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公開番号
2024171776
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-12
出願番号
2023088976
出願日
2023-05-30
発明の名称
注油用ノズル、及びこのノズルを用いた注油方法
出願人
ダイハツ工業株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
F16N
21/00 20060101AFI20241205BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約
【課題】オイルの吹き返しによるオイル漏れを防止しつつ、安定した注油作業を実施可能とする。
【解決手段】この注油用ノズル10は、先端の開口部10aから軸方向の基端側に向けて延びるスリット13を有し、かつ注油作業時の位置まで注油用ノズル10を注油口2に挿入した状態で、注油対象物1の外側空間6に臨む位置までスリット14が延びている。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
注油対象物の注油口に挿入して、オイルを前記注油対象物の内側空間に注入可能な注油用ノズルであって、
先端の開口部から軸方向の基端側に向けて延びるスリットを有し、かつ
注油作業時の位置まで前記注油用ノズルを前記注油口に挿入した状態で、前記注油対象物の外側空間に臨む位置まで前記スリットが延びている、注油用ノズル。
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【請求項2】
注油対象物の注油口に注油用ノズルを挿入して、オイルを前記注油対象物の内側空間に注入する注油方法であって、
前記注油用ノズルとして、先端の開口部から軸方向の基端側に向けて延びるスリットを有し、かつ注油作業時の位置まで前記注油用ノズルを前記注油口に挿入した状態で、前記注油対象物の外側空間に臨む位置まで前記スリットが延びている注油用ノズルを用意し、
前記注油用ノズルを前記注油口に挿入して前記注油対象物の内側空間に所定量の前記オイルを注入した後、前記注油用ノズルから気体を吐出する、注油方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、注油用ノズル、及びこのノズルを用いた注油方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)
【背景技術】
【0002】
例えば自動車用トランスミッションの内部は潤滑用のオイルで満たされている(特許文献1を参照)。そのため、上記トランスミッションの製造工程には、組立て後のトランスミッションの内部にオイルを供給するための工程が設けられている。
【0003】
この注油工程では、トランスミッションの外郭(ケーシング)に設けられた注油口に、例えばホースタイプ又はガンタイプの注油用ノズルを挿入して、トランスミッションの内部に所定量のオイルを注入する。そして、所定量のオイルを注入した後、ノズルの内面に付着したオイルをエアブローで除去することで、ノズルを注油口から抜き取った際に、ノズルからオイルが垂れ落ちて、周囲に付着する事態を回避している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2002-362695号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、上述のようにオイルを注入する場合、エアブローによるオイルの吹き返しと呼ばれる現象が問題になる。この現象は、図4に示すように、注油用ノズル100をトランスミッション1の注油口2に挿入して、トランスミッション1の内側空間3に所定量のオイル4を注入する際、内側空間3の容積と、必要とされるオイル4の注入量との大小関係によっては、図4に示すように、注油用ノズル100の先端開口部100aがオイル4に浸かった状態となる。この状態で注油用ノズル100の先端開口部100aからエアを吐出した場合、オイル4が飛散し、注油用ノズル100と注油口2の内壁面2bとの隙間を通じて、トランスミッション1の外側空間6にオイル4が漏れ出す事態が起こり得る。オイル4が漏れ出した場合、オイル4のふき取りや清掃、手直しのための工数が増加する。また、オイル4が付着すべきでない箇所に付着することによる品質の低下も懸念される。
【0006】
例えば、注油用ノズル100の挿入量を少なくして、先端開口部100aの位置を高めに設定すれば、オイル4の液面4aとの間に一定の距離が保たれるので(図4中、二点鎖線で示す状態)、上述の如きオイル4の吹き返しが生じるおそれはない。ただ、挿入量が少ない場合には、注油作業時、注油用ノズル100の姿勢が安定せず、不意の振動や衝撃、又は作業者との接触により、注油用ノズル100が注油口2から抜け落ちるおそれがある。
【0007】
上述した問題は何もトランスミッションの注油作業に限ったことではなく、注油口にノズルを挿入して内側空間に所定量のオイルを注入する必要のある物品全般に対して起こり得る。
【0008】
以上の事情に鑑み、本明細書では、オイルの吹き返しによるオイル漏れを防止しつつ、安定した注油作業を実施可能とすることを、解決すべき技術課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題の解決は、本発明に係る注油用ノズルによって達成される。すなわち、このノズルは、注油対象物の注油口に挿入してオイルを注油対象物の内側空間に注入可能な注油用ノズルであって、先端の開口部から軸方向の基端側に向けて延びるスリットを有し、かつ注油作業時の位置まで注油用ノズルを注油口に挿入した状態で、注油対象物の外側空間に臨む位置までスリットが延びている点をもって特徴付けられる。
【0010】
このように、本発明に係る注油用ノズルでは、ノズル先端の開口部から軸方向の基端側に向けて延びるスリットを設けたので、注油後、オイルに代えてエアなどの気体を注油用ノズルから吐出した際、少なくとも気体の一部がスリットを介して注油用ノズルの径方向に吐出される。これにより、注油用ノズルの先端から吐出される気体を減らすことができるので、内側空間に注油されたオイルが気体の吐出により吹き上がる事態を抑制又は可及的に回避することができる。また、注油用ノズルに設けられたスリットは、注油口を越えて注油対象物の外側空間に臨む位置まで延びているため、オイルの漏れ出し防止のために、注油用ノズルと注油口との隙間を小さく設定した場合であっても、スリットを介して気体が外側に排出され得る。従って、本発明に係る注油用ノズルによれば、オイルの漏れ出しを防止しつつも、周辺にオイルが付着する事態を回避して、安定した注油作業を継続的に実施することが可能となる。
(【0011】以降は省略されています)
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