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公開番号
2024164122
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-26
出願番号
2024139510,2022195270
出願日
2024-08-21,2016-10-21
発明の名称
がんを治療するためのMDM2阻害剤の投与計画
出願人
第一三共株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
A61K
31/4439 20060101AFI20241119BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約
【課題】特定の投与計画に従って対象に特定のMDM2阻害剤を投与することを含む、それを必要とする対象におけるがんを治療する方法および投与計画に従ってがんを治療することに用いるための医薬組成物を提供する。
【解決手段】治療有効量の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物が提供される。
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【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
治療有効量の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む、それを必要と
する対象においてがんを治療することに用いるための医薬組成物であって、約80mgか
ら約250mgの1日用量の化合物またはその塩を対象に投与することを含む投薬スケジ
ュールに従って、経口投与される医薬組成物
JPEG
2024164122000010.jpg
88
155
(3’R,4’S,5’R)-N-[(3R,6S)-6-カルバモイルテトラヒドロ-
2H-ピラン-3-イル]-6”-クロロ-4’-(2-クロロ-3-フルオロピリジン
-4-イル)-4,4-ジメチル-2”-オキソ-1”,2”-ジヒドロジスピロ[シク
ロヘキサン-1,2’-ピロリジン-3’,3”-インドール]-5’-カルボキサミド
。
続きを表示(約 920 文字)
【請求項2】
投薬スケジュールが、約80mgから約140mgの1日用量の化合物またはその塩を
対象に投与することを含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
投薬スケジュールが、約80mgから約100mgの1日用量の化合物またはその塩を
対象に投与することを含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項4】
投薬スケジュールが、約90mgの1日用量の化合物またはその塩を対象に投与するこ
とを含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項5】
投薬スケジュールが、約100mgから約140mgの1日用量の化合物またはその塩
を対象に投与することを含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項6】
投薬スケジュールが、約120mgの1日用量の化合物またはその塩を対象に投与する
ことを含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項7】
がんが脂肪肉腫である、請求項1から6のいずれか一項に記載の、それを必要とする対
象においてがんを治療することに用いるための医薬組成物。
【請求項8】
がんが脂肪肉腫のゲノム中に増幅されたMDM2遺伝子を有する脂肪肉腫である、請求
項7に記載の、それを必要とする対象においてがんを治療することに用いるための医薬組
成物。
【請求項9】
治療有効量の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む、それを必要と
する対象においてがんを治療することに用いるための医薬組成物であって、周期性投与ス
ケジュールの少なくとも1つのサイクルの間、経口投与され、各サイクルは、少なくとも
10日の投薬期間を有し、化合物またはその塩は、約80mgから約250mgの1日投
薬量で毎日投与される、医薬組成物。
【請求項10】
化合物またはその塩が、約80mgから約140mgの1日投薬量で毎日投与される、
請求項9に記載の医薬組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、がんをそれを必要とする対象において治療する方法であって、特定の投与計
画に従って対象に特定のMDM2阻害剤を投与することを含む方法、および投与計画に従
ってがんを治療することに用いるための医薬組成物に関する。本発明は、脂肪肉腫をそれ
を必要とする対象において治療する方法であって、対象に特定のMDM2阻害剤を投与す
ることを含む方法、およびMDM2阻害剤を含む脂肪肉腫を治療することに用いるための
医薬組成物にも関する。
続きを表示(約 4,800 文字)
【背景技術】
【0002】
MDM2は、染色体12q13-15に位置し、p53腫瘍サプレッサータンパク質の
負の制御因子である。90kDaのMDM2タンパク質は、そのN末端にあるp53結合
ドメインおよびp53をユビキチン化するE3リガーゼとして機能する、そのC末端にあ
るRING(really interesting new gene)ドメインを含
有する。細胞刺激およびストレスによる野生型p53の活性化は、N末端でのMDM2の
p53への結合をもたらして、p53の転写活性化を阻害し、ユビキチン-プロテアソー
ム経路を介したp53の分解を促進する。したがって、MDM2は、p53媒介アポトー
シスおよびがん細胞増殖の停止を妨げ、がん細胞中の重要な発癌活性はMDM2に起因す
る可能性がある。いくつかの場合では、MDM2は、例えばMDM2の選択的スプライス
型を有する細胞中において、p53経路に依存しない発癌を引き起こす可能性がある(H
.A.Steinmanら、2004、J.Biol.Chem.、279(6):48
77-4886)。したがって、いくつかのMDM2阻害剤はがんを治療するため開発さ
れ、これには(3’R,4’S,5’R)-N-[(3R,6S)-6-カルバモイルテ
トラヒドロ-2H-ピラン-3-イル]-6”-クロロ-4’-(2-クロロ-3-フル
オロピリジン-4-イル)-4,4-ジメチル-2”-オキソ-1”,2”-ジヒドロジ
スピロ[シクロヘキサン-1,2’-ピロリジン-3’,3”-インドール]-5’-カ
ルボキサミド(WO2012/121361および米国特許出願公開第2012/026
4738A)が含まれる。
【0003】
脂肪肉腫(LPS)は、ヒトにおける、最も一般的な軟部組織肉腫(STS)サブタイ
プの1つであり、STSケースの約18から26%を含む。LPSは、高分化型(wel
l-differentiated)タイプ(WD、46から54%)、脱分化型タイプ
(DD、18から26%)、粘液様/円形細胞タイプ(13から28%)および多形性タ
イプ(7から8%)の4つのサブタイプに分類することができる。染色体12q13-1
5の増幅は、WD/DD LPSにおいて頻繁(すなわち、約90%の患者まで)に見出
される(Coindreら、2010、Virchows.Arch.、456:167
-179、Momandら、1998、Nucleic Acid Research、
26(15):3453-3459、およびRayburnら、2005、Curren
t Cancer Drug Targets、5:27-41)。したがって、一部の
MDM2アンタゴニストは、脂肪肉腫の治療薬として開発された(Ray-Coquar
dら、2012、Lancet Oncol.、13:1133-1140)。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、特定の投与計画に従って対象に特定のMDM2阻害剤を投与することを含む
、それを必要とする対象におけるがんを治療する方法および前記投与計画に従ってがんを
治療することに用いるための医薬組成物を提供する。本発明は、対象に特定のMDM2阻
害剤を投与することを含む、それを必要とする対象における脂肪肉腫を治療する方法およ
びMDM2阻害剤を含む脂肪肉腫を治療することに用いるための医薬組成物も提供する。
【0005】
固体がんおよびリンパ腫が、80から250mgの1日用量の化合物またはその塩を対
象に周期性投薬(QD21/28またはQD28/28)を投与することを含む投与計画
に従って
(3’R,4’S,5’R)-N-[(3R,6S)-6-カルバモイルテトラヒドロ-
2H-ピラン-3-イル]-6”-クロロ-4’-(2-クロロ-3-フルオロピリジン
-4-イル)-4,4-ジメチル-2”-オキソ-1”,2”-ジヒドロジスピロ[シク
ロヘキサン-1,2’-ピロリジン-3’,3”-インドール]-5’-カルボキサミド
(以下「化合物1」とも称される)またはその薬学的に許容される塩を対象に経口投与す
ることによって治療することができることを発明者らは発見した。脂肪肉腫が、化合物1
で治療することができることも発明者らは発見した。
【0006】
本発明は、以下を提供する:
(1)治療有効量の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む、それを必
要とする対象におけるがんを治療することに用いるための医薬組成物であって、約80m
gから約250mgの1日用量の該化合物またはその塩を対象に投与することを含む投薬
スケジュールに従って経口投与される、医薬組成物。
JPEG
2024164122000001.jpg
64
117
(3’R,4’S,5’R)-N-[(3R,6S)-6-カルバモイルテトラヒドロ-
2H-ピラン-3-イル]-6”-クロロ-4’-(2-クロロ-3-フルオロピリジン
-4-イル)-4,4-ジメチル-2”-オキソ-1”,2”-ジヒドロジスピロ[シク
ロヘキサン-1,2’-ピロリジン-3’,3”-インドール]-5’-カルボキサミド
(2)投薬スケジュールが、約80mgから約140mgの1日用量の化合物またはその
塩を対象に投与することを含む、上記(1)に記載の医薬組成物。
(3)投薬スケジュールが、約80mgから約100mgの1日用量の化合物またはその
塩を対象に投与することを含む、上記(1)に記載の医薬組成物。
(4)投薬スケジュールが、約90mgの1日用量の化合物またはその塩を対象に投与す
ることを含む、上記(1)に記載の医薬組成物。
(5)投薬スケジュールが、約100mgから約140mgの1日用量の化合物またはそ
の塩を対象に投与することを含む、上記(1)に記載の医薬組成物。
(6)投薬スケジュールが、約120mgの1日用量の化合物またはその塩を対象に投与
することを含む、上記(1)に記載の医薬組成物。
(7)がんが、脂肪肉腫である、上記(1)から(6)のいずれか1つに記載の、それを
必要とする対象におけるがんを治療することに用いるための、医薬組成物。
(8)がんが、脂肪肉腫のゲノム中に増幅されたMDM2遺伝子を有する脂肪肉腫である
、上記(7)に記載の、それを必要とする対象においてがんを治療することに用いるため
の、医薬組成物。
(9)治療有効量の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む、それを必
要とする対象においてがんを治療することに用いるための、医薬組成物であって、周期性
投与スケジュールの少なくとも1つのサイクルの間、経口投与され、各サイクルは、少な
くとも10日の投薬期間を有し、化合物またはその塩は、約80mgから約250mgの
1日投薬量で毎日投与される、医薬組成物。
(10)化合物またはその塩が、約80mgから約140mgの1日投薬量で毎日投与さ
れる、上記(9)に記載の医薬組成物。
(11)化合物またはその塩が、約80mgから約100mgの1日投薬量で毎日投与さ
れる、上記(9)に記載の医薬組成物。
(12)化合物またはその塩が、約90mgの1日投薬量で毎日投与される、上記(9)
に記載の医薬組成物。
(13)化合物またはその塩が、約100mgから約140mgの1日投薬量で毎日投与
される、上記(9)に記載の医薬組成物。
(14)化合物またはその塩が、約120mgの1日投薬量で毎日投与される、上記(9
)に記載の医薬組成物。
(15)化合物またはその塩が、約140mgから約180mgの1日投薬量で毎日投与
される、上記(9)に記載の医薬組成物。
(16)化合物またはその塩が、約160mgの1日投薬量で毎日投与される、上記(9
)に記載の医薬組成物。
(17)化合物またはその塩が、約180mgから約250mgの1日投薬量で毎日投与
される、上記(9)に記載の医薬組成物。
(18)化合物またはその塩が、約210mgの1日投薬量で毎日投与される、上記(9
)に記載の医薬組成物。
(19)治療有効量の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む、それを
必要とする対象においてがんを治療することに用いるための医薬組成物であって、周期性
投与スケジュールの少なくとも1つのサイクルの間、経口投与され、各サイクルは、約1
【図面の簡単な説明】
【0007】
臨床研究における全ての評価可能な対象(n=23)において最良の腫瘍応答を示すウォーターフォールプロットを示す図である。脂肪肉腫を有する対象は、バー上に文字「L」によって示される。ベースラインは、化合物2の最初の用量の前にとられた最後の非欠損値として定義した。各対象について、全ての標的病変に対する直径の和におけるベースラインからの最良(最小)パーセント変化は、縦のバーによって表される。「PD」および「SD」という用語は、それぞれ、RECISTガイドラインv1.1に定義されるとおり、進行および安定を意味する。
【0008】
臨床研究における脂肪肉腫に罹患している全ての対象(n=13)において最良の腫瘍応答を示すウォーターフォールプロットを示す図である。WDおよびDD脂肪肉腫を有する対象は、それぞれ、バー上に文字「WD」および「DD」によって示される。ベースラインは、化合物2の最初の用量の前にとられた最後の非欠損値として定義した。各対象について、全ての標的病変に対する直径の和におけるベースラインからの最良(最小)パーセント変化は、縦のバーによって表される。「PD」および「SD」という用語は、それぞれ、RECISTガイドラインv1.1に定義されるとおり、進行および安定を意味する。
【発明の具体的な説明】
【0009】
本明細書で使用される「含む」という用語は、オープンエンドで、包括的であることが
意図され、追加の記載していない特性を排除しなく、クローズドな用語「からなる」また
は「本質的にからなる」を包含する。
【0010】
「対象」という用語は、がんに罹患しているかまたは罹患している疑いのある哺乳動物
、特にヒトを表す。対象は、他の療法によって以前から治療されてきたかまたは治療され
た対象であり得る。対象は、ヒト成人であり得る。
(【0011】以降は省略されています)
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