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公開番号2024159337
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-08
出願番号2023075273
出願日2023-04-28
発明の名称フェノール性水酸基含有樹脂、硬化性組成物、硬化物、プリプレグ、回路基板、ビルドアップフィルム、半導体封止材及び半導体装置
出願人DIC株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C08G 61/02 20060101AFI20241031BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】優れた誘電特性(低誘電率及び低誘電正接)と高温領域での低弾性率化を高次に両立することができるフェノール性水酸基含有樹脂を提供する。
【解決手段】フルオレン化合物(ただし、9位に置換基を有しないこととする)、フェノール性水酸基含有化合物及び一般式(1)で表される化合物の反応生成物であるフェノール性水酸基含有樹脂。
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【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
フルオレン化合物(ただし、9位に置換基を有しないこととする)、フェノール性水酸基含有化合物及び一般式(1)で表される化合物の反応生成物であるフェノール性水酸基含有樹脂。
JPEG
2024159337000029.jpg
22
142
(ここで、
Arは、置換基を有していてもよい芳香環式基であり、


は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1~4の脂肪族炭化水素基であり、
Xは、脱離基である。)
続きを表示(約 1,700 文字)【請求項2】
前記一般式(1)で表される化合物1モルに対し、前記フルオレン化合物が0.01~0.99モルである、請求項1に記載のフェノール性水酸基含有樹脂。
【請求項3】
一般式(5)で表される、フェノール性水酸基含有樹脂。
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2024159337000030.jpg
37
144
(ここで、
Zは、それぞれ独立して、一般式(2A):
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2024159337000031.jpg
35
145
で表される構造単位又は一般式(3A):
JPEG
2024159337000032.jpg
36
133
で表される構造単位であり、
Z’は、それぞれ独立して、一般式(2A’):
JPEG
2024159337000033.jpg
34
140
で表される構造単位又は一般式(3A’):
JPEG
2024159337000034.jpg
36
137
で表される構造単位であり、
Arは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい芳香環式基であり、


は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1~4の脂肪族炭化水素基であり、


は、それぞれ独立して、脂肪族炭化水素基、アリール基、アリールアルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子であり、
mは、それぞれ独立して、0~4の整数であり、


は、それぞれ独立して、脂肪族炭化水素基、アリール基、アリールアルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子であるか、あるいは、2つのR

は、それらが結合する炭素原子と一緒になって環を形成していてもよく、
nは、それぞれ独立して、0~3の整数であり、
pは、平均値であって、0超の数であり、

2’
は、それぞれ独立して、脂肪族炭化水素基、アリール基、アリールアルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子であり、
m’は、それぞれ独立して、0~4の整数であり、

3’
は、それぞれ独立して、脂肪族炭化水素基、アリール基、アリールアルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子であるか、あるいは、2つのR
3’
は、それらが結合する炭素原子と一緒になって環を形成していてもよく、
n’は、それぞれ独立して、0~4の整数であり、
ただし、樹脂は、一般式(2A)及び/又は一般式(2A’)で表される構造単位と、一般式(3A)及び/又は一般式(3A’)で表される構造単位とを含む。)
【請求項4】
一般式(5-1)で表される化合物及び一般式(5-2)で表される化合物の少なくとも1種を含む、請求項3に記載のフェノール性水酸基含有樹脂。
JPEG
2024159337000035.jpg
73
152
(ここで、
Ar、Z、R

、R
3’
及びn’は、請求項3と同義である。)
【請求項5】
水酸基当量が100~2000g/eq.である、請求項1又は3に記載のフェノール性水酸基含有樹脂。
【請求項6】
数平均分子量が100~10000である、請求項1又は3に記載のフェノール性水酸基含有樹脂。
【請求項7】
請求項1又は3に記載のフェノール性水酸基含有樹脂と、硬化剤とを含有する硬化性組成物。
【請求項8】
請求項7に記載の硬化性組成物の硬化物。
【請求項9】
補強基材及び前記補強基材に含浸した請求項7に記載の硬化性組成物の半硬化物を有するプリプレグ。
【請求項10】
請求項9に記載のプリプレグ及び銅箔の積層体である回路基板。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、フェノール性水酸基含有樹脂、硬化性組成物、硬化物、プリプレグ、回路基板、ビルドアップフィルム、半導体封止材及び半導体装置に関するものである。
続きを表示(約 4,100 文字)【背景技術】
【0002】
エポキシ系樹脂及びその硬化剤を含有するエポキシ樹脂組成物は、その硬化物において優れた耐熱性及び絶縁性を発現することから、半導体、多層プリント基板等の電子部品用途で広く用いられている。
しかしながら、近年の各種電子機器における信号の高速化及び高周波数化を背景に、十分に低い誘電率を維持しつつ十分に低い誘電正接を発現する硬化物を形成し得る樹脂組成物の提供が困難となりつつある。
これに対し、ビフェニルアラルキル樹脂が優れた誘電特性をもたらす材料として注目されており、エポキシ樹脂の硬化剤としたり、エポキシ樹脂の原料とする取り組みがなされている(例えば、特許文献1~5)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2003-301031号公報
特開2006-342176号公報
特開2007-308570号公報
特開2003-113225号公報
特開2010-229422号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ビフェニルアラルキル構造を有するフェノール樹脂は、フェノール構造を基点としたノボラック型の樹脂を形成するため、それを用いた硬化物は架橋密度が高く、通常、高温領域(例えば、200~280℃)でも高い弾性率を有し、弾性率の点で改善の余地がある。
優れた誘電特性と高温領域における低弾性率化を両立することができる樹脂が依然として求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上述した課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、フルオレン構造単位の9位の水素原子をアラルキルに変性した構造を有するフェノール性水酸基含有樹脂により、優れた誘電特性(低誘電率及び低誘電正接)と高温領域における低弾性率化を高次に両立することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
本発明の要旨は以下のとおりである。
[1]フルオレン化合物(ただし、9位に置換基を有しないこととする)、フェノール性水酸基含有化合物及び一般式(1)で表される化合物の反応生成物であるフェノール性水酸基含有樹脂。
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2024159337000001.jpg
21
126
(ここで、
Arは、置換基を有していてもよい芳香環式基であり、


は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1~4の脂肪族炭化水素基であり、
Xは、脱離基である。)
[2]前記一般式(1)で表される化合物1モルに対し、前記フルオレン化合物が0.01~0.99モルである、[1]のフェノール性水酸基含有樹脂。
[3]一般式(5)で表される、フェノール性水酸基含有樹脂。
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2024159337000002.jpg
37
145
(ここで、
Zは、それぞれ独立して、一般式(2A):
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2024159337000003.jpg
34
138
で表される構造単位又は一般式(3A):
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2024159337000004.jpg
35
127
で表される構造単位であり、
Z’は、それぞれ独立して、一般式(2A’):
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2024159337000005.jpg
33
139
で表される構造単位又は一般式(3A’):
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2024159337000006.jpg
36
133
で表される構造単位であり、
Arは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい芳香環式基であり、


は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1~4の脂肪族炭化水素基であり、


は、それぞれ独立して、脂肪族炭化水素基、アリール基、アリールアルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子であり、
mは、それぞれ独立して、0~4の整数であり、


は、それぞれ独立して、脂肪族炭化水素基、アリール基、アリールアルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子であるか、あるいは、2つのR

は、それらが結合する炭素原子と一緒になって環を形成していてもよく、
nは、それぞれ独立して、0~3の整数であり、
pは、平均値であって、0超の数であり、

2’
は、それぞれ独立して、脂肪族炭化水素基、アリール基、アリールアルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子であり、
m’は、それぞれ独立して、0~4の整数であり、

3’
は、それぞれ独立して、脂肪族炭化水素基、アリール基、アリールアルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子であるか、あるいは、2つのR
3’
は、それらが結合する炭素原子と一緒になって環を形成していてもよく、
n’は、それぞれ独立して、0~4の整数であり、
ただし、樹脂は、一般式(2A)及び/又は一般式(2A’)で表される構造単位と、一般式(3A)及び/又は一般式(3A’)で表される構造単位とを含む。)
[4]一般式(5-1)で表される化合物及び一般式(5-2)で表される化合物の少なくとも1種を含む、[3]のフェノール性性水酸基含有樹脂。
JPEG
2024159337000007.jpg
72
153
(ここで、
Ar、Z、R

、R
3’
及びn’は、[3]と同義である。)
[5]水酸基当量が100~2000g/eq.である、[1]~[4]のいずれかのフェノール性水酸基含有樹脂。
[6]数平均分子量が100~10000である、[1]~[5]のいずれかのフェノール性水酸基含有樹脂。
[7][1]~[6]のいずれかのフェノール性水酸基含有樹脂と、硬化剤とを含有する硬化性組成物。
[8][7]の硬化性組成物の硬化物。
[9]補強基材及び前記補強基材に含浸した[7]の硬化性組成物の半硬化物を有するプリプレグ。
[10][9]のプリプレグ及び銅箔の積層体である回路基板。
[11][7]の硬化性組成物を含有するビルドアップフィルム。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、優れた誘電特性(低誘電率及び低誘電正接)と高温領域における低弾性率化を高次に両立することができるフェノール性水酸基含有樹脂を提供することができ、また、当該フェノール性水酸基含有樹脂を含有する硬化性組成物及びその硬化物を提供することができる。さらに、当該硬化性組成物又はその硬化物を用いることにより、優れた誘電特性と高温領域における低弾性率化が高次に両立した、プリプレグ、回路基板、ビルドアップフィルム、半導体封止材及び半導体装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
実施例1で合成したフェノール性水酸基含有樹脂のGPC測定結果である。
実施例1で合成したフェノール性水酸基含有樹脂のFD-MS測定結果である。
実施例1で合成したフェノール性水酸基含有樹脂のC
13
-NMR測定結果である。
実施例2で合成したフェノール性水酸基含有樹脂のGPC測定結果である。
実施例2で合成したフェノール性水酸基含有樹脂のFD-MS測定結果である。
実施例2で合成したフェノール性水酸基含有樹脂のC
13
-NMR測定結果である。
実施例3で合成したフェノール性水酸基含有樹脂のGPC測定結果である。
実施例3で合成したフェノール性水酸基含有樹脂のFD-MS測定結果である。
実施例3で合成したフェノール性水酸基含有樹脂のC
13
-NMR測定結果である。
実施例4で合成したフェノール性水酸基含有樹脂のGPC測定結果である。
実施例4で合成したフェノール性水酸基含有樹脂のFD-MS測定結果である。
実施例4で合成したフェノール性水酸基含有樹脂のC
13
-NMR測定結果である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、発明を実施するための形態について詳細に説明するが、本発明は以下の記載に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
【0010】
[用語]
本明細書における「反応原料」とは、化合又は分解といった化学反応により目的の化合物を得るために用いられ、目的の化合物の化学構造を部分的に構成する化合物をいい、溶媒、触媒といった、化学反応の助剤の役割を担う物質は除外される。本明細書では特に、「反応原料」とは、目的のフェノール性水酸基含有樹脂を化学反応により得るための前駆体をいう。
本明細書における「構造単位」とは、反応又は重合時に形成される化学構造の(繰り返し)単位をいい、換言すると、反応又は重合より形成される生成化合物において、当該反応又は重合に関与する化学結合の構造以外の部分構造をいい、いわゆる残基をいう。
(【0011】以降は省略されています)

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