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公開番号2024162904
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-21
出願番号2023078883
出願日2023-05-11
発明の名称液体吐出ヘッド及びその製造方法
出願人キヤノン株式会社
代理人弁理士法人秀和特許事務所
主分類B41J 2/01 20060101AFI20241114BHJP(印刷;線画機;タイプライター;スタンプ)
要約【課題】液体吐出ヘッドの吐出口面に塗布された接着剤と金属材料間の密着性を高め、吐出口保護部材の接着強度を強化する。
【解決手段】吐出される液体の流路が形成された基板と、前記流路を通過した液体が吐出される吐出口が形成された吐出口形成部材と、接着剤を介して前記吐出口形成部材と接合する吐出口保護部材と、前記吐出口保護部材の前記吐出口形成部材と接合する側の面に形成される薄膜であって、炭化ケイ素、または炭素を含む酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素のいずれかを含む薄膜と、を有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
吐出される液体の流路が形成された基板と、
前記流路を通過した液体が吐出される吐出口が形成された吐出口形成部材と、
接着剤を介して前記吐出口形成部材と接合する吐出口保護部材と、
前記吐出口保護部材の前記吐出口形成部材と接合する側の面に形成される薄膜であって、炭化ケイ素、または炭素を含む酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素のいずれかを含む薄膜と、
を有することを特徴とする液体吐出ヘッド。
続きを表示(約 930 文字)【請求項2】
前記薄膜は、前記酸化ケイ素を含み、該酸化ケイ素中のケイ素に対する酸素の比率が5%以上50%以下である
ことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項3】
前記吐出口形成部材は、エポキシ樹脂を含む材料で構成され、
前記吐出口保護部材は、シリコンもしくは金属を含む材料で構成される
ことを特徴とする請求項1または2に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項4】
前記吐出口保護部材は、耐食性金属を含む材料で構成されることを特徴とする請求項3に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項5】
前記吐出口保護部材は、ステンレス鋼、アルミ合金、チタン合金、ニッケル合金のいずれかを含む材料で構成されていることを特徴とする請求項4に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項6】
前記吐出口保護部材は、10μm以上50μm以下の厚みを有することを特徴とする請求項1または2に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項7】
前記薄膜は、ケイ素と酸素の比率が100:25であることを特徴とする請求項2に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項8】
前記薄膜は、30nm以上100nm以下の厚みを有することを特徴とする請求項1または2に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項9】
前記薄膜の膜応力は、圧縮応力が300MPa以上700MPa以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項10】
吐出される液体の流路が形成された基板と、
前記流路を通過した液体が吐出される吐出口が形成された吐出口形成部材と、
前記吐出口を保護するべく、接着剤を介して前記吐出口形成部材と接合する吐出口保護部材と、
を有する液体吐出ヘッドの製造方法において、
前記吐出口保護部材の前記吐出口形成部材と接合する側の面に、炭化ケイ素、または炭素を含む酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素のいずれかを含む薄膜が形成される工程を含むことを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、液体を吐出する液体吐出ヘッド、及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,300 文字)【背景技術】
【0002】
インクジェットプリンタ用の記録ヘッドに代表される液体吐出ヘッドによる記録方式は、インク等の液体に熱エネルギーや振動エネルギーを与え、インクを微小な液滴として吐出口より吐出し、被記録媒体上に画像を形成するものである。
【0003】
液体吐出ヘッドは、吐出口及び流路を形成する感光性樹脂層と、基板とを有する。吐出口及び流路を形成する感光性樹脂層は基板上に設けられている。基板には液体を流路に供給する供給口が形成されている。流路及び吐出口が設けられている側の基板の表面はエネルギー発生素子を有する。液体は供給口から流路に供給され、エネルギー発生素子でエネルギーを与えられ、液体吐出口から吐出されて紙などの記録媒体に着弾する。
【0004】
近年、インクジェットプリンタを始めとする記録装置には、商業、産業印刷用途など、従来よりも高解像度な記録物をより高速にプリントアウトする需要が高まっている。しかしながらより高速にプリントアウトする際、紙ジャム等によって折れ曲がった用紙が、液体吐出ヘッドの感光性樹脂層からなる吐出口表面に接触し、吐出口表面が損傷する可能性がある。
【0005】
また、インクジェットプリンタ等の記録装置は、需要が高まっている分野のうち特に産業印刷の分野においては液体吐出ヘッドの堅牢性が要求されており、紙ジャムの発生において吐出口へのダメージが発生しないように基材の強化が求められている。
【0006】
さらに、インクジェットプリンタ等の記録装置は、高画質を実現するため、吐出液の選択自由度を広げてきており、そのためインクと接触する部材の耐溶解性を向上させることが要求されている。
【0007】
そこで、特許文献1では吐出口(ノズル)が形成された基板上に金属材料を接着接合し、積層することで吐出口表面を用紙からガードする件が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特許第3108771号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、感光性樹脂層からなる吐出口を有する液体吐出ヘッドにおいて、特許文献1のように金属材料を吐出口表面に接着接合した場合、金属と感光性樹脂層との異種部材の接着となる。そのため、硬化収縮や線膨張差などで応力差が生じやすく、長時間インクに接することで、密着性の低い金属材料と接着剤との間で剥離が生じてしまう可能性がある。
【0010】
また、単純に特許文献1の一般金属材料だけではインクに対する耐溶解性能が不十分であり、材料として耐溶解性の高い耐食性金属を用いたヘッドが求められている。しかしながら、近年開発されている高画質インクは、耐溶解性の高いステンレス鋼などの耐食性金属部材を用いてもなおインクに対する耐溶解性能が十分ではないことが分かってきた。
(【0011】以降は省略されています)

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