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公開番号2024173281
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-12
出願番号2023091604
出願日2023-06-02
発明の名称冷却システム、冷却方法、及びプログラム
出願人三菱重工業株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類F25B 1/00 20060101AFI20241205BHJP(冷凍または冷却;加熱と冷凍との組み合わせシステム;ヒートポンプシステム;氷の製造または貯蔵;気体の液化または固体化)
要約【課題】外気の温度が低下した場合であっても、結露を発生させることなく、所望の温度で、蒸発器において冷媒を蒸発させる。
【解決手段】蒸発器から流出する冷媒を圧縮する圧縮機と、前記圧縮機が圧縮する冷媒を冷却用流体との間で熱交換させて凝縮させる凝縮器と、前記凝縮器によって凝縮される冷媒を減圧する膨張弁と、前記膨張弁が減圧する冷媒を蒸発させて熱交換させる前記蒸発器と、を有する冷媒回路と、前記冷却用流体を、前記凝縮器を経由しつつ、外気によって冷却されるように循環させるポンプと、前記冷媒の蒸発温度に関連する検出値を検出する検出装置と、前記検出装置が検出する前記検出値から得られる制御量が、当該制御量に対して定められる目標値になるように前記膨張弁の開度を調節し、前記膨張弁の開度の調節が限界になった場合、前記制御量が前記目標値になるように前記ポンプの吐出量を調節する制御装置と、を備える冷却システム。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
蒸発器から流出する冷媒を圧縮する圧縮機と、
前記圧縮機が圧縮する冷媒を冷却用流体との間で熱交換させて凝縮させる凝縮器と、
前記凝縮器によって凝縮される冷媒を減圧する膨張弁と、
前記膨張弁が減圧する冷媒を蒸発させて熱交換させる前記蒸発器と、を有する冷媒回路と、
前記冷却用流体を、前記凝縮器を経由しつつ、外気によって冷却されるように循環させるポンプと、
前記冷媒の蒸発温度に関連する検出値を検出する検出装置と、
前記検出装置が検出する前記検出値から得られる制御量が、当該制御量に対して定められる目標値になるように前記膨張弁の開度を調節し、前記膨張弁の開度の調節が限界になった場合、前記制御量が前記目標値になるように前記ポンプの吐出量を調節する制御装置と、
を備える冷却システム。
続きを表示(約 1,700 文字)【請求項2】
前記膨張弁の開度に対して、前記膨張弁の調節の限界を示す閾値が予め定められており、
前記制御装置は、
前記膨張弁の開度と、前記閾値とに基づいて、前記膨張弁の開度の調節が限界になっているか否かを判定する、
請求項1に記載の冷却システム。
【請求項3】
前記閾値は、前記膨張弁の開度の最大開度である、
請求項2に記載の冷却システム。
【請求項4】
前記検出装置は、
前記冷媒の蒸発温度に関連する検出値として、前記蒸発器と前記圧縮機の間に存在する前記冷媒の温度と、圧力とを検出し、
前記制御装置は、
前記冷媒の圧力から飽和温度を算出し、
前記冷媒の温度から、算出した前記飽和温度を減算して過熱度を算出し、算出した過熱度を制御量とする、
請求項1に記載の冷却システム。
【請求項5】
前記検出装置は、
前記冷媒の蒸発温度に関連する検出値として、前記蒸発器と前記圧縮機の間に存在する前記冷媒の圧力を検出し、
前記制御装置は、
前記冷媒の圧力から飽和温度を算出し、算出した飽和温度を制御量とする、
請求項1に記載の冷却システム。
【請求項6】
前記検出装置は、
前記冷媒の蒸発温度に関連する検出値として、前記蒸発器と前記圧縮機の間に存在する前記冷媒の第1温度と、前記膨張弁の下流から前記蒸発器の中間部までの間に存在する前記冷媒の第2温度とを検出し、
前記制御装置は、
前記第1温度から前記第2温度を減算して過熱度を算出し、算出した過熱度を制御量とする、
請求項1に記載の冷却システム。
【請求項7】
前記検出装置は、
前記冷媒の蒸発温度に関連する検出値として、前記膨張弁の下流から前記蒸発器の中間部までの間に存在する前記冷媒の飽和温度を検出し、
前記制御装置は、
前記飽和温度を制御量とする、
請求項1に記載の冷却システム。
【請求項8】
圧縮機が、蒸発器から流出する冷媒を圧縮するステップと、
凝縮器が、前記圧縮機が圧縮した冷媒を冷却用流体との間で熱交換させて凝縮させるステップと、
膨張弁が、前記凝縮器によって凝縮された冷媒を減圧するステップと、
前記蒸発器が、前記膨張弁が減圧した冷媒を蒸発させて熱交換させるステップと、
ポンプが、前記冷却用流体を、前記凝縮器を経由しつつ、外気によって冷却されるように循環させるステップと、
検出装置が、前記冷媒の蒸発温度に関連する検出値を検出するステップと、
制御装置が、前記検出装置が検出した前記検出値から得られる制御量が、当該制御量に対して定められる目標値になるように前記膨張弁の開度を調節し、前記膨張弁の開度の調節が限界になった場合、前記制御量が前記目標値になるように前記ポンプの吐出量を調節するステップと、
を含む冷却方法。
【請求項9】
蒸発器から流出する冷媒を圧縮する圧縮機と、
前記圧縮機が圧縮する冷媒を冷却用流体との間で熱交換させて凝縮させる凝縮器と、
前記凝縮器によって凝縮される冷媒を減圧する膨張弁と、
前記膨張弁が減圧する冷媒を蒸発させて熱交換させる前記蒸発器と、を有する冷媒回路と、
前記冷却用流体を、前記凝縮器を経由しつつ、外気によって冷却されるように循環させるポンプと、
前記冷媒の蒸発温度に関連する検出値を検出する検出装置と、を備える冷却システムに、更に備えられる制御装置として機能するコンピュータに、
前記検出装置が検出した前記検出値から得られる制御量が、当該制御量に対して定められる目標値になるように前記膨張弁の開度を調節し、前記膨張弁の開度の調節が限界になった場合、前記制御量が前記目標値になるように前記ポンプの吐出量を調節する手順、
を実行させるためのプログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、冷却システム、冷却方法、及びプログラムに関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1、及び特許文献2に開示される圧縮機サイクルのような仕組みで、冷却を行うシステム(以下、冷却システムという)が知られている。このような冷却システムでは、冷媒を蒸発器によって蒸発させて、室内の空気との間で熱交換が行われる。これにより、室内の空気の冷却が行われる。その後、蒸発器から流出した冷媒は、圧縮機によって圧縮されることにより昇圧され、昇圧された冷媒は、凝縮器によって凝縮される。凝縮された冷媒は、膨張弁によって所望の温度で蒸発器において蒸発する状態になるまで減圧される。減圧された冷媒は、再び蒸発器において蒸発するということが繰り返し行われる。このように、圧縮機と膨張弁によって冷媒の圧力を変化させて冷却する方式は、直接膨張方式(以下、直膨式という)と呼ばれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第6509047号公報
特許第6566705号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した冷却システムにおいて用いられる凝縮器として、水冷によって冷媒を凝縮させる凝縮器がある。この凝縮器の場合、冷媒は、循環して流れる冷却水との間で熱交換されて凝縮する。循環して流れる冷却水は、外気によって冷却されるため、外気が低くなると、冷却水の温度は、外気の低下に伴って低下する。冷却水の温度が低下すると、凝縮器内の冷媒の温度も低下し、それによって凝縮器において冷媒の圧力が低下する現象が生じる。
【0005】
冷媒の圧力が、凝縮器において低下すると、膨張弁による減圧の幅が小さくなる。減圧幅が小さくなるということは、膨張弁において調節可能な圧力の範囲が狭くなることを意味する。そのため、減圧幅が小さくなると、膨張弁の開度を最大にしても、所望の温度で冷媒を蒸発器において蒸発させることができなくなる場合がある。
【0006】
この場合に、冷媒が蒸発器において蒸発する温度が、露点温度以下まで低下すると、蒸発器において結露が発生するという課題が生じる。蒸発器において結露が発生すると、例えば、ファンなどによって蒸発器に送り込まれる空気によって、結露が飛散して、水飛びが発生したりする。冷却システムが、例えば、データセンタのサーバラックの冷却や、電子回路の半導体素子の冷却のために用いられる場合、この水飛びのために、サーバラックに備え付けられているサーバ装置や、電子回路においてショート等が発生しないように、防水加工を行ったり、蒸発器の設置位置に制約を設けたりする必要があった。
【0007】
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであって、外気の温度が低下した場合であっても、結露を発生させることなく、所望の温度で、蒸発器において冷媒を蒸発させることを可能にする冷却システム、冷却方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記問題を解決するために、本開示に係る冷却システムは、蒸発器から流出する冷媒を圧縮する圧縮機と、前記圧縮機が圧縮する冷媒を冷却用流体との間で熱交換させて凝縮させる凝縮器と、前記凝縮器によって凝縮される冷媒を減圧する膨張弁と、前記膨張弁が減圧する冷媒を蒸発させて熱交換させる前記蒸発器と、を有する冷媒回路と、前記冷却用流体を、前記凝縮器を経由しつつ、外気によって冷却されるように循環させるポンプと、前記冷媒の蒸発温度に関連する検出値を検出する検出装置と、前記検出装置が検出する前記検出値から得られる制御量が、当該制御量に対して定められる目標値になるように前記膨張弁の開度を調節し、前記膨張弁の開度の調節が限界になった場合、前記制御量が前記目標値になるように前記ポンプの吐出量を調節する制御装置と、を備える。
【0009】
本開示に係る冷却方法は、圧縮機が、蒸発器から流出する冷媒を圧縮するステップと、
凝縮器が、前記圧縮機が圧縮した冷媒を冷却用流体との間で熱交換させて凝縮させるステップと、膨張弁が、前記凝縮器によって凝縮された冷媒を減圧するステップと、前記蒸発器が、前記膨張弁が減圧した冷媒を蒸発させて熱交換させるステップと、ポンプが、前記冷却用流体を、前記凝縮器を経由しつつ、外気によって冷却されるように循環させるステップと、検出装置が、前記冷媒の蒸発温度に関連する検出値を検出するステップと、制御装置が、前記検出装置が検出した前記検出値から得られる制御量が、当該制御量に対して定められる目標値になるように前記膨張弁の開度を調節し、前記膨張弁の開度の調節が限界になった場合、前記制御量が前記目標値になるように前記ポンプの吐出量を調節するステップと、を含む。
【0010】
本開示に係るプログラムは、蒸発器から流出する冷媒を圧縮する圧縮機と、前記圧縮機が圧縮する冷媒を冷却用流体との間で熱交換させて凝縮させる凝縮器と、前記凝縮器によって凝縮される冷媒を減圧する膨張弁と、前記膨張弁が減圧する冷媒を蒸発させて熱交換させる前記蒸発器と、を有する冷媒回路と、前記冷却用流体を、前記凝縮器を経由しつつ、外気によって冷却されるように循環させるポンプと、前記冷媒の蒸発温度に関連する検出値を検出する検出装置と、を備える冷却システムに、更に備えられる制御装置として機能するコンピュータに、前記検出装置が検出した前記検出値から得られる制御量が、当該制御量に対して定められる目標値になるように前記膨張弁の開度を調節し、前記膨張弁の開度の調節が限界になった場合、前記制御量が前記目標値になるように前記ポンプの吐出量を調節する手順、を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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