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公開番号2024179019
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-26
出願番号2023097500
出願日2023-06-14
発明の名称食品飲料の嚥下補助用とろみ調整剤の錠剤化
出願人ニュートリー株式会社,学校法人 名城大学
代理人個人,個人
主分類A23L 5/00 20160101AFI20241219BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約【課題】 とろみ度合いに合わせて顆粒剤を計量する手間を省き、取り扱いを容易にするために、実用上十分な硬度と速やかな崩壊性を併せもつ錠剤を提供すること。
【解決手段】 デキストリンと増粘剤の混合物を造粒した顆粒に多孔質デキストリンを添加し、圧縮成形することを含む、錠剤の製造方法。前記方法により製造された錠剤も提供される。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
デキストリンと増粘剤の混合物を造粒した顆粒に多孔質デキストリンを添加し、圧縮成形することを含む、錠剤の製造方法。
続きを表示(約 210 文字)【請求項2】
圧縮成形時の打錠圧が1~14MPa である請求項1記載の方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の方法により製造された錠剤。
【請求項4】
硬度が50 N以上である請求項3記載の錠剤。
【請求項5】
空隙率が57%以上である請求項3又は4記載の錠剤。
【請求項6】
食品にとろみを付与するために使用される請求項3~5のいずれかに記載の錠剤。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、食品飲料の嚥下補助用とろみ調整剤に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
現在の日本は高齢社会である。高齢になるにつれ,嚥下能力は低下していく。とろみ調整剤により液体食品飲料にとろみを付与することで,嚥下困難者の嚥下を補助することが可能である(特許文献1)。家庭や高齢者介護施設では,家族やスタッフなどが嚥下困難者それぞれの嚥下能力低下の程度に応じて,とろみの度合いを調整している。しかしながら,現在流通している市販品はすべて顆粒剤であり,とろみ度合いの調整を再現性良く行いづらいといった課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許4694109
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、とろみ度合いに合わせて顆粒剤を計量する手間を省き、取り扱いを容易にするために、実用上十分な硬度と速やかな崩壊性を併せもつ錠剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、鋭意努力した結果、市販品のとろみ調整剤に含まれる分散剤としてのデキストリンが加湿・乾燥時に熱溶融し、粒子間架橋を形成して成形体強度を高めることを発見した。そこで造粒により、とろみ材顆粒の処方と製法を最適化し、得られた顆粒に多孔質デキストリンを添加したのち、低圧力にて圧縮成形することで得た多孔質成形体を必要により加湿・乾燥処理により硬化する新規な錠剤化法を構築した。本発明は、これらの知見に基づいて、完成されたものである
本発明の要旨は以下の通りである。
(1)デキストリンと増粘剤の混合物を造粒した顆粒に多孔質デキストリンを添加し、圧縮成形することを含む、錠剤の製造方法。
(2)圧縮成形時の打錠圧が1~14MPaである請求項1記載の方法。
(3)(1)又は(2)に記載の方法により製造された錠剤。
(4)硬度が50 N以上である(3)記載の錠剤。
(5)空隙率が57%以上である(3)又は(4)記載の錠剤。
(6)食品にとろみを付与するために使用される(3)~(5)のいずれかに記載の錠剤。
【発明の効果】
【0006】
本発明により、とろみ調整剤を錠剤化することが可能となった。とろみ調整剤が錠剤化されることにより、とろみ度合いに合わせて顆粒剤を計量する手間が省かれ、取り扱いが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
とろみ調製用食品中各成分のSEM写真。左よりとろみ材(顆粒),デキストリン,キサンタンガム。
各処方から成る造粒物の粒度分布。
調製した流動層造粒物の粒子表面SEM写真。
錠剤成形時に打錠用顆粒に後添加するDEXのSEM写真。
錠剤成形時に打錠用顆粒に後添加するDEXの粒度分布。
圧縮成形の模式図。
電気伝導度による溶出試験模式図。
粘度測定方法の模式図。
後添加DEXの変更した錠剤表面のSEM写真。
後添加DEXの種類による錠剤硬度への影響(加湿前)。
後添加DEXの種類による錠剤空隙率への影響(加湿前)。
打錠用顆粒の処方による錠剤硬度への影響(加湿前)。
打錠用顆粒の処方による錠剤空隙率への影響(加湿前)。
加湿時間を変更した錠剤表面のSEM写真(加湿60℃,75%RH)。
加湿時間を変更した錠剤割断面のSEM写真(加湿60℃,75%RH)。
加湿時間による錠剤硬度への影響(Gr(20)-1)。
加湿時間による錠剤空隙率への影響(Gr(20)-1)。
電気伝導度による打錠用末の異なる錠剤からのKClの溶出挙動。
電気伝導度による加湿時間を変更した錠剤からのKClの溶出挙動。A:10 MPa,B:12 MPa,C:14 MPa。
加湿時間による錠剤硬度への影響。
加湿時間による錠剤空隙率への影響。
電気伝導度による加湿時間を変更した錠剤からのKClの溶出挙動。
加湿温度による錠剤硬度への影響。
加湿温度による錠剤空隙率への影響。
電気伝導度による加湿温度を変更した錠剤からのKClの溶出挙動。
短時間の加湿による錠剤硬度への影響。
短時間の加湿による錠剤空隙率への影響。
電気伝導度による加湿時間を変更した錠剤からのKClの溶出挙動。
加湿時間による錠剤硬度への影響。
加湿時間による錠剤空隙率への影響。
電気伝導度による加湿時間を変更した錠剤からのKClの溶出挙動。
加湿時間による溶出試験後の溶出液の粘度への影響。
加湿温度による溶出試験後の溶出液の粘度への影響。
短時間の加湿による溶出試験後の溶出液の粘度への影響。
短時間の加湿による溶出試験後の溶出液の粘度への影響。
実施例3の実験データをまとめたもの。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態についてより詳細に説明する。
【0009】
本発明は、デキストリンと増粘剤の混合物を造粒した顆粒に多孔質デキストリンを添加し、圧縮成形することを含む、錠剤の製造方法を提供する。
【0010】
増粘剤は、医療・介護の目的で、あるいは一般の食品加工の目的で食品テクスチャーの改良に用いられ、例えば、液状食品をゾル状またはゲル状に改良することに用いられている。医療介護の目的での食品テクスチャー改良としては、嚥下障害や高齢者などにおいて誤嚥の原因となる液状食品、例えば、飲料用液体、汁物、固体食品中に含まれる液体などのテクスチャーをゾル状またはゲル状に改良することなどが挙げられる。ゾル化を誘導するゾル化剤としては、増粘多糖類、例えばキサンタンガムを用いることができ、ゲル化を誘導する増粘剤としては、キサンタンガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、ジェランガム、寒天、ゼラチンなどを単独であるいは組合せて用いることができる。本発明の一実施態様においては、増粘剤として、キサンタンガムが好適に用いられる。
(【0011】以降は省略されています)

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