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公開番号2024168529
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-05
出願番号2023085283
出願日2023-05-24
発明の名称既存構造物に対する液状化対策構造および液状化対策方法
出願人清水建設株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類E02D 27/34 20060101AFI20241128BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約【課題】既存構造物の基礎底面が深部にある場合であっても液状化被害を低減できるうえ、液状化対策にかかるコストや工期を低減できる。
【解決手段】液状化地盤G内に基礎が構築されている既存構造物20に対して、液状化地盤Gにおける噴砂を低減させるための既存構造物20に対する液状化対策構造1であって、基礎21の上面21aに配置され、基礎21と地表Gaとの間に設けられ、透水性を有し、かつ砂の通過を抑制する礫層部30と、礫層部30と地表Gaとを通水可能に接続する排水経路部40と、を備え、礫層部30は、基礎21の外周縁全周にわたって連続して配置され、基礎21の側方部21Aを上方から覆うように基礎21から外方に突出する張出部31を有する液状化対策構造を提供する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
液状化地盤内に基礎が構築されている既存構造物に対して、前記液状化地盤における噴砂を低減させるための既存構造物に対する液状化対策構造であって、
前記基礎の上面に配置され、前記基礎と地表との間に設けられ、透水性を有し、かつ砂の通過を抑制する礫層部と、
前記礫層部と前記地表とを通水可能に接続する排水経路部と、を備え、
前記礫層部は、前記基礎の外周縁全周にわたって連続して配置され、前記基礎の側方部を上方から覆うように前記基礎から外方に突出する張出部を有する既存構造物に対する液状化対策構造。
続きを表示(約 580 文字)【請求項2】
前記礫層部を構成する礫の粒径は、2~5mmである、請求項1に記載の既存構造物に対する液状化対策構造。
【請求項3】
前記礫層部の厚さは、15cm以上である、請求項1に記載の既存構造物に対する液状化対策構造。
【請求項4】
前記礫層部における前記基礎上の積層部の重なり幅と、前記張出部の張り出し長とは、それぞれ30cm以上である、請求項3に記載の既存構造物に対する液状化対策構造。
【請求項5】
前記基礎の側方部に配置され、前記礫層部に連通するとともに、前記礫層部から鉛直方向で下方に延びる透水性を有する鉛直ドレーンを備える、請求項1に記載の既存構造物に対する液状化対策構造。
【請求項6】
前記鉛直ドレーンは、前記基礎の底面の深度まで設けられている、請求項5に記載の既存構造物に対する液状化対策構造。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の既存構造物に対する液状化対策構造を構築するための液状化対策方法であって、
前記基礎と地表との間の前記基礎の上面において、前記基礎の外周縁全周にわたって連続して前記張出部を有する前記礫層部を配置する工程と、
前記礫層部と前記地表とを通水可能に接続する排水経路部を設ける工程と、を有する液状化対策方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、既存構造物に対する液状化対策構造および液状化対策方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
従来、設備基礎など既存小規模構造物の液状化対策は、隣接して他の構造物があるなど、施工条件が厳しく、また基礎が小さく高価な対策を行うことが困難であるなど、従来の液状化を防止する工法では対策が難しい現状がある。
そこで、対策工として、既存構造物の外周部に透水性の良い礫を敷き、基礎を拡幅する工法が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、基礎拡幅のスペースがとれない場合において、既存構造物の外周直下を掘削し、礫で埋め戻す工法(上記の特許文献1)や土のうに詰めた礫で埋め戻す工法(例えば、特許文献2参照)も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第6132144号公報
特許第6544566号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1、2等に示すような従来の液状化対策工法では、既存構造物の基礎における底面深度の下までの掘削を要するため、基礎の底面深度が深い場合や基礎の底面深度が地下水位より深い場合には掘削量が増加したり、掘削のために排水を要したりすることがある。そのため、山留めや施工に要する敷地が大きくなったり、基礎下を掘削するために揚水などの排水工が必要になったりするなど施工が困難になるおそれがある。
【0005】
また、図8に示すように、既存構造物100の重心が高く、転倒に対する条件が厳しい場合には、転倒に対する抵抗を大きくするため基礎101の根入れ深さは大きめに取られることが多い。この場合、基礎101の上面101aは地中に位置する場合が多くなる。このような場合、液状化時に上昇した水圧により基礎101の脇部分101Aから噴砂Sを生じ、地盤が緩むことにより既存構造物100が傾くなどの液状化被害が生じるという問題があり、その点で改善の余地があった。
【0006】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、既存構造物の基礎底面が深部にある場合であっても液状化被害を低減できるうえ、液状化対策にかかるコストや工期を低減できる既存構造物に対する液状化対策構造および液状化対策方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る既存構造物に対する液状化対策構造は、液状化地盤内に基礎が構築されている既存構造物に対して、前記液状化地盤における噴砂を低減させるための既存構造物に対する液状化対策構造であって、前記基礎の上面に配置され、前記基礎と地表との間に設けられ、透水性を有し、かつ砂の通過を抑制する礫層部と、前記礫層部と前記地表とを通水可能に接続する排水経路部と、を備え、前記礫層部は、前記基礎の外周縁全周にわたって連続して配置され、前記基礎の側方部を上方から覆うように前記基礎から外方に突出する張出部を有することを特徴としている。
【0008】
本発明に係る既存構造物に対する液状化対策構造では、既存構造物の基礎底面が深部にある場合であっても、基礎の上面まで液状化地盤を掘削した後、基礎の上面と地表との間で基礎の外周縁全周のみに礫層部を設け、その礫層部と地表とを排水経路部で接続することで構築することができる。すなわち、礫層部が地表付近のみの施工となり、従来のような基礎下への礫の敷設を行うことがなく、液状化被害を低減できる液状化対策構造を形成することができる。したがって、基礎が深い場合や地下水位が基礎底面よりも浅い場合であっても、液状化対策にかかるコストや工期を低減できる。
【0009】
また、本発明では、礫層部が基礎の側方部を上方から覆うように基礎から外方に突出する張出部を有するので、側方部を上昇してきた水を礫層部に通過させる。さらに、張出部が基礎の外周縁全周に設けられているので、上昇した水が必ず礫層部内に入る構成となる。そのため、水とともに流通する砂の通過を阻止して水のみを礫層部で集水するとともに、その集水した水を排水経路部を通じて地表に排水することで噴砂を抑制し、噴砂に伴い地盤が緩むことによる液状化被害を防ぐことができる。すなわち、本発明では、少なくとも基礎の周囲において、礫層部の張出部直下の液状化地盤に液状化が生じた場合に砂の流動や噴砂が生じることを防止できる。これにより、既存構造物に傾斜や沈下が生じることや周辺地盤との間に大きな不陸が生じることを抑制することができ、液状化被害を有効に低減させることが可能である。
【0010】
また、本発明に係る既存構造物に対する液状化対策構造は、前記礫層部を構成する礫の粒径は、2~5mmであることが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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