がりピッチ線と歯形との交点Oの位置が設定され、交点Oを通り、かつ歯溝底に設定される歯底曲線(歯元円)に接するように歯元歯形を、歯溝幅の中に構成しなければならない。この制約を“歯溝空間の第1制約”と呼ぶことにする。インボリュート歯形用の標準ラック歯形は、ピッチ点を通り、歯底曲線である歯元円に接する直線である。仮に、歯先側や歯元側で凹凸の歯面同士の接触とするため、交点Oと歯元円の接点を結ぶラック歯形として円弧状の歯形を想定すると、“歯溝空間の第1制約”のために、ピッチ点Oの近傍の歯形の圧力角は小さく、逆に歯元や歯先部分の圧力角は大きくなる。両方を同時に大きくしたり、小さくしたりは出来ない。
第1制約の他に、歯先側の歯形と歯元側の歯形が連続的にかみ合いを繋ぐためには、接触点の軌跡は転がりピッチ点を通過しなければならないという“ピッチ点通過の第2制約”がある。
【0007】
インボリュート歯形の歯形相対曲率に関する基本的なことを説明しておくことにする。インボリュート歯形の歯形相対曲率は、接触位置がピッチ点から離れるほど相対曲率の値は大きくなり、基礎円と接する点では無限大となる。ただ、サイクロイド歯形や正弦歯形などと比べれば、インボリュート歯形がピッチ点近傍で利用されることもあり、歯形相対曲率の歯形に沿う変化は小さく、ほぼ一定と見做せることが多い。
【0008】
平行軸の“はすば”歯車には、“すぐば”歯車(平歯車)には無い特徴として、その歯面の広がり領域内に、歯元から歯先まで接触線の全長が同時接触する全長接触領域がある。この領域内の接触線に沿う歯面相対曲率の値が大きい部分と小さい部分があると、接触線単位長さ当たりの荷重(線荷重)がほぼ一定であるので、歯面相対曲率の値が大きい部分で歯面接触応力が大きくなり、この部分で歯面全体としての面圧負荷能力を規定することになる。
凸歯面同士の接触となるインボリュート歯形の改善として、凸面と凹面の歯面同士のかみ合いを取り入れた歯形の提案があるが、面相対曲率を小さくしようとすると、“歯溝空間の第1制約”があるために、残りの凸歯面同士が接触する歯面相対曲率が大きい部分の相対曲率が、インボリュート歯形の場合の相対曲率よりも大きくなることが分かってきている。
【0009】
歯形全域で凸面と凹面の歯面同士のかみ合いとなる歯車としてWN(Wildhaver-Novikov)歯車がある。WN歯車では、歯車軸に直角な面内において、一方の歯先側歯形は転がりピッチ点を中心とする円弧歯形、相手の歯元側歯形はその円弧よりも少し半径の異なる円弧歯形とし、圧力角20~30°の歯当たり中心点で両円弧が接触するように設計した歯形対から成る。歯形のかみ合い率はゼロになるので、歯車全体として連続的なかみ合いを得るために、“はすば”歯車として用いられる。
歯面相対曲率を調べるために、仮に、両円弧歯形の半径を一致させた“はすば”歯車を考える。転がりピッチ点を中心とする円弧歯形は、歯車回転中に瞬間的に円弧歯形全体が接触条件を満たすが、その接触線に沿う歯面相対曲率の値は大きい所と小さい所では5倍以上の不均一な分布となり、曲率の大きい部分の面圧能力が問題となる。また、接触線をゼロ圧力角線に近づけると歯面干渉の問題も生じる。
【0010】
歯車の負荷能力の向上を目指したものとしては、新たな歯形の提案だけでなく、歯面修整や歯車素材における改善もあり、負荷能力の向上はいつの時代も課題となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
(【0011】以降は省略されています)
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