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公開番号2024170283
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-06
出願番号2024024096
出願日2024-02-20
発明の名称セラミックスヒータ
出願人日本特殊陶業株式会社
代理人個人,個人
主分類H01L 21/683 20060101AFI20241129BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】セラミックス基材の凸部の配置やセラミックス基材の上面の断面形状に起因して、円周状又は円弧状にヒートスポットが発生することを抑制するための技術を提供する。
【解決手段】
セラミックス基材110の上面111は、複数の凸部156が同心円状に配置されている。セラミックス基材110の外径の15%~85%の円環状の範囲に設けられた一部の複数の凸部156について、上下方向5の座標の平均値をZ(mm)とし、同心円の半径をr(mm)とし、隣接する同心円の半径との差をΔr(mm)としたとき、Δ2Z/(Δr)2の絶対値が10-5以下である、または、10-4/Δr以下である。
【選択図】 図2
特許請求の範囲【請求項1】
上面、及び、前記上面と上下方向において対向する下面を有する円板状のセラミックス基材と、
前記セラミックス基材に埋設された、又は前記セラミックス基材の前記下面に配置された発熱体と、を備え、
前記セラミックス基材は、
前記セラミックス基材の前記上面よりも上方に突出し、且つ、前記セラミックス基材の前記上面に同心円状に配置された複数の凸部を備え、
前記複数の凸部のうち、前記セラミックス基材の前記上面の、前記セラミックス基材の外径の15%~85%の円環状の範囲に設けられた、一部の複数の凸部について、
前記一部の複数の凸部は、前記セラミックス基材の中心側から外周側に向かってn個(n≧2)の同心円を有するように配置されており、
第(n-1)番目の同心円における、前記凸部の前記上下方向の座標の平均値をZ(mm)、同心円の半径をr(mm)とし、
第n番目の同心円の半径と第(n-1)番目の同心円の半径との差をΔr(mm)としたとき、
前記一部の複数の凸部の、前記平均値Z(mm)の半径方向の変化率(ΔZ/Δr)の変化率(Δ(ΔZ/Δr)/Δr=Δ

Z/Δr

)の絶対値が、
10
-5
以下である、又は、10
-4
/Δr以下であることを特徴とするセラミックスヒータ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、シリコンウェハ等の基板を保持して加熱するセラミックスヒータに関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1には、内部に発熱体が埋設されたセラミックスヒータが開示されている。特許文献1に記載のセラミックスヒータの、基板が載置されるセラミックス基材の表面(加熱面)には、基板との接触面積を小さくするためや基板とセラミックス基材の表面によって画定される空間にガスを流す目的のため、複数の凸部(エンボス部)が形成されている。
【0003】
一般に、セラミックスヒータにおいては、載置された基板の一部にヒートスポットが形成されることがある。特許文献1においては、ヒートスポットと重なる領域の複数の凸部の数を減らすことにより、ヒートスポットの抑制を図っていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2002-124367号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
複数の凸部が円周状に配置されている場合や、セラミックス基材の上面が凹状や凸状に加工されている場合において、セラミックス基材の凸部の配置やセラミックス基材の上面の断面形状に起因して、円周状又は円弧状にヒートスポットが生じることがある。特許文献1に記載のセラミックスヒータにおいては、このようなヒートスポットの発生を抑制することが困難であった。
【0006】
本発明は、かかる事情を鑑みてなされたものであり、セラミックス基材の凸部の配置やセラミックス基材の上面の断面形状に起因して、円周状又は円弧状にヒートスポットが発生することを抑制するための技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の態様に従えば、上面、及び、前記上面と上下方向において対向する下面を有する円板状のセラミックス基材と、
前記セラミックス基材に埋設された、又は前記セラミックス基材の前記下面に配置された発熱体と、を備え、
前記セラミックス基材は、
前記セラミックス基材の前記上面よりも上方に突出し、且つ、前記セラミックス基材の前記上面に同心円状に配置された複数の凸部を備え、
前記複数の凸部のうち、前記セラミックス基材の前記上面の、前記セラミックス基材の外径の15%~85%の円環状の範囲に設けられた、一部の複数の凸部について、
前記一部の複数の凸部は、前記セラミックス基材の中心側から外周側に向かってn個(n≧2)の同心円を有するように配置されており、
第(n-1)番目の同心円における、前記凸部の前記上下方向の座標の平均値をZ(mm)、同心円の半径をr(mm)とし、
第n番目の同心円の半径と第(n-1)番目の同心円の半径との差をΔr(mm)としたとき、
前記一部の複数の凸部の、前記平均値Z(mm)の半径方向の変化率(ΔZ/Δr)の変化率(Δ(ΔZ/Δr)/Δr=Δ

Z/Δr

)の絶対値が、
10
-5
以下である、又は、10
-4
/Δr以下であることを特徴とするセラミックスヒータが提供される。なお、ΔZは、第n番目の同心円における、前記凸部の前記上下方向の座標の平均値から第n―1番目の同心円における、前記凸部の前記上下方向の座標の平均値の差である。また、一部の複数の凸部のうち、第n番目の上下方向の座標が第n―1番目または第n+1番目の上下方向の座標に対し意図的に5μm以上小さく設けられている箇所は除かれる。意図的とはそのように設計されたことをいう。5μmより小さいと、意図的に小さく設けられた凸部にも基板が接触し、意図しない局所的なホットスポットやコールドスポットが生じる恐れがあるからである。またこの際、Δrは除外される同心円と隣り合う同心円の半径の差となる。
【発明の効果】
【0008】
上記構成において、セラミックス基材の外径の15%~85%の円環状の範囲に設けられた一部の複数の凸部はセラミックス基材の中心側から外周側に向かってn個(n≧2)の同心円を有するように配置されている。第(n-1)番目の同心円における、凸部のZ座標の平均値をZ(mm)とし、第(n-1)番目の同心円の半径をr(mm)とし、第n番目の同心円の半径と第(n-1)番目の同心円の半径との差をΔr(mm)としたとき、Δ

Z/(Δr)

の絶対値が10
-5
以下である、または、10
-4
/Δr以下である。このような関係が満たされている場合には、円周状又は円弧状にヒートスポットが発生することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、セラミックスヒータ100の上面図である。
図2は、セラミックスヒータ100の概略説明図である。
(a)~(c)は、セラミックス基材110の断面の概略説明図である。
(a)、(b)は、複数の凸部156の頂面の断面の概略説明図である。
図5は、電極120の概略説明図である。
図6は、ヒータ電極122の概略説明図である。
(a)~(e)は、セラミックス基材110の製造方法の流れを示す図である。
(a)~(d)は、セラミックス基材110の別の製造方法の流れを示す図である。
図9は実施例1の結果をまとめた表である。
図10は実施例2の結果をまとめた表である。
図11は実施例3の結果をまとめた表である。
図12は実施例4の結果をまとめた表である。
図13は比較例1の結果をまとめた表である。
図14は比較例2の結果をまとめた表である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<セラミックスヒータ100>
本発明の実施形態に係るセラミックスヒータ100について、図1、2を参照しつつ説明する。本実施形態に係るセラミックスヒータ100は、例えば、半導体製造装置の内部でシリコンウェハなどの半導体ウェハ(以下、単にウェハ10という)を保持し加熱するために用いられる。以下の説明においては、セラミックスヒータ100が使用可能に設置された状態(図2の状態)を基準として上下方向5が定義される。図2に示されるように、本実施形態に係るセラミックスヒータ100は、セラミックス基材110と、電極120と、給電線140、141とを備える。
(【0011】以降は省略されています)

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