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公開番号2024158051
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-08
出願番号2023072891
出願日2023-04-27
発明の名称燃料電池システム
出願人本田技研工業株式会社
代理人個人,個人
主分類H01M 8/04 20160101AFI20241031BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】燃料電池システムの始動時や停止時にも高濃度のCO2を回収する。
【解決手段】燃料電池システム10Aは、固体酸化物形燃料電池1と、固体酸化物形燃料電池1のアノード側に供給される燃料を改質する改質器2と、改質器2に炭化水素からなる燃料を供給する燃料供給部3と、固体酸化物形燃料電池1のアノード側から排出されるオフガスが燃焼する燃焼空間を形成する燃焼器4と、燃焼器4から排出される燃焼排ガスから水を除去する凝縮器5と、常温環境下に設置され、燃焼器4および燃料電池スタック1のカソード側の少なくとも一方に酸素を供給する酸素供給部6と、酸素供給部6を制御する制御部とを備える。制御部は、燃料供給部3による燃料供給量に基づいてオフガスの完全燃焼に必要な酸素供給量を算出し、算出された酸素供給量に応じて酸素供給部6を制御する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
固体酸化物形燃料電池と、
前記固体酸化物形燃料電池のアノード側に供給される燃料を改質する改質器と、
前記改質器に炭化水素からなる燃料を供給する燃料供給部と、
前記固体酸化物形燃料電池のアノード側から排出されるオフガスが燃焼する燃焼空間を形成する燃焼器と、
前記燃焼器から排出される燃焼排ガスから水を除去する凝縮器と、
常温環境下に設置され、前記燃焼器および前記固体酸化物形燃料電池のカソード側の少なくとも一方に酸素を供給する酸素供給部と、
前記酸素供給部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記燃料供給部による燃料供給量に基づいて前記オフガスの完全燃焼に必要な酸素供給量を算出し、算出された酸素供給量に応じて前記酸素供給部を制御することを特徴とする燃料電池システム。
続きを表示(約 530 文字)【請求項2】
請求項1に記載の燃料電池システムにおいて、
前記酸素供給部は、前記燃焼器に酸素を供給し、
前記制御部は、前記燃料供給部による燃料供給量と、前記固体酸化物形燃料電池による出力電流と、に基づいて、前記オフガスの完全燃焼に必要な酸素供給量を算出することを特徴とする燃料電池システム。
【請求項3】
請求項1に記載の燃料電池システムにおいて、
前記酸素供給部は、前記固体酸化物形燃料電池のカソード側に酸素を供給し、
前記燃焼器は、前記固体酸化物形燃料電池のカソード側から排出されるカソードオフガスと前記固体酸化物形燃料電池のアノード側から排出されるアノードオフガスとを燃焼させることを特徴とする燃料電池システム。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の燃料電池システムにおいて、
前記酸素供給部は、酸素分離装置を有することを特徴とする燃料電池システム。
【請求項5】
請求項1~3のいずれか1項に記載の燃料電池システムにおいて、
前記酸素供給部は、二酸化炭素の電気分解または熱分解により得られた副生酸素を供給することを特徴とする燃料電池システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、固体酸化物形燃料電池を用いて発電を行う燃料電池システムに関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
近年、より多くの人が手ごろで信頼でき、持続可能かつ先進的なエネルギへのアクセスを確保できるようにするため、エネルギの効率化に貢献する燃料電池に関する技術開発が行われている。この種の燃料電池に関する技術として、従来、固体酸化物形燃料電池で発電を行うときに排出されるCO

を回収するようにした装置が知られている(例えば特許文献1参照)。特許文献1記載の装置では、燃料電池スタックから排出されたアノードオフガスを収集する排気マニホールドに、高温作動型の酸素透過膜が設けられる。そして、酸素透過膜を介してカソードオフガス中の酸素を排気マニホールド内へ供給し、アノードオフガス中の未反応燃料ガスを完全燃焼させ、主に水蒸気とCO

とを含む燃焼排ガスから水蒸気を低温トラップで液化して除去することで、高濃度のCO

を回収する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2012-164423号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1記載の装置では、燃料電池スタックに設けられた高温作動型の酸素透過膜を用いて酸素を供給する。そのため、燃料電池システムの始動時や停止時等、燃料電池スタックの周辺が低温である場合には、完全燃焼に必要な量の酸素を供給することができず、高濃度のCO

を回収することが難しい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様である燃料電池システムは、固体酸化物形燃料電池と、固体酸化物形燃料電池のアノード側に供給される燃料を改質する改質器と、改質器に炭化水素からなる燃料を供給する燃料供給部と、固体酸化物形燃料電池のアノード側から排出されるオフガスが燃焼する燃焼空間を形成する燃焼器と、燃焼器から排出される燃焼排ガスから水を除去する凝縮器と、常温環境下に設置され、燃焼器および固体酸化物形燃料電池のカソード側の少なくとも一方に酸素を供給する酸素供給部と、酸素供給部を制御する制御部と、を備える。制御部は、燃料供給部による燃料供給量に基づいてオフガスの完全燃焼に必要な酸素供給量を算出し、算出された酸素供給量に応じて酸素供給部を制御する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、燃料電池システムの始動時や停止時にも高濃度のCO

を回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明の第1実施形態に係る燃料電池システムの燃料電池スタック周辺の構成の一例を示すブロック図。
本発明の第1実施形態に係る燃料電池システムの制御構成の一例を示すブロック図。
本発明の第1実施形態に係る燃料電池システムにより実行される処理の一例を示すフローチャート。
本発明の第2実施形態に係る燃料電池システムの燃料電池スタック周辺の構成の一例を示すブロック図。
本発明の第2実施形態に係る燃料電池システムの制御構成の一例を示すブロック図。
本発明の第2実施形態に係る燃料電池システムにより実行される処理の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図1~図6を参照して本発明の実施形態について説明する。本発明の実施形態に係る燃料電池システムは、固体酸化物形燃料電池(SOFC(Solid Oxide Fuel Cell))を用いて、電気化学反応により発電を行う。SOFCの発電セルは、固体電解質膜と電極の接合体(MEA(Membrane Electrode Assembly))とMEAを挟持するセパレータとを有し、セパレータと電極との間の流路を介して供給された燃料のエネルギを電気化学反応により直接電気エネルギに変換する。
【0009】
より具体的には、SOFCのカソード側には、カソード流路を介して酸素(O

)を含有する酸化剤ガスが供給され、カソード電極では、外部回路からの電子を受け取って酸素分子がイオン化され、電解質膜を通ってアノード電極側へと移動する。カソード電極で消費されなかった未反応の酸化剤ガスは、オフガス(カソードオフガス)としてカソード流路から排出される。
【0010】
SOFCのアノード側には、アノード流路を介して水素(H

)と一酸化炭素(CO)とを含有する燃料ガスが供給される。アノード電極では、H

およびCOとカソード電極からの酸化物イオン(O
2-
)とが反応して水蒸気(H

O)および二酸化炭素(CO

)が生成され、電子が外部回路に放出される。アノード電極で消費されなかった未反応の燃料ガスおよびアノード電極で生成された生成ガスは、オフガス(アノードオフガス)としてアノード流路から排出される。
(【0011】以降は省略されています)

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