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公開番号2024171547
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-12
出願番号2023088613
出願日2023-05-30
発明の名称エンジン駆動式空気調和装置
出願人株式会社アイシン
代理人弁理士法人プロスペック特許事務所
主分類F25B 27/00 20060101AFI20241205BHJP(冷凍または冷却;加熱と冷凍との組み合わせシステム;ヒートポンプシステム;氷の製造または貯蔵;気体の液化または固体化)
要約【課題】メンテナンス時間を延長することができるように構成されたエンジン駆動式空気調和装置を提供すること。
【解決手段】エンジン駆動式空気調和装置1の制御装置は、エンジンオイルの現在劣化率α(n)を演算し(S101)、点火プラグの現在摩耗率γ(n)を演算し(S103)、エンジンオイル82の現在劣化率α(n)と点火プラグ126の現在摩耗率γ(スペインn)との差が所定値ΔS以上(S106:Yes)であり且つ現在劣化率α(n)が現在摩耗率γ(n)よりも大きい場合(S107:Yes)に点火プラグの点火時期が遅角方向に変化するように点火時期を制御し(S108)、差が所定値ΔS以上であり(S106:Yes)且つ現在摩耗率γ(n)が現在劣化率α(n)よりも大きい場合(S107:No)に点火時期tpが進角方向に変化するように点火時期tpを制御する(S109)。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
エンジンと、
前記エンジンによって駆動される圧縮機と、前記圧縮機の吐出口から前記圧縮機の吸入口へと冷媒を循環させる冷媒経路と、前記冷媒経路に介在する室外熱交換器及び室内熱交換器と、を含む冷媒回路と、
を備えるエンジン駆動式空気調和装置であって、
前記エンジン駆動式空気調和装置の運転状態を制御するための複数の制御対象を制御する制御装置と、
前記エンジン駆動式空気調和装置の運転に必要であり且つメンテナンスが必要な部品である複数のメンテナンス部品とを備え、
前記制御装置は、
前記複数の制御対象のうちの所定の制御対象が一方向に変化した場合に劣化の進行が抑制され前記一方向とは反対の方向である他方向に変化した場合に劣化の進行が促進するメンテナンス部品である第一メンテナンス部品の劣化率を演算し、
前記所定の制御対象が一方向に変化した場合に劣化の進行が促進し前記他方向に変化した場合に劣化の進行が抑制されるメンテナンス部品である第二メンテナンス部品の劣化率を演算し、
前記第一メンテナンス部品の劣化率と前記第二メンテナンス部品の劣化率との差が所定値以上であり且つ前記第一メンテナンス部品の劣化率が前記第二メンテナンス部品の劣化率よりも大きい場合に前記所定の制御対象が前記一方向に変化するように前記所定の制御対象を制御し、
前記差が前記所定値以上であり且つ前記第二メンテナンス部品の劣化率が前記第一メンテナンス部品の劣化率よりも大きい場合に前記所定の制御対象が前記他方向に変化するように前記所定の制御対象を制御する、
エンジン駆動式空気調和装置。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
請求項1に記載のエンジン駆動式空気調和装置であって、
前記第一メンテナンス部品は前記エンジンを潤滑するためのエンジンオイルであり、前記第二メンテナンス部品は前記エンジンに備えられる点火プラグであり、
前記所定の制御対象は前記点火プラグの点火時期である、
エンジン駆動式空気調和装置。
【請求項3】
請求項2に記載のエンジン駆動式空気調和装置であって、
前記制御装置は、
前記差が前記所定値以上であって、前記エンジンオイルの劣化率が前記点火プラグの劣化率よりも大きい場合に、前記点火時期が遅角するように前記点火時期を制御し、
前記差が前記所定値以上であって、前記点火プラグの劣化率が前記エンジンオイルの劣化率よりも大きい場合に、前記点火時期が進角するように前記点火時期を制御する、
エンジン駆動式空気調和装置。
【請求項4】
請求項3に記載のエンジン駆動式空気調和装置の制御装置であって、
前記制御装置は、
現時点における前記エンジンオイルの劣化率及び現時点における前記エンジンオイルの消費率を演算し、
演算した現時点における前記エンジンオイルの劣化率と現時点における前記エンジンオイルの消費率とに基づいて、前記エンジンオイルのメンテナンス条件を決定する、
エンジン駆動式空気調和装置。
【請求項5】
請求項4に記載のエンジン駆動式空気調和装置であって、
前記制御装置は、
演算した現時点における前記エンジンオイルの劣化率が所定の閾値劣化率よりも大きく且つ演算した現時点における前記エンジンオイルの消費率が所定の閾値消費率以下である場合に、前記エンジンオイルを全量交換するというメンテナンス方法を前記エンジンオイルのメンテナンス方法に決定し、
演算した現時点における前記エンジンオイルの劣化率が所定の閾値劣化率以下であり且つ演算した現時点における前記エンジンオイルの消費率が所定の閾値消費率よりも大きい場合に、前記エンジンオイルを補充するというメンテナンス方法を前記エンジンオイルのメンテナンス方法に決定し、
演算した現時点における前記エンジンオイルの劣化率が所定の閾値劣化率よりも大きく且つ演算した現時点における前記エンジンオイルの消費率が所定の閾値消費率よりも大きい場合に、前記エンジンオイルを補充し且つ強化材を追加するというメンテナンス方法を前記エンジンオイルのメンテナンス方法に決定する、
エンジン駆動式空気調和装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、エンジン駆動式空気調和装置に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
エンジン駆動式空気調和装置を構成する部品の中には、エンジン駆動式空気調和装置の運転に必要であり且つメンテナンスが必要な部品(以下、メンテナンス部品)が複数存在する。例えば、エンジンに供給されるエンジンオイルやエンジン内に設けられる点火プラグはメンテナンス部品である。
【0003】
メンテナンス部品は、エンジン駆動式空気調和装置の累積運転時間が所定のメンテナンス時間に到達した場合にメンテナンスされる。最適なメンテナンス時間はメンテナンス部品によって異なる。それぞれのメンテナンス部品に合わせて個別メンテナンス時間をそれぞれ設定した場合、累積運転時間がそれぞれの個別メンテナンス時間に到達するたびに対象となるメンテナンス部品のメンテナンスを行うためにエンジン駆動式空気調和装置の運転を停止しなければならない。これでは運転効率が悪いため、一般的には、各メンテナンス部品に最適な個別メンテナンス時間よりも短い時間がエンジン駆動式空気調和装置のメンテナンス時間(全体メンテナンス時間)に設定される。そして、エンジン駆動式空気調和装置の累積運転時間が全体メンテナンス時間に到達した場合には、全てのメンテナンス部品が一斉にメンテナンスされる。
【0004】
特許文献1は、エンジン駆動式空気調和装置のメンテナンス時期算定装置を開示する。このメンテナンス時期算定装置は、エンジン駆動式空気調和装置の運転条件及び環境条件に基づいて、エンジン駆動式空気調和装置を構成する各メンテナンス部品の各々について、個別メンテナンス時間を算出し、算出した各個別メンテナンス時間のうち最も短いメンテナンス時間をエンジン駆動式空気調和装置の全体メンテナンス時間に設定するように構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2021-8967号公報
【発明の概要】
【0006】
(発明が解決しようとする課題)
特許文献1によれば、最も短い個別メンテナンス時間をエンジン駆動式空気調和装置の全体メンテナンス時間に設定することにより、メンテナンス不足による故障を回避することができるものの、全体メンテナンス時間を延長することはできない。すなわち、メンテナンス部品の延命措置を講じることはできない。そこで、本開示は、全体メンテナンス時間を延長することができるように構成されたエンジン駆動式空気調和装置を提供することを課題とする。
【0007】
(課題を解決するための手段)
本開示に係るエンジン駆動式空気調和装置は、エンジンと、エンジンによって駆動される圧縮機と、圧縮機の吐出口から圧縮機の吸入口へと冷媒を循環させる冷媒経路と、冷媒経路に介在する室外熱交換器及び室内熱交換器と、を含む冷媒回路と、を備える。さらに、本開示に係るエンジン駆動式空気調和装置は、エンジン駆動式空気調和装置の運転状態を制御するための複数の制御対象を制御する制御装置と、エンジン駆動式空気調和装置の運転に必要であり且つメンテナンスが必要な部品である複数のメンテナンス部品を備える。そして、制御装置は、複数の制御対象のうちの所定の制御対象が一方向に変化した場合に劣化の進行が抑制され一方向とは反対の方向である他方向に変化した場合に劣化の進行が促進するメンテナンス部品である第一メンテナンス部品の劣化率を演算し、所定の制御対象が一方向に変化した場合に劣化の進行が促進し他方向に変化した場合に劣化の進行が抑制されるメンテナンス部品である第二メンテナンス部品の劣化率を演算し、第一メンテナンス部品の劣化率と第二メンテナンス部品の劣化率との差が所定値以上であり且つ第一メンテナンス部品の劣化率が第二メンテナンス部品の劣化率よりも大きい場合に所定の制御対象が一方向に変化するように所定の制御対象を制御し、第一メンテナンス部品の劣化率と第二メンテナンス部品の劣化率との差が所定値以上であり且つ第二メンテナンス部品の劣化率が第一メンテナンス部品の劣化率よりも大きい場合に所定の制御対象が他方向に変化するように所定の制御対象を制御する。
【0008】
本開示に係るエンジン駆動式空気調和装置によれば、劣化が進行しているメンテナンス部品の劣化の進行が抑制され、劣化が進行していないメンテナンス部品の劣化の進行が促進されるように、所定の制御対象が制御される。これにより、劣化が進行しているメンテナンス部品の劣化の進行が抑制され、その結果、エンジン駆動式空気調和装置の全体メンテナンス時間を延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本開示の実施形態に係るエンジン駆動式空気調和装置の概略構成の一例を示す図である。
冷却水回路の概略構成図である。
エンジンの内部構造を示す概略図である。
制御装置が実行するメンテナンス制御処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。
制御装置が実行するα(n)演算処理ルーチンを示すフローチャートである。
制御装置が実行するβ(n)演算処理ルーチンを示すフローチャートである。
制御装置が実行するγ(n)演算処理ルーチンを示すフローチャートである。
制御装置が実行する点火プラグ温度制御ルーチンを示すフローチャートである。
制御装置が実行するメンテナンス時間設定処理ルーチンを示すフローチャートである。
制御装置が実行するエンジンオイルメンテナンス方法決定処理ルーチンを示すフローチャートである。
エンジンオイルの劣化率とエンジン駆動式空気調和装置の累積運転時間との関係を示すグラフである。
点火プラグの摩耗率とエンジン駆動式空気調和装置の累積運転時間との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、本開示の実施形態に係るエンジン駆動式空気調和装置の概略構成の一例を示す図である。図1に示すように、エンジン駆動式空気調和装置1は、室外機1a及び室内機1bを備える。室外機1aは室外に設置され、室内機1bは室内に設置される。
(【0011】以降は省略されています)

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