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公開番号2024171939
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-12
出願番号2023089314
出願日2023-05-31
発明の名称膨張弁の製造方法および膨張弁
出願人株式会社不二工機
代理人個人
主分類F16K 31/68 20060101AFI20241205BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】膨張弁を小型化しても流入孔の開口面積と防振ばねの摺動面の双方を確保可能とする。
【解決手段】流入孔14及び流出孔17に連通する弁室13を有する弁本体12と、流出孔と弁室との間に備えたオリフィス18と、オリフィスに対し進退動する弁体20と、弁体をオリフィスに向け付勢する付勢部材22と、付勢部材による付勢力に抗して弁体をオリフィスから後退させる作動棒23と、作動棒を駆動する駆動部24と、弁体と弁室側壁との間に介在され弁体と共に移動し弁室側壁面に摺動可能に接触する防振ばね26を備えた膨張弁11を製造する方法で、流入孔は、弁本体外周面に開口する外穴15と、弁室側壁面に開口する内穴16とからなり、外穴と内穴が互いに連通し、当該製造方法は、弁本体の外周面側から外穴を穿設する外穴穿設工程と、弁室内部側から弁室側壁面を切削する溝加工により内穴を形成する内穴形成工程とを含む。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
冷媒の流入孔および前記冷媒の流出孔に連通する弁室を有する弁本体と、
前記流出孔と前記弁室との間に備えられたオリフィスと、
前記オリフィスに対して進退動することにより前記冷媒の流量を変更する弁体と、
前記弁体を前記オリフィスに向けて付勢する付勢部材と、
前記付勢部材による付勢力に抗して前記弁体を前記オリフィスから後退させる作動棒と、
前記作動棒を駆動する駆動部と、
前記弁体と前記弁室の側壁面との間に介在され、前記弁体の進退動に伴い前記弁体とともに移動し、前記弁室の側壁面に摺動可能に接触する摺接部を有することにより前記弁体の振動を抑制する、防振ばねと、
を備えた膨張弁
を製造する方法であって、
前記流入孔は、
当該流入孔の一部であり、前記弁本体の外周面に開口した外開口を有し、当該外開口から前記弁室に向かって延びる、外穴と、
当該流入孔の一部であり、前記弁室の側壁面に開口した内開口を有し、当該内開口から前記弁本体の外周面に向かって延びる、内穴と、
からなり、
前記外穴の前記外開口とは反対側の端部と、前記内穴の前記内開口とは反対側の端部とが互いに連通することにより、前記外穴と前記内穴とが互いに連通し、
前記膨張弁を製造する方法は、
前記弁本体の外周面側から前記外穴を穿設する外穴穿設工程と、
前記弁室の内部側から当該弁室の側壁面を切削する溝加工により前記内穴を形成する内穴形成工程と、
を含む
ことを特徴とする膨張弁の製造方法。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
前記膨張弁の軸線方向を上下方向とし、当該上下方向に直交する方向を水平方向としたときに、
前記内穴は、前記弁室の側壁面に沿って水平に延びる溝状の穴である
請求項1に記載の膨張弁の製造方法。
【請求項3】
前記弁本体から前記駆動部に向かう方向を「上」とし、前記駆動部から前記弁本体に向かう方向を「下」としたときに、
前記オリフィスは、前記弁室の上面部に配置され、
前記内穴は、前記外穴の中心軸線より上側に位置する
請求項2に記載の膨張弁の製造方法。
【請求項4】
前記弁本体から前記駆動部に向かう方向を「上」とし、前記駆動部から前記弁本体に向かう方向を「下」としたときに、
前記オリフィスは、前記弁室の上面部に配置され、
前記内穴は、前記外穴の中心軸線より下側に位置する
請求項2に記載の膨張弁の製造方法。
【請求項5】
前記内穴は、前記弁室の側壁面の全周に亘って延びている
請求項3または4に記載の膨張弁の製造方法。
【請求項6】
前記弁本体から前記駆動部に向かう方向を「上」とし、前記駆動部から前記弁本体に向かう方向を「下」としたときに、
前記オリフィスは、前記弁室の上面部に配置され、
前記内穴は、
前記外穴の中心軸線より上側に位置する上穴と、
前記外穴の中心軸線より下側に位置する下穴と、
からなる
請求項2に記載の膨張弁の製造方法。
【請求項7】
前記上穴と前記下穴は、前記弁室の側壁面の全周に亘って延びている
請求項6に記載の膨張弁の製造方法。
【請求項8】
冷媒の流入孔および前記冷媒の流出孔に連通する弁室を有する弁本体と、
前記流出孔と前記弁室との間に備えられたオリフィスと、
前記オリフィスに対して進退動することにより前記冷媒の流量を変更する弁体と、
前記弁体を前記オリフィスに向けて付勢する付勢部材と、
前記付勢部材による付勢力に抗して前記弁体を前記オリフィスから後退させる作動棒と、
前記作動棒を駆動する駆動部と、
前記弁体と前記弁室の側壁面との間に介在され、前記弁体の進退動に伴い前記弁体とともに移動し、前記弁室の側壁面に摺動可能に接触する摺接部を有することにより前記弁体の振動を抑制する、防振ばねと、
を備えた膨張弁であって、
前記流入孔は、
当該流入孔の一部であり、前記弁本体の外周面に開口した外開口を有し、当該外開口から前記弁室に向かって延びる、外穴と、
当該流入孔の一部であり、前記弁室の側壁面に開口した内開口を有し、当該内開口から前記弁本体の外周面に向かって延びる、内穴と、
からなり、
前記外穴の前記外開口とは反対側の端部と、前記内穴の前記内開口とは反対側の端部とが互いに連通することにより、前記外穴と前記内穴とが互いに連通し、
前記膨張弁の軸線方向を上下方向とし、当該上下方向に直交する方向を水平方向としたときに、
前記内穴は、前記弁室の側壁面に沿って水平に延びる溝状の穴である
ことを特徴とする膨張弁。
【請求項9】
前記流入孔の軸線方向から見たときに、前記内穴の上縁および下縁のうちの少なくとも一方が直線状の形状を有する
請求項8に記載の膨張弁。
【請求項10】
前記弁本体から前記駆動部に向かう方向を「上」とし、前記駆動部から前記弁本体に向かう方向を「下」としたときに、
前記オリフィスは、前記弁室の上面部に配置され、
前記内穴は、前記外穴の中心軸線より上側に位置する
請求項8に記載の膨張弁。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、膨張弁の製造方法および膨張弁に係り、特に、弁振動を抑制する防振ばねを備えた膨張弁の流入孔の構造とその形成方法に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
カーエアコンのような冷凍サイクル装置では、エバポレータ(蒸発器)の能力を十分に引き出すために膨張弁が備えられる。この膨張弁は、エバポレータの出口側配管の冷媒温度に感応してエバポレータに供給される冷媒の流れを絞り、最適流量に制御する機能を果たす。
【0003】
一方、かかる膨張弁では、弁の開度が小さいときに弁振動が生じ、この振動によって膨張弁から異音が発生することがある。このため、弁室内に防振ばね(制振用の部材)が備えられる。
【0004】
例えば、下記特許文献1に記載の膨張弁では、固定用の基部141と、複数本の脚部142とを有する防振ばね140が支持部材100を介して弁体40と弁室24の側壁面(上壁面)24aとの間に介在されるように備えられている。防振ばね140の各脚部142は、基部141の周縁部から斜め外側下方に放射状に延び、先端部外面に突起部142dを有する。そして、各突起部142dが弁室24の側壁面24aに弾発的に接触して摺動抵抗を発生させることにより弁体の振動を抑制する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2018-25331号公報(特許第6697975号)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記のような防振ばねは、弁体と一緒に上下動し、弁室壁面(側壁面)に当接している摺接部(脚部142の突起部142d)も当該壁面に接触しながら上下動する。このため、そのような上下摺動が可能となる広さ(高さ)の摺動面が弁室壁面に必要になる。
【0007】
一方、弁室壁面には、冷媒を流入させる流入孔が開口しており、この開口は、冷媒流量(流路断面積)を確保するため一定以上の大きさ(開口面積)が必要である。
【0008】
しかしながら、近年の膨張弁の小型化の要請に伴い、流入孔の開口面積を維持しながら防振ばねの摺動面を確保することが難しくなっており、これらを両立できる新たな技術の提供が望まれる。
【0009】
したがって、本発明の目的は、流入孔の新たな構造とその形成方法を提示することにより、膨張弁を小型化しても、流入孔の開口面積と防振ばねの摺動面の双方を確保できるようにする点にある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決し目的を達成するため、本発明に係る膨張弁の製造方法は、弁室に冷媒を流入させる流入孔を形成する特有の工程を含むものであるが、当該製造方法に係る膨張弁は、冷媒の流入孔および冷媒の流出孔に連通する弁室を有する弁本体と、流出孔と弁室との間に備えられたオリフィスと、オリフィスに対して進退動することにより冷媒の流量を変更する弁体と、弁体をオリフィスに向けて付勢する付勢部材と、付勢部材による付勢力に抗して弁体をオリフィスから後退させる作動棒と、作動棒を駆動する駆動部と、弁体と弁室の側壁面との間に介在され弁体の進退動に伴い弁体とともに移動し弁室の側壁面に摺動可能に接触する摺接部を有することにより弁体の振動を抑制する防振ばねとを備えている。
(【0011】以降は省略されています)

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