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公開番号2024169603
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-05
出願番号2024162518,2020093133
出願日2024-09-19,2020-05-28
発明の名称熱可塑性樹脂組成物
出願人花王株式会社
代理人個人
主分類C08L 101/00 20060101AFI20241128BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】本発明は、制振性に優れる新たな熱可塑性樹脂組成物及びその製造方法、熱可塑性樹脂の制振性向上用の添加剤、並びに当該熱可塑性樹脂組成物を含む制振材料に関する。
【解決手段】熱可塑性樹脂と、高分子グラフト鎖が粒子表面に結合した複合粒子とを含む、熱可塑性樹脂組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
熱可塑性樹脂と、高分子グラフト鎖が粒子表面に結合した複合粒子とを含み、高分子グラフト鎖のグラフト密度が、0.001鎖/nm

以上5鎖/nm

以下である、熱可塑性樹脂組成物。
続きを表示(約 920 文字)【請求項2】
前記熱可塑性樹脂組成物における複合粒子の配合量が、熱可塑性樹脂100質量部に対して、1質量部以上300質量部以下である、請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
【請求項3】
前記熱可塑性樹脂組成物における熱可塑性樹脂の配合量が、30質量%以上95質量%以下である、請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
【請求項4】
熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、及びABS樹脂からなる群より選択される1種又は2種以上の樹脂である、請求項1~3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
【請求項5】
粒子が、金属酸化物、金属酸化物塩、金属水酸化物又は金属炭酸塩である、請求項1~4のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
【請求項6】
高分子グラフト鎖が、スチレン系モノマー、ニトリル系モノマー、(メタ)アクリル系モノマー、不飽和オレフィン、及び共役ジエン系モノマーからなる群より選択される1種又は2種以上のモノマーからなるポリマーである、請求項1~5のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
【請求項7】
高分子グラフト鎖のガラス転移温度が-30℃以上80℃以下である、請求項1~6のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
【請求項8】
前記熱可塑性樹脂組成物における複合粒子の高分子グラフト鎖の含有量が、熱可塑性樹脂100質量部に対して、1質量部以上100質量部以下である、請求項1~7のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
【請求項9】
粒子表面に高分子グラフト鎖を結合させる工程、及び熱可塑性樹脂と、高分子グラフト鎖が粒子表面に結合した複合粒子とを溶融混練する工程を含み、
下記工程1及び工程2を含む、熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
工程1:重合開始基を粒子表面に結合させる工程
工程2:表面に重合開始基を有する粒子とモノマーとをリビングラジカル重合条件下で接触させる工程
【請求項10】
更に、成形加工工程を含む、請求項9に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、熱可塑性樹脂組成物及びその製造方法、熱可塑性樹脂の制振性向上用の添加剤、並びに当該熱可塑性樹脂組成物を含む制振材料に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
近年、各種機器の振動対策が要求されるようになっており、特に、自動車、家電製品、精密機器などの分野において必要とされている。一般的に、制振性の高い材料としては、金属板とゴム、アスファルト等の振動吸収素材を貼り合わせた材料や、あるいは金属板で振動吸収素材を挟み込んだ制振鋼板のような複合型材料が挙げられる。これらの制振材料は高剛性の金属板で形を保持し、振動吸収素材で振動を吸収する。また金属のみでも、双晶や強磁性を利用して運動エネルギーを熱エネルギーに転化させ振動を吸収する合金型材料が挙げられる。ただし複合型材料は異なった素材を貼り合わせるために成形加工性に制限があり、かつ金属鋼板を用いているため、製品自体が重くなる問題があった。また合金型材料も金属のみを用いているため重く、更に制振性能としては不十分であった。
【0003】
このような従来技術に対して、振動抑制機能を有する機能性樹脂組成物が提案されている。例えば、特許文献1には、結晶性ポリプロピレン(PP)に、高密度ポリエチレン(PE)、芳香族炭化水素樹脂が添加・混合された樹脂成分に、補強性無機充填剤が配合されたポリプロピレン系樹脂組成物で成形されてなる制振性樹脂成形品において、前記樹脂組成物が、樹脂成分として、更に、芳香族ビニル-共役ジエン系ブロック共重合体の水素添加物を添加・混合したものであることを特徴とする制振性樹脂成形品が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平5-331329号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、制振性に優れる新たな熱可塑性樹脂組成物及びその製造方法、熱可塑性樹脂の制振性向上用の添加剤、並びに当該熱可塑性樹脂組成物を含む制振材料に関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、下記[1]~[4]に関する。
[1]熱可塑性樹脂と、高分子グラフト鎖が粒子表面に結合した複合粒子とを含む、熱可塑性樹脂組成物。
[2]熱可塑性樹脂と、高分子グラフト鎖が粒子表面に結合した複合粒子とを溶融混練する工程を含む、熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
[3]高分子グラフト鎖が粒子表面に結合した複合粒子を含む、熱可塑性樹脂の制振性向上用の添加剤。
[4]熱可塑性樹脂と、高分子グラフト鎖が粒子表面に結合した複合粒子とを含む、[1]に記載の熱可塑性樹脂組成物を含む、制振材料。
[5]熱可塑性樹脂と、高分子グラフト鎖が粒子表面に結合した複合粒子とを含む、制振材料。
[6]熱可塑性樹脂と、高分子グラフト鎖が粒子表面に結合した複合粒子とを溶融混練する工程を含む、制振材料の製造方法。
[7]高分子グラフト鎖が粒子表面に結合した複合粒子の、熱可塑性樹脂の制振性向上のための使用。
[8]高分子グラフト鎖が粒子表面に結合した複合粒子を使用する、熱可塑性樹脂の制振性向上方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、制振性に優れる新たな熱可塑性樹脂組成物及びその製造方法、熱可塑性樹脂の制振性向上用の添加剤、並びに当該熱可塑性樹脂組成物を含む制振材料を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明者らは、熱可塑性樹脂組成物に添加するエラストマーと充填剤との間で何らかの結合を生じさせ、これらの界面を強化することで、制振性が向上することを新たに見出した。このメカニズムは定かではないが、エラストマーと充填剤との界面を強化することで、エラストマーでの歪みエネルギーを増大させることができるためと推定される。また、本発明者らは、エラストマーと充填剤とが結合した複合粒子として、充填剤として使用される粒子の表面の重合開始点からエラストマーに相当する高分子グラフト鎖を重合するGrafting from法により得られた複合粒子を用いることで、優れた制振性が得られることについても新たに見出した。これは、Grafting from法により、高分子グラフト鎖が高密度で粒子表面に結合することで、これらの界面を顕著に強化することができるためと推定される。
【0009】
[熱可塑性樹脂組成物]
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂と、高分子グラフト鎖が粒子表面に結合した複合粒子とを含む。
【0010】
[熱可塑性樹脂]
熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ABS樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂などが挙げられる。このうち、成形性など、得られる樹脂組成物の取り扱い容易性の観点から、好ましくはポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、及びABS樹脂から選ばれる群よりなる1種又は2種以上、より好ましくはポリオレフィン樹脂から選ばれる群よりなる1種又は2種以上、更に好ましくはポリプロピレン樹脂である。
(【0011】以降は省略されています)

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