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公開番号
2024168222
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-05
出願番号
2023084710
出願日
2023-05-23
発明の名称
水中軸受装置及び立軸ポンプ
出願人
株式会社酉島製作所
代理人
個人
,
個人
主分類
F04D
13/00 20060101AFI20241128BHJP(液体用容積形機械;液体または圧縮性流体用ポンプ)
要約
【課題】気中運転を行う立軸ポンプに用いられる水中軸受装置における摺接部材の冷却機構の簡素化とコストダウンを課題とする。
【解決手段】水中軸受装置30は、保護管によって取り囲まれていない回転軸25に固着されたスリーブ31と、スリーブ31を取り囲むホルダ33と、スリーブ31とホルダ33の間に間隙部35とともに潤滑液41の貯留部42を形成する下カバー43と、スリーブ31を介して回転軸25を回転可能に支持する摺接部材37と、摺接部材37の下側部分と上側部分を連通させるパイプ47と、スリーブ31を介して回転軸25と一体に回転することによって、パイプ47を通して貯留部42内の潤滑液41を循環させる羽根50とを備える。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
上下方向に延びるポンプケーシング内に下部が配置されて保護管によって取り囲まれていない回転軸に固着されたスリーブと、
前記ポンプケーシング内に固着され、前記スリーブとの間に間隙部が形成されるように前記スリーブを取り囲むホルダと、
前記スリーブの下方を覆うように前記ホルダに設けられ、連通した前記間隙部とともに潤滑液の貯留部を形成する下カバーと、
前記ホルダの前記スリーブと対向する部分に配置され、前記スリーブを介して前記回転軸を回転可能に支持する摺接部材と、
前記貯留部のうち前記摺接部材の下側部分と上側部分を連通させる流路と、
前記摺接部材の上側又は下側に位置するように前記スリーブに固着され、前記スリーブを介して前記回転軸と一体に回転することによって、前記流路を通して前記貯留部内の前記潤滑液を循環させる羽根と
を備える、水中軸受装置。
続きを表示(約 1,300 文字)
【請求項2】
前記スリーブの上部を覆うように前記ホルダに設けられた上カバーを備え、
前記流路は、前記ホルダのうち前記摺接部材の下側又は前記下カバーを貫通した下端部と、前記ホルダのうち前記摺接部材の上側又は前記上カバーを貫通した上端部とを有するパイプによって構成されている、請求項1に記載の水中軸受装置。
【請求項3】
前記ホルダは、前記摺接部材を内側に配置したホルダ本体と、前記ホルダ本体の下部から外側へ突出した底壁と、前記底壁から上側に突出して前記ホルダ本体を取り囲む外周壁とを有し、前記ポンプケーシング内に配置されてインペラが下側に配置された軸受ケーシング内に配置され、
前記下カバーは前記底壁に固着されており、
前記流路は、
前記ホルダ本体、前記底壁、及び前記外周壁によって画定された液槽と、
前記底壁に設けられ、前記液槽内と前記下カバー内を連通させる第1連通孔と、
前記ホルダ本体に設けられ、前記液槽内と前記間隙部の前記摺接部材よりも上側の部分とを連通させる第2連通孔と
によって構成されている、請求項1に記載の水中軸受装置。
【請求項4】
前記摺接部材は、前記スリーブの上下のうちの一方の端部側に偏って配置されており、
前記スリーブの前記一方の端部側には、内側から外側へ窪む凹部が設けられ、
前記スリーブと前記回転軸の間には、前記凹部によって前記一方の端部を開放した空隙部が形成されている、請求項1から3のいずれか1項に記載の水中軸受装置。
【請求項5】
前記摺接部材は、前記スリーブの下端部に配置されており、
前記下カバーには、前記空隙部内に突出し、前記回転軸及び前記スリーブに対して間隔をあけて位置する内筒が設けられている、請求項4に記載の水中軸受装置。
【請求項6】
前記羽根は、前記スリーブの下端に固着され、前記下カバー内に配置されている、請求項1から3のいずれか1項に記載の水中軸受装置。
【請求項7】
上下方向に延びるポンプケーシングと、
前記ポンプケーシング内に下部が配置され、保護管によって取り囲まれていない回転軸と、
前記回転軸を回転可能に支持する水中軸受装置と
を備え、
前記水中軸受装置は、
前記回転軸に固着されたスリーブと、
前記ポンプケーシング内に固着され、前記スリーブとの間に間隙部が形成されるように前記スリーブを取り囲むホルダと、
前記ホルダの前記スリーブと対向する部分に配置され、前記スリーブを介して前記回転軸を回転可能に支持する摺接部材と、
前記スリーブの下方を覆うように前記ホルダに設けられ、連通した前記間隙部とともに潤滑液の貯留部を形成する下カバーと、
前記間隙部の前記摺接部材よりも上側の部分と前記下カバー内を連通させる流路と、
前記摺接部材の上側又は下側に位置するように前記スリーブに固着され、前記スリーブを介して前記回転軸と一体に回転することによって、前記流路を通して前記貯留部内の前記潤滑液を循環させる羽根と
を備える、立軸ポンプ。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、水中軸受装置及び立軸ポンプに関する。
続きを表示(約 2,000 文字)
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、回転軸を回転可能に支持する水中軸受を冷却する冷却機構を設けた立軸ポンプが開示されている。この冷却機構は、回転軸を取り囲む保護管と、保護管に給水管を介して接続された外部水源と、外部水源の潤滑水を保護管に供給する給水ポンプ(駆動源)とを備える。気中運転時、摺接部材に潤滑水を供給して冷却することによって、摩擦による回転軸と摺接部材の焼き付けを防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平5-157089号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の冷却機構は、潤滑水を循環させる駆動源と保護管が必要なため、大掛かりで製造コストも高くなる。そのため、特許文献1の冷却機構には、構造の簡素化と製造コストの低減について改善の余地がある。
【0005】
本発明は、気中運転を行う立軸ポンプに用いられる水中軸受装置の冷却機構の簡素化とコストダウンを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、上下方向に延びるポンプケーシング内に下部が配置されて保護管によって取り囲まれていない回転軸に固着されたスリーブと、前記ポンプケーシング内に固着され、前記スリーブとの間に間隙部が形成されるように前記スリーブを取り囲むホルダと、前記スリーブの下方を覆うように前記ホルダに設けられ、連通した前記間隙部とともに潤滑液の貯留部を形成する下カバーと、前記ホルダの前記スリーブと対向する部分に配置され、前記スリーブを介して前記回転軸を回転可能に支持する摺接部材と、前記貯留部のうち前記摺接部材の下側部分と上側部分を連通させる流路と、前記摺接部材の上側又は下側に位置するように前記スリーブに固着され、前記スリーブを介して前記回転軸と一体に回転することによって、前記流路を通して前記貯留部内の前記潤滑液を循環させる羽根とを備える、水中軸受装置を提供する。
【0007】
本発明の他の態様は、上下方向に延びるポンプケーシングと、前記ポンプケーシング内に下部が配置され、保護管によって取り囲まれていない回転軸と、前記回転軸を回転可能に支持する水中軸受装置とを備え、前記水中軸受装置は、前記回転軸に固着されたスリーブと、前記ポンプケーシング内に固着され、前記スリーブとの間に間隙部が形成されるように前記スリーブを取り囲むホルダと、前記ホルダの前記スリーブと対向する部分に配置され、前記スリーブを介して前記回転軸を回転可能に支持する摺接部材と、前記スリーブの下方を覆うように前記ホルダに設けられ、連通した前記間隙部とともに潤滑液の貯留部を形成する下カバーと、前記間隙部の前記摺接部材よりも上側の部分と前記下カバー内を連通させる流路と、前記摺接部材の上側又は下側に位置するように前記スリーブに固着され、前記スリーブを介して前記回転軸と一体に回転することによって、前記流路を通して前記貯留部内の前記潤滑液を循環させる羽根とを備える、立軸ポンプを提供する。
【0008】
回転軸は、保護管によって取り囲まれてなく、スリーブを介して摺接部材によって回転可能に支持されている。また、スリーブに固着された羽根は、回転軸と一体に回転することによって、スリーブとホルダの間の間隙部と下カバーによって構成された貯留部内の潤滑液を、流路を通して循環させる。これにより、潤滑液によって摺接部材を確実に冷却でき、摺接部材とスリーブ(回転軸)の焼焼き付きを防止できる。また、回転軸を取り囲む保護管、保護管からの液漏れを防ぐためのメカニカルシール、及び給水ポンプ等の駆動源を用いる場合と比較して、摺接部材の冷却機構を簡素化できるうえコストダウンを図ることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明では、気中運転を行う立軸ポンプに用いられる水中軸受装置の冷却機構の簡素化とコストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の実施形態に係る水中軸受装置を用いた立軸ポンプの断面図。
図1のII部分の拡大断面図。
図2のIII部分の拡大断面図。
図2の羽根の底面図。
変形例の羽根の断面図。
回転軸を回転させた状態を示す図3と同様の拡大断面図。
図1のVII部分の拡大断面図。
回転軸を回転させた状態を示す図7のVIII部分の拡大断面図。
変形例の水中軸受装置の拡大断面図。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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