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公開番号2024168078
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-05
出願番号2023084478
出願日2023-05-23
発明の名称移動支援システム、及び移動支援方法
出願人株式会社日立製作所
代理人弁理士法人一色国際特許事務所
主分類G06Q 50/10 20120101AFI20241128BHJP(計算;計数)
要約【課題】混雑に遭遇しないように各ユーザを出発地から目的地まで移動させるよう促す。
【解決手段】移動支援システム100は、交通機関の乗車券の有効期間内における、交通機関を利用した出発地から目的地までの移動経路及び移動経路のスケジュールを探索し、移動経路のスケジュールによる移動において交通機関の混雑に遭遇すると判定した場合に、混雑を回避する、出発地から目的地までの経路である代替経路及び代替経路のスケジュールを特定し、特定した代替経路及び代替経路のスケジュールを示す情報を出力し、特定した代替経路のスケジュールにおける出発地の出発時刻及び目的地の到着時刻を特定し、代替経路のスケジュールによる移動が乗車券の有効期間内の移動となるような、乗車券の新たな有効期間の情報を生成し、生成した情報を設定する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
所定の有効期間を有する交通機関の乗車券の情報を記憶する記憶装置、及び、
前記有効期間内における、前記交通機関を利用した出発地から目的地までの移動経路及び当該移動経路のスケジュールを探索する移動経路探索処理と、
前記移動経路のスケジュールによる移動において前記交通機関の混雑に遭遇するか否かを、前記スケジュールにおける前記出発地の出発時刻及び前記目的地の到着時刻と、前記交通機関の混雑予測の情報とに基づき判定する混雑状況判定処理と、
前記交通機関の混雑に遭遇すると判定した場合に、前記混雑を回避する、前記出発地から前記目的地までの経路である代替経路及び当該代替経路のスケジュールを、前記交通機関の混雑予測の情報に基づき特定し、特定した代替経路及び当該代替経路のスケジュールを示す情報を出力装置に出力する代替経路導出処理と、
前記特定した代替経路のスケジュールにおける前記出発地の出発時刻及び前記目的地の到着時刻を特定し、前記特定した出発地の出発時刻及び目的地の到着時刻と、前記乗車券の有効期間とに基づき、前記代替経路のスケジュールによる移動が前記乗車券の有効期間内の移動となるような、前記乗車券の新たな有効期間の情報を生成する変更提案作成処理と、
前記生成した情報を前記記憶装置に設定する期間変更指示処理とを実行する演算装置
を備える、移動支援システム。
続きを表示(約 2,400 文字)【請求項2】
請求項1に記載の移動支援システムであって、
前記演算装置は、
前記代替経路導出処理において、前記混雑予測の情報に基づき、前記移動経路における経由地のうち前記交通機関の混雑に遭遇する以前に到着する経由地の到着時刻を算出し、算出した経由地の到着時刻と、前記混雑予測の情報とに基づき、前記移動経路と同じ経路であり、前記算出した経由地の到着時刻に当該経由地に到着し、前記算出した経由地の到着時刻より後の時刻に当該経由地を出発し、前記交通機関の混雑に遭遇せずに当該経由地から前記目的地まで移動する経路及びそのスケジュールを前記代替経路及び当該代替経路のスケジュールとして特定し、当該経由地の到着時刻から当該経由地の出発時刻までの時間に応じた長さの前記乗車券の有効期間の延長を示す情報を生成する、
移動支援システム。
【請求項3】
請求項2に記載の移動支援システムであって、
前記演算装置は、前記代替経路導出処理において、前記経由地の到着時刻以降の時刻に前記経由地を出発して到着可能であり、前記経由地の出発時刻以前に前記経由地に到着可能な地点を、所定のデータベースに基づき探索し、探索した地点に関する情報を出力装置に出力する、
移動支援システム。
【請求項4】
請求項1に記載の移動支援システムであって、
前記演算装置は、
前記代替経路導出処理において、前記混雑予測の情報に基づき、前記移動経路とは異なる前記出発地から前記目的地までの経路であって、前記交通機関の混雑を回避し、前記移動経路における目的地の到着時刻より後の時刻に前記目的地に到着する経路及び当該経路のスケジュールを代替経路及び当該代替経路のスケジュールとして特定し、前記移動経路のスケジュールにおける目的地の到着時刻から前記代替経路のスケジュールにおける目的地の到着時刻までの時間の長さに応じた前記乗車券の有効期間の延長を示す情報を生成する、
移動支援システム。
【請求項5】
請求項1に記載の移動支援システムであって、
前記演算装置は、
前記代替経路導出処理において、前記混雑予測の情報に基づき、前記移動経路と同じ経路であって、前記交通機関の混雑を回避し、前記移動経路における出発地の出発時刻よりも早い時刻に前記出発地を出発し、前記移動経路における目的地の到着時刻よりも早い時刻に前記目的地に到着する経路及び当該経路のスケジュールを前記代替経路及び当該代替経路のスケジュールとして特定し、前記特定した代替経路のスケジュールにおける目的地の到着時刻から前記移動経路における目的地の到着時刻までの時間の長さに応じた前記乗車券の有効期間の短縮を示す情報を生成する、
移動支援システム。
【請求項6】
請求項1に記載の移動支援システムであって、
前記変更提案作成処理において、前記代替経路及び前記新たな有効期間の情報を所定の情報処理装置に送信し、
前記期間変更指示処理において、前記所定の情報処理装置から、前記情報に対応する承諾情報を受信した場合に、前記生成した情報を前記記憶装置に設定する、
移動支援システム。
【請求項7】
請求項1に記載の移動支援システムであって、
移動者による、交通機関による出発地から目的地までの移動経路及び、前記移動経路における、前記出発地の出発時刻及び前記目的地の到着時刻の履歴を記憶する記憶装置を備え、
前記記憶装置に記憶されている履歴に基づき、前記移動者が前記代替経路による前記出発地から前記目的地までの移動を行ったか否かを判定し、前記移動者が前記代替経路による前記出発地から前記目的地までの移動を行ったと判定した場合に、所定の情報を出力する誘導結果判定処理をさらに実行する、
移動支援システム。
【請求項8】
請求項5に記載の移動支援システムであって、
前記演算装置は、前記代替経路導出処理において、前記乗車券の有効期間の短縮分に対応する価値の情報を生成する、
移動支援システム。
【請求項9】
演算装置及び、所定の有効期間を有する乗車券の情報を記憶する記憶装置を備える情報処理装置による移動支援方法であって、
前記演算装置が、
前記有効期間内における、前記交通機関を利用した出発地から目的地までの移動経路及び当該移動経路のスケジュールを探索する移動経路探索処理と、
前記移動経路のスケジュールによる移動において前記交通機関の混雑に遭遇するか否かを、前記スケジュールにおける前記出発地の出発時刻及び前記目的地の到着時刻と、前記交通機関の混雑予測の情報とに基づき判定する混雑状況判定処理と、
前記交通機関の混雑に遭遇すると判定した場合に、前記混雑を回避する、前記出発地から前記目的地までの経路である代替経路及び当該代替経路のスケジュールを、前記交通機関の混雑予測の情報に基づき特定し、特定した代替経路及び当該代替経路のスケジュールを示す情報を出力装置に出力する代替経路導出処理と、
前記特定した代替経路のスケジュールにおける前記出発地の出発時刻及び前記目的地の到着時刻を特定し、前記特定した出発地の出発時刻及び目的地の到着時刻と、前記乗車券の有効期間とに基づき、前記代替経路のスケジュールによる移動が前記乗車券の有効期間内の移動となるような、前記乗車券の新たな有効期間の情報を生成する変更提案作成処理と、
前記生成した情報を前記記憶装置に設定する期間変更指示処理とを実行する、
移動支援方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、移動支援システム、及び移動支援方法に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
交通機関(鉄道、バス等)の乗車券の一種としてフリー乗車券がある。フリー乗車券は一般に、決められた有効期間内であれば、指定されたエリアや路線内を定額で自由に乗り降りすることが可能な乗車券である。具体例としては、購入当日に限り有効な一日乗車券又は、利用開始時刻から決められた時間を経過する時刻まで有効な24時間券若しくは6時間券等の時間制乗車券がある。こうしたフリー乗車券は、対象の交通機関を一定の回数以上又は一定の距離以上利用すると通常運賃で乗車する場合より割安となるように料金が設定されているものが多い。この点でフリー乗車券は、人々の外出意欲を高めることに寄与し、交通機関の利用者数の増加に貢献している。
【0003】
交通機関は一方で、感染症の蔓延防止対策としていわゆる「三密」(密閉、密集、密接)の回避に取り組んでいる。交通機関の利用者数の増加は、輸送サービスの持続的な運営に資するため交通機関にとって有益ではあるが、交通機関の混雑の助長に繋がる側面もある。特にフリー乗車券を利用するユーザは、有効期間のなかで自由に、自身の予定に合わせて交通機関を利用することが考えられるため、混雑を気にせず乗車し、結果として更なる交通機関の混雑及び「三密」を招いてしまう可能性がある。
【0004】
交通機関に混雑が発生する場面において、ユーザに混雑を回避してもらうように誘導する技術としては、特許文献1に記載の技術がある。特許文献1には、移動経路の混雑状況に応じて混雑回避可能な交通機関や周辺施設を利用することを促す方法が開示されている。具体的には、この技術は、ユーザの移動経路が混雑していたらその混雑経路の利用を控えるよう要請し、ユーザが居る位置の周辺の交通機関のなかでまだ空いている交通機関を見つけた上で、まだ乗車可能な人数分のユーザに対して当該交通機関を利用するように促す。この技術は、また、混雑経路の利用を控えるよう要請する際に、ユーザが居る位置の周辺に所在する施設を選んで、当該施設に滞在するように促す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2021-012682号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の技術は、ユーザの移動経路と交通機関の混雑状況とに基づいて混雑回避可能な交通機関や周辺施設の利用を促すものであるが、フリー乗車券の存在を考慮していない。すなわち、フリー乗車券には利用可能な有効期間が存在するが、特許文献1に記載の技術はこの時間制約を考慮していない。そのため、フリー乗車券を保有するユーザへ混雑回避可能な交通機関や周辺施設の利用を促し、ユーザがこれに従った場合、元々予定していなかった交通機関や周辺施設を利用することで想定よりも多くの所要時間がかかり、フリー乗車券の有効期間を超えてしまう(有効期限が切れてしまう)可能性がある。
【0007】
フリー乗車券の有効期限が切れてしまうと、ユーザは有効期限以降の乗車運賃を追加で支払う必要が生じ、ユーザは不利益を被ることになるため、混雑回避の要請に応じてもらいにくくなる。また同様の状況で、結果としてフリー乗車券の有効期間を超えてしまうことがなかった場合でも、有効期間内の時間を元々の想定以上に費やすことになる。これにより、以降に訪れようとしていた場所へ、フリー乗車券の有効期間内に行けなくなったり、行った先での滞在時間の短縮を余儀なくされたりしてユーザは不利益を被ることになるため、やはり混雑回避の要請に応じてもらいにくくなる。
【0008】
本発明は、このような背景に鑑みてなされたものであり、その目的は、混雑に遭遇しないように各ユーザを出発地から目的地まで移動させるよう促すことが可能な移動支援システム、及び移動支援方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための本発明の一つは、所定の有効期間を有する交通機関の乗車券の情報を記憶する記憶装置、及び、前記有効期間内における、前記交通機関を利用した出発地から目的地までの移動経路及び当該移動経路のスケジュールを探索する移動経路探索処理と、前記移動経路のスケジュールによる移動において前記交通機関の混雑に遭遇するか否かを、前記スケジュールにおける前記出発地の出発時刻及び前記目的地の到着時刻と、前記交通機関の混雑予測の情報とに基づき判定する混雑状況判定処理と、前記交通機関の混雑に遭遇すると判定した場合に、前記混雑を回避する、前記出発地から前記目的地までの経路である代替経路及び当該代替経路のスケジュールを、前記交通機関の混雑予測の情報に基づき特定し、特定した代替経路及び当該代替経路のスケジュールを示す情報を出力装置に出力する代替経路導出処理と、前記特定した代替経路のスケジュールにおける前記出発地の出発時刻及び前記目的地の到着時刻を特定し、前記特定した出発地の出発時刻及び目的地の到着時刻と、前記乗車券の有効期間とに基づき、前記代替経路のスケジュールによる移動が前記乗車券の有効期間内の移動となるような、前記乗車券の新たな有効期間の情報を生成する変更提案作成処理と、前記生成した情報を前記記憶装置に設定する期間変更指示処理とを実行する演算装置を備える、移動支援システムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、混雑に遭遇しないように各ユーザを出発地から目的地まで移動させるよう促すことができる。
上記した以外の構成及び効果等は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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