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公開番号2024163763
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-22
出願番号2023079634
出願日2023-05-12
発明の名称リチウム回収方法及びリチウム回収装置
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類C25B 1/14 20060101AFI20241115BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約【課題】本開示は、リチウムイオン挿入脱離可能電極を用いるリチウムイオン回収方法において、運用コストを低下させることを目的とする。
【解決手段】電解槽、電源、電解液、リチウムイオン挿入脱離可能電極、マグネシウムイオン挿入脱離可能電極、及び電解液切り替え機構を有し、上記電解液が、上記電解槽に収容されており、上記リチウムイオン挿入脱離可能電極及び上記マグネシウムイオン挿入脱離可能電極が、上記電解液に浸漬されている、リチウム回収装置、及び上記リチウム回収装置を用いるリチウム回収方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
リチウム回収装置を用いるリチウム回収方法であって、
前記リチウム回収装置が、電解槽、電源、リチウムイオン挿入脱離可能電極、マグネシウムイオン挿入脱離可能電極、及び電解液切り替え機構を有し、
前記電解槽が、電解液を収容するためのものであり、
前記リチウムイオン挿入脱離可能電極及び前記マグネシウムイオン挿入脱離可能電極が、前記電解槽に挿入されており、
前記電解液切り替え機構によって、前記電解液として、リチウムイオン含有水溶液及びマグネシウムイオン含有回収水溶液を切り替えて、前記電解槽に供給するようにされており、かつ
下記の工程(a)及び(b)を交互に反復して行う:
(a)前記電解液切り替え機構によって、前記電解液としてリチウムイオン含有水溶液を前記電解槽に供給しつつ、前記電源を用いて、前記リチウムイオン挿入脱離可能電極を陰極とし、かつ前記マグネシウムイオン挿入脱離可能電極を陽極とする電解反応を行うことによって、前記リチウムイオン含有水溶液中のリチウムイオンを前記リチウムイオン挿入脱離可能電極に挿入させ、かつ前記マグネシウムイオン挿入脱離可能電極からマグネシウムイオンを前記リチウムイオン含有水溶液中に放出させること、及び
(b)前記電解液切り替え機構によって、前記電解液としてマグネシウムイオン含有回収水溶液を前記電解槽に供給しつつ、前記電源を用いて、前記リチウムイオン挿入脱離可能電極を陽極とし、かつ前記マグネシウムイオン挿入脱離可能電極を陰極とする電解反応を行うことによって、前記リチウムイオン挿入脱離可能電極に挿入されたリチウムイオンを、前記リチウムイオン挿入脱離可能電極から脱離させてマグネシウムイオン含有回収水溶液で回収し、かつ前記マグネシウムイオン含有回収水溶液中のマグネシウムイオンを前記マグネシウムイオン挿入脱離可能電極に挿入させること、
リチウム回収方法。
続きを表示(約 510 文字)【請求項2】
前記リチウムイオン挿入脱離可能電極が、リチウムイオン挿入脱離可能な金属酸化物又はリン酸金属リチウム化合物を有し、かつ
前記マグネシウムイオン挿入脱離可能電極が、炭素材料を有する、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
電解槽、電源、リチウムイオン挿入脱離可能電極、マグネシウムイオン挿入脱離可能電極、及び電解液切り替え機構を有し、
前記電解槽が、電解液を収容するためのものであり、
前記リチウムイオン挿入脱離可能電極及び前記マグネシウムイオン挿入脱離可能電極が、前記電解槽に挿入されており、
前記電解液切り替え機構によって、前記電解液として、リチウムイオン含有水溶液及びマグネシウムイオン含有回収水溶液を切り替えて、前記電解槽に供給するようにされている、
リチウム回収装置。
【請求項4】
前記リチウムイオン挿入脱離可能電極が、リチウムイオン挿入脱離可能な金属酸化物又はリン酸金属リチウム化合物を有し、かつ
前記マグネシウムイオン挿入脱離可能電極が、炭素材料を有する、
請求項3に記載の装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、リチウム回収方法及びリチウム回収装置に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
近年、リチウムイオン電池等の普及によりリチウムが大量に使用されている。そのため、リチウムを海水等のリチウムイオン含有水溶液から効率良く回収する技術の開発が望まれている。
【0003】
例えば、特許文献1には、リチウム二次電池の処理部材から抽出したリチウムイオン抽出液から、水溶液である回収液にリチウムイオンを移動させてリチウムを前記回収液中に回収するリチウム回収装置であって、前記リチウムイオン抽出液を一方の主面側、前記回収液を他方の主面側として前記リチウムイオン抽出液と前記回収液とを仕切るように処理槽中に設置されたリチウム選択透過膜と、前記リチウム選択透過膜の前記一方の主面側に固定されたメッシュ状の第1電極と、前記リチウム選択透過膜の他方の主面側に固定されたメッシュ状の第2電極と、前記リチウムイオン抽出液の貯留槽と、前記貯留槽と前記処理槽との間に設けられた抽出液配管と、少なくとも前記リチウムイオン抽出液の温度を調節する温度調節手段A及び前記リチウム選択透過膜の温度を調節する温度調節手段Bから選ばれる温度調節手段と、を具備するリチウム回収装置が記載されている。特許文献1のリチウム回収装置によれば、リチウム二次電池の処理部材から抽出したリチウムイオン抽出液から高効率でリチウムイオンを回収することができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2022-75618号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、リチウムイオン挿入脱離可能電極を用いるリチウム回収方法及びリチウム回収装置において、運用コストを低下させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は以下の手段によって上記目的を達成するものである。
【0007】
〈態様1〉リチウム回収装置を用いるリチウム回収方法であって、
上記リチウム回収装置が、電解槽、電源、リチウムイオン挿入脱離可能電極、マグネシウムイオン挿入脱離可能電極、及び電解液切り替え機構を有し、
上記電解槽が、電解液を収容するためのものであり、
上記リチウムイオン挿入脱離可能電極及び上記マグネシウムイオン挿入脱離可能電極が、上記電解槽に挿入されており、
上記電解液切り替え機構によって、上記電解液として、リチウムイオン含有水溶液及びマグネシウムイオン含有回収水溶液を切り替えて、上記電解槽に供給するようにされており、かつ
下記の工程(a)及び(b)を交互に反復して行う:
(a)上記電解液切り替え機構によって、上記電解液としてリチウムイオン含有水溶液を上記電解槽に供給しつつ、上記電源を用いて、上記リチウムイオン挿入脱離可能電極を陰極とし、かつ上記マグネシウムイオン挿入脱離可能電極を陽極とする電解反応を行うことによって、上記リチウムイオン含有水溶液中のリチウムイオンを上記リチウムイオン挿入脱離可能電極に挿入させ、かつ上記マグネシウムイオン挿入脱離可能電極からマグネシウムイオンを上記リチウムイオン含有水溶液中に放出させること、及び
(b)上記電解液切り替え機構によって、上記電解液としてマグネシウムイオン含有回収水溶液を上記電解槽に供給しつつ、上記電源を用いて、上記リチウムイオン挿入脱離可能電極を陽極とし、かつ上記マグネシウムイオン挿入脱離可能電極を陰極とする電解反応を行うことによって、上記リチウムイオン挿入脱離可能電極に挿入されたリチウムイオンを、上記リチウムイオン挿入脱離可能電極から脱離させてマグネシウムイオン含有回収水溶液で回収し、かつ上記マグネシウムイオン含有回収水溶液中のマグネシウムイオンを上記マグネシウムイオン挿入脱離可能電極に挿入させること、
リチウム回収方法。
〈態様2〉上記リチウムイオン挿入脱離可能電極が、リチウムイオン挿入脱離可能な金属酸化物又はリン酸金属リチウム化合物を有し、かつ
上記マグネシウムイオン挿入脱離可能電極が、炭素材料を有する、
態様1に記載の方法。
〈態様3〉電解槽、電源、リチウムイオン挿入脱離可能電極、マグネシウムイオン挿入脱離可能電極、及び電解液切り替え機構を有し、
上記電解槽が、電解液を収容するためのものであり、
上記リチウムイオン挿入脱離可能電極及び上記マグネシウムイオン挿入脱離可能電極が、上記電解槽に挿入されており、
上記電解液切り替え機構によって、上記電解液として、リチウムイオン含有水溶液及びマグネシウムイオン含有回収水溶液を切り替えて、上記電解槽に供給するようにされている、
リチウム回収装置。
〈態様4〉上記リチウムイオン挿入脱離可能電極が、リチウムイオン挿入脱離可能な金属酸化物又はリン酸金属リチウム化合物を有し、かつ
上記マグネシウムイオン挿入脱離可能電極が、炭素材料を有する、
態様3に記載の装置。
【発明の効果】
【0008】
本開示のリチウム回収方法及びリチウム回収装置によれば、リチウムイオンの挿入及び放出のために電極を交換する必要がなく、電解液としてリチウムイオン含有水溶液及びマグネシウムイオン含有回収水溶液を切り替えて供給することによって、リチウムイオン含有水溶液からリチウムイオンを回収することができる。したがって、本開示のリチウム回収方法及びリチウム回収装置によれば、運用コストを低減させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、リチウム回収装置を説明するための概略図であり、電解槽にリチウムイオン含有水溶液が収容されている概略図である。
図2は、リチウム回収装置を説明するための概略図であり、電解槽にマグネシウムイオン含有水溶液が収容されている概略図である。
図3は、複数の電解反応部を有するリチウム回収装置の概略図である。
図4は、実施例で作製したリチウム回収装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施形態について詳細に説明する。なお、本開示は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本開示の要旨の範囲内で種々変形して実施できる。また、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
(【0011】以降は省略されています)

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