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公開番号
2024158291
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-08
出願番号
2023073376
出願日
2023-04-27
発明の名称
恒温槽型圧電発振器
出願人
株式会社大真空
代理人
弁理士法人あーく事務所
主分類
H03B
5/32 20060101AFI20241031BHJP(基本電子回路)
要約
【課題】ワイヤボンディングによるワイヤの接合強度を高めることが可能な恒温槽型圧電発振器を提供する。
【解決手段】コア部5が断熱用のパッケージ2の内部に密閉状態で封入されたOCXO1において、コア部5は、可撓性を有するコア基板4に搭載され、コア基板4は、このコア基板4の端部で非導電性接着剤7によってパッケージ2に機械的接合されており、コア部5とパッケージ2とは、ワイヤ6a,6bによって電気的接合され、コア基板4とパッケージ2の底面の間には空間2dが設けられている。コア基板4のうち非導電性接着剤7による接合領域と、パッケージ2の底面と距離C1が、コア基板4のうち少なくともワイヤ接続用のワイヤパッドが形成された領域でかつパッケージ2の底面と対向する領域の最下部と、パッケージ2の底面との距離C2よりも大きくなっている。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
コア部が断熱用のパッケージの内部に密閉状態で封入された恒温槽型圧電発振器であって、
前記コア部は、少なくとも発振用IC、圧電振動子、およびヒータ用ICを含んだ構成になっており、
前記コア部は、可撓性基板に搭載され、この可撓性基板は当該可撓性基板の端部で接合材によって前記パッケージの内底面に機械的接合されており、
前記コア部と前記パッケージとは、ワイヤによって電気的接合され、
前記可撓性基板と前記パッケージの前記内底面の間には空間が設けられ、
前記可撓性基板のうち前記接合材による接合領域と、前記パッケージの前記内底面との距離が、前記可撓性基板のうち少なくともワイヤ接続用のワイヤパッドが形成された領域でかつ前記パッケージの前記内底面と対向する領域の最下部と、前記パッケージの前記内底面との距離よりも大きくなっていることを特徴とする恒温槽型圧電発振器。
続きを表示(約 610 文字)
【請求項2】
請求項1に記載の恒温槽型圧電発振器であって、
前記パッケージの前記内底面で前記ワイヤパッドが形成された領域には、周囲よりも肉厚に形成された凸部が設けられていることを特徴とする恒温槽型圧電発振器。
【請求項3】
請求項1または2に記載の恒温槽型圧電発振器であって、
前記可撓性基板のうち前記ワイヤパッドが形成された領域でかつ前記パッケージの前記内底面と対向する領域には、周囲よりも厚肉に形成された第2の凸部が設けられていることを特徴とする恒温槽型圧電発振器。
【請求項4】
請求項2に記載の恒温槽型圧電発振器であって、
前記凸部は、前記コア部のうち平面視で面積が最も大きい部材の一部と重畳可能な平面視で略田字状に形成され、前記凸部の幅が前記可撓性基板の幅よりも大きくなっていることを特徴とする恒温槽型圧電発振器。
【請求項5】
請求項2または4に記載の恒温槽型圧電発振器であって、
前記凸部は、全面的なパターンとして形成されず、凸部が形成されていない非形成部を有していることを特徴とする恒温槽型圧電発振器。
【請求項6】
請求項1または2に記載の恒温槽型圧電発振器であって、
前記接合領域は、平面視で前記可撓性基板に対する前記コア部の配置領域と重畳しないことを特徴とする恒温槽型圧電発振器。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、恒温槽型圧電発振器に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)
【背景技術】
【0002】
水晶振動子等の圧電振動子は、固有の周波数温度特性に基づいて、温度に応じて振動周波数が変化する。そこで、圧電振動子の周囲の温度を一定に保つために、恒温槽内に圧電振動子を封入した恒温槽型圧電発振器(Oven-Controlled Xtal(crystal) Oscillator:以下、「OCXO」とも言う。)が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のOCXOは、発振用IC、圧電振動子、およびヒータ用ICが積層されたコア部が、可撓性基板(コア基板)を介して断熱用のパッケージ内部に支持された構成になっており、ワイヤボンディングを用いて必要な配線が行われている。これにより、小型化を実現しながらもコア部の断熱性の向上を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2022/186124号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したようなOCXOでは、ワイヤボンディングを行う際に可撓性基板の撓みが不十分な状態となったり、可撓性基板の一部の傾きが大きくなる領域が生じたりすることで、可撓性基板のパッケージへの接触状態が不足する可能性がある。このため、ワイヤボンディングを行う際の超音波印加が十分に行われず、ワイヤの接合強度が低下するといった問題点が生じることが懸念される。
【0005】
本発明は上述したような実情を考慮してなされたもので、ワイヤボンディングによるワイヤの接合強度を高めることが可能な恒温槽型圧電発振器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題を解決するための手段を以下のように構成している。すなわち、本発明は、コア部が断熱用のパッケージの内部に密閉状態で封入された恒温槽型圧電発振器であって、前記コア部は、少なくとも発振用IC、圧電振動子、およびヒータ用ICを含んだ構成になっており、前記コア部は、可撓性基板に搭載され、この可撓性基板は当該可撓性基板の端部で接合材によって前記パッケージの内底面に機械的接合されており、前記コア部と前記パッケージとは、ワイヤによって電気的接合され、前記可撓性基板と前記パッケージの前記内底面の間には空間が設けられ、前記可撓性基板のうち前記接合材による接合領域と、前記パッケージの前記内底面との距離(距離C1)が、前記可撓性基板のうち少なくともワイヤ接続用のワイヤパッドが形成された領域でかつ前記パッケージの前記内底面と対向する領域の最下部と、前記パッケージの前記内底面との距離(距離C2)よりも大きくなっていることを特徴とする。
【0007】
上記構成によれば、上記の寸法関係(C1>C2)を満たすことで、可撓性基板のうちワイヤ接続用のワイヤパッドが形成された領域の撓み量が抑制された状態で、可撓性基板をより確実にパッケージの内底面に接触させることができ、可撓性基板の一部に生じる傾きも抑制できる。その結果、ワイヤボンディングする際の超音波印加を十分に行うことができ、ワイヤの接合強度を向上させることができる。また、可撓性基板の撓み量が抑制されるので、外部応力の影響によるコア部へ伝わる衝撃を低減させることができる。加えて、可撓性基板とパッケージの内底面との空間を確保することができ、コア部の断熱性の低下を抑制することができる。
【0008】
上記構成において、前記パッケージの前記内底面で前記ワイヤパッドが形成された領域には、周囲よりも肉厚に形成された凸部が設けられていることが好ましい。また、前記可撓性基板のうち前記ワイヤパッドが形成された領域でかつ前記パッケージの前記内底面と対向する領域には、周囲よりも厚肉に形成された第2の凸部が設けられていることが好ましい。これにより、凸部、第2の凸部を設けることによって、上記の距離C2が、凸部、第2の凸部の厚みの分だけ小さくなり、上記の寸法関係(C1>C2)が成り立つので、ワイヤボンディングによるワイヤの接合強度を高め、かつコア部への外部応力による衝撃の影響を低減することができる。また、撓み抑制部としての凸部、第2の凸部を一体的に設けることにより、パッケージの内底面と可撓性基板とが接触した際の安定性を高めることができる。
【0009】
上記構成において、前記凸部は、前記コア部のうち平面視で面積が最も大きい部材の一部と重畳可能な平面視で略田字状に形成され、前記凸部の幅が前記可撓性基板の幅よりも大きくなっていることが好ましい。これにより、略田字状の凸部によって、面積が最も大きい部材の重心および外縁部が支持されるので、ワイヤボンディングする際の超音波印加を十分に行うことができ、コア部に対するワイヤの接合強度を向上させることができる。さらに、コア部からの輻射熱による放熱が抑えられる。しかも、略田字状の凸部が可撓性基板よりも幅広に形成されているので、可撓性基板の幅方向の端部の撓みに自由度を持たせつつ、可撓性基板と凸部との接触性が高まる。これにより、可撓性基板のさらなる撓み抑制が可能になるとともに、ワイヤボンディングのさらなる安定化が可能になる。
【0010】
上記構成において、前記凸部は、全面的なパターンとして形成されず、凸部が形成されていない非形成部を有していることが好ましい。これにより、凸部を形成しない非形成部を設け、凸部の総面積を小さくすることによって、凸部からの放熱による影響を低減することができる。
(【0011】以降は省略されています)
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