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公開番号2024158408
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-08
出願番号2023073575
出願日2023-04-27
発明の名称電気コネクタ
出願人ヒロセ電機株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類H01R 12/71 20110101AFI20241031BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】ハウジングに対して一体成形されて保持される金具の各部について、その用途に応じためっき厚の重み付けによる部分的なめっき加工により、製造コストを抑制することができる電気コネクタを提供する。
【解決手段】本発明の電気コネクタ1は、ハウジング8,10と、このハウジングに保持される金具12,14と、を有し、この金具は、補強金具20,22又はシールド金具であり、実装部66,76と、実装面S7,S9に対して直交する第1方向に突出するように設けられた第1壁部112と、ハウジングに対して非接触である露出面S21,S25を形成する第2壁部106,114と、を備えており、実装部の実装面及び第2壁部の露出面のそれぞれは、インサート成形後にめっき加工され、実装面にめっき加工されためっき部分の第1厚みT9,T13は、第2壁部の露出面にめっき加工されためっき部分の第2厚みT25,T27よりも大きい。
【選択図】図9A
特許請求の範囲【請求項1】
電気的に接続される被実装物に対して実装される電気コネクタであって、
互いに直交する、縦方向、横方向、及び、高さ方向をそれぞれ備えたハウジングと、
このハウジングに保持される金具と、を有し、
上記金具は、インサート成形によって上記ハウジングに対して一体成形され、上記ハウジングによって保持される導電性の薄板状の母材からなり、その表面が上記インサート成形後に部分的にめっき加工されるもの補強金具又はシールド金具であり、
上記金具は、上記被実装物の被実装部に実装される実装面を含む実装部と、上記実装面に対して直交する第1方向に突出するように設けられた第1壁部と、この第1壁部における上記実装部に対して上記第1方向の遠位側端部に設けられて上記実装面に対して上記第1方向に離間して上記ハウジングに対して非接触である露出面を形成する第2壁部と、を備えており、
上記実装部の上記実装面及び上記第2壁部の上記露出面のそれぞれは、上記インサート成形後にめっき加工され、上記実装面にめっき加工されためっき部分の第1厚みは、上記第2壁部の上記露出面にめっき加工されためっき部分の第2厚みよりも大きいことを特徴とする電気コネクタ。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
上記第1壁部は、さらに、上記第1方向と直交する第2方向に設けられて上記ハウジングの一部と接触する接触面を含む壁面を備えており、上記インサート成形後に上記壁面にめっき加工されるめっき部分の厚みは0である請求項1記載の電気コネクタ。
【請求項3】
上記金具は、上記実装部を含む実装側金具部と、上記第2壁部を含む露出側金具部と、を備えており、上記実装側金具部及び上記露出側金具部は、互いに一体又は別体に設けられている請求項1記載の電気コネクタ。
【請求項4】
上記めっき加工は、金めっきによるめっき加工である請求項1記載の電気コネクタ。
【請求項5】
上記電気コネクタは、レセプタクルコネクタからなり、このレセプタクルコネクタは、上記ハウジングと、このハウジングに保持される上記金具と、を備えており、
上記ハウジングは、上記被実装部の上記被実装面に配置される底壁と、この底壁から上記ハウジングの高さ方向に向かって突出する突壁と、この突壁の外周に間隔を置いて設けられた長手壁及び短手壁を含む周壁と、上記突壁と上記周壁との間に設けられた嵌合凹部と、を備えており、
上記金具は、レセプタクル端子を備え、このレセプタクル端子は、上記実装部と、この実装部から上記ハウジングの第1高さ方向に屈曲して延びる上記第1壁部と、この第1壁部との接続部から上記第1高さ方向に対して反対側の第2高さ方向に屈曲する上記第2壁部と、この第2壁部との接続部から上記第2高さ方向に延びて上記第1壁部と対向する第3壁部と、この第3壁部との接続部から上記レセプタクルコネクタの中心側に向かって屈曲して延びる第4壁部と、この第4壁部との接続部から上記第1高さ方向に屈曲して延びて且つ相手端子と弾性的に接触可能な第5壁部と、を備えており、上記第1壁部、上記第2壁部、及び、上記第3壁部によって囲まれる内部領域には、上記ハウジングの上記周壁の上記長手壁が設けられていることにより、上記金具が上記ハウジングに保持されている請求項1記載の電気コネクタ。
【請求項6】
上記電気コネクタは、プラグコネクタからなり、このプラグコネクタは、上記ハウジングと、このハウジングに保持される上記金具と、を備えており、
上記ハウジングは、上記被実装部の上記被実装面に配置される底壁と、この底壁から上記ハウジングの高さ方向に向かって突出する長手壁及び短手壁を含む周壁と、この周壁の内周側に設けられた嵌合凹部と、を備えており、
上記金具は、プラグ端子を備え、このプラグ端子は、上記実装部と、この実装部から上記ハウジングの第1高さ方向に屈曲して延びる上記第1壁部と、この第1壁部との接続部から上記ハウジングの上記横方向に屈曲して延びる上記第2壁部と、この第2壁部との接続部から上記第1高さ方向に対して反対側の第2高さ方向に延びて上記第1壁部と対向する第3壁部と、を備えており、上記第1壁部、上記第2壁部、及び、上記第3壁部によって囲まれる内部領域には、上記ハウジングの上記周壁の上記長手壁が設けられていることにより、上記金具が上記ハウジングに保持されている請求項1記載の電気コネクタ。
【請求項7】
上記金具は、上記補強金具と、端子と、を備えている請求項1記載の電気コネクタ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電気コネクタに係り、特に、回路基板や電気ケーブル等の電気的に接続される被実装物に対して実装される電気コネクタに関する。
続きを表示(約 3,900 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、回路基板や電気ケーブル等の電気的に接続される被実装物に対して実装される電気コネクタとして、例えば、特許文献1に記載されているように、キャリアと一体に設けられた複数の端子部分がハウジングに対して一体成形されることによりハウジングによって保持され、このハウジングに保持された端子部分がめっき加工された後にキャリアに対して切断されることにより製造される電気コネクタが知られている。
このような特許文献1に記載されている従来の電気コネクタにおいては、端子におけるハウジングに対して非接触な露出面には、めっき加工がされているため、電気的接触特性や半田付着特性を良好にしている。一方、ハウジングに対して接触している端子の接触面には、めっき加工がされていないため、ハウジングと端子の接触面との間の隙間に半田やそのフラックスが浸入する可能性を低減させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第4287450号(特開2008-59884号公報)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、上述した従来の電気コネクタにおいては、金具(端子、補強金具等)がハウジングに対して一体成形されてハウジングによって保持された後に、金具全体に対してめっき加工が行われると、めっき加工等の製造コストが増大するという問題がある。
特に、めっき加工に使用されるめっきとして、比較的導電性が高い高価なめっきや、比較的半田濡れ性が高い高価なめっきを採用する場合には、ハウジングに保持される金具におけるめっき加工が行われる各めっき部分について、その要求される導電性や半田濡れ性等の重要度に応じて、いかに厚み(めっき厚)の大小の重み付けをして部分的なめっき加工を行い、製造コストを抑制するかが、近年要請されている課題となっている。
【0005】
そこで、本発明は、上述した従来技術の問題や近年要請されている課題を解決するためになされたものであり、ハウジングに対して一体成形されて保持される金具の各部について、その用途に応じためっき厚の重み付けによる部分的なめっき加工により、製造コストを抑制することができる電気コネクタを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明は、電気的に接続される被実装物に対して実装される電気コネクタであって、互いに直交する、縦方向、横方向、及び、高さ方向をそれぞれ備えたハウジングと、このハウジングに保持される金具と、を有し、上記金具は、インサート成形によって上記ハウジングに対して一体成形され、上記ハウジングによって保持される導電性の薄板状の母材からなり、その表面が上記インサート成形後に部分的にめっき加工されるもの補強金具又はシールド金具であり、上記金具は、上記被実装物の被実装部に実装される実装面を含む実装部と、上記実装面に対して直交する第1方向に突出するように設けられた第1壁部と、この第1壁部における上記実装部に対して上記第1方向の遠位側端部に設けられて上記実装面に対して上記第1方向に離間して上記ハウジングに対して非接触である露出面を形成する第2壁部と、を備えており、上記実装部の上記実装面及び上記第2壁部の上記露出面のそれぞれは、上記インサート成形後にめっき加工され、上記実装面にめっき加工されためっき部分の第1厚みは、上記第2壁部の上記露出面にめっき加工されためっき部分の第2厚みよりも大きいことを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明の電気コネクタによれば、ハウジングに対して一体成形されて保持される金具の各部について、その用途に応じためっき厚の重み付けによる部分的なめっき加工により、製造コストを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の一実施形態による電気コネクタの非嵌合状態における斜視図である。
本発明の一実施形態による電気コネクタの非嵌合状態における側面図である。
図2のIII-III線に沿った断面図である。
本発明の一実施形態による電気コネクタのレセプタクルコネクタ及びプラグコネクタのそれぞれの金具単体を示す斜視図である。
本発明の一実施形態による電気コネクタのレセプタクルコネクタの一部をその相手コネクタ側(プラグコネクタ側)から見た部分拡大斜視図である。
本発明の一実施形態による電気コネクタのレセプタクルコネクタの一部をその被実装部側から見た部分拡大斜視図である。
本発明の一実施形態による電気コネクタのプラグコネクタの一部をその相手コネクタ側(レセプタクルコネクタ側)から見た部分斜視図である。
本発明の一実施形態による電気コネクタのプラグコネクタの一部をその被実装部側から見た部分斜視図である。
本発明の一実施形態による電気コネクタのレセプタクルコネクタの端子部分をその相手コネクタ側(プラグコネクタ側)から見た部分拡大斜視図である。
本発明の一実施形態による電気コネクタのレセプタクルコネクタの端子部分をその被実装部側から見た部分拡大斜視図である。
本発明の一実施形態による電気コネクタのレセプタクルコネクタの端子部分をレセプタクルコネクタの縦方向(長手方向)から見た部分拡大側面図である。
本発明の一実施形態による電気コネクタのプラグコネクタの端子部分をその相手コネクタ側(レセプタクルコネクタ側)から見た部分拡大斜視図である。
本発明の一実施形態による電気コネクタのプラグコネクタの端子部分をその被実装部側から見た部分拡大斜視図である。
本発明の一実施形態による電気コネクタのプラグコネクタの端子部分をプラグコネクタの縦方向(長手方向)から見た部分拡大側面図である。
本発明の一実施形態による電気コネクタのレセプタクルコネクタの補強金具部分をその相手コネクタ側(プラグコネクタ側)から見た部分拡大斜視図である。
本発明の一実施形態による電気コネクタのレセプタクルコネクタの補強金具部分をその被実装部側から見た部分拡大斜視図である。
本発明の一実施形態による電気コネクタのプラグコネクタの補強金具部分をその相手コネクタ側(レセプタクルコネクタ側)から見た部分拡大斜視図である。
本発明の一実施形態による電気コネクタのプラグコネクタの補強金具部分をその被実装部側から見た部分拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明のいくつかの実施形態による電気コネクタについて説明する。
まず、図1~図10Bにより、本発明の一実施形態による電気コネクタ1について説明する。
図1及び図2は、本発明の一実施形態による電気コネクタの非嵌合状態における斜視図及び側面図をそれぞれ示す。
図1及び図2に示すように、本発明の一実施形態による電気コネクタ1は、携帯電話やスマートフォン、デジタルカメラ、ノートパソコン等の電子機器の回路基板やフレキシブルフラットケーブルの電気接続部等、いわゆる、電気的に接続される被実装物2に対して実装されるものである。
この電気コネクタ1は、互いに嵌合及び嵌合解除可能に設けられた一対のレセプタクルコネクタ4及びプラグコネクタ6をそれぞれ備えている。
各コネクタ4,6は、それぞれに対応する被実装物2の異なる各被実装部2A,2B(第1被実装部2A、第2被実装部2B)における各被実装面S1,S2(第1被実装面S1、第2被実装面S2)に実装されるようになっている。
【0010】
ここで、本明細書及び図面においては、電気コネクタ1においては、図1(他の図も同様)に示す互いに直交する3つのX軸、Y軸、及び、Z軸からなる右手系のXYZ座標軸うち、X軸方向(以下「X方向」)を各コネクタ4,6の横方向若しくは短手方向と定義している。このX方向は、各被実装面S1,S2であるXY平面に対して直交するYZ平面の法線方向に相当している。
また、XYZ座標軸うち、Y軸方向(以下「Y方向」)を各コネクタ4,6の縦方向若しくは長手方向と定義している。このY方向は、各被実装面S1,S2であるXY平面に対して直交するXZ平面の法線方向にも相当している。
さらに、XYZ座標軸うち、Z軸方向(以下「Z方向」)を各被実装面S1,S2に対する各コネクタ4,6の高さ方向、又は、嵌合方向若しくは嵌合解除方向と定義している。このZ方向は、各被実装面S1,S2であるXY平面に対して直交する法線方向にも相当している。
特に、各コネクタ4,6の互いがZ方向に近づく方向(近位側に移動する方向)及び嵌合する方向(嵌合方向)を「Z1方向」としている。一方、各コネクタ4,6の互いがZ方向に遠ざかる方向(遠位側に移動する方向)及び嵌合が解除される方向(嵌合解除方向)を「Z2方向」としている。
(【0011】以降は省略されています)

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