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公開番号2024174371
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-17
出願番号2023092172
出願日2023-06-05
発明の名称過熱蒸気を用いた乾燥システム及び乾燥方法
出願人協全商事株式会社
代理人個人
主分類F26B 21/10 20060101AFI20241210BHJP(乾燥)
要約【目的】 高品質の被乾燥物をつくる過熱蒸気循環バッチ式乾燥システムを提供する。
【解決手段】 乾燥炉2内の被乾燥物を乾燥させるための過熱蒸気が乾燥炉2内へ繰り返し流入する循環回路6と、循環回路6内の蒸気を循環させるファン8と、乾燥炉2内から流出した蒸気の一部を循環回路6から放出させるように循環回路6の所定の位置に設けられた排気口10と、循環回路6内へ蒸気の補給をすることができるように循環回路6と流体的に連通しているボイラー16と、循環回路内の蒸気を加熱して過熱蒸気を生成する加熱機器18とを備え、放出した蒸気の量に応じて変動し得る乾燥炉2内の気圧の大きさが環境気圧の大きさに対して負圧とならないように、ボイラー16から循環回路6内へ補給される蒸気の量が調節される、過熱蒸気を用いた乾燥システム1を提供する。
【選択図】 図2
特許請求の範囲【請求項1】
被乾燥物を収容して撹拌することができるように構成された乾燥炉と、
上記乾燥炉内の被乾燥物を乾燥させるための過熱蒸気が上記乾燥炉内へ繰り返し流入し得るように構成された蒸気の循環回路と、
上記循環回路内の蒸気を循環させるファンと、
上記乾燥炉内から流出した蒸気の一部を上記循環回路から放出させるように上記循環回路の所定の位置に設けられた排気口であって、該排気口の開閉弁の開度が調節可能に構成されている、排気口と、
上記循環回路内へ蒸気の補給をすることができるように上記循環回路と流体的に連通しているボイラーと、
上記循環回路内の蒸気を加熱して過熱蒸気を生成する加熱機器と、
を備え、
上記排気口を介して放出した蒸気の量に応じて変動し得る上記乾燥炉内の気圧の大きさが環境気圧の大きさに対して負圧とならないように、上記ボイラーから上記循環回路内へ補給される蒸気の量が調節され得るように構成されている、過熱蒸気を用いた乾燥システム。
続きを表示(約 1,700 文字)【請求項2】
上記排気口を通流する流体の圧力を測定するように設けられた圧力計の測定値が設定範囲内にないときに、上記ボイラーから上記循環回路内へ補給される蒸気の量が変化することにより上記流体の圧力の測定値が設定範囲内の値に戻されるように構成されている、請求項1に記載の乾燥システム。
【請求項3】
上記乾燥炉内に設けられた酸素濃度計によって測定される酸素濃度の値が所定の閾値を超えているときに、上記ボイラーから上記循環回路内へ補給される蒸気の量が増加することにより上記酸素濃度の値が上記閾値以下の値に戻されるように構成されている、請求項1に記載の乾燥システム。
【請求項4】
上記乾燥炉の少なくとも底部を取り囲むように配置されたジャケット構造体であって、該ジャケット構造体の内部に上記ボイラーと流体的に連通している流路が形成されているジャケット構造体と、
上記乾燥炉内に概ね水平に延在し、軸回転可能に構成されたシャフトであって、該シャフトの外周面から外方へ1つ又は複数の撹拌羽根が延在し、該シャフトの内部に上記ボイラーと流体的に連通している流路が延びている、シャフトと、
をさらに備える、請求項1~3のいずれかに記載の乾燥システム。
【請求項5】
上記乾燥炉内の気体を吸引して真空ないし低圧にできるように上記乾燥炉内と流体的に連通している真空ポンプ又は吸引ブロアをさらに備える、請求項1~3のいずれかに記載の乾燥システム。
【請求項6】
上記乾燥炉の底部に設けられたドレン受けに溜まる油脂分の多い残渣から油分を分離して排出することができるように、該ドレン受けに固液分離手段が設けられている、請求項1~3のいずれかに記載の乾燥システム。
【請求項7】
被乾燥物を収容して撹拌することができる乾燥炉内へ過熱蒸気が繰り返し流入するように構成された循環回路において、
上記循環回路内に設けられたファンを使って上記循環回路内の蒸気を循環させるステップと、
上記乾燥炉内から流出した蒸気の一部を上記循環回路の所定の位置に設けられた排気口を介して放出させるステップと、
上記循環回路と流体的に連通しているボイラーを使って上記循環回路内へ蒸気の補給をするステップと、
上記循環回路内の蒸気を加熱して過熱蒸気を生成するように上記循環回路内に設けられた加熱機器を使用するステップと、
上記排気口を介して放出した蒸気の量に応じて変動し得る上記乾燥炉内の気圧の大きさが環境気圧の大きさに対して負圧とならないように、上記ボイラーから上記循環回路内へ補給される蒸気の量を必要に応じて調節するステップと、
を含む、乾燥方法。
【請求項8】
上記ボイラーから上記循環回路内へ補給される蒸気の量を調節するステップは、
上記排気口を通流する流体の圧力を測定するように設けられた圧力計の測定値が設定範囲内にないときに、上記ボイラーから上記循環回路内へ補給する蒸気の量を変化させることにより上記流体の圧力の値を設定範囲内の値に戻すことを含む、請求項7に記載の乾燥方法。
【請求項9】
上記ボイラーから上記循環回路内へ補給される蒸気の量を調節するステップは、
上記乾燥炉内に設けられた酸素濃度計によって測定される酸素濃度の値が所定の閾値を超えているときに、上記ボイラーから上記循環回路内へ補給する蒸気の量を増加させることにより上記酸素濃度の値を上記閾値以下の値に戻すことを含む、請求項7に記載の乾燥方法。
【請求項10】
上記乾燥炉の少なくとも底部を取り囲むように配置されたジャケット構造体であって、該ジャケット構造体の内部に上記ボイラーと流体的に連通している流路が形成されているジャケット構造体と、
上記乾燥炉内に概ね水平に延在し、軸回転可能に構成されたシャフトであって、該シャフトの外周面から外方へ1つ又は複数の撹拌羽根が延在し、該シャフトの内部に上記ボイラーと流体的に連通している流路が延びている、シャフトと、
が上記乾燥炉に設けられている、請求項7~9のいずれかに記載の乾燥方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、被乾燥物を乾燥させるために過熱蒸気を用いる乾燥システム及び乾燥方法に関し、詳しくは、乾燥処理で消費される電力等の消費エネルギーを最小限に抑えつつ、高品質の製品をつくることができる乾燥システム及び乾燥方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
近年、食品の大量廃棄が社会的な問題となっている。日本の食品ロスは年間約522万トン(2020年度)もあり、2020年3月に「食品ロス削減推進法」に基づく基本方針が閣議決定され、2030年には事業系食品ロスを273万トン削減することが目標とされた。また、2019年10月には「食品リサイクル法」の基本方針として、主に外食産業や食品小売業における飼料化を最優先として、2024年の食品リサイクル率に新たな目標が示されている。
【0003】
食品ロスを削減するために、米飯類、パン・菓子類、麺類、肉・魚類などの食物を乾燥させることで家畜用の飼料や堆肥などの製品をつくることができる。また、果菜類を乾燥させてドライフルーツなどにすることで長期保存をすることが可能となる。さらには、貝殻類などの炭酸カルシウム含有物を乾燥させるとチョークなどの原料にもなる。
【0004】
特許文献1~3に示されているように、過熱蒸気を用いた乾燥システムはこれまでにも開示されており、過熱蒸気の利点として、乾燥される原料が空気と接触することが少ないため、油脂分を多く含み引火性の高い原料を乾燥させるのに適しており、被乾燥物の酸化による変色を防ぐことができる。過熱蒸気は被乾燥物に滅菌(殺菌)作用するとともに、熱を伝える能力が極めて高く、高い品温を維持できることから豚などの家畜用飼料をつくるための要件(例えば、90℃で60分間の加熱履歴などの要件)を満たすことができる。しかし、特許文献2に記載のように乾燥処理の処理槽内を負圧状態にすると、外気(空気)がその処理槽へ流入して被乾燥物の酸化を早めてしまう。また、特許文献3に記載のようにジャケット構造体に小さい吐出孔が形成されている場合には、過熱蒸気が小さい吐出孔から広い撹拌槽内の空間へ吹き出した途端に凝縮してしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第3908251号公報
特許第3502339号公報
特許第6531150号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
過熱蒸気を利用する乾燥システム及び乾燥方法を実施するためには、乾燥炉から流出する使用済み蒸気を循環させて再利用することが望ましい。水から過熱蒸気を生成するのに要する燃料費は安くないからである。しかし、被乾燥物に含まれる水分は乾燥が進むにつれて失われ、乾燥炉内の蒸気量は減少していく。蒸気を補うためには、ボイラーで蒸気を発生させて循環回路内へ補給する必要があるが、コストの面から考えれば、補給される蒸気の量を最小限に抑えることができるとよい。また、高品質の被乾燥物をつくるために、できるだけ被乾燥物が酸素に触れないように乾燥処理を実行できるとよい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施例においては、被乾燥物を収容して撹拌することができるように構成された乾燥炉と、乾燥炉内の被乾燥物を乾燥させるための過熱蒸気が乾燥炉内へ繰り返し流入し得るように構成された蒸気の循環回路と、循環回路内の蒸気を循環させるファンと、乾燥炉内から流出した蒸気の一部を循環回路から放出させるように循環回路の所定の位置に設けられた排気口であって、該排気口の開閉弁の開度が調節可能に構成されている、排気口と、循環回路内へ蒸気の補給をすることができるように循環回路と流体的に連通しているボイラーと、上記循環回路内の蒸気を加熱して過熱蒸気を生成する加熱機器と、を備え、排気口を介して放出した蒸気の量に応じて変動し得る乾燥炉内の気圧の大きさが環境気圧の大きさに対して負圧とならないように、ボイラーから循環回路内へ補給される蒸気の量が調節され得るように構成されている、過熱蒸気を用いた乾燥システムを提供する。
【0008】
また、排気口を通流する流体の圧力を測定するように設けられた圧力計の測定値が設定範囲内にないときに、ボイラーから循環回路内へ補給される蒸気の量が変化することにより流体の圧力の測定値が設定範囲内の値に戻されるように構成されている。
【0009】
また、乾燥炉内に設けられた酸素濃度計によって測定される酸素濃度の値が所定の閾値を超えているときに、ボイラーから循環回路内へ補給される蒸気の量が増加することにより酸素濃度の値がその閾値以下の値に戻されるように構成されている。
【0010】
また、乾燥炉の少なくとも底部を取り囲むように配置されたジャケット構造体であって、該ジャケット構造体の内部にボイラーと流体的に連通している流路が形成されているジャケット構造体と、乾燥炉内に概ね水平に延在し、軸回転可能に構成されたシャフトであって、該シャフトの外周面から外方へ1つ又は複数の撹拌羽根が延在し、該シャフトの内部にボイラーと流体的に連通している流路が延びている、シャフトとをさらに備える。
(【0011】以降は省略されています)

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