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公開番号
2024157888
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-08
出願番号
2023072519
出願日
2023-04-26
発明の名称
廃棄物焼却方法および廃棄物焼却装置
出願人
JFEエンジニアリング株式会社
代理人
弁理士法人酒井国際特許事務所
主分類
F23G
5/50 20060101AFI20241031BHJP(燃焼装置;燃焼方法)
要約
【課題】廃棄物焼却炉において焼却灰の炭酸化および重金属類の固定化を促進させること。
【解決手段】廃棄物を燃焼させて焼却灰として排出する燃焼室を有する焼却炉によって廃棄物を焼却する廃棄物焼却方法であって、循環排ガス供給手段によって、焼却炉の排ガスの少なくとも一部を循環排ガスとして分岐させ、酸素供給手段によって、酸素を主成分として含むガスを循環排ガスに混合させて混合ガスを生成して、燃焼室に供給し、燃焼室に供給される混合ガスにおける二酸化炭素濃度を50%以上とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
廃棄物を燃焼させて焼却灰として排出する燃焼室を有する焼却炉によって前記廃棄物を焼却する廃棄物焼却方法であって、
循環排ガス供給手段によって、前記焼却炉の排ガスの少なくとも一部を循環排ガスとして分岐させ、酸素供給手段によって、酸素を主成分として含むガスを前記循環排ガスに混合させて混合ガスを生成して、前記燃焼室に供給し、
前記燃焼室に供給される前記混合ガスにおける二酸化炭素濃度を50%以上とする
廃棄物焼却方法。
続きを表示(約 1,000 文字)
【請求項2】
前記燃焼室が、前記廃棄物を燃焼させる領域として前記廃棄物の流れ方向に沿って、前記廃棄物が乾燥された後に初期燃焼が行われる初期燃焼領域、前記廃棄物を燃焼させる主燃焼領域、および前記廃棄物における未燃分を燃焼させる後燃焼領域を有し、
前記混合ガスを前記後燃焼領域に選択的に供給する
請求項1に記載の廃棄物焼却方法。
【請求項3】
前記後燃焼領域における温度を400℃以上600℃以下に調整する
請求項2に記載の廃棄物焼却方法。
【請求項4】
前記混合ガスの前記二酸化炭素濃度を80%以上に調整する
請求項1に記載の廃棄物焼却方法。
【請求項5】
前記循環排ガスに含まれる窒素の一部を分離除去する
請求項1に記載の廃棄物焼却方法。
【請求項6】
廃棄物を燃焼させて焼却灰として排出する燃焼室を有する焼却炉を備えた廃棄物焼却装置であって、
前記焼却炉の排ガスの少なくとも一部を循環排ガスとして分岐させて前記焼却炉に供給可能に構成された循環排ガス供給手段と、
酸素を主成分として含むガスを前記焼却炉に供給可能に構成された酸素供給手段と、
前記循環排ガス供給手段によって供給される前記循環排ガスと、前記酸素供給手段によって供給される前記酸素を主成分として含むガスとを、混合させて混合ガスを生成するガス混合手段と、を備え、
前記燃焼室に供給する前記混合ガスの二酸化炭素濃度を50%以上に調整可能に構成される
廃棄物焼却装置。
【請求項7】
前記燃焼室が、前記廃棄物を燃焼させる領域として前記廃棄物の流れ方向に沿って、前記廃棄物が乾燥された後に初期燃焼が行われる初期燃焼領域、前記廃棄物を燃焼させる主燃焼領域、および前記廃棄物における未燃分を燃焼させる後燃焼領域を有し、
前記混合ガスを前記後燃焼領域に選択的に供給可能に構成される
請求項6に記載の廃棄物焼却装置。
【請求項8】
前記後燃焼領域における温度を400℃以上600℃以下に調整可能に構成される
請求項7に記載の廃棄物焼却装置。
【請求項9】
前記混合ガスの前記二酸化炭素濃度を80%以上に調整可能に構成される
請求項6に記載の廃棄物焼却装置。
【請求項10】
前記循環排ガスに含まれる窒素の一部を分離除去する窒素分離手段をさらに備える
請求項6に記載の廃棄物焼却装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃棄物焼却方法および廃棄物焼却装置に関し、特に、酸素および二酸化炭素の混合ガスを用いて燃焼を行う廃棄物焼却炉の焼却灰の安定化に適用して好適なものである。
続きを表示(約 2,000 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、廃棄物焼却炉から排出される焼却残渣(以下、焼却灰)を資源として有効利用する技術が求められている。焼却灰には、有害物質、特に重金属類が含まれているため、焼却灰からの重金属類の溶出量が基準値以上の場合、焼却灰を資源として有効利用することが困難になる。そこで、焼却灰から重金属類を除去する処理を行ったり、重金属類を安定化させて焼却灰からの溶出量を基準値以下にする処理を行ったりする、いわゆる焼却灰の無害化処理を行う必要がある。なお、焼却灰に含まれる重金属類は、主に鉛(Pb)であるため、焼却灰の無害化処理の対象となる重金属類は、主に鉛である。
【0003】
焼却灰に含まれる重金属類としての鉛の溶出を抑制して固定化させる技術は、種々検討され、焼却灰に含まれる鉛を二酸化炭素と反応させて炭酸化物を生成させることにより、水に対する溶解度を低下させる方法がある。具体的に、酸化鉛(PbO)から炭酸鉛(PbCO
3
)に変化させることにより、水に対する溶解度が低下するため、難溶性となって焼却灰からの溶出が抑制される。また、焼却灰は塩基性であることから溶出液のpHが高い。焼却灰のpHに関しては、焼却灰に含まれる酸化カルシウム(CaO)または水酸化カルシウム(Ca(OH)
2
)を二酸化炭素(CO
2
)と反応させて炭酸カルシウム(CaCO
3
)を生成することにより、焼却灰のpHを重金属類が難溶性を示す低いpHとして難溶性領域とすることも行われる。焼却灰に含まれる重金属類において高い含有率である鉛(Pb)は両性金属であることから、強い塩基性を示す焼却灰に対してpHを低下させる処理を施して難溶性領域とすることにより、鉛(Pb)の溶出量を低減できる。
【0004】
このような焼却灰の無害化処理方法として、特許文献1に記載の技術が知られている。特許文献1には、焼却灰の無害化処理方法として、廃棄物焼却炉から排出される焼却灰に廃棄物焼却炉から排出される排ガスを加熱して通気することによって、焼却灰の炭酸化を行って鉛(Pb)の固定化を促進させる技術が開示されている。
【0005】
特許文献1に記載の技術において、焼却灰の炭酸化の反応場所としては以下の4箇所が挙げられる。すなわち、第1に焼却灰排出シュートの下の反応塔、第2に廃棄物焼却シュートの下の焼却灰抜き出し装置から抜き出された焼却灰を貯留する焼却灰貯留槽、第3に焼却灰排出シュートの下の湿式灰出し装置から抜き出された焼却灰を貯留する焼却灰貯留槽、第4に後燃焼火格子上である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2003-340397号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した従来技術においては、廃棄物焼却炉から排出される排ガスの二酸化炭素(CO
2
)濃度が10%オーダー程度と低濃度であるため、焼却灰の炭酸化を十分に促進させて、鉛などの重金属類の固定化を促進するためには、長い滞留時間が必要であった。そのため、廃棄物焼却炉において焼却灰の炭酸化および重金属類の固定化のさらなる促進化可能な技術が求められていた。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、その目的は、廃棄物焼却炉において焼却灰の炭酸化および重金属類の固定化を促進させることができる廃棄物焼却方法および廃棄物焼却装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様に係る廃棄物焼却方法は、廃棄物を燃焼させて焼却灰として排出する燃焼室を有する焼却炉によって前記廃棄物を焼却する廃棄物焼却方法であって、循環排ガス供給手段によって、前記焼却炉の排ガスの少なくとも一部を循環排ガスとして分岐させ、酸素供給手段によって、酸素を主成分として含むガスを前記循環排ガスに混合させて混合ガスを生成して、前記燃焼室に供給し、
前記燃焼室に供給される前記混合ガスにおける二酸化炭素濃度を50%以上とする。
【0010】
本発明の一態様に係る廃棄物焼却方法は、上記の発明において、前記燃焼室が、前記廃棄物を燃焼させる領域として、前記廃棄物の流れ方向に沿って、前記廃棄物が乾燥された後に初期燃焼が行われる初期燃焼領域、前記廃棄物を燃焼させる主燃焼領域、および前記廃棄物における未燃分を燃焼させる後燃焼領域を有し、前記混合ガスを前記後燃焼領域に選択的に供給する。
(【0011】以降は省略されています)
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