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公開番号2024158546
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-08
出願番号2023073832
出願日2023-04-27
発明の名称真空ポンプ及び真空ポンプの運転方法
出願人エドワーズ株式会社
代理人個人
主分類F04D 19/04 20060101AFI20241031BHJP(液体用容積形機械;液体または圧縮性流体用ポンプ)
要約【課題】真空ポンプの固定翼と回転翼との間の接触の有無を検知することを可能とする。
【解決手段】真空ポンプ100の制御装置200は、ロータ軸113の軸方向の浮上位置を予め設定された基準位置とすると共に、ロータ軸113を予め設定された所定の運転状態とし、続いて、ロータ軸113の位置を、所定量だけオフセットする。制御装置200は、ロータ軸113の速度データの変化により、回転翼102と固定翼123との間の接触の有無を検知する。
【選択図】図1


特許請求の範囲【請求項1】
ケーシングと、
前記ケーシング内に配置されたロータ軸と、
前記ロータ軸を磁気浮上させることで非接触で回転可能に支持する磁気軸受装置と、
前記ロータ軸と共に回転可能な複数の回転翼と、
前記複数の回転翼と対向する複数の固定翼と、
を備えた真空ポンプであって、
該真空ポンプの状態データを取得する状態データ取得手段と、
前記磁気軸受装置を制御して、前記ロータ軸の軸方向の浮上位置を予め設定された基準位置とすると共に前記ロータ軸を予め設定された所定の運転状態とし、前記ロータ軸を前記所定の運転状態としている間に、前記磁気軸受装置を制御して、前記ロータ軸の位置を、前記基準位置から所定量だけオフセットし、前記状態データ取得手段により取得された前記状態データの変化により、前記複数の回転翼の接触を検知する検知手段と、
を備えることを特徴とする真空ポンプ。
続きを表示(約 870 文字)【請求項2】
前記状態データは、前記ロータ軸及び前記複数の回転翼の回転速度に相関する速度関連データであり、
前記検知手段は、前記速度関連データとしての複数の回転速度データの近似線の前記オフセット時の値に基づいて、前記接触を検知する、
ことを特徴とする請求項1に記載の真空ポンプ。
【請求項3】
前記所定量は、前記ロータ軸の軸方向の可動範囲において、前記真空ポンプの通常動作中に許容される前記複数の回転翼と前記複数の固定翼との間の許容隙間量から、以下の式(1)で決定されることを特徴とする請求項1に記載の真空ポンプ。
前記複数の回転翼と前記複数の固定翼との間の許容隙間量≦前記所定量≦前記ロータ軸の軸方向の可動範囲 ・・・(1)
【請求項4】
前記所定の運転状態は、前記ロータ軸と回転翼の、外部からのトルクの付加のないフリーランモードでの減速状態である、
ことを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項に記載の真空ポンプ。
【請求項5】
ロータ軸と、前記ロータ軸と共に回転可能な複数の回転翼と、前記複数の回転翼と対向する複数の固定翼とを備えた真空ポンプの運転方法であって、
前記ロータ軸及び前記複数の回転翼を回転させ、回転速度が予め設定された所定回転速度に到達後、外部からのトルクの付加の無いフリーランモードで減速させるステップと、
前記ロータ軸の前記フリーランモードでの減速中に、前記ロータ軸の軸方向の浮上位置を基準位置から所定量オフセットした位置とするステップと、
前記オフセットの前後における前記フリーランモードでの前記複数の回転翼の回転速度に相関する速度関連データとしての複数の回転速度データの近似線の前記オフセット時の値の差と予め定められたその差の基準値とを比較するステップと、
その比較結果に基づいて、前記複数の回転翼の接触の有無を判定するステップと、
を備えることを特徴とする真空ポンプの運転方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、真空ポンプ及び真空ポンプの運転方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
真空ポンプの一種である例えばターボ分子ポンプは、ロータ軸に固定された回転翼とケーシングに固定された固定翼とを備え、回転翼を回転させることにより、ケーシング内のガスを排気する。回転翼と固定翼とは微小な隙間を介して上下方向に複数段に配置されている。回転翼は、駆動時には、固定翼の間で、磁気浮上状態で、回転する(特許文献1)。このため、真空ポンプを適切に運転するためには、回転翼と固定翼の隙間を適切に維持する必要がある。しかし、様々な理由、例えば、組み立て不良や部品異常、経年劣化による部品変形、生成物等の堆積等により、回転翼と固定翼との隙間が小さくなることがある。この場合、回転翼が浮上位置の基準からずれると、固定翼に接触してしまうおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平10-184586号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、真空ポンプの組み立て後に回転翼と固定翼の隙間を確認する方法が存在しない。ロータ軸と保護軸受との過剰な接触を、ロータ軸の回転速度の減速度から検出する方法が特許文献1に開示されている。しかし、この方法には、固定翼と回転翼の間隔を確認し、固定翼と回転翼との間の接触の有無を検知する方法は開示されていない。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、真空ポンプの固定翼と回転翼との間の接触の有無を検知することを可能とする真空ポンプ及び真空ポンプの運転方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の真空ポンプは、
ケーシングと、
前記ケーシング内に配置されたロータ軸と、
前記ロータ軸を磁気浮上させることで非接触で回転可能に支持する磁気軸受装置と、
前記ロータ軸と共に回転可能な複数の回転翼と、
前記複数の回転翼と対向する複数の固定翼と、
を備えた真空ポンプであって、
該真空ポンプの状態データを取得する状態データ取得手段と、
前記磁気軸受装置を制御して、前記ロータ軸の軸方向の浮上位置を予め設定された基準位置とすると共に前記ロータ軸を予め設定された所定の運転状態とし、前記ロータ軸を前記所定の運転状態としている間に、前記磁気軸受装置を制御して、前記ロータ軸の位置を、前記基準位置から所定量だけオフセットし、前記状態データ取得手段により取得された前記状態データの変化により、前記複数の回転翼の接触を検知する検知手段と、
を備えることを特徴とする。
【0007】
上記の真空ポンプにおいて、
前記状態データは、前記ロータ軸及び前記複数の回転翼の回転速度に相関する速度関連データであり、
前記検知手段は、前記速度関連データとしての複数の回転速度データの近似線の前記オフセット時の値に基づいて、前記接触を検知するようにしてもよい。
【0008】
上記の真空ポンプにおいて、
前記所定量は、前記ロータ軸の軸方向の可動範囲において、前記真空ポンプの通常動作中に許容される前記複数の回転翼と前記複数の固定翼との間の許容隙間量から、以下の式(1)で決定されるようにしてもよい。
前記複数の回転翼と前記複数の固定翼との間の許容隙間量≦前記所定量≦前記ロータ軸の軸方向の可動範囲 ・・・(1)
【0009】
上記の真空ポンプにおいて、
前記所定の運転状態は、前記ロータ軸と回転翼の、外部からのトルクの付加のないフリーランモードでの減速状態であるようにしてもよい。
【0010】
また、本発明の真空ポンプの運転方法は、
ロータ軸と、前記ロータ軸と共に回転可能な複数の回転翼と、前記複数の回転翼と対向する複数の固定翼とを備えた真空ポンプの運転方法であって、
前記ロータ軸及び前記複数の回転翼を回転させ、回転速度が予め設定された所定回転速度に到達後、外部からのトルクの付加の無いフリーランモードで減速させるステップと、
前記ロータ軸の前記フリーランモードでの減速中に、前記ロータ軸の軸方向の浮上位置を基準位置から所定量オフセットした位置とするステップと、
前記オフセットの前後における前記フリーランモードでの前記複数の回転翼の回転速度に相関する速度関連データとしての複数の回転速度データの近似線の前記オフセット時の値の差と予め定められたその差の基準値とを比較するステップと、
その比較結果に基づいて、前記複数の回転翼の接触の有無を判定するステップと、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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