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公開番号2024166669
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-29
出願番号2023082910
出願日2023-05-19
発明の名称ジシアノシクロヘキシリデン誘導体およびそれを用いた有機発光素子
出願人京セラドキュメントソリューションズ株式会社
代理人弁理士法人 佐野特許事務所
主分類C07C 255/31 20060101AFI20241122BHJP(有機化学)
要約【課題】熱安定性に優れ、蒸着温度が低く正孔注入材料として有用なジシアノシクロヘキシリデン誘導体およびそれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子を提供する。
【解決手段】下式(1)で表されるジシアノシクロヘキシリデン誘導体。式中、Arは環形成炭素数6~24の芳香環、あるいは環形成原子数5~24の複素環を示し、X1は下記(a)、(b)に示す二価の基のいずれかである。R1~R4は、独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のフルオロアルキル基、又は、シアノ基である。
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【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記の一般式(1)で表されるジシアノシクロヘキシリデン誘導体。
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(式(1)中、Arは、環形成炭素数6~24の芳香環、あるいは環形成原子数5~24の複素環を示し、X1は下記(a)、(b)に示す二価の基のいずれかである。R

~R

は、それぞれ互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のフルオロアルキル基、又は、シアノ基である。)
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続きを表示(約 910 文字)【請求項2】
前記一般式(1)が、下記の化学式(1-1)~(1-3)、(1-8)、(1-9)、(1-12)のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載のジシアノシクロヘキシリデン誘導体。
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【請求項3】
基板と、
前記基板上に積層される陽極と、
前記陽極上に積層される、発光層を含む1層以上の有機薄膜層と、
前記有機薄膜層上に積層されるドナー含有層と、
前記ドナー含有層上に積層されるアクセプター含有層と、
前記アクセプター含有層上に積層される光透過性陰極と、
を備え、
前記有機薄膜層は、前記陽極と前記発光層の間に正孔注入層を有し、
前記正孔注入層として、請求項1又は請求項2に記載のジシアノシクロヘキシリデン誘導体を含む、有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項4】
前記発光層を含む1層以上の前記有機薄膜層が、電荷発生層を介して積層された2以上の発光ユニットを構成している、請求項3に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項5】
前記発光ユニットの発光層を構成する少なくとも1つの材料が、他の発光ユニットの発光層を構成する材料と異なっている、請求項4に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項6】
前記発光層が白色発光する、請求項3に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、光電変換層の正孔注入層の材料として用いられる電子受容性有機材料、およびそれを用いた有機発光素子に関するものである。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
有機エレクトロルミネッセンス素子(OLED、organic electroluminescent diode)は、自己発光かつ高輝度で、視野角が広く、応答がより速く、製造プロセスが簡単であることから、工業的なディスプレイによく用いられている。近年、携帯電話、携帯情報端末(personal digital assistant)およびノートパソコン等の電子製品の発展と広範な応用に伴い、消費する電力がより低くかつ占めるスペースのより小さなフラットディスプレイデバイスに対する需要が高まっている。
【0003】
従来の有機エレクトロルミネッセンス素子は、一般的に真性半導体材料に依存し、かつ非ドープ正孔注入層を有しており、同じタイプの液晶ディスプレイ(LCD)と比べ、駆動電圧と消費電力が高い。有機エレクトロルミネセントダイオードの駆動電圧および消費電力を減らすため、p-i-n構造を有するOLEDが知られている。具体的に言うと、そのOLEDはp-ドープ正孔注入層を有する。
【0004】
また、p-ドーパントとしてF4-TCNQ(2,3,5,6-テトラフルオロ-7,7,8,8-テトラシアノ-p-キノジメタン)、およびp-ドープ層のホストとしてm-MTDATA(4,4’,4”-トリス(3-メチルフェニルフェニルアミノ)-トリフェニルアミン)を用いたp-i-nOLEDが知られている。
【0005】
特許文献1には、正孔注入層がF4-TCNQ構造を有する化合物を含む有機エレクトロルミネセントダイオードを含む画像表示システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2008-244430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、F4-TCNQは熱安定性が低く、蒸発時に分解し易いことから、OLEDの信頼性および性能が落ちる。さらに、F4-TCNQは蒸着温度が低いため、F4-TCNQのドーパント量を制御し難いという問題点があった。
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑み、熱安定性に優れ、蒸着温度が低く正孔注入層として有用なジシアノシクロヘキシリデン誘導体およびそれを用いた有機発光素子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明の第1の構成は、下記の一般式(1)で表されるジシアノシクロヘキシリデン誘導体である。
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式(1)中、Arは、環形成炭素数6~24の芳香環、あるいは環形成原子数5~24の複素環を示し、X1は下記(a)、(b)に示す二価の基のいずれかである。R

~R

は、それぞれ互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のフルオロアルキル基、又は、シアノ基である。
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【発明の効果】
【0010】
本発明の第1の構成によれば、有機発光素子の正孔注入層の材料として上記式(1)で表される化合物を用いることにより、熱安定性に優れ、蒸着温度の低い正孔注入層を形成することができ、ドーパント量の制御が容易となる。従って、有機発光素子の信頼性および性能が向上する。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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