特許ウォッチ

公開番号2024168458
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-05
出願番号2023085163
出願日2023-05-24
発明の名称印刷版、印刷物、および、印刷物の製造方法
出願人日本特殊陶業株式会社
代理人個人,個人
主分類B41N 1/24 20060101AFI20241128BHJP(印刷;線画機;タイプライター;スタンプ)
要約【課題】印刷版において、印刷パターンの形状不良の発生を抑制する技術を提供する。
【解決手段】印刷版は、電気鋳造物で形成され、印刷パターンに重なる位置に形成されるパターン開口を有するパターン形成部と、電気鋳造物で形成され、パターン形成部に積層されるペースト吐出量調整部であって、パターン開口に重なる位置に形成される複数の調整用開口を有するペースト吐出量調整部と、を備え、複数の調整用開口は、印刷パターンを形成するペーストの量を調整するものであり、ペースト吐出量調整部は、パターン開口に重なる範囲の外周部のうち、特定の部分における調整用開口の開口率が、特定の部分を除く他の部分に含まれる調整用開口の開口率よりも小さい。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項１】
基材上に、ペーストを用いて所定の印刷パターンを印刷するための印刷版であって、
電気鋳造物で形成され、前記印刷パターンに重なる位置に形成されるパターン開口を有するパターン形成部と、
電気鋳造物で形成され、前記パターン形成部に積層されるペースト吐出量調整部であって、前記パターン開口に重なる位置に形成される複数の調整用開口を有するペースト吐出量調整部と、を備え、
複数の前記調整用開口は、前記印刷パターンを形成する前記ペーストの量を調整するものであり、
前記ペースト吐出量調整部は、前記パターン開口に重なる範囲の外周部のうち、特定の部分における前記調整用開口の開口率が、前記特定の部分を除く他の部分に含まれる前記調整用開口の開口率よりも小さい、
ことを特徴とする印刷版。
続きを表示（約 1,000 文字）【請求項２】
請求項１に記載の印刷版であって、
前記特定の部分は、前記印刷版が印刷スキージを備える印刷機に設置されている状態において、前記印刷スキージの前記ペースト吐出量調整部に接する端部となす角度が、９０度未満となる、
ことを特徴とする印刷版。
【請求項３】
印刷物であって、
基材と、
ペーストからなる印刷パターンと、を備え、
前記印刷パターンは、印刷版を用いて、前記基材上に印刷されており、
前記印刷版は、
電気鋳造物で形成され、前記印刷パターンに重なる位置に形成されるパターン開口を有するパターン形成部と、
電気鋳造物で形成され、前記パターン形成部に積層されるペースト吐出量調整部であって、前記パターン開口に重なる位置に形成される複数の調整用開口を有するペースト吐出量調整部と、を備え、
複数の前記調整用開口は、前記印刷パターンを形成する前記ペーストの量を調整するものであり、
前記ペースト吐出量調整部は、前記パターン開口に重なる範囲の外周部のうち、特定の部分における前記調整用開口の開口率が、前記特定の部分を除く他の部分に含まれる前記調整用開口の開口率よりも小さい、
ことを特徴とする印刷物。
【請求項４】
印刷物の製造方法であって、
印刷版を準備する工程と、
前記印刷版を基材上に配置する工程と、
前記印刷版にペーストを供給し、前記基材上に印刷パターンを形成する工程と、を備え、
前記印刷版は、
電気鋳造物で形成され、前記印刷パターンに重なる位置に形成されるパターン開口を有するパターン形成部と、
電気鋳造物で形成され、前記パターン形成部に積層されるペースト吐出量調整部であって、前記パターン開口に重なる位置に形成される複数の調整用開口を有するペースト吐出量調整部と、を備え、
複数の前記調整用開口は、前記印刷パターンを形成する前記ペーストの量を調整する
ものであり、
前記ペースト吐出量調整部は、前記パターン開口に重なる範囲の外周部のうち、特定の部分における前記調整用開口の開口率が、前記特定の部分を除く他の部分に含まれる前記調整用開口の開口率よりも小さい、
ことを特徴とする印刷物の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、印刷版、印刷物、および、印刷物の製造方法に関する。
続きを表示（約 2,000 文字）【背景技術】
【０００２】
従来から、ペーストを用いて所定の印刷パターンを基材上に印刷するための印刷版が知られている（例えば、特許文献１～３）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
特開２０２２－９０３０７号公報
特開２０１９－２２９９７号公報
特開２０２１－２１５５４０号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかしながら、特許文献１～３のような先行技術によっても、印刷版において、ペーストの垂れによるにじみなど、印刷パターンの形状不良の発生を抑制する技術については、なお、改善の余地があった。
【０００５】
本発明は、印刷版において、印刷パターンの形状不良の発生を抑制する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
【０００７】
（１）本発明の一形態によれば、基材上に、ペーストを用いて所定の印刷パターンを印刷するための印刷版が提供される。この印刷版は、電気鋳造物で形成され、前記印刷パターンに重なる位置に形成されるパターン開口を有するパターン形成部と、電気鋳造物で形成され、前記パターン形成部に積層されるペースト吐出量調整部であって、前記パターン開口に重なる位置に形成される複数の調整用開口を有するペースト吐出量調整部と、を備え、複数の前記調整用開口は、前記印刷パターンを形成する前記ペーストの量を調整するものであり、前記ペースト吐出量調整部は、前記パターン開口に重なる範囲の外周部のうち、特定の部分における前記調整用開口の開口率が、前記特定の部分を除く他の部分に含まれる前記調整用開口の開口率よりも小さい。
【０００８】
この構成によれば、ペースト吐出量調整部が有する複数の調整用開口は、パターン開口に重なる範囲の外周部のうち、特定の部分における開口率が他の部分の開口率よりも小さい。これにより、特定の部分におけるペースト量は、他の部分におけるペースト量よりも少なくなるため、特定の部分に対応する印刷パターンの外周部では、ペーストの過剰な供給によってにじみが発生することが抑制される。したがって、印刷パターンの形状不良の発生を抑制することができる。
【０００９】
（２）上記形態の印刷版において、前記特定の部分は、前記印刷版が印刷スキージを備える印刷機に設置されている状態において、前記印刷スキージの前記ペースト吐出量調整部に接する端部となす角度が、９０度未満となってもよい。この構成によれば、ペースト吐出量調整部が有する複数の調整用開口について、開口率が他の部分よりも小さい特定の
部分は、印刷版が印刷スキージを備える印刷機に設置されている状態において、印刷スキージのペースト吐出量調整部に接する端部となす角度が、９０度未満となっている。これにより、印刷スキージによって印刷版上のペーストが均されるとき、ペーストが寄せ集められて溜まりやすい部分において、ペーストの過剰な供給によってにじみが発生することを抑制ができる。したがって、印刷パターンの形状不良の発生を抑制することができる。
【００１０】
（３）本発明の別の形態によれば、印刷物が提供される。この印刷物は、基材と、ペーストからなる印刷パターンと、を備え、前記印刷パターンは、印刷版を用いて、前記基材上に印刷されており、前記印刷版は、電気鋳造物で形成され、前記印刷パターンに重なる位置に形成されるパターン開口を有するパターン形成部と、電気鋳造物で形成され、前記パターン形成部に積層されるペースト吐出量調整部であって、前記パターン開口に重なる位置に形成される複数の調整用開口を有するペースト吐出量調整部と、を備え、複数の前記調整用開口は、前記印刷パターンを形成する前記ペーストの量を調整するものであり、前記ペースト吐出量調整部は、前記パターン開口に重なる範囲の外周部のうち、特定の部分における前記調整用開口の開口率が、前記特定の部分を除く他の部分に含まれる前記調整用開口の開口率よりも小さい。この構成によれば、印刷パターンが備える印刷物は、ペースト吐出量調整部が有する複数の調整用開口において、パターン開口に重なる範囲の外周部のうち、特定の部分における開口率が、特定の部分を除く他の部分の開口率よりも小さい印刷版を用いて形成される。これにより、印刷パターンの形状不良の発生を抑制することができるため、印刷物におけるショートなどの電気的な不良が発生することを抑制できる。
（【００１１】以降は省略されています）

関連特許