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公開番号2024171072
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-11
出願番号2023087947
出願日2023-05-29
発明の名称エレベーター装置及びエレベーター駆動制御方法
出願人株式会社日立製作所
代理人弁理士法人信友国際特許事務所
主分類B66B 5/02 20060101AFI20241204BHJP(巻上装置;揚重装置;牽引装置)
要約【課題】エレベーターのブレーキに適正な電圧をバッテリから供給できるようにする。
【解決手段】非常時に使用されるバッテリ2を備え、電源異常時にバッテリ2からの電源で巻上機に設置されたブレーキの開放が可能なエレベーター装置において、バッテリ2から放電される電源電圧を昇圧してブレーキに供給する電圧調整部20と、電圧調整部20の出力電圧を調整するために接続される抵抗器25,26と、抵抗器25,26の接続・非接続を選択するスイッチSW1,SW2とを備える。そして、ブレーキの開放時に必要とする電圧に基づいて、スイッチSW1,SW2により抵抗器25,26の接続・非接続を選択する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
非常時に使用されるバッテリを備え、電源異常時に前記バッテリからの電源で巻上機に設置されたブレーキの開放が可能なエレベーター装置において、
前記バッテリから放電される電源電圧を昇圧して前記ブレーキに供給する電圧調整部と、
前記電圧調整部の出力電圧を調整するために接続される抵抗器と、
前記抵抗器の接続・非接続を選択するスイッチと、を備え、
前記ブレーキの開放時に必要とする電圧により、前記スイッチにより前記抵抗器の接続・非接続を選択する
エレベーター装置。
続きを表示(約 540 文字)【請求項2】
前記抵抗器は、異なる抵抗値のものを複数用意すると共に、前記スイッチをそれぞれの抵抗器に並列接続し、
前記ブレーキの開放時に必要とする電圧により、前記スイッチにより接続状態とする前記抵抗器を選択する
請求項1に記載のエレベーター装置。
【請求項3】
前記バッテリから前記電圧調整部への電源の供給は、作業員が操作するブレーキ開放装置からの指令により行われる
請求項2に記載のエレベーター装置。
【請求項4】
前記ブレーキ開放装置は、エレベーターの乗り場に用意されたコネクタを介して接続される
請求項3に記載のエレベーター装置。
【請求項5】
非常時に使用されるバッテリを備えて、電源異常時に前記バッテリからの電源で巻上機に設置されたブレーキの開放が可能なエレベーターを制御するエレベーター制御方法であり、
バッテリから放電される電源電圧を昇圧して前記ブレーキに供給する昇圧処理と、
前記昇圧処理により得られる出力電圧を抵抗器の接続または非接続により調整する調整処理と、
前記調整処理のオン・オフを選択する選択処理と、を含む
エレベーター駆動制御方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベーター装置及びエレベーター駆動制御方法に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
エレベーターの巻上機にはブレーキが設置されている。ブレーキは、巻上機の回転部分にブレーキシューを押し付けることで、巻上機が動かないように構成されている。ブレーキシューの押し付けは、ブレーキが備える電磁コイルに規定の電流・電圧を加えることで解除され、ブレーキは、開放状態になる。したがって、停電などでエレベーターに電源が供給されない状況では、ブレーキは作動した状態になる。
【0003】
ところで、停電などが発生してエレベーターに電源が供給されない状況が発生した際に、乗りかご内に乗客がいた場合には、乗りかごを最寄り階まで運転して、乗客を救出する救出運転を行う必要がある。このため、エレベーターには非常用のバッテリが設置され、停電時にはバッテリからの電源でブレーキを開放状態にした上で、救出運転を行うようにしている。
【0004】
特許文献1には、エレベーター内の高電圧信号の自動監視を行うために、エレベーター内の高電圧を必要とする機器に設置されたセンサに過電流検出器を設け、過電流検出器が過電流を検出したとき、回路に直列に抵抗を接続して、監視回路に高電圧を印加しないようにする技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第4618959号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した救出運転用に用意されたバッテリは、比較的低圧の直流電圧を出力するものであり、バッテリの出力電圧とブレーキ装置が必要とする電圧とが相違する場合、バッテリの出力電圧を昇圧回路で昇圧した後、ブレーキの電磁コイルに供給する必要がある。
【0007】
ここで、エレベーターに設置されるブレーキ装置には、様々な形式のものが存在し、ブレーキ解除を行う際にブレーキに印加する電圧も、形式によって異なる。したがって、ブレーキに印加する電圧を昇圧する昇圧回路も、本来は、ブレーキ装置ごとに昇圧電圧が異なる複数種類のものを用意する必要があるが、昇圧回路を複数種類用意すると、エレベーター装置としての製造コストが上昇してしまうという問題がある。
【0008】
なお、特許文献1には、エレベーター内の装置で異常な電流・電圧を検出したとき、一時的に、回路に直列に抵抗を接続することで電圧を調整する技術が記載されているが、この特許文献1に記載された電圧調整技術は、監視時の測定ミスや配線ミスなどの人為ミスを回避するためのものである。したがって、特許文献1に記載された技術は、エレベーター装置の調整時の不具合発生を防止するものであり、ブレーキなどの常時使用される機器に適用される技術ではない。
【0009】
本発明は、かかる点に鑑み、ブレーキに適正な電圧をバッテリから供給することが可能なエレベーター装置及びエレベーター駆動制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、例えば請求の範囲に記載の構成を採用する。
本願は、上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、非常時に使用されるバッテリを備え、電源異常時にバッテリからの電源で巻上機に設置されたブレーキの開放が可能なエレベーター装置において、バッテリから放電される電源電圧を昇圧してブレーキに供給する電圧調整部と、電圧調整部の出力電圧を調整するために接続される抵抗器と、抵抗器の接続・非接続を選択するスイッチと、を備え、ブレーキの開放時に必要とする電圧に基づいて、スイッチにより抵抗器の接続・非接続を選択する。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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