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公開番号
2024169018
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-05
出願番号
2023086187
出願日
2023-05-25
発明の名称
培養上清液の製造方法
出願人
株式会社U-Factor
代理人
弁理士法人プロテクトスタンス
主分類
C12N
5/0775 20100101AFI20241128BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】 有効成分を高濃度に含む培養上清液を大量に作製する、培養上清液の製造方法を提供する。
【解決手段】 培養上清液の製造方法は、(a)担体、間葉系幹細胞、及び血清を含む培養液(以下、FBS-DMEM)を培養槽に供給する工程と、(b)間葉系幹細胞を担体へ接着させる工程と、(c)FBS-DMEMを使って間葉系幹細胞を培養する工程と、(d)フィルタ内に担体に接着した間葉系幹細胞を残し、FBS-DMEMを除去する工程と、(e)培養槽、担体に接着した間葉系幹細、及びフィルタを洗浄する工程と、(f)血清を含まない上清液用の培養液(以下、CM-DMEM)を培養槽に供給する工程と、(g)CM-DMEMを使って間葉系幹細胞を培養する工程と、(h)フィルタ内に担体に接着した間葉系幹細胞を残し、CM-DMEMを回収する工程と、を備える。
【選択図】 図3
特許請求の範囲
【請求項1】
間葉系幹細胞を培養した培養液から前記間葉系幹細胞を除去した培養上清液の製造方法であって、
(a) 担体、前記間葉系幹細胞、及び血清を含む培養液(以下、FBS-DMEM)を培養槽に供給する工程と、
(b) 前記(a)工程後、前記間葉系幹細胞を前記担体へ接着させる工程と、
(c) 前記FBS-DMEMを使って前記間葉系幹細胞を培養する工程と、
(d) フィルタ内に前記担体に接着した前記間葉系幹細胞を残し、前記FBS-DMEMを除去する工程と、
(e) 前記(c)工程後、前記培養槽、前記担体に接着した前記間葉系幹細、及び前記フィルタを洗浄する工程と、
(f) 前記(d)工程後、血清を含まない上清液用の培養液(以下、CM-DMEM)を培養槽に供給する工程と、
(g) 前記CM-DMEMを使って前記間葉系幹細胞を培養する工程と、
(h) 前記フィルタ内に前記担体に接着した前記間葉系幹細胞を残し、前記CM-DMEMを回収する工程と、
を備える培養上清液の製造方法。
続きを表示(約 900 文字)
【請求項2】
前記(b)工程は、前記担体が前記FBS-DMEM中に浮遊するように前記FBS-DMEMが攪拌される第一期間と、攪拌を止める第二期間とを有する、請求項1に記載の培養上清液の製造方法。
【請求項3】
前記(c)工程は、前記担体が前記FBS-DMEM中に浮遊するように前記FBS-DMEMが攪拌される、請求項1に記載の培養上清液の製造方法。
【請求項4】
前記(g)工程は、前記担体が前記CM-DMEM中に浮遊するように、前記CM-DMEMが攪拌される、請求項1に記載の培養上清液の製造方法。
【請求項5】
前記フィルタのメッシュサイズが、70メッシュから400メッシュである、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の培養上清液の製造方法。
【請求項6】
前記(a)工程から前記(e)工程後に、前記(f)工程、前記(g)工程及び前記(h)工程が連続して繰り返される、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の培養上清液の製造方法。
【請求項7】
前記(f)工程、前記(g)工程及び前記(h)工程が2回から4回連続して繰り返される、請求項6に記載の培養上清液の製造方法。
【請求項8】
回収した前記CM-DMEMに、サイトカイン及びエクソソームの少なくとも一方が所定値よりも少ない場合に、前記(c)工程及び前記(e)工程が一度だけ行われ、
回収した前記CM-DMEMに、サイトカイン及びエクソソームの少なくとも一方が所定値よりも多い場合に、前記(f)工程、前記(g)工程及び前記(h)工程が連続して繰り返される、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の培養上清液の製造方法。
【請求項9】
前記間葉系幹細胞が不死化された幹細胞である、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の培養上清液の製造方法。
【請求項10】
不死化された前記幹細胞が乳歯歯髄幹細胞である、請求項9に記載の培養上清液の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、幹細胞の培養上清液を製造する製造方法に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)
【背景技術】
【0002】
間葉系幹細胞を使った医療においては、幹細胞自体が治療効果をもたらすだけでなく、幹細胞が分泌するサイトカインやエクソソーム等の種々の生理活性物質が治療効果に大きく寄与していることが分かっている。間葉系幹細胞を人工的に培養すると、培養液中に細胞からこれらのサイトカイン等が放出されることから、間葉系幹細胞を除去した培養液を培養上清液として回収し有効利用することができる。
【0003】
特許文献1には、透過性膜中空糸の内表面に播種した間葉系幹細胞に培養液を供給する工程と、間葉系幹細胞に培養液を接触させて間葉系幹細胞を培養する工程と、間葉系幹細胞が分泌した成分を含む培養液を回収する工程を含む培養上清液の製造方法が開示されている。特許文献1の発明は、培養上清液を簡便に作製することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許6958350号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の発明は、作製される培養上清が少ないという問題がある。
そこで本発明は、間葉系幹細胞を使って、有効成分を高濃度に含む培養上清液を大量に作製する、培養上清液の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態は、間葉系幹細胞を培養した培養液から間葉系幹細胞を除去した培養上清液の製造方法である。その製造方法は、(a)担体、間葉系幹細胞、及び血清を含む培養液(以下、FBS-DMEM)を培養槽に供給する工程と、(b)間葉系幹細胞を担体へ接着させる工程と、(c)FBS-DMEMを使って間葉系幹細胞を培養する工程と、(d)フィルタ内に担体に接着した間葉系幹細胞を残し、FBS-DMEMを除去する工程と、(e)培養槽、担体に接着した間葉系幹細、及びフィルタを洗浄する工程と、(f)血清を含まない上清液用の培養液(以下、CM-DMEM)を培養槽に供給する工程と、(g)CM-DMEMを使って間葉系幹細胞を培養する工程と、(h)フィルタ内に担体に接着した間葉系幹細胞を残し、CM-DMEMを回収する工程と、を備える。
【0007】
(b)工程は、担体がFBS-DMEM中に浮遊するようにFBS-DMEMを攪拌する第一期間と、攪拌を止める第二期間とを有してもよい。
また(c)工程は、担体がFBS-DMEM中に浮遊するようにFBS-DMEMが攪拌されてもよい。
また(g)工程は、担体がCM-DMEM中に浮遊するようにCM-DMEMが攪拌されてもよい。
【0008】
フィルタのメッシュサイズが、70メッシュから400メッシュであることが好ましい。
(a)工程から(e)工程後に、(f)工程から(h)工程が連続して繰り返されることが好ましい。
また(f)工程から(h)工程が2回から4回連続して繰り返されても良い。
【0009】
回収したCM-DMEMに、サイトカイン及びエクソソームの少なくとも一方が所定値よりも少ない場合に、(c)工程及び(e)工程が一度だけ行われ、
回収したCM-DMEMに、サイトカイン及びエクソソームの少なくとも一方が所定値よりも多い場合に、(f)工程から(h)工程が連続して繰り返されても良い。
【0010】
間葉系幹細胞が不死化された幹細胞であることが好ましく、さらに不死化された幹細胞が乳歯歯髄幹細胞であることが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)
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