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公開番号2024162465
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-21
出願番号2023077992
出願日2023-05-10
発明の名称回路遮断器
出願人富士電機株式会社,富士電機機器制御株式会社
代理人個人,個人
主分類H01H 33/42 20060101AFI20241114BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】消弧室で発生したガスの圧力伝搬遅れを小さくするとともに、ガスの冷却による減圧が発生せず、開閉機構のトリップ動作を安定して行う回路遮断器を提供する。
【解決手段】内圧トリップ機構15は、消弧室14のガス圧が上昇したのを検知して移動する受圧部と、受圧部の移動に連動してトリップクロスバー13を回動させる受圧連動部と、を備えている。受圧部は、消弧室及びトリップクロスバーを仕切る内壁2bに形成された受圧孔17と、受圧孔に挿入され、消弧室のガス圧が上昇したときに受圧孔内の奥側に摺動する受圧部材19とを備えている。受圧連動部は、受圧部材に一端が固定されてトリップクロスバー側に延在している可撓性を有する圧力伝達部材21と、圧力伝達部材を挿入し、圧力伝達部材の他端がトリップクロスバーの動作面13aに対向するように支持している筒状の支持部材22と、を備えている。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
固定接点を設けた固定接触子と、
前記固定接点に接触可能な可動接点を設けた可動接触子と、
前記可動接触子を保持して開閉機構に連繋した接触子ホルダと、
前記固定接触子、前記可動接触子及び前記接触子ホルダを内包し、前記固定接点及び前記可動接点の間に発生したアークを消弧する消弧室と、
前記開閉機構にトリップ動作をさせるトリップクロスバーと、
前記消弧室のガス圧が上昇したときに前記トリップクロスバーを回動させて前記開閉機構のトリップ動作を開始する内圧トリップ機構と、を備え、
前記内圧トリップ機構は、
前記消弧室のガス圧が上昇したのを検知して移動する受圧部と、
前記受圧部の移動に連動して前記トリップクロスバーを回動させる可撓性を有する受圧連動部と、を備えていることを特徴とする回路遮断器。
続きを表示(約 650 文字)【請求項2】
前記受圧部は、
前記消弧室及び前記トリップクロスバーを仕切る内壁に形成された受圧孔と、
前記受圧孔に挿入され、前記消弧室のガス圧が上昇したときに前記受圧孔内の奥側に摺動する受圧部材と、を備え、
前記受圧連動部は、
前記受圧部材に一端が固定されて前記トリップクロスバー側に延在している可撓性を有する長尺部材であり、非圧縮性の圧力伝達部材と、
前記圧力伝達部材を挿入し、当該圧力伝達部材の他端が前記トリップクロスバーの動作面に対向するように支持している筒状の支持部材と、を備えていることを特徴とする請求項1記載の回路遮断器。
【請求項3】
前記圧力伝達部材は、金属製のワイヤであることを特徴とする請求項2記載の回路遮断器。
【請求項4】
前記金属製のワイヤの外周に合成樹脂製のコーティングが施されていることを特徴とする請求項3記載の回路遮断器。
【請求項5】
前記受圧孔には、前記受圧部材より奥側に復帰バネが配置され、前記消弧室のガス圧の上昇により前記受圧部材が奥側に移動する際に前記復帰バネが圧縮状態となり、前記消弧室のガス圧が下降すると、前記復帰バネのバネ復元力により前記受圧部材が前記受圧孔の開口部側に摺動することを特徴とする請求項2記載の回路遮断器。
【請求項6】
前記筒状の支持部材は、合成樹脂で形成されていることを特徴とする請求項2から5の何れか1項に記載の回路遮断器。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、短絡電流が流れて消弧室の内圧が上昇することにより開閉機構のトリップ動作が開始する回路遮断器に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に記載されている回路遮断器は、短絡電流を早期に検知し、固定接触子に設けた固定接点と、可動接触子に設けた可動接点とを切り離す遮断動作時間を短縮するために、消弧室のガス内圧の変化を利用した内圧トリップ技術を採用している。特許文献1の回路遮断器は、筐体内部に、消弧室に連通するガス導入口から開閉機構のトリップクロスバーに対向する位置まで設けた圧力伝搬経路を設け、短絡電流が流れて固定接点及び可動接点の間にアークが発生して消弧室の内圧が上昇すると、上昇したガス圧をガス導入口から圧力伝搬経路を通過さてトリップクロスバーに吹き付け、トリップクロスバーを回動させて開閉機構のトリップ動作が行われるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
独国特許出願公開102018211995号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この特許文献1の回路遮断器は、短絡電流が流れた際に電磁引外し装置で開閉機構のトリップ動作を行うようにした回路遮断器と比較して小型化を図ることができる。しかし、ガス導入口から圧力伝搬経路の端部(トリップクロスバーに対向する位置)までのガス経路が長い場合にはガス圧力の伝搬遅れが発生してしまい、或いは、冷却によりガスが減圧した際にはトリップクロスバーを回動させる力が低下してしまうので、トリップ動作が正常に行われない場合がある。
【0005】
そこで、本発明は、消弧室で発生したガスの圧力伝搬遅れを小さくするとともに、ガスの冷却による減圧が発生せず、開閉機構のトリップ動作を安定して行うことができる回路遮断器を提供すること目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る回路遮断器は、固定接点を設けた固定接触子と、固定接点に接触可能な可動接点を設けた可動接触子と、可動接触子を保持して開閉機構に連繋した接触子ホルダと、固定接触子、可動接触子及び接触子ホルダを内包し、固定接点及び可動接点の間に発生したアークを消弧する消弧室と、開閉機構にトリップ動作をさせるトリップクロスバーと、消弧室のガス圧が上昇したときにトリップクロスバーを回動させて開閉機構のトリップ動作を開始する内圧トリップ機構と、を備え、内圧トリップ機構は、消弧室のガス圧が上昇したのを検知して移動する受圧部と、受圧部の移動に連動してトリップクロスバーを回動させる可撓性を有する受圧連動部と、を備えている。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る回路遮断器によると、消弧室で発生したガスの圧力伝搬遅れを小さくするとともに、ガスの冷却による減圧が発生せず、開閉機構のトリップ動作を安定して行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の回路遮断器の1相の回路構造を示す概略断面図である。
本発明に係る回路遮断器の通常電流が流れている場合の内圧トリップ機構を示す図である。
本発明に係る回路遮断器において短絡電流が流れている場合の内圧トリップ機構を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、図面を参照して、本発明に係る実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
【0010】
また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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