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公開番号2024167492
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-04
出願番号2023083591
出願日2023-05-22
発明の名称固定構造及び固定方法
出願人ミサワホーム株式会社
代理人個人
主分類E04B 1/58 20060101AFI20241127BHJP(建築物)
要約【課題】木質柱がコーナー部以外の箇所に設置される場合であっても、ベース上に床部を設置した後に木質柱を施工性良く立設する。
【解決手段】ベース20に木質柱30を固定する固定構造1であって、ベース20には、当該ベース20に木質柱30を固定するための固定金物10が取り付けられている。そして、固定金物10は、当該固定金物10の高さ寸法が、ベース20上に設置される床部40の高さ寸法よりも長く設定されており、当該固定金物10の下端がベース20に接した状態で、ベース20に取り付けられており、当該固定金物10と木質柱30を接合するための接合具50が挿通される挿通孔として、互いに垂直な方向に貫通する第一挿通孔14及び第二挿通孔15を備えている。第一挿通孔14及び第二挿通孔15は、ベース20上に設置されている床部40の上面よりも上側に位置する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
ベースに木質柱を固定する固定構造であって、
前記ベースには、当該ベースに前記木質柱を固定するための固定金物が取り付けられており、
前記固定金物は、
当該固定金物の高さ寸法が、前記ベース上に設置される床部の高さ寸法よりも長く設定されており、
当該固定金物の下端が前記ベースに接した状態で、前記ベースに取り付けられており、
当該固定金物と前記木質柱を接合するための接合具が挿通される挿通孔として、互いに垂直な方向に貫通する第一挿通孔及び第二挿通孔を備えており、
前記第一挿通孔及び前記第二挿通孔は、前記ベース上に設置される前記床部の上面よりも上側に位置することを特徴とする固定構造。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
請求項1に記載の固定構造において、
前記木質柱の下端部には、当該木質柱の高さ方向に対して平行なホゾ穴が設けられており、
前記固定金物は、
前記木質柱と係合する係合部と、
前記係合部と前記ベースを連結する連結部と、を備えており、
前記係合部は、
上面が、前記木質柱の下端面に接する水平板部と、
前記第一挿通孔及び前記第二挿通孔が設けられ、前記ホゾ穴に挿入されるホゾ部と、を備えることを特徴とする固定構造。
【請求項3】
請求項2に記載の固定構造において、
前記固定金物の下端から前記水平板部の上面までの寸法は、前記ベース上に設置される前記床部の高さ寸法と同一であることを特徴とする固定構造。
【請求項4】
ベースに木質柱を固定する固定方法であって、
固定金物を前記ベースに取り付ける取付ステップと、
床部を前記ベース上に設置する設置ステップと、
前記取付ステップ及び前記設置ステップの後に、接合具を用いて、前記固定金物と前記木質柱を接合する接合ステップと、を有し、
前記固定金物は、
当該固定金物の高さ寸法が、前記ベース上に設置される床部の高さ寸法よりも長く設定されており、
当該固定金物の下端が前記ベースに接した状態で、前記ベースに取り付けられており、
前記接合具が挿通される挿通孔として、互いに垂直な方向に貫通する第一挿通孔及び第二挿通孔を備えており、
前記第一挿通孔及び前記第二挿通孔は、前記ベース上に設置される前記床部の上面よりも上側に位置することを特徴とする固定方法。
【請求項5】
請求項4に記載の固定方法において、
前記木質柱の下端部には、
当該木質柱の高さ方向に対して平行なホゾ穴と、
前記ホゾ穴に対して直交する第一貫通孔及び第二貫通孔と、が設けられており、
前記固定金物は、
前記木質柱と係合する係合部と、
前記係合部と前記ベースを連結する連結部と、を備えており、
前記係合部は、
上面が、前記木質柱の下端面に接する水平板部と、
前記第一挿通孔及び前記第二挿通孔が設けられ、前記ホゾ穴に挿入されるホゾ部と、を備えており、
前記接合ステップでは、
前記木質柱の下端面が前記水平板部の上面に接するまで、前記ホゾ穴に前記ホゾ部を差し込み、その状態で、
前記第一貫通孔に前記接合具を差し込むことで、当該接合具を前記第一挿通孔に貫通させるとともに、
前記第二貫通孔に前記接合具を差し込むことで、当該接合具を前記第二挿通孔に貫通させることを特徴とする固定方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、固定構造及び固定方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1には、床部を貫通するスタッドボルトによって、柱が、鉄骨造のベースフレームに固定された居住用ユニットが開示されている。この柱は、柱本体である柱用木材と、柱用木材の両端に取り付けられた結合金物と、を備えている。
特許文献2には、コーナー部に木質柱が立設された居住用ユニットが開示されている。この木質柱は、当該木質柱の下端部における直交して隣接する二つの側面が、平面視L字状の立ち上がり部に接し、ビス等によって固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2023-026817号公報
特開2021-152276号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の場合、床部をベース上に設置した後に、柱を当該ベースに固定する。しかしながら、特許文献1の柱は、両端部が結合金物であるので、実質的には木質柱ではない。
一方、特許文献2の柱は、木質柱であり、立ち上がり部によって立設されている。したがって、特許文献1のベース(ベースフレーム)に、特許文献2の立ち上がり部を設ければ、木質柱をベースに固定できる。しかしながら、その場合、立ち上がり部に形成されている挿通孔(ビス等が挿通される挿通孔)が、ベース上に設置されている床部の上面よりも下側に位置する。そのため、木質柱がコーナー部に設置される柱である場合には、ベース上に床部を設置した後であっても、立ち上がり部によって当該木質柱を容易に立設できるが、木質柱がコーナー部以外の箇所に設置される柱である場合には、ベース上に床部を設置した後に、立ち上がり部によって当該木質柱を立設することは困難である。
【0005】
具体的には、特許文献2の立ち上がり部は、互いに直交する二つの面部によって構成されており、二つの面部のそれぞれに挿通孔が形成されている。すなわち、立ち上がり部には、互いに垂直な方向に貫通する挿通孔が設けられており、木質柱を立ち上がり部に固定する際には、互いに垂直な二つの方向からビス等が打ち込まれる。
したがって、特許文献1のベース(ベースフレーム)に、特許文献2の立ち上がり部を設ける場合、すなわち、ビス等が挿通される挿通孔が、ベース上に設置されている床部の上面よりも下側に位置する場合には、コーナー部以外の箇所に設置される木質柱に対しては、ベース上に床部を設置した後だと、床部が邪魔になって、互いに垂直な二つの方向のうち、少なくとも一の方向からビス等を打ち込むことができない。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その課題は、木質柱がコーナー部以外の箇所に設置される場合であっても、ベース上に床部を設置した後に木質柱を施工性良く立設することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、例えば図1~図12に示すように、ベース20に木質柱30を固定する固定構造1であって、
前記ベース20には、当該ベース20に前記木質柱30を固定するための固定金物10が取り付けられており、
前記固定金物10は、
当該固定金物10の高さ寸法が、前記ベース20上に設置される床部40の高さ寸法よりも長く設定されており、
当該固定金物10の下端が前記ベース20に接した状態で、前記ベース20に取り付けられており、
当該固定金物10と前記木質柱30を接合するための接合具50が挿通される挿通孔として、互いに垂直な方向に貫通する第一挿通孔14及び第二挿通孔15を備えており、
前記第一挿通孔14及び前記第二挿通孔15は、前記ベース20上に設置される前記床部40の上面よりも上側に位置することを特徴とする。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、固定金物10における、ベース20上に設置されている床部40の上面よりも上側の部位に、接合具50が挿通される挿通孔14,15が設けられているので、接合具50を用いて固定金物10と木質柱30を接合する接合作業を、ベース20上に設置されている床部40の上面よりも上側の位置で行うことができる。
したがって、建物のコーナー部に設置される木質柱30と固定金物10を接合する接合作業だけでなく、建物のコーナー部以外の箇所に設置される木質柱30と固定金物10を接合する接合作業も、床部40に邪魔されることなく行うことができるので、木質柱30がコーナー部以外の箇所に設置される場合であっても、ベース20上に床部40を設置した後に木質柱30を施工性良く立設することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、例えば図1~図12に示すように、請求項1に記載の固定構造1において、
前記木質柱30の下端部には、当該木質柱30の高さ方向に対して平行なホゾ穴31が設けられており、
前記固定金物10は、
前記木質柱30と係合する係合部11と、
前記係合部11と前記ベース20を連結する連結部16と、を備えており、
前記係合部11は、
上面が、前記木質柱30の下端面に接する水平板部12と、
前記第一挿通孔14及び前記第二挿通孔15が設けられ、前記ホゾ穴31に挿入されるホゾ部13と、を備えることを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、木質柱30を固定金物10の係合部11に係合させるだけで、すなわち、木質柱30のホゾ穴31に、固定金物10の係合部11におけるホゾ部13を差し込んで、木質柱30の下端面を、固定金物10の係合部11における水平板部12の上面に接した状態にするだけで、固定金物10に対する木質柱30の位置決めを行うことができる。したがって、木質柱30の位置決めが容易であるので、木質柱30を施工性良く立設することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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