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公開番号2024158010
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-08
出願番号2023072784
出願日2023-04-26
発明の名称光増幅器および光増幅方法
出願人富士通株式会社
代理人個人
主分類H04B 10/293 20130101AFI20241031BHJP(電気通信技術)
要約【課題】広い利得レンジを有し、かつ良好なNF特性が得られること。
【解決手段】光増幅器100は、光信号の経路上に配置された前段光アンプ101、後段光アンプ102と、光可変減衰器103と、を含み光信号の利得を可変自在である。光増幅器100は、経路上に設けられる光スイッチ111,112と、光スイッチ111,112にそれぞれ接続され、スイッチ切り替えにより、経路にそれぞれが挿抜可能な第1挿入光アンプ121、第2挿入光アンプ122とを含む。制御部130は、光スイッチ111,112、第1挿入光アンプ121、第2挿入光アンプ122、光可変減衰器103を制御する。第1挿入光アンプ121と第2挿入光アンプ122は、利得が異なる。制御部130は、光スイッチ111,112のスイッチ切り換えの組合せにより、レンジ別の複数のゲインモードを得る。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
光信号の経路上に配置された光アンプと、光可変減衰器と、を含み前記光信号の利得を可変自在な光増幅器において、
前記経路上に設けられる複数の光スイッチと、
前記光スイッチにそれぞれ接続され、前記光スイッチのスイッチ切り替えにより、前記経路にそれぞれが挿抜可能な複数の挿入光アンプと、
前記光スイッチ、前記挿入光アンプ、前記光可変減衰器を制御する制御部と、を含み、
複数の前記挿入光アンプは、それぞれの利得が異なり、
前記制御部は、複数の前記光スイッチのスイッチ切り換えの組合せにより、レンジ別の複数のゲインモードを得ることを特徴とする光増幅器。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記制御部は、複数の前記ゲインモードのそれぞれで、複数の前記挿入光アンプの利得に基づき、前記光可変減衰器の光減衰の動作量が所定量以下となるよう決定することを特徴とする請求項1に記載の光増幅器。
【請求項3】
前記制御部は、前記光減衰器の動作量を12dB以内、より好ましくは9dB以内としたことを特徴とする請求項2に記載の光増幅器。
【請求項4】
前記制御部は、複数の前記挿入光アンプの利得比率を、1.2以上、好ましくは2.0以上としたことを特徴とする請求項2に記載の光増幅器。
【請求項5】
複数の前記光スイッチは、それぞれ、パラレルあるいはクロスのスイッチ切り替えにより、接続された前記挿入光アンプを前記経路に挿抜可能なことを特徴とする請求項1に記載の光増幅器。
【請求項6】
複数の前記光スイッチは、前記経路に直列配置されたことを特徴とする請求項1に記載の光増幅器。
【請求項7】
前記制御部は、入力されるスパンロス情報に基づき、当該スパンロス情報に対応する前記ゲインモードを決定することを特徴とする請求項1に記載の光増幅器。
【請求項8】
光信号の経路上に配置された光アンプと、光可変減衰器と、を含む光増幅器の前記光信号の利得を可変自在な光増幅方法において、
前記経路上に設けた複数の光スイッチにそれぞれ接続され、それぞれの利得が異なる複数の挿入光アンプを、スイッチ切り替えの組合せにより前記経路にそれぞれ挿抜し、レンジ別の複数のゲインモードを得ることを特徴とする光増幅方法。
【請求項9】
タンデムに接続されたN個(N≧2)の複数の2×2光スイッチと、
信号光の経路中に配置された光可変減衰器と、を含み、
それぞれの前記2×2光スイッチは、光増幅媒体を通る経路と通らない経路を切り替えられ、前記光増幅媒体を通る経路は、前記光増幅媒体からの出力が、同じ前記光スイッチの入力ポートに接続され、N個の前記光増幅媒体は、それぞれ異なる利得であり、前記光増幅媒体が動作する第1の入力範囲に対して、N個より多い数の第2の入力範囲に分割し、その第2の入力範囲毎に異なるスイッチ動作で切り換えを行い、
さらに、前記第1の入力範囲に対して、入力が低い場合ほど、信号光が通る前記光増幅媒体の利得の和が大きくなるように、前記スイッチ動作の切り換えは選択され、
同一の前記第2の入力範囲内の入力の変動に応じて、前記光可変減衰器の減衰量を可変させる、
ことを特徴とする光増幅器。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、光増幅器および光増幅方法に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
デジタルコヒーレントの光送受信機のビットレートは、高ボーレート化しており、1.2Tbps、1.6Tbpsが開発中である。高ボーレート化すると光送受信機のOSNR耐力が低下し、OSNRを良くするために光増幅器のラマン増幅により伝送路のロスを小さくしている。OSNRはOptical Signal to Noise Ratioの略である。この場合、光増幅器の前段に配置されたプリアンプは高い入力レベルとなり、高い入力レベルでの雑音指数NF(Noise Figure)を現状より良くする必要が生じる。一方、光送受信器を離島との間等、長距離のスパンに配置した場合、スパンロスが大きいため、光増幅してもプリアンプの入力レベルが低く、最低限の入力レベル(例えば-30dBm/ch)に届かない場合も生じ、現状より入力ダイナミックレンジの広いアンプが求められる。
【0003】
光増幅器にかかる先行技術としては、光スイッチの切り替えにより、分散補償ファイバ、ファイバーグレーティング、波長フィルタ、減衰器、シングルモードファイバ等、光増幅器の設計に応じて任意の光部品を挿入する技術がある。また、第1の光アンプの後段にクロスバースイッチを設け、クロスバースイッチに接続された第2の光アンプによる光増幅の有無を切り替える技術がある。また、複数のクロスバースイッチにそれぞれ接続された利得平坦化フィルタ(GFF)をスイッチ切り替えにより任意の数で挿入する技術がある。また、第1の利得段の後段に設けた光スイッチにより、増分利得平坦化を含む第2の利得段の挿入を切り替える技術がある。また、光スイッチに異なる増幅特性の経路が接続され、入力パワーと減衰量の関係を通過経路に応じて切り替えて波長毎の利得偏差を低減する技術がある(例えば、下記特許文献1~5参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2000-13316号公報
特開2016-122745号公報
特開2015-128157号公報
米国特許出願公開第2014/0177037号
特開2016-208358号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術では、広い利得レンジ(ダイナミックレンジ)を有し、かつ良好なNF特性を得ることができなかった。例えば、従来技術では、広い利得レンジを得るために、光可変減衰器(VOA:Variable Optical Attenuator)を設け、VOAの動作量(減衰量)の動作範囲を広げている。ここで、VOAの動作量を大きくするとNF増加が生じる。広い利得レンジを得ることと、高い入力レベルでのNFを良くすること、とはトレードオフの関係を有する。このため、従来技術では、例えば、光増幅器に対する高い入力レベル時(利得低下時)にNF劣化が生じ、広い利得レンジを得ることができなかった。
【0006】
一つの側面では、本発明は、広い利得レンジを有し、かつ良好なNF特性が得られることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面によれば、光信号の経路上に配置された光アンプと、光可変減衰器と、を含み前記光信号の利得を可変自在な光増幅器において、前記経路上に設けられる複数の光スイッチと、前記光スイッチにそれぞれ接続され、前記光スイッチのスイッチ切り替えにより、前記経路にそれぞれが挿抜可能な複数の挿入光アンプと、前記光スイッチ、前記挿入光アンプ、前記光可変減衰器を制御する制御部と、を含み、複数の前記挿入光アンプは、それぞれの利得が異なり、前記制御部は、複数の前記光スイッチのスイッチ切り換えの組合せにより、レンジ別の複数のゲインモードを得ることを要件とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、広い利得レンジを有し、かつ良好なNF特性を得ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、実施の形態にかかる光増幅器の説明図である。
図2は、従来技術による光増幅器の構成例を示す図である。
図3は、従来技術による光増幅器のNF特性例を示す図表である。
図4は、実施の形態の挿入光アンプの利得配分の組合せ別の利得比率、各ゲインモードの利得範囲、光可変減衰器の動作量を示す図表である。
図5は、実施の形態による光増幅器のNF特性例を示す図表である。
図6は、実施の形態の光増幅器の制御ブロック図である。
図7は、実施の形態の光増幅器の各ゲインモードの利得範囲と光可変減衰器の動作量を示す図表である。
図8は、実施の形態の光増幅器の制御部のハードウェア構成例を示す図である。
図9は、実施の形態の光増幅器の制御動作例を示すフローチャートである。
図10は、実施の形態のスパンロスに対するゲインモード別の設定情報例を示す図表である。
図11は、実施の形態のゲインモード別の最大利得とVOA制御値の設定情報例を示す図表である。
図12は、実施の形態の光増幅器の利得制御の説明図である。
図13Aは、他の実施の形態にかかる光増幅器の説明図である。(その1)
図13Bは、他の実施の形態にかかる光増幅器の説明図である。(その2)
図14は、他の実施の形態のゲインモード別の設定情報例を示す図表である。
図15Aは、他の実施の形態の挿入光アンプの利得配分の組合せと各ゲインモードの利得範囲を示す図表である。(その1)
図15Bは、他の実施の形態の挿入光アンプの利得配分の組合せと各ゲインモードの利得範囲を示す図表である。(その2)
図16Aは、他の実施の形態の挿入光アンプの利得配分の組合せ別の利得比率、各ゲインモードの利得範囲、光可変減衰器の動作量を示す図表である。(その1)
図16Bは、他の実施の形態の挿入光アンプの利得配分の組合せ別の利得比率、各ゲインモードの利得範囲、光可変減衰器の動作量を示す図表である。(その2)
図17Aは、光スイッチの配列状態別のモード数の説明図である。(その1)
図17Bは、光スイッチの配列状態別のモード数の説明図である。(その2)
図17Cは、光スイッチの配列状態別のモード数の説明図である。(その3)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に図面を参照して、開示の光増幅器および光増幅方法の実施の形態を詳細に説明する。
(【0011】以降は省略されています)

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