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公開番号2024168842
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-05
出願番号2023085844
出願日2023-05-25
発明の名称エラストマー組成物、及びそのフィルム
出願人リケンテクノス株式会社
代理人個人
主分類C08L 23/16 20060101AFI20241128BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】
軟質かつ透明な製品の材料として好適なエラストマー組成物、及びそのフィルムを提供すること。
【解決手段】
(A)α-オレフィンとジエンとの共重合エラストマー、好ましくはα-オレフィンと非共役ジエンとの共重合エラストマー100質量部;及び、(B)光重合開始剤、好ましくは水素引抜型光重合開始剤0.01~30質量部を含むエラストマー組成物、及びそのフィルム。該フィルムは活性エネルギー線を照射することにより、耐熱性を高めることができる。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
(A)α-オレフィンとジエンとの共重合エラストマー 100質量部;及び、
(B)光重合開始剤 0.01~30質量部
を含むエラストマー組成物。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
上記成分(A)α-オレフィンとジエンとの共重合エラストマーが、α-オレフィンと非共役ジエンとの共重合エラストマーを含む、請求項1に記載のエラストマー組成物。
【請求項3】
上記成分(A)α-オレフィンとジエンとの共重合エラストマーが、エチレン、プロピレン、並びに、5-エチリデン-2-ノルボルネン、トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ-3,7-ジエン、及び1,4-ヘキサジエンからなる群から選択される1種以上のジエンとの共重合エラストマーを含む、請求項1に記載のエラストマー組成物。
【請求項4】
上記成分(B)光重合開始剤が、水素引抜型光重合開始剤を含む、請求項2に記載のエラストマー組成物。
【請求項5】
分子内開裂型光重合開始剤を含まない、請求項4に記載のエラストマー組成物。
【請求項6】
請求項1~5の何れか1項に記載のエラストマー組成物からなるフィルム。
【請求項7】
JIS K7136:2000に従い測定される全光線透過率が70%以上である、請求項6に記載のフィルム。
【請求項8】
温度140℃における損失正接が、0.70以下である、請求項6に記載のフィルム:
ここで上記損失正接は、動的粘弾性測定装置を使用し、上記フィルムから採取した長さ25mm、幅10mmのサンプルを、チャック間距離が5mmとなるようにセットし、引張モード、周波数1Hz、及び温度-80℃で1分間保持した後、昇温速度5℃/分で温度250℃まで昇温する温度プログラムの条件で測定して得た温度-損失正接曲線における温度140℃における損失正接の値である。
【請求項9】
請求項6に記載のフィルムの生産方法であって、
(1)(A)α-オレフィンとジエンとの共重合エラストマー 100質量部;及び、(B)光重合開始剤 0.01~30質量部を含むエラストマー組成物を得る工程;
(2)押出機、Tダイ、及び引巻取装置を備えるTダイ製膜装置を使用し、上記工程(1)で得たエラストマー組成物を用いてフィルム状に製膜する工程;及び、
(3)上記工程(2)で得たフィルム状の成形体に活性エネルギー線を照射する工程
を含む、上記フィルムの生産方法。
【請求項10】
請求項6に記載のフィルムの生産方法であって、
(1)(A)α-オレフィンとジエンとの共重合エラストマー 100質量部;及び、(B)光重合開始剤 0.01~30質量部を含むエラストマー組成物を得る工程;
(2)カレンダーロール圧延加工機、及び引巻取装置を備えるカレンダーロール圧延製膜装置を使用し、上記工程(1)で得たエラストマー組成物を用いてフィルム状に製膜する工程;及び、
(3)上記工程(2)で得たフィルム状の成形体に活性エネルギー線を照射する工程
を含む、上記フィルムの生産方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、エラストマー組成物、及びそのフィルムに関する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
エチレン、プロピレン、及びジエンとの共重合エラストマー(EPDM)などのα-オレフィンとジエンとの共重合エラストマーは、主鎖に二重結合を有していないため、耐熱性、耐老化性、耐オゾン性、及び耐候性などに特長を有しており、従来から、自動車用、工業用、及び建築用など各種のエラストマー製品に幅広く使用されている。また、α-オレフィンとジエンとの共重合エラストマーは軟質であり、かつ透明性も高いことから、軟質な、あるいは軟質かつ透明な製品又は部材、例えば、チッピングフィルムなどの自動車の表面保護用フィルム、並びに、ドレッシングフィルム、マーキングフィルム、テールランプシール、及びエンブレムシールなどの自動車の装飾用フィルムなどの基材フィルムの材料、その他、傘、雨合羽、バッグ、及びワッペンなどの材料としても適性を有していると考えらえる。しかし、軟質製品、特に軟質かつ透明な製品の材料としての提案はされてこなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2010-180370号公報
特開2005-019315号公報
国際公開第2021/060446号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、軟質製品の材料として好適なエラストマー組成物、及びそのフィルムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、鋭意研究した結果、特定のエラストマー組成物により、上記課題を達成できることを見出した。
【0006】
即ち、本発明の諸態様は以下の通りである。
[1].
(A)α-オレフィンとジエンとの共重合エラストマー 100質量部;及び、
(B)光重合開始剤 0.01~30質量部
を含むエラストマー組成物。
[2].
上記成分(A)α-オレフィンとジエンとの共重合エラストマーが、α-オレフィンと非共役ジエンとの共重合エラストマーを含む、[1]項に記載のエラストマー組成物。
[3].
上記成分(A)α-オレフィンとジエンとの共重合エラストマーが、エチレン、プロピレン、並びに、5-エチリデン-2-ノルボルネン、トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ-3,7-ジエン、及び1,4-ヘキサジエンからなる群から選択される1種以上のジエンとの共重合エラストマーを含む、[1]項に記載のエラストマー組成物。
[4].
上記成分(B)光重合開始剤が、水素引抜型光重合開始剤を含む、[2]項に記載のエラストマー組成物。
[5].
分子内開裂型光重合開始剤を含まない、[4]項に記載のエラストマー組成物。
[6].
[1]~[5]の何れか1項に記載のエラストマー組成物からなるフィルム。
[7].
JIS K7136:2000に従い測定される全光線透過率が70%以上である、[6]項に記載のフィルム。
[8].
温度140℃における損失正接が、0.70以下である、[6]項に記載のフィルム:
ここで上記損失正接は、動的粘弾性測定装置を使用し、上記フィルムから採取した長さ25mm、幅10mmのサンプルを、チャック間距離が5mmとなるようにセットし、引張モード、周波数1Hz、及び温度-80℃で1分間保持した後、昇温速度5℃/分で温度250℃まで昇温する温度プログラムの条件で測定して得た温度-損失正接曲線における温度140℃における損失正接の値である。
[9].
[6]項に記載のフィルムの生産方法であって、
(1)(A)α-オレフィンとジエンとの共重合エラストマー 100質量部;及び、(B)光重合開始剤 0.01~30質量部を含むエラストマー組成物を得る工程;
(2)押出機、Tダイ、及び引巻取装置を備えるTダイ製膜装置を使用し、上記工程(1)で得たエラストマー組成物を用いてフィルム状に製膜する工程;及び、
(3)上記工程(2)で得たフィルム状の成形体に活性エネルギー線を照射する工程
を含む、上記フィルムの生産方法。
[10].
[6]項に記載のフィルムの生産方法であって、
(1)(A)α-オレフィンとジエンとの共重合エラストマー 100質量部;及び、(B)光重合開始剤 0.01~30質量部を含むエラストマー組成物を得る工程;
(2)カレンダーロール圧延加工機、及び引巻取装置を備えるカレンダーロール圧延製膜装置を使用し、上記工程(1)で得たエラストマー組成物を用いてフィルム状に製膜する工程;及び、
(3)上記工程(2)で得たフィルム状の成形体に活性エネルギー線を照射する工程
を含む、上記フィルムの生産方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明のエラストマー組成物を用いて得られるフィルムなどの成形体は柔軟性に優れる。本発明の好ましい組成物を用いて得られるフィルムなどの成形体は、更に透明性、耐熱性、及び色調も良好である。そのため、本発明のエラストマーは、表面保護用フィルム及び装飾用フィルムなどの基材フィルム、例えば、チッピングフィルムなどの自動車の表面保護用フィルム、並びに、ドレッシングフィルム、マーキングフィルム、テールランプシール、及びエンブレムシールなどの自動車の装飾用フィルムなどの基材フィルムの材料として好適に用いることができる。そのため、本発明のエラストマーは、傘、雨合羽、バッグ、及びワッペンなどの材料として好適に用いることができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書において「樹脂(エラストマーを含む。以下、同じ)」の用語は、2種以上の樹脂を含む樹脂混合物や、樹脂以外の成分を含む樹脂組成物をも含む用語として使用する。
【0009】
本明細書において「フィルム」の用語は、「シート」と相互交換的に又は相互置換可能に使用する。本明細書において、「フィルム」及び「シート」の用語は、工業的にロール状に巻き取ることのできるものに使用する。「板」の用語は、工業的にロール状に巻き取ることのできないものに使用する。また本明細書において、ある層と他の層とを順に積層することは、それらの層を直接積層すること、及び、それらの層の間にアンカーコートなどの別の層を1層以上介在させて積層することの両方を含む。
【0010】
本明細書において数値範囲に係る「以上」の用語は、ある数値又はある数値超の意味で使用する。例えば、20%以上は、20%又は20%超を意味する。数値範囲に係る「以下」の用語は、ある数値又はある数値未満の意味で使用する。例えば、20%以下は、20%又は20%未満を意味する。また数値範囲に係る「~」の記号は、ある数値、ある数値超かつ他のある数値未満、又は他のある数値の意味で使用する。ここで、他のある数値は、ある数値よりも大きい数値とする。例えば、10~90%は、10%、10%超かつ90%未満、又は90%を意味する。更に、数値範囲の上限と下限とは、任意に組み合わせることができるものとし、任意に組み合わせた実施形態が読み取れるものとする。例えば、ある特性の数値範囲に係る「通常10%以上、好ましくは20%以上である。一方、通常40%以下、好ましくは30%以下である。」や「通常10~40%、好ましくは20~30%である。」という記載から、そのある特性の数値範囲は、一実施形態において10~40%、20~30%、10~30%、又は20~40%であることが読み取れるものとする。
(【0011】以降は省略されています)

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