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公開番号
2024167640
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-04
出願番号
2023083852
出願日
2023-05-22
発明の名称
落雷発生予測システム
出願人
ダイハツ工業株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
G01W
1/16 20060101AFI20241127BHJP(測定;試験)
要約
【課題】移動中の車両が位置する空間の電界強度を正確に評価可能とし、これにより落雷発生の予測精度を向上させる。
【解決手段】この落雷発生予測システム10は、複数の車両11に設けられ各車両11が位置する空間の電界強度データを取得可能な電界強度データ取得部12と、車両11の位置データを取得可能な位置データ取得部13と、電界強度データと位置データとに基づいて落雷の発生を予測するデータ処理装置14とを備える。データ処理装置14は、電界強度の影響因子となり得るデータに基づいて、必要と判断した場合に電界強度データを補正し、補正した電界強度データに基づいて落雷の発生を予測する。
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
複数の車両に設けられ前記各車両が位置する空間の電界強度データを取得可能な電界強度データ取得部と、前記車両の位置データを取得可能な位置データ取得部と、所定のデータ処理を行うデータ処理装置とを備え、
前記データ処理装置は、前記電界強度データと前記位置データとに基づいて落雷の発生を予測する落雷発生予測システムにおいて、
前記データ処理装置は、前記電界強度の影響因子となり得るデータに基づいて、必要と判断した場合に前記電界強度データを補正し、補正した電界強度データに基づいて落雷の発生を予測することを特徴とする、落雷発生予測システム。
続きを表示(約 280 文字)
【請求項2】
前記車両の周囲及び上方を撮像する撮像部をさらに備え、
前記データ処理装置は、前記撮像部で撮像して得た画像データから取得した前記車両の周囲及び上方に位置する物体の有無及び前記物体との距離に基づいて、前記電界強度データに対する補正の必要性を判断する請求項1に記載の落雷発生予測システム。
【請求項3】
前記データ処理装置は、前記電界強度データと前記位置データとに基づき、前記電界強度が零となるエリアに前記車両が位置していると判定した場合に、前記電界強度データ取得部の校正を行う請求項1に記載の落雷発生予測システム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、落雷発生予測システムに関し、特に移動中の車両が位置する空間の電界強度を精度よく検出可能とするための技術に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)
【背景技術】
【0002】
例えば半導体製造工場など、安定的な稼働が求められる施設においては、安定的な電力供給が必要とされている。その一方で、落雷などの自然現象などによって、電力線等の電力設備が損傷して、停電や瞬低(瞬時電圧低下)などの電力トラブルが不可避的に発生しているのが現状である。
【0003】
ここで、落雷の発生を予測して当該施設に警告を発するためのシステムが特許文献1に記載されている。詳述すると、この特許文献に記載のシステムでは、タワー等の建造物の建設作業現場あるいは建設作業現場の周辺の地点に落雷検出装置を設置すると共に、建造物の建設作業現場または建設作業現場の近隣の地点に静電界検出装置を設置する。そして、落雷検出装置により落雷の発生を検出すると共に、静電界検出装置により雲・大地間の静電界の電界強度を検出し、両検出装置から出力された検出信号のレベルに基づいて、警告出力装置により警告情報のランクを決定して、そのランク付けされた警告情報を警告出力装置から出力する。また、この際、静電界検出装置の検出レベルを優先的に採用して、警告情報を出力する。
【0004】
ところで、製造工場においては、設置された各種機器が高度に電気制御され、また電気によりネットワーク化されているため、施設への落雷による機器の破損などの直接的な被害だけでなく停電や瞬低等による間接的な被害に対する対策(雷害対策)が重要となる。特に、半導体工場などは上述の影響を受けやすいため、従来にも増して精度の高い落雷発生予測が求められる。例えば特許文献1に記載のシステムにおいて落雷発生の予測精度を高めるためには、静電界検知装置の数を増やして広範囲に設置することが考えられるが、数を増やすほど設備コストの高騰につながるため、例えば落雷予測を有料サービスとして相手(工場など)に提供することを考えると、現実的でない。
【0005】
そこで、本出願人は、電界効果トランジスタと、電界効果トランジスタのゲート電極に接続されるアンテナと、電界効果トランジスタのソース電極とドレイン電極との間に所定の電圧を付与するためのバイアス電源とを具備した電界検知システムであって、アンテナを、車両のボデー金属部とした電界検知システムを提案している(特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2013-250211号公報
特開2022-147564号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述のように電界効果トランジスタのゲート電極に接続されるアンテナを車両のボデー金属部とすることによって、非常に大きな面積で電界強度を検出できる。そのため、電界の状態を感度よく検出することができ、これにより高精度に落雷の発生を予測することが可能となる。また、電界効果トランジスタは非常に安価に入手し易く、また車両のボデー金属部をアンテナ代わりとすることで、別個にアンテナを用意する手間及びコストを低減できる。
【0008】
その一方で、上述のように車両のボデー金属部をアンテナとして車両が位置する空間の電界強度を検出しようとした場合、周辺の建物等が車両まわりの電界強度に及ぼす影響を検討する必要がある。すなわち、電界強度は車両の上方に位置する物体や、車両に隣接する建物、樹木などの巨大な物体によって影響を受ける。そのため、車両の近くに大きな建物や遮蔽物が存在する場合、車両まわりの電界の状態が変化して、本来の値とは異なる値の電界強度を検出するおそれがある。これでは落雷の発生を精度よく予測することは難しい。
【0009】
以上の事情に鑑み、本明細書では、移動中の車両が位置する空間の電界強度を正確に評価し、これにより落雷発生の予測精度を向上させることを、解決すべき技術課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題の解決は、本発明に係る落雷発生予測システムによって達成される。すなわち、この予測システムは、複数の車両に設けられ各車両が位置する空間の電界強度データを取得可能な電界強度データ取得部と、車両の位置データを取得可能な位置データ取得部と、所定のデータ処理を行うデータ処理装置とを備え、データ処理装置は、電界強度データと位置データとに基づいて落雷の発生を予測する落雷発生予測システムにおいて、データ処理装置は、前記電界強度の影響因子となり得るデータに基づいて必要と判断した場合に電界強度データを補正し、補正した電界強度データに基づいて落雷の発生を予測する点をもって特徴付けられる。
(【0011】以降は省略されています)
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