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公開番号2024167071
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-29
出願番号2024080311
出願日2024-05-16
発明の名称空気入りタイヤ
出願人TOYO TIRE株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類B60C 11/03 20060101AFI20241122BHJP(車両一般)
要約【課題】センター陸によって空車時におけるトラクション性能を確保しながら、ショルダー陸における肩落ち摩耗の抑制とトラクション性能の確保とを両立できる空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】空気入りタイヤ1のトレッド11の外側センター周方向溝13及び内側センター周方向溝14は、溝幅W1,W2が外側ショルダー周方向溝15及び内側ショルダー周方向溝16の溝幅W3,W4よりもそれぞれ狭い。複数のセンター横深溝22aはそれぞれ、溝深さD2が内側センター周方向溝14及び外側センター周方向溝13の溝深さD1の50%以上100%以下である。複数の内側幅広クオーター横溝23aはそれぞれ、溝深さD4が溝深さD1の50%以上100%以下である。複数の内側ショルダー横溝24はそれぞれ、溝深さD6が溝深さD1の20%以上50%以下である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項１】
トレッドに、
車両装着状態でタイヤ赤道に対して車軸方向一方側に位置しており、タイヤ周方向に延びる、一方側センター周方向溝と、
車両装着状態でタイヤ赤道に対して車軸方向他方側に位置しており、タイヤ周方向に延びる、他方側センター周方向溝と、
車両装着状態で前記一方側センター周方向溝よりも車軸方向一方側に位置しており、タイヤ周方向に延びる、一方側ショルダー周方向溝と、
車両装着状態で前記他方側センター周方向溝よりも車軸方向他方側に位置しており、タイヤ周方向に延びる、他方側ショルダー周方向溝と、
タイヤ周方向に間隔を空けて交互に位置しており、それぞれ前記一方側センター周方向溝と前記他方側センター周方向溝との間をタイヤ軸方向に連通しており、溝幅が同じである、複数のセンター横深溝及び複数のセンター横浅溝と、
タイヤ周方向に間隔を空けて位置しており、それぞれ前記一方側センター周方向溝と前記一方側ショルダー周方向溝との間をタイヤ軸方向に連通する、複数の一方側幅広クオーター横溝及び複数の一方側幅狭クオーター横溝と、
タイヤ周方向に間隔を空けて位置しており、それぞれ前記一方側ショルダー周方向溝と前記トレッドの車軸方向一方側接地端との間をタイヤ軸方向に連通する、複数の一方側ショルダー横溝と
を有し、
前記複数のセンター横深溝はそれぞれ、溝深さが前記一方側センター周方向溝及び前記他方側センター周方向溝の溝深さの５０％以上１００％以下であって、
前記複数のセンター横浅溝はそれぞれ、溝深さが前記一方側センター周方向溝及び前記他方側センター周方向溝の溝深さの５％以上２０％以下であって、
前記複数の一方側幅広クオーター横溝はそれぞれ、溝深さが前記一方側センター周方向溝の溝深さの５０％以上１００％以下であって、
前記複数の一方側幅狭クオーター横溝はそれぞれ、溝深さが前記一方側センター周方向溝の溝深さの５％以上２０％以下であって、
前記複数の一方側ショルダー横溝はそれぞれ、溝深さが前記一方側ショルダー周方向溝の溝深さの２０％以上５０％以下であって、
前記一方側センター周方向溝及び前記他方側センター周方向溝は、溝幅が前記一方側ショルダー周方向溝及び前記他方側ショルダー周方向溝の溝幅よりもそれぞれ狭い、空気入りタイヤ。
続きを表示（約 900 文字）【請求項２】
前記一方側ショルダー周方向溝及び前記他方側ショルダー周方向溝は、溝幅が前記一方側センター周方向溝及び前記他方側センター周方向溝の溝幅のそれぞれ１．２倍以上４．０倍以下である、請求項１に記載の空気入りタイヤ。
【請求項３】
前記一方側センター周方向溝及び前記他方側センター周方向溝はそれぞれ、溝幅が３．０ｍｍ以上９．０ｍｍ以下である、請求項２に記載の空気入りタイヤ。
【請求項４】
前記空気入りタイヤは、
前記トレッドに、
車両装着状態でタイヤ赤道に対して車軸方向内側において、前記一方側センター周方向溝、前記一方側ショルダー周方向溝、前記複数の一方側幅広クオーター横溝、前記複数の一方側幅狭クオーター横溝、及び前記複数の一方側ショルダー横溝と、
車両装着状態でタイヤ赤道に対して車軸方向外側において、前記他方側センター周方向溝、及び前記他方側ショルダー周方向溝と
を有し、
前記一方側センター周方向溝と前記一方側ショルダー周方向溝との間に区画されると共に、前記複数の一方側幅広クオーター横溝及び前記複数の一方側幅狭クオーター横溝によってタイヤ周方向に区画される、複数の一方側クオーターブロックと、
前記一方側ショルダー周方向溝によって車軸方向内側に区画されると共に、前記複数の一方側ショルダー横溝によってタイヤ周方向に区画される、複数の一方側ショルダーブロックと、
前記他方側ショルダー周方向溝と前記他方側センター周方向溝との間に区画される、他方側クオーターリブと、
前記他方側ショルダー周方向溝によって車軸方向外側に区画される、他方側ショルダーリブとを有している、請求項１又は請求項２に記載の空気入りタイヤ。
【請求項５】
前記他方側ショルダー周方向溝は、溝幅が前記一方側ショルダー周方向溝よりも狭い、請求項４に記載の空気入りタイヤ。
【請求項６】
前記一方側センター周方向溝は、溝幅が前記他方側センター周方向溝よりも狭い、請求項４に記載の空気入りタイヤ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、空気入りタイヤに関する。
続きを表示（約 4,900 文字）【背景技術】
【０００２】
特許文献１には、トレッドに、車両装着状態でタイヤ赤道に対して車軸方向両側に位置しており、タイヤ周方向に延びる、一対のセンター周方向溝と、車両装着状態で該一対のセンター周方向溝よりも車軸方向両側に位置しており、タイヤ周方向に延びる、一対のショルダー周方向溝と、を備える空気入りタイヤが開示されている。この空気入りタイヤは、一対のセンター周方向溝の溝幅が一対のショルダー周方向溝の溝幅よりも狭い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
特開２０１９－１０４４１１号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
特許文献１によれば、一対のセンター周方向溝の溝幅が一対のショルダー周方向溝の溝幅よりもそれぞれ狭いので、一対のセンター周方向溝の溝幅が一対のショルダー周方向溝の溝幅と同じか若しくは広い場合に比して、一対のセンター周方向溝との間に区画されるセンター陸をタイヤ軸方向に広く構成できる。車両、特にライトトラックは、荷を積んでいない空車時には、センター陸に接地荷重が集中しやすいことが知られている。したがって、空車時に接地荷重が集中しやすいセンター陸がタイヤ軸方向に広く構成されるので、空車時のトラクション性能を確保できる。
【０００５】
一方、特許文献１のタイヤは、一対のショルダー周方向溝の溝幅が、相対的に、一対のセンター周方向溝の溝幅よりもそれぞれ広くなるので、一対のショルダー周方向溝によって車軸方向両側に区画される一対の外側ショルダー陸のタイヤ軸方向の幅が狭くなり、該一対の外側ショルダー陸の剛性が低下しやすい。タイヤは、前輪等の操舵輪に装着した場合、前輪の操舵時には、外側ショルダー陸に作用する車軸方向の横力が増大しやすいことが知られている。したがって、特許文献１のタイヤが操舵輪に装着された場合、外側ショルダー陸が摩耗しやすくなるため、外側ショルダー陸の内側に対して外側が摩耗する肩落ち摩耗が進みやすい。
【０００６】
特に、車両がＥＶ（電気自動車）ライトトラックである場合、従来のエンジン駆動の車両に比して、車両質量が大きくなると共に、加速性能が向上する。したがって、ＥＶライトトラックの操舵輪に装着されるタイヤは、従来のエンジン駆動の車両に装着されるタイヤに比して、ショルダー陸の内側に対して外側が摩耗する肩落ち摩耗が進みやすくなると共に、トラクション性能がさらに要求される。
【０００７】
そこで、本発明は、センター陸によって空車時におけるトラクション性能を確保しながら、ショルダー陸における肩落ち摩耗の抑制とトラクション性能の確保とを両立できる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
まず、本発明の態様は、トレッドに、
車両装着状態でタイヤ赤道に対して車軸方向一方側に位置しており、タイヤ周方向に延びる、一方側センター周方向溝と、
車両装着状態でタイヤ赤道に対して車軸方向他方側に位置しており、タイヤ周方向に延びる、他方側センター周方向溝と、
車両装着状態で前記一方側センター周方向溝よりも車軸方向一方側に位置しており、タイヤ周方向に延びる、一方側ショルダー周方向溝と、
車両装着状態で前記他方側センター周方向溝よりも車軸方向他方側に位置しており、タイヤ周方向に延びる、他方側ショルダー周方向溝と、
タイヤ周方向に間隔を空けて交互に位置しており、それぞれ前記一方側センター周方向溝と前記他方側センター周方向溝との間をタイヤ軸方向に連通しており、溝幅が同じである、複数のセンター横深溝及び複数のセンター横浅溝と、
タイヤ周方向に間隔を空けて位置しており、それぞれ前記一方側センター周方向溝と前記一方側ショルダー周方向溝との間をタイヤ軸方向に連通する、複数の一方側幅広クオーター横溝及び複数の一方側幅狭クオーター横溝と、
タイヤ周方向に間隔を空けて位置しており、それぞれ前記一方側ショルダー周方向溝と前記トレッドの車軸方向一方側接地端との間をタイヤ軸方向に連通する、複数の一方側ショルダー横溝と
を有し、
前記複数のセンター横深溝はそれぞれ、溝深さが前記一方側センター周方向溝及び前記他方側センター周方向溝の溝深さの５０％以上１００％以下であって、
前記複数のセンター横浅溝はそれぞれ、溝深さが前記一方側センター周方向溝及び前記他方側センター周方向溝の溝深さの５％以上２０％以下であって、
前記複数の一方側幅広クオーター横溝はそれぞれ、溝深さが前記一方側センター周方向溝の溝深さの５０％以上１００％以下であって、
前記複数の一方側幅狭クオーター横溝はそれぞれ、溝深さが前記一方側センター周方向溝の溝深さの５％以上２０％以下であって、
前記複数の一方側ショルダー横溝はそれぞれ、溝深さが前記一方側ショルダー周方向溝の溝深さの２０％以上５０％以下であって、
前記一方側センター周方向溝及び前記他方側センター周方向溝は、溝幅が前記一方側ショルダー周方向溝及び前記他方側ショルダー周方向溝の溝幅よりもそれぞれ狭い、空気入りタイヤを提供する。
【０００９】
本発明によれば、一方側及び他方側センター周方向溝は、溝幅が一方側及び他方側ショルダー周方向溝よりもそれぞれ狭いので、溝幅が一方側及び他方側ショルダー周方向溝と同じか若しくは広い場合に比して、一方側及び他方側センター周方向溝との間に区画されると共に、複数のセンター横深溝及び複数のセンター横浅溝によってタイヤ周方向に区画される複数のセンターブロック、一方側センター周方向溝と一方側ショルダー周方向溝との間に区画されると共に、複数の一方側幅広クオーター横及び複数の一方側幅狭クオーター横溝によってタイヤ周方向に区画される複数の一方側クオーターブロック、および他方側センター周方向溝と他方側ショルダー周方向溝との間に区画される他方側クオーター陸をタイヤ軸方向に広く構成しやすい。ここで、本発明に係る空気入りタイヤをトラック等の車両に装着した場合、該トラックが荷を積んでいない空車時には、センターブロックに接地荷重が集中しやすい。したがって、本発明によれば、空車時に接地荷重が集中しやすいセンターブロックがタイヤ軸方向に広く構成されるので、空車時のトラクション性能を確保しやすい。
また、トレッドは、一方側センター周方向溝と他方側センター周方向溝との間において、複数のセンター横深溝及び複数のセンター横浅溝と、一方側センター周方向溝と一方側ショルダー周方向溝との間において、複数の一方側幅広クオーター横溝及び複数の一方側幅狭クオーター横溝とを有するため、他方側センター周方向溝から一方側ショルダー周方向溝までの領域において、トラクション性能を好適に発揮させやすい。
しかも、複数のセンター横浅溝は、溝深さが複数のセンター横深溝の溝深さよりも浅いので、センターブロックの過度な剛性低下が抑制される。また、複数の一方側幅狭クオーター横溝は、溝深さが複数の一方側幅広クオーター横溝の溝深さよりも浅いので、一方側センター周方向溝と一方側ショルダー周方向溝との間に区画されると共に、複数の一方側幅広クオーター横溝及び複数の一方側幅狭クオーター横溝によってタイヤ周方向に区画される複数の一方側クオーターブロックの過度な剛性低下が抑制される。
複数のセンター横深溝の溝深さが一方側センター周方向溝及び他方側センター周方向溝の溝深さの５０％未満である場合、センターブロックが摩耗することによって、複数のセンター横深溝は早期に消失しやすいため、センターブロックにおけるトラクション効果が減少して空車時のトラクション性能が不足しやすい。
複数のセンター横深溝の溝深さが一方側センター周方向溝及び他方側センター周方向溝の溝深さの１００％より大きい場合、センターブロックの剛性が過度に低下することによって、センターブロックは摩耗しやすくなる。
複数のセンター横浅溝の溝深さが一方側センター周方向溝及び他方側センター周方向溝の溝深さの５％未満である場合、センターブロックが摩耗することによって、複数のセンター横浅溝は早期に消失しやすいため、センターブロックにおけるトラクション効果が減少して空車時のトラクション性能が不足しやすい。
複数のセンター横浅溝の溝深さが一方側センター周方向溝及び他方側センター周方向溝の溝深さの２０％より大きい場合、センターブロックの剛性が過度に低下することによって、センターブロックは摩耗しやすくなる。
複数の一方側幅広クオーター横溝の溝深さが一方側センター周方向溝の溝深さの５０％未満である場合、一方側クオーターブロックが摩耗することによって、複数の一方側幅広クオーター横溝は早期に消失しやすいため、一方側クオーターブロックにおけるトラクション効果が減少しやすい。
複数の一方側幅広クオーター横溝の溝深さが一方側センター周方向溝の溝深さの１００％より大きい場合、一方側クオーターブロックの剛性が過度に低下することによって、一方側クオーターブロックは摩耗しやすくなる。
複数の一方側幅狭クオーター横溝の溝深さが一方側センター周方向溝の溝深さの５％未満である場合、一方側クオーターブロックが摩耗することによって、複数の一方側幅狭クオーター横溝は早期に消失しやすいため、一方側クオーターブロックにおけるトラクション効果が減少しやすい。
複数の一方側幅狭クオーター横溝の溝深さが一方側センター周方向溝の溝深さの２０％より大きい場合、一方側クオーターブロックの剛性が過度に低下することによって、一方側クオーターブロックは摩耗しやすくなる。
さらに、トレッドは、一方側ショルダー周方向溝と車軸方向一方側接地端との間において、複数の一方側ショルダー横溝を有する。よって、一方側ショルダー周方向溝か車軸方向一方側接地端までの間において、複数の一方側ショルダー横溝によって、トラクション性能を好適に発揮させやすい。
しかも、複数の一方側ショルダー横溝は、溝深さが一方側ショルダー周方向溝の溝深さの２０％以上５０％以下であるので、一方側ショルダー周方向溝によって車軸方向一方側に区画されると共に、複数の一方側ショルダー横溝によってタイヤ周方向に区画される複数の一方側ショルダーブロックの過度な剛性低下が抑制される。
複数の一方側ショルダー横溝の溝深さが一方側ショルダー周方向溝の溝深さの２０％未満である場合、一方側ショルダーブロックが摩耗することによって、複数の一方側ショルダー横溝は早期に消失しやすいため、一方側ショルダーブロックにおけるトラクション効果が減少しやすい。
複数の一方側ショルダー横溝の溝深さが一方側ショルダー周方向溝の溝深さの５０％より大きい場合、一方側ショルダーブロックの剛性が過度に低下することによって、一方側ショルダーブロックは摩耗しやすくなる。
したがって、本発明に係る空気入りタイヤによれば、センターブロックによって空車時におけるトラクション性能を確保しながら、一方側ショルダーブロックにおいて、トラクション効果をもたらす横溝を形成しつつ、該横溝による剛性低下を抑制して肩落ち摩耗が抑制される。
【００１０】
また、前記一方側ショルダー周方向溝及び前記他方側ショルダー周方向溝は、溝幅が前記一方側センター周方向溝及び前記他方側センター周方向溝の溝幅のそれぞれ１．２倍以上４．０倍以下であってもよい。
（【００１１】以降は省略されています）

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