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公開番号
2024171124
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-11
出願番号
2023088025
出願日
2023-05-29
発明の名称
望遠鏡および宇宙機システム
出願人
キヤノン電子株式会社
代理人
弁理士法人大塚国際特許事務所
主分類
G02B
23/04 20060101AFI20241204BHJP(光学)
要約
【課題】像円径を有効に使用でき、且つ主鏡の形状変化によるピントずれを良好に補正することができる望遠鏡を提供する。
【解決手段】望遠鏡の光軸上に配置され、望遠鏡に入射する光束を複数の光束に分割する複数のミラー平面を有する光束分割手段と、光束分割手段により分割された複数の光束にそれぞれ対応して、複数の光検出器を望遠鏡に装着するための装着手段と、を備える。
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
望遠鏡であって、
前記望遠鏡の光軸上に配置され、前記望遠鏡に入射する光束を複数の光束に分割する複数のミラー平面を有する光束分割手段と、
前記光束分割手段により分割された複数の光束にそれぞれ対応して、複数の光検出器を前記望遠鏡に装着するための装着手段と、
を備えることを特徴とする望遠鏡。
続きを表示(約 720 文字)
【請求項2】
前記光束分割手段は、前記複数のミラー平面を有する1つの光学素子であることを特徴とする請求項1に記載の望遠鏡。
【請求項3】
前記ミラー平面は、前記光軸に対して45°傾いていることを特徴とする請求項1に記載の望遠鏡。
【請求項4】
前記光束分割手段は、前記望遠鏡の光軸に対応する位置に、貫通穴を有することを特徴とする請求項1に記載の望遠鏡。
【請求項5】
前記光束分割手段を前記光軸に沿って移動させることにより前記複数の光検出器に対して同時にフォーカシングを行うフォーカシング手段をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の望遠鏡。
【請求項6】
前記貫通穴を通る光束の結像面に配置された第2の光検出器をさらに備えることを特徴とする請求項5に記載の望遠鏡。
【請求項7】
前記第2の光検出器は、前記フォーカシング手段により、前記光束分割手段と同じ方向に同じ量だけ移動されることを特徴とする請求項6に記載の望遠鏡。
【請求項8】
前記フォーカシング手段は、中空型のモータを備えることを特徴とする請求項5に記載の望遠鏡。
【請求項9】
前記フォーカシング手段は、超音波モータまたはステッピングモータを備えることを特徴とする請求項5に記載の望遠鏡。
【請求項10】
前記複数の光検出器の少なくともいずれかが有する位相差によりピントずれを検出する手段を用いて、前記光束分割手段のフォーカシングのための移動量を算出することを特徴とする請求項5に記載の望遠鏡。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、人工衛星に搭載される望遠鏡に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)
【背景技術】
【0002】
人工衛星などの宇宙機システムに宇宙望遠鏡を搭載し、この宇宙望遠鏡によって宇宙から地上を観測することが従来より行われている。特に宇宙望遠鏡を搭載する人工衛星は光学衛星と呼ばれている。
【0003】
従来の大型の人工衛星に対して、近年は、超小型(質量10~100kg)、小型(質量100~500kg)の人工衛星の開発が全世界で進められている。輸送ロケットの打ち上げ頻度も上がっており、人工衛星も年間100基以上が打ち上げられている。
【0004】
このように、光学衛星の超小型化、小型化が進められてきていることから、それに搭載される宇宙望遠鏡にも、光学性能が高性能であることはもちろん、軽量、安価、コンパクトといったといった光学性能以外の特性も求められている。
【0005】
宇宙望遠鏡は、光学系と検出器(カメラ)から構成される。現在発表されている超小型あるいは小型の光学衛星に搭載される宇宙望遠鏡は、光学系の口径が80~300mm程度のものが多い。しかし、より高解像に地上を撮像するには、光学系の口径を300mm~700mm程度といったように、より大きくする必要があることが知られている。
【0006】
通常、光学系の口径が100mmを超える望遠鏡では、反射型望遠鏡と言われる鏡を複数枚使った光学系が用いられる。その理由は、屈折レンズを用いた構成では、重量が大きくなり、鏡筒が長くなるのに対して、反射型望遠鏡であれば、軽量かつコンパクトにできるからである。複数枚の鏡からなる反射型望遠鏡は第1の鏡が最大径となり主鏡と呼ばれ、光学系の口径を決めている。主鏡の直径が大きくなっていっても、要求される鏡面の精度は同じである場合が多いため、口径300mm~700mm程度のように大径の主鏡を製作することは、技術的な難度が高い。しかも、この技術的難度を克服して大径の主鏡を精度良く作成できたとしても、主鏡は温度変化により鏡面の形状が変化し、大径であるほどその変化も大きい。主鏡の鏡面形状が変化すると結像位置がずれることになり、ピントずれの原因となる。
【0007】
一方、光学系の口径を大きくすると、光学系の結像面の径を示す像円径も大きくできる。例えば、口径300mm~700mmの宇宙望遠鏡では、50mm~100mm程度の像円径を得ることが可能である。撮像するための検出器には、この像円径の位置にエリアセンサやラインセンサなどの撮像素子が配置される。そのため、像円径が大きくできる場合は、望遠鏡により得られる視野を有効に利用するために、撮像素子の面積も大きくすることが望ましい。
【0008】
しかし、撮像素子は、画素サイズ、光学フィルタの構成、コストなどを考慮した上で、定型サイズのものから選択される場合が多い。そのため、望遠鏡の像円径に対応して、撮像素子の面積を自由に設定することは困難である。例えば、像円径が大きく(つまり像面の面積が大きく)、撮像素子の面積が小さい場合は、光学系により結像される視野を取りこぼすこととなる。この場合、撮像素子を複数並べて像円径を有効に使うことが考えられるが、撮像素子の実装基板が干渉することから、一つの結像平面に複数の撮像素子を隙間なく並べることは困難である。
【0009】
この対策として、例えば、特許文献1には、望遠鏡の光路に鏡を配置し分割することで、2つの撮像素子をそれぞれ異なる空間に配置する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
国際公開第2014/093769号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)
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