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公開番号2024169935
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-06
出願番号2023086808
出願日2023-05-26
発明の名称除電装置を含む画像形成装置、その制御方法及びプログラム
出願人キヤノン株式会社
代理人弁理士法人ひのき国際特許事務所
主分類B65H 5/00 20060101AFI20241129BHJP(運搬;包装;貯蔵;薄板状または線条材料の取扱い)
要約【課題】複数種類のシートに対してユーザーの要望に応じてハードウェア的又はソフトウェア的に適切且つ容易に除電バイアスの調整値を設定して除電処理を実行する画像形成装置が望まれていた。
【解決手段】除電装置200-3aと印刷装置100を備えた画像形成装置1000であって、受信した印刷ジョブに係るシートの除電制御に関する情報を、前記情報を管理する管理手段211から取得する取得手段S903と、前記取得手段により取得した情報に基づいて除電バイアスの調整値を前記除電装置に設定する設定手段S909,S918を有し、前記設定手段は、前記取得手段により取得した情報の除電バイアスの調整に関する情報がハードウェアの設定を優先する旨の情報であった場合はS907、前記除電装置の調整ダイヤルの値を除電バイアスの調整値として設定しS909、前記取得手段により取得した情報の除電バイアスの調整に関する情報が除電バイアスの調整値であった場合は、該除電バイアスの調整値を設定するS918ことを特徴とする。
【選択図】図9A
特許請求の範囲【請求項1】
除電装置と印刷装置を備えた画像形成装置であって、
受信した印刷ジョブに係るシートの除電制御に関する情報を、前記情報を管理する管理手段から取得する取得手段と、
前記取得手段により取得した情報に基づいて除電バイアスの調整値を前記除電装置に設定する設定手段を有し、
前記設定手段は、
前記取得手段により取得した情報の除電バイアスの調整に関する情報がハードウェアの設定を優先する旨の情報であった場合は、前記除電装置の調整ダイヤルの値を除電バイアスの調整値として設定し、
前記取得手段により取得した情報の除電バイアスの調整に関する情報が除電バイアスの調整値であった場合は、該除電バイアスの調整値を設定する
ことを特徴とする画像形成装置。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記取得手段は、前記印刷ジョブにおいてシートの種類が変るごとに、シートの除電制御に関する情報を管理手段から取得することを
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記取得手段により取得した情報の除電バイアスの調整に関する情報が除電バイアスの調整値であった場合は、印刷ジョブを一時停止して、ユーザーに前記取得した除電バイアスの調整値に基づいて除電設定を行う旨を報知する画面を表示する第1の表示手段を有する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記取得手段により取得した情報の除電バイアスの調整に関する情報がハードウェアの設定を優先する旨の情報であった場合であって、前記除電装置の除電設定が無効であった場合は、印刷ジョブを一時停止して、ユーザーに前記除電装置の除電設定が無効である旨を報知する画面を表示する第2の表示手段を有する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
除電装置と印刷装置を備えた画像形成装置であって、
受信した印刷ジョブに係るシートの除電制御に関する情報であるシートデータを管理する管理手段から取得する取得手段と、
前記取得手段により取得した情報のシートの環境変動による影響に関する情報が、影響が大きい旨であった場合は、印刷ジョブの開始を保留し、ユーザーに除電設定の確認を促す画面を表示する表示手段を有する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
除電装置と印刷装置を備えた画像形成装置の制御方法であって、
受信した印刷ジョブに係るシートの除電制御に関する情報を、前記情報を管理する管理手段から取得する取得工程と、
前記取得工程において取得した情報に基づいて除電バイアスの調整値を設定する設定工程を有し、
前記設定工程は、
前記取得工程において取得した情報の除電バイアスの調整に関する情報がハードウェアの設定を優先する旨の情報であった場合は、前記除電装置の調整ダイヤルの値を除電バイアスの調整値として設定し、
前記取得工程において取得した情報の除電バイアスの調整に関する情報が除電バイアスの調整値であった場合は、該除電バイアスの調整値を除電バイアスの調整値として設定する
ことを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項7】
請求項6に記載の画像形成装置の制御方法を、コンピュータに実行させるためのプログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、帯電したシートを除電する除電装置を含む画像形成装置及びその制御方法及びプログラムに関する。
続きを表示(約 4,600 文字)【背景技術】
【0002】
印刷作業に用いる記録媒体(以下「シート」という。)は、電子写真プロセスの過程における残荷電、もしくはシート搬送中に生じる搬送ローラーやガイドとの僅かな摩擦により、静電気を帯びた状態で搬送される。そしてこの静電気により、シート同士が貼り付いてしまうことがある。また、埃や紙粉が成果物に付着することによる成果物品質の低下を引き起こす。
ここで、普通紙等はシート自体が持つ電気抵抗が低く、シート内で電荷が移動しやすいため、帯電量自体も小さく解消も早い。一方、厚紙や合成紙、コート紙といった合成樹脂(プラスチック)を用いたシートは、シートが持つ電気抵抗が高く、シート内での電荷移動が起こりにくい。そのため、結果として合成紙やコート紙のようなシートほど帯電しやすく、電荷が残りやすいという傾向がある。また、環境、特に湿度の影響を受けやすく、湿度が低い環境ほど空気中への放電量が減る影響で、静電気を帯びやすくなることが一般的に知られている。水分含有量の多い普通紙等は湿度の影響を受けやすいものの帯電量自体は少ない一方、水分含有量の少ない合成樹脂を用いたシートは湿度の影響を受けにくいが帯電の影響は起こりやすい。
仮にシート同士が貼り付いた状態で後処理を行うと、シートの整合処理に影響を及ぼし、後処理の品質が低下するばかりか、後処理時の給紙不良や搬送不良によるJAMを誘発し、シートや機器へダメージを与えかねない。
そのため、このようなリスクを発生させないよう、後処理の実施前に、印刷工程後のシートの静電気を除電することが望ましい。そこで、シート搬送方向の下流に位置する搬送ローラー対に対して電圧を印加することで、シートに帯電した電荷を打ち消す手法などが提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平11-258881号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
搬送ローラーに電圧を印加した構成(以下「除電ローラー」という。)による除電は、シートに帯電している電荷と逆の電荷を、除電ローラーを介してシートに与えることにより、帯電している静電気を打ち消すものである。そのため、除電ローラーによる除電制御(除電ローラーへの、シートと逆電荷の印加)は、シートの帯電量に合わせて実施される必要がある。これは、湿度といった印刷環境やシートの銘柄ごとに、最適な除電用の電荷調整値というものが存在するからである。
最適な除電調整に関して、ハード的に調整可能な構成とすると、調整結果を確認しながら直接調整可能となり調整が容易となる。しかし、複数種類のシートに対応可能なハード調整機能を用意することは操作性の観点から難しいため単一シートに対する調整を想定することになる。一方、ソフト的に調整可能な構成とすると、複数種類のシートに対応可能となる一方で、普通紙のように環境影響を受けやすく頻繁に調整を行いたい場合には調整に手間がかかるようになる。この2つの構成を使い勝手よく両立させることが望まれる。
本発明は、複数種類のシートに対してユーザーの要望に応じてハードウェア的又はソフトウェア的に適切且つ容易に除電バイアスの調整値を設定して除電処理を実行する仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、除電装置と印刷装置を備えた画像形成装置であって、受信した印刷ジョブに係るシートの除電制御に関する情報を、前記情報を管理する管理手段から取得する取得手段と、前記取得手段により取得した情報に基づいて除電バイアスの調整値を前記除電装置に設定する設定手段を有し、前記設定手段は、前記取得手段により取得した情報の除電バイアスの調整に関する情報がハードウェアの設定を優先する旨の情報であった場合は、前記除電装置の調整ダイヤルの値を除電バイアスの調整値として設定し、前記取得手段により取得した情報の除電バイアスの調整に関する情報が除電バイアスの調整値であった場合は、該除電バイアスの調整値を設定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば複数種類のシートに対してユーザーの要望に応じてハードウェア的又はソフトウェア的に適切且つ容易に除電バイアスの調整値を設定して除電処理を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本実施形態における最小のシステム構成図
印刷装置のソフトウェアブロック図
画像形成装置の断面図
印刷装置に具備された操作部の図
除電装置のソフトウェアブロック図
除電装置に具備された操作部の図
除電処理の説明模式図
シートデータ管理手段を介したシートデータベース参照、変更画面の図
各ページのシートに応じた除電制御処理のフローチャート
除電制御処理のフローチャート
印刷継続の可否をユーザーに問う画面の図
環境変動の影響を考慮した除電制御処理のフローチャート
除電設定の確認をユーザーに問う印刷開始確認画面の図
【発明を実施するための形態】
【0008】
[実施形態1]
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。
なお、以下の実施の形態には特許請求の範囲係る発明を限定するものでなく、まった実施の形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須のものとは限らない。
図1は本実施形態の最も簡単な構成であり、画像形成装置1000、クライアントコンピュータ102(以下「PC102」という。)を有し、それらは相互にネットワーク101を介して接続されている。そして、PC102はネットワーク101を介して、画像形成装置1000へ印刷ジョブであるPDL(ページ記述言語)コードデータを送信することが可能である。
【0009】
次に、図2のシステムブロック図を用いて画像形成装置1000の説明を行う。画像形成装置1000は、図中点線で囲まれた部分である印刷装置100と、シート処理装置200とを有する。なお、印刷装置100には、任意の台数のシート処理装置200を接続することができる。また、本実施形態では、印刷装置100として、コピー機能及びプリンタ機能等、複数の機能を有するMFP(Multi Function Peripheral)を例に取り説明する。しかしながら、印刷装置100は、コピー機能のみ、あるいは、プリンタ機能のみの単一機能型の印刷装置であってもよい。本実施形態では、一例として、画像形成装置1000が以下に説明する各種構成要件を具備するものとする。
画像形成装置1000は、印刷装置100で印刷されたシートに対するシート処理を、印刷装置100に接続されたシート処理装置200により実行できるように構成されている。ただし、シート処理装置200を接続せずに印刷装置100のみで画像形成装置1000を構成することも可能である。シート処理装置200は、印刷装置100と通信可能に構成され、印刷装置100からの指示を受け、後述するようなシート処理を実行することができる。
スキャナ部201は、原稿上の画像を読み取り、これを画像データに変換し、他のユニットに転送する。
外部I/F202は、ネットワーク101に接続された他の装置との間でデータの送受信を行う。
プリンタ部203は、入力された画像データに基づく画像をシート上に印刷する。
操作部204は図4のような構成となっており、ハードキー入力部(キー入力部)402や、タッチパネル部401を有し、それらを介してユーザーからの指示を受付ける。また、操作部204は、操作部204が有するタッチパネル部401に各種表示を行う。
【0010】
制御部205は、画像形成装置1000が有する各種ユニットの処理や動作等を統括的に制御するもので、具体的にはCPUである。即ち、印刷装置100及び印刷装置100に接続されたシート処理装置200の動作も制御する。
ROM207は、制御部205によって実行される各種コンピュータプログラムを記憶する。例えば、ROM207は、後述するフローチャートの各種処理を制御部205に実行させる為のプログラムや、後述する各種設定画面を表示するために必要な表示制御プログラムを記憶する。また、ROM207は、PC102から受信したPDLコードデータを、制御部205が解釈し、ラスタイメージデータに展開する動作を実行するためのプログラムを記憶する。他にも、ROM207は、ブートシーケンスやフォント情報等を記憶する。
RAM208は、スキャナ部201や外部I/F202から送られてきた画像データやPDLコードデータ、ROM207からロードされた各種プログラム、設定情報を記憶する。またRAM208は、シート処理装置200に関する情報(印刷装置100に接続されている各シート処理装置200の種類や機能に関する情報等)を記憶する。制御部205は、RAM208に記憶されたこれらシート処理装置200に関する情報を制御に利用することができる。
HDD(ハードディスクドライブ)209は、ハードディスクとハードディスクへのデータの読み書きを行う駆動部等で構成される。HDD209は、スキャナ部201から入力され、圧縮伸張部210によって圧縮された画像データを記憶する為の大容量の記憶装置である。制御部205は、ユーザーからの指示に基づいて、HDD209に格納された画像データをプリンタ部203によって印刷することができる。また、HDD209はスプーラとしても用いられ、制御部205はPC102から受信したPDLコードデータを印刷ジョブとして管理し、HDD209に格納することができる。また、制御部205は、HDD209に格納されている印刷ジョブの管理を行うことができ、格納されている印刷ジョブの個数や、印刷ジョブになされている設定情報を取得することも可能である。
圧縮伸張部210は、JBIGやJPEG等といった各種圧縮方式によってRAM208、HDD209に記憶されている画像データ等の圧縮・伸張動作を行う。
シートデータ管理部211は、シートを印刷する際に用いる制御パラメータの情報や、除電制御パラメータの優先情報や、環境変動影響情報を、シート種類毎、更にはシートの銘柄毎に管理している。制御パラメータを例示すると、シートの坪量、表面性、転写時の電圧調整値、除電制御時の除電バイアスの調整値等の情報である。なお、ブロック図としてはこのように記載しているが、シートデータ管理部211の実体は用紙情報テーブル格納されたデータベースであり、当該データベース自体は、HDD209に格納されている。
用紙情報テーブルの具体例を表1に示す。
(【0011】以降は省略されています)

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