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公開番号
2024163283
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-21
出願番号
2024157850,2020172925
出願日
2024-09-11,2020-10-14
発明の名称
吸着抑制方法
出願人
花王株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
C11D
17/06 20060101AFI20241114BHJP(動物性または植物性油,脂肪,脂肪性物質またはろう;それに由来する脂肪酸;洗浄剤;ろうそく)
要約
【課題】(a)陽イオン界面活性剤及び(c)非イオン界面活性剤を含有する水性組成物が不織布に接触した際に不織布への吸着を抑制する吸着抑制方法を提供する。
【解決手段】
水性組成物に、(b)陽イオンと陰イオンとからなる無機塩であって、陽イオンが周期表の第1族又は第2族の元素の陽イオンであり、陽イオン及び陰イオンの少なくとも一方が2価イオンである無機塩を、(a)成分の含有量と(b)成分に基づく2価イオンの含有量とのモル比(2価イオンの含有量)/((a)成分の含有量)が0.4以上40以下となるように添加する。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
(a)陽イオン界面活性剤[以下(a)成分という]及び(c)非イオン界面活性剤[以下(c)成分という]を含有する水性組成物が不織布に接触した際に(a)成分及び(c)成分の不織布への吸着を抑制する、吸着抑制方法であって、
前記水性組成物に、(b)陽イオンと陰イオンとからなる無機塩であって、陽イオンが周期表の第1族又は第2族の元素の陽イオンであり、陽イオン及び陰イオンの少なくとも一方が2価イオンである無機塩[以下(b)成分という]を、(a)成分の含有量と(b)成分に基づく2価イオンの含有量とのモル比(2価イオンの含有量)/((a)成分の含有量)が0.4以上40以下となるように、更に添加する、
吸着抑制方法。
続きを表示(約 1,200 文字)
【請求項2】
水性組成物が、(a)成分を0.05質量%以上5質量%以下含有する、請求項1記載の吸着抑制方法。
【請求項3】
水性組成物の25℃におけるpHが6以上10以下である、請求項1又は2の何れか1項に記載の吸着抑制方法。
【請求項4】
(c)成分が、水性組成物中0.1質量%以上5質量%以下のポリオキシアルキレン型非イオン界面活性剤である、請求項1~3の何れか1項に記載の吸着抑制方法。
【請求項5】
不織布が、構成繊維中、親水性繊維の割合が50質量%以上の不織布である、請求項1~4の何れか1項に記載の吸着抑制方法。
【請求項6】
不織布が、シート状の不織布である、請求項1~5の何れか1項に記載の吸着抑制方法。
【請求項7】
水性組成物が、乾燥状態の不織布に対して200質量%以上600質量%以下担持されている、請求項1~6の何れか1項に記載の吸着抑制方法。
【請求項8】
(a)成分の陽イオン界面活性剤が、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ミリスチルトリメチルアンモニウムブロミド、炭素数8以上18以下のアルキルベンジルジメチルアンモニウムクロライド、ステアリルフェニルエチルジメチルアンモニウムクロライド、ラウリルトリヒドロキシメチルアンモニウムクロライド、N-ドデシルピリジニウムクロライド、及びジオクチルジメチルアンモニウムクロライドから選択される、請求項1~7の何れか1項に記載の吸着抑制方法。
【請求項9】
(b)成分が、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硝酸カルシウム、硝酸マグネシウム、硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、亜硫酸ナトリウム及び亜硫酸マグネシウムから選ばれる無機塩である、請求項1~8の何れか1項に記載の吸着抑制方法。
【請求項10】
(c)成分が、下記一般式(c1)で表される非イオン界面活性剤である、請求項1~9の何れか1項に記載の吸着抑制方法。
R
1c
(CO)
m
O-(AO)
n
-R
2c
(c1)
〔式中、R
1c
は炭素数9以上18以下の脂肪族炭化水素基であり、R
2c
は水素原子又はメチル基である。COはカルボニル基であり、mは0又は1の数である。AO基はエチレンオキシ基を含む炭素数2以上4以下のアルキレンオキシ基である。nは平均付加モル数であって、1以上50以下の数である。〕
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、陽イオン界面活性剤及び非イオン界面活性剤の不織布への吸着を抑制できる方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)
【背景技術】
【0002】
清浄用シート、除菌用シートなど、シート状の清拭材には、殺菌効果を付与する目的から陽イオン界面活性剤を含有する水性組成物を用いることが行われている。そのような水性組成物では、洗浄力や陽イオン界面活性剤の効果を高めるために、非イオン界面活性剤が併用される場合もある。
【0003】
特許文献1には、液体の保持が可能な基材シートに対して水性除菌剤が含浸された清掃用シートにおいて、前記水性除菌剤が(A)成分として第四級アンモニウム塩型界面活性剤、(B)成分として水酸化カリウム、(C)成分としてアミノカルボン酸型キレート剤、(D)成分として水を含有していて、基材シートに含浸されている水性除菌剤のpHが10.5以上、13.5以下であり、前記基材シートが、再生繊維、合成系繊維、天然繊維より選ばれた少なくとも1種を含む清掃用シートが開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、セルロース系繊維を80質量%以上含む坪量20~120g/m
2
の基材シートに液体洗浄性組成物を含浸させてなる除菌性清掃物品であって、前記液体洗浄性組成物が、有機酸(a)0.01~0.50質量%、界面活性剤(b)0.1~1.0質量%及び2価以上の金属イオン化合物(c)0.5~5.0質量%を含有する除菌性清掃物品が開示されている。
【0005】
また、特許文献3には、液体の保持が可能な基材シートに対して水性除菌剤が含浸された清掃用シートにおいて、前記水性除菌剤が(A)成分として第四級アンモニウム塩型界面活性剤、(B)成分として無機電解質、有機酸、有機酸塩より選ばれた少なくとも1種、(C)成分としてアミノカルボン酸型キレート剤、(D)成分として水を含有していて、基材シートに含浸されている水性除菌剤のpHが4.8以上、8.0以下であり、前記基材シートが、再生繊維、合成系繊維、天然繊維より選ばれた少なくとも1種を含む清掃用シートが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2019-112342号公報
特開2017-110323号公報
特開2018-90564号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この種の清拭材では、含有させた陽イオン界面活性剤が対象物に適用されて殺菌効果などを付与することが期待できる。しかし、薬液に所定量の陽イオン界面活性剤を配合しても、対象物に適用される陽イオン界面活性剤の量は低下する傾向がある。これは不織布に薬液を含浸させた直後から数日かけて、陽イオン界面活性剤の不織布への吸着が経時的に進むことが原因である。更に、陽イオン界面活性剤と併用することで、洗浄性や抗菌性向上が期待される非イオン界面活性剤を配合した薬液についても、陽イオン界面活性剤と連動するように非イオン界面活性剤の吸着が進行するという課題を生じる。
【0008】
本発明は、陽イオン界面活性剤及び非イオン界面活性剤の効果が清拭した対象物で十分に発揮される清拭材を提供することのできる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、不織布と、該不織布に担持された水性組成物とを含む清拭材であって、前記水性組成物が、(a)陽イオン界面活性剤[以下(a)成分という]、(b)陽イオンと陰イオンとからなる無機塩であって、陽イオンが周期表の第1族又は第2族の元素の陽イオンであり、陽イオン及び陰イオンの少なくとも一方が2価イオンである無機塩[以下(b)成分という]、(c)非イオン界面活性剤[以下(c)成分という]並びに水を含有し、前記水性組成物における(a)成分の含有量と(b)成分に基づく2価イオンの含有量とのモル比(2価イオンの含有量)/((a)成分の含有量)が0.4以上40以下である、清拭材に関する。
【0010】
また、本発明は、前記本発明の清拭材で対象物を拭き取る、清拭方法に関する。
(【0011】以降は省略されています)
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