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公開番号
2024168393
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-05
出願番号
2023085010
出願日
2023-05-24
発明の名称
転炉炉口地金の除去方法および転炉の操業方法
出願人
JFEスチール株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C21C
5/46 20060101AFI20241128BHJP(鉄冶金)
要約
【課題】転炉の生産性の低下を抑制しつつ転炉の炉口に付着した地金を除去できる転炉炉口地金の除去方法および転炉の操業方法を提供する。
【解決手段】転炉12の炉口20に付着した地金28に酸素ガスを吹き付けて溶解除去する転炉炉口地金の除去方法であって、転炉12内に溶湯26が存在する状態で、地金に酸素ガスを吹き付ける。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
転炉の炉口に付着した地金に酸素ガスを吹き付けて、前記地金を溶解除去する転炉炉口地金の除去方法であって、
前記転炉内に溶湯が存在する状態で、前記地金に酸素ガスを吹き付ける、転炉炉口地金の除去方法。
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【請求項2】
溶鉄の精錬に用いられる上吹きランスであって、
先端部に前記酸素ガスを半径方向に噴出させるアタッチメントを取り付けた前記上吹きランスを用いて、前記地金に前記酸素ガスを吹き付ける、請求項1に記載の転炉炉口地金の除去方法。
【請求項3】
溶鉄の脱炭精錬中に前記地金に前記酸素ガスを吹き付ける、請求項1に記載の転炉炉口地金の除去方法。
【請求項4】
溶鉄の脱炭精錬中に前記地金に前記酸素ガスを吹き付ける、請求項2に記載の転炉炉口地金の除去方法。
【請求項5】
脱炭精錬を開始してから予め定められた時間が経過した後に、前記地金に前記酸素ガスを吹き付ける、請求項3に記載の転炉炉口地金の除去方法。
【請求項6】
脱炭精錬を開始してから予め定められた時間が経過した後に、前記地金に前記酸素ガスを吹き付ける、請求項4に記載の転炉炉口地金の除去方法。
【請求項7】
前記時間は、前記脱炭精錬を開始してから前記脱炭精錬によって溶鉄の炭素濃度が予め定められた炭素濃度以下になるまでの時間である、請求項5に記載の転炉炉口地金の除去方法。
【請求項8】
前記時間は、前記脱炭精錬を開始してから前記脱炭精錬によって溶鉄の炭素濃度が予め定められた炭素濃度以下になるまでの時間である、請求項6記載の転炉炉口地金の除去方法。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の転炉炉口地金の除去方法で前記地金を除去しつつ、底吹き羽口から酸素ガスを導入して脱炭精錬を継続する、転炉の操業方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、転炉内に溶鉄が存在する状態で、転炉の炉口に付着した地金に酸素ガスを吹き付けて当該地金を溶解除去する転炉炉口地金の除去方法および転炉の操業方法に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)
【背景技術】
【0002】
転炉を用いる溶鉄の精錬では、上吹きランスを炉口から炉内に挿入し、この上吹きランスから高純度の酸素ガスを転炉内の溶鉄に向けて吹き付け、溶鉄中の不純物を取り除くとともに、溶鉄中の炭素を酸化反応により除去する。溶鉄の精錬では、高速の酸素ガスの吹き付けにより、溶鉄の一部が上方に吹き飛ばされて炉口に付着し、急冷されることで炉口付近に凝固、堆積する。さらに、精錬が終了し、出鋼または排滓作業で炉を傾動させることによっても、溶鉄の一部が炉口付近に凝固、堆積する。炉口付近の地金の付着量が増えると、当該地金によって炉口径が狭められてしまうので、炉口から装入される鉄スクラップや溶銑、副原料の装入が困難になる。また、炉口付近に地金が付着すると、その付着分の溶鋼が得られなくなることから転炉の出鋼歩留が低下する。
【0003】
このように、転炉の炉口に地金が付着すると様々な問題が発生することから、炉口に付着した地金を除去する技術が求められている。地金を除去する技術として、特許文献1には、転炉型精錬炉の非精錬時に、酸素供給路を内部に有する地金溶解ランスを用いて酸素ガスを炉口に付着した地金に吹き付けて当該地金を除去する炉口地金の除去方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平10-251735号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されている技術では、非精錬時に炉口に付着した地金に酸素ガスを吹き付けて当該地金を溶解除去している。このため、地金を溶解除去している間は転炉が使用できなくなるので、当該転炉の生産性が低下するという課題があった。本発明は、このような従来技術の課題を鑑みてなされた発明であり、その目的は、転炉の生産性の低下を抑制しつつ転炉の炉口に付着した地金を除去できる転炉炉口地金の除去方法および転炉の操業方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための手段は、以下の通りである。
[1]転炉の炉口に付着した地金に酸素ガスを吹き付けて、前記地金を溶解除去する転炉炉口地金の除去方法であって、前記転炉内に溶湯が存在する状態で、前記地金に酸素ガスを吹き付ける、転炉炉口地金の除去方法。
[2]溶鉄の精錬に用いられる上吹きランスであって、先端部に前記酸素ガスを半径方向に噴出させるアタッチメントを取り付けた前記上吹きランスを用いて、前記地金に前記酸素ガスを吹き付ける、[1]に記載の転炉炉口地金の除去方法。
[3]脱炭精錬中に前記地金に前記酸素ガスを吹き付ける、[1]または[2]に記載の転炉炉口地金の除去方法。
[4]脱炭精錬を開始してから予め定められた時間が経過した後に、前記地金に前記酸素ガスを吹き付ける、[3]に記載の転炉炉口地金の除去方法。
[5]前記時間は、前記脱炭精錬を開始してから前記脱炭精錬によって溶鉄の炭素濃度が予め定められた炭素濃度以下になるまでの時間である、[4]に記載の転炉炉口地金の除去方法。
[6][1]から[5]のいずれかに記載の転炉炉口地金の除去方法で前記地金を除去しつつ、底吹き羽口から酸素ガスを導入して脱炭精錬を継続する、転炉の操業方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、転炉内に溶湯が存在する状態で炉口付近に付着した地金に酸素ガスを吹き付けて当該地金を溶解除去するので、転炉の生産性の低下を抑制しつつ転炉の炉口付近に付着した地金を除去できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1は、本実施形態に係る転炉炉口地金の除去方法が実施できる転炉設備を用いて溶鉄の脱炭精錬を実施している状態を示す断面模式図である。
図2は、転炉設備を用いて地金に酸素ガスを吹き付ける状態を示す断面模式図である。
図3は、図2のA部の拡大模式図である。
図4は、発明例と比較例の出鋼歩留を示すグラフである。
図5は、発明例と比較例のスクラップ原単位を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を本発明の実施形態を通じて説明する。図1は、本実施形態に係る転炉炉口地金の除去方法が実施できる転炉設備10を用いて溶鉄22の脱炭精錬を実施している状態を示す断面模式図である。転炉設備10は、転炉12と、上吹きランス14と、後述する地金溶融ランスとを有する。転炉12は、底吹き羽口16と底吹き羽口16に撹拌用ガス27を導入するガス導入管18を有する。
【0010】
図1に示す転炉設備10では、炉口20から炉内に装入された溶鉄22に向けて、上吹きランス14から酸素ガス(主に工業用純酸素ガス)を吹き付けることで、溶鉄22の脱炭精錬が実施される。脱炭精錬では、溶鉄22に含まれる炭素を上吹きランス14から吹き付ける酸素ガス中の酸素と脱炭反応させることで溶鉄22の炭素濃度を低下させ、溶鉄22の炭素濃度を目標とする炭素濃度の範囲内に調整する。脱炭精錬では、脱燐剤やスラグの塩基度調整剤として、生石灰などのCaO系媒溶剤が転炉12内に添加され、炉内には、CaO系媒溶剤が滓化して生成される溶融スラグ24が形成される。本実施形態では溶鉄22と溶融スラグ24とを合わせて溶湯26と記載する。なお、溶鉄22は、溶銑および溶鋼のいずれであってもよく、また、これらに溶融した冷鉄源が含まれていてもよい。また、上吹きランス14から吹き付ける酸素ガスは、例えば、酸素濃度が99.5体積%以上の酸素ガスである。
(【0011】以降は省略されています)
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