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公開番号
2024170298
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-06
出願番号
2024079839
出願日
2024-05-16
発明の名称
金属粉末及び金属粉末の製造方法
出願人
JFEミネラル株式会社
代理人
個人
主分類
B22F
1/16 20220101AFI20241129BHJP(鋳造;粉末冶金)
要約
【課題】平均粒子径1μm以下の金属粉末で圧粉体を製造しても、渦電流損が低位でインダクタ用の磁心として使用可能な圧粉体となる金属粉末を提供する。
【解決手段】質量濃度で、Si:1.0%~13.0%、Cr:0.10%~8.00%を含有し、残部Fe及び不可避的不純物からなる金属粉末であって、金属粉末のBET法で測定した比表面積の値をX(m
2
/g)、SEM測定の個数基準一次粒子径のD50をY(μm)及び酸素含有量を質量濃度でZ(%)とすると、XとYの積(X×Y)が、1.50以下であり、ZとYの積(Z×Y)が、Cr含有量が3.50%未満の場合に、0.90~1.70であり、Cr含有量が3.50%以上の場合に、0.70~1.70であり、Yが、0.10μm~1.00μmであることを特徴とする金属粉末である。これにより、コアロスの低い圧粉体が容易に得られる。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
質量濃度で、Si:1.0%~13.0%、Cr:0.10%~8.00%を含有し、残部Fe及び不可避的不純物からなる金属粉末であって、
該金属粉末は、表面に金属酸化物被膜を有し、
前記金属粉末のBET法で測定した比表面積の値をX(m
2
/g)、SEM測定の個数基準一次粒子径のD50をY(μm)及びO(酸素)含有量を質量濃度でZ(%)とすると、
前記Xと前記Zの積(X×Y)が、1.50以下であり、
前記Zと前記Yの積(Z×Y)が、前記Cr含有量が3.50%未満の場合に、0.90~1.70であり、前記Cr含有量が3.50%以上の場合に、0.70~1.70であり、
前記Yが、0.10μm~1.00μmである
ことを特徴とする金属粉末。
続きを表示(約 940 文字)
【請求項2】
前記金属粉末が、さらに、質量濃度で、
S(硫黄):5ppm~2000ppm、
Ni:10.0%以下及び
Al:5.0%以下
のうちから選ばれた1種又は2種以上を含有する
ことを特徴とする請求項1に記載の金属粉末。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の金属粉末のみをバインダーを添加しないでプレスし圧縮成形した圧粉体を解砕した粉体の電気抵抗率が、10
5
Ω・cm以上であることを特徴とする金属粉末。
【請求項4】
質量濃度で、Si:1.0%~13.0%、Cr:0.10%~8.00%を含有し、残部Fe及び不可避的不純物からなる金属素材粉末を生成する工程(金属素材粉末生成工程)と、
前記金属素材粉末を液体中で酸化させ、前記金属素材粉末の表面を酸化物で被覆し、酸化物被覆金属粉末を形成する工程(酸化物被覆工程)と、
酸素分圧を制御した不活性ガスの雰囲気内で前記酸化物被覆金属粉末を温度制御しながら乾式攪拌する工程(乾式攪拌工程)と
を有することを特徴とする金属粉末の製造方法。
【請求項5】
前記金属粉末のBET法で測定した比表面積の値をX(m
2
/g)、SEM測定の個数基準一次粒子径のD50をY(μm)及びO(酸素)含有量を質量濃度でZ(%)とすると、
前記Xと前記Yの積(X×Y)が、1.50以下であり、
前記Zと前記Yの積(Z×Y)が、前記Cr含有量が3.50%未満の場合に、0.90~1.70であり、前記Cr含有量が3.50%以上の場合に、0.70~1.70であり、
前記Yが、0.10μm~1.00μmである
ことを特徴とする請求項4に記載の金属粉末の製造方法。
【請求項6】
前記金属素材粉末が、さらに、質量濃度で、
S(硫黄):5ppm~2000ppm、
Ni:10.0%以下及び
Al:5.0%以下
のうちから選ばれた1種又は2種以上を含有する
ことを特徴とする請求項4又は5に記載の金属粉末の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属粉末及び金属粉末の製造方法に関し、特にインダクタ向けとして好適な鉄合金からなる金属粉末及び金属粉末の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォンやタブレットPC等に代表される小型携帯機器では、高機能化・多機能化が進んでいる。それに伴い、搭載する電源回路のインダクタにも搭載台数の増加や集積回路ICの高機能化に伴う大電流化への対応という要求が強くなっている。また、携帯機器の更なる小型化・薄型化の要求に対応して、インダクタの小型化・低背化という要求も強くなっている。
【0003】
インダクタの磁心には、従来から、フェライト材料が用いられてきた。しかし、フェライトの飽和磁束密度が低いため、小型化すると飽和磁気により直流重畳特性が悪化し、大電流を流せなかった。このため、最近では、小型インダクタ用の磁心材料として、飽和磁束密度が高い鉄ベースの金属磁性微粒子である金属粉末が注目されている。さらに、インダクタを含む受動素子の小型・軽量化の実現、インダクタの磁歪などによる騒音の低下などの目的から電気回路の作動の高周波化がなされる方向にある。それに伴って、金属粉末を圧縮成形して作られる圧粉体を磁心として使用するインダクタでの渦電流損増加によるエネルギーのコアロス(「磁心損失」ともいう。)を改善することが重要である。
【0004】
例えば、特許文献1には、「軟磁性合金粉末」が開示されている。この軟磁性合金粉末は、粉末表面にアルキルシリケートの加水分解によって得られるシリカ膜又はシリカの微粒子を付着させて絶縁層を形成することで、軟磁性金合金末を圧縮成形して作られる圧粉体の比抵抗が増加し、渦電流損が低減することが記載されている。
【0005】
また、特許文献2には、「Si酸化膜被覆軟磁性粉末」が開示されている。このSi酸化膜被覆軟磁性粉末は、鉄粉末の表面にSi、Fe及びOからなるSi-Fe-O三元系酸化物の拡散層を介してSiOx(x=1~2)堆積酸化膜が形成されている。Si-Fe-O三元系酸化物の拡散層は、鉄粉末との界面ではFeの濃度が高くかつSiの濃度が低く、SiOx(x=1~2)堆積酸化膜との界面ではFeの濃度が低くかつSiの濃度が高くなっている濃度勾配を有している。これにより、軟磁性粉末表面に酸化膜が強固に密着し、従来の軟磁性材を製造する工程で、プレス成形中にシリケート膜が剥離したり破れたりして十分な絶縁効果が発揮できず、十分な高比抵抗が得られないという欠点を解決することが記載されている。
【0006】
また、特許文献3には、「軟磁性粉末材料」が開示されている。この軟磁性粉末材料は、Feを主成分とする鉄粉粒子の表面に被覆されたシリコン酸化物を主成分とする被覆層を具備することを特徴とするものである。これにより、軟磁性粉末材料を使用した軟磁性成形体の比抵抗を高め、交流磁場で使用される場合であっても軟磁性成形体に発生する渦電流を抑えることができ、渦電流によるエネルギー損失を抑えられることが記載されている。
【0007】
また、特許文献4には、「軟磁性材料粉末」が開示されている。この軟磁性材料粉末は、Fe系の軟磁性材料を含むコアとその表面を被覆する絶縁膜を有し、絶縁膜には無機酸化物と水溶性高分子とを含有する、軟磁性材料粒子を含むものである。この軟磁性材料粉末を使用して磁心に成形することで十分な密度が得られ磁心の透磁率を高くすることができると共に、軟磁性材料粉末に含まれる絶縁膜及び結合剤によって高い電気抵抗を有する磁心を得ることができることが記載されている。
【0008】
さらに、特許文献5には、インダクタ向けとして好適な「金属粉末」が開示されている。この金属粉末は、Si:1.0~13.0質量%、Cr:0.10~8.00質量%を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる金属粉末であり、金属粉末表面に金属酸化物の絶縁被膜を有している。さらに、金属粉末の個数基準一次粒子径D50(X)が0.10~1.50μmで、体積基準二次粒子径D50(Yμm)としたとき、YとXの比(Y/X)が1.50以下であることを特徴としている。これにより、低保磁力、高飽和磁化で、耐錆性に優れた金属粉末が得られ、さらに、コアロスの低い圧粉体が容易に得られることが記載されている。
【0009】
また、特許文献6には、「軟磁性粒子粉末」が開示されている。これは、軟磁性金属粒子粉末と酸化物微粒子とをプレミックスした後、圧縮・せん断力よりなる機械的エネルギーを作用させて軟磁性金属粒子粉末の粒子表面に絶縁層を形成することを特徴としている。これにより、軟磁性金属粒子表面への密着性に優れた均一な絶縁層を形成することのできることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
特開2003-282317号公報
特開2007-123703号公報
特開2007-254768号公報
国際公開WO2016/056351号公報
特開2022-119746号公報
特許第5310988号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)
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