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公開番号2024157451
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-07
出願番号2023071834
出願日2023-04-25
発明の名称鉄道車両
出願人富士電機株式会社,東海旅客鉄道株式会社
代理人個人,個人
主分類B61C 17/00 20060101AFI20241030BHJP(鉄道)
要約【課題】鉄道車両本体の下部の凹状部に配置される冷却部に走行風を流入させ易くすることが可能な鉄道車両を提供する。
【解決手段】この鉄道車両10は、鉄道車両本体11と、鉄道車両本体11に搭載される電力変換部13と、鉄道車両本体11の走行風により電力変換部13を冷却する冷却フィン16と、鉄道車両本体の下部に設けられた上に凸の凹状部15とを備える。凹状部15は、冷却フィン16が配置される平坦部151、および、鉄道車両本体11の走行方向において平坦部151を挟むように配置される一対の傾斜面部152(傾斜面部152aおよび152b)を含む。一対の傾斜面部152(傾斜面部152aおよび152b)および平坦部151の少なくとも一方は、冷却フィン16に対して走行風の上流側に設けられ、鉄道車両本体側11に凹む凹部Rを有する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
鉄道車両本体と、
前記鉄道車両本体に搭載される電力変換部と、
前記鉄道車両本体の走行風により前記電力変換部を冷却する冷却部と、
前記冷却部が配置される平坦部、および、前記鉄道車両本体の走行方向において前記平坦部を挟むように配置される一対の傾斜面部を含み、前記鉄道車両本体の下部に設けられた上に凸の凹状部と、を備え、
前記一対の傾斜面部および前記平坦部の少なくとも一方は、前記冷却部に対して走行風の上流側に設けられ、前記鉄道車両本体側に凹む凹部を有する、鉄道車両。
続きを表示(約 850 文字)【請求項2】
前記凹部は、走行風の流れ方向の幅が20mm以上40mm以下であって、5mm以上の深さを備えている、請求項1に記載の鉄道車両。
【請求項3】
前記凹部は、前記一対の傾斜面部のうち、少なくとも走行風の上流側の前記傾斜面部に設けられている、請求項1に記載の鉄道車両。
【請求項4】
前記凹部は、前記一対の傾斜面部の両方に設けられている、請求項3に記載の鉄道車両。
【請求項5】
前記凹部は、前記一対の傾斜面部のうち、少なくとも走行風の上流側の前記傾斜面部において、枕木方向から見て前記走行方向における中央または中央より前記平坦部側に配置されている、請求項3に記載の鉄道車両。
【請求項6】
前記凹部は、前記冷却部に設けられる放熱フィンに対して走行風の上流側であって、前記平坦部の端部から20mm以上40mm以下の位置に設けられている、請求項3に記載の鉄道車両。
【請求項7】
前記凹部は、前記傾斜面部で発生する空気の渦の位置に対して走行風の上流側に配置されている、請求項3に記載の鉄道車両。
【請求項8】
前記凹部は、前記傾斜面部から走行風が剥離する位置に対して走行風の上流側に配置されている、請求項3に記載の鉄道車両。
【請求項9】
前記走行風が剥離する位置は、
前記電力変換部に含まれる半導体素子の損失が所定値以上となる前記鉄道車両本体の走行速度において、前記傾斜面部に沿って流れる走行風が、前記傾斜面部から剥離する位置である、請求項8に記載の鉄道車両。
【請求項10】
前記走行風が剥離する位置は、
前記電力変換部に含まれる半導体素子に関連する温度が所定値以上となる前記鉄道車両本体の走行速度において、前記傾斜面部に沿って流れる走行風が、前記傾斜面部から剥離する位置である、請求項8に記載の鉄道車両。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、鉄道車両に関し、特に、走行風により電力変換部を冷却する冷却部を備える鉄道車両に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
従来、走行風により電力変換部を冷却する冷却部を備える鉄道車両が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1に記載の鉄道車両は、電力変換装置(電力変換部)が車両の底部に設置されている。また、電力変換装置は、筐体と、筐体内部に設けられる電力変換装置本体とを含む。また、電力変換装置は、電力変換装置本体を冷却するための冷却部を含む。冷却部は、筐体の外部に露出するように設けられる。また、鉄道車両の底部には、冷却部が配置される上に凸の凹状部が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2017-218000号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、上記特許文献1に記載されている鉄道車両では、冷却部が上に凸の凹状部に配置されている。この場合、凹状部によって地面と鉄道車両との間の空気が流れる流路が急激に拡大されることに起因して、走行風が凹状部に入りにくく、凹状部の下方を通過するように流れる。そのため、凹状部の内側(鉄道車両本体側)と外側(地面側)との間において、風速差が生じてしまい、空気の淀み(滞留)の要因となる空気の渦が凹状部に生じる。そして、凹状部に渦が生じた場合、走行風が冷却部に流入することが妨げられる。したがって、鉄道車両本体の下部の凹状部に配置される冷却部に走行風を流入させ易くすることが可能な鉄道車両が望まれている。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、鉄道車両本体の下部の凹状部に配置される冷却部に走行風を流入させ易くすることが可能な鉄道車両を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の一の局面による鉄道車両は、鉄道車両本体と、鉄道車両本体に搭載される電力変換部と、鉄道車両本体の走行風により電力変換部を冷却する冷却部と、冷却部が配置される平坦部、および、鉄道車両本体の走行方向において平坦部を挟むように配置される一対の傾斜面部を含み、鉄道車両本体の下部に設けられた上に凸の凹状部と、を備え、一対の傾斜面部および平坦部の少なくとも一方は、冷却部に対して走行風の上流側に設けられ、鉄道車両本体側に凹む凹部を有する。
【0008】
この発明の一の局面による鉄道車両では、上記のように、凹状部は、冷却部が配置される平坦部、および、鉄道車両本体の走行方向において平坦部を挟むように配置される一対の傾斜面部を含む。そして、一対の傾斜面部および平坦部の少なくとも一方は、冷却部に対して走行風の上流側に設けられ、鉄道車両本体側に凹む凹部を有する。ここで、凹状部の壁面近傍の走行風の速度(風速)が、せん断応力により、小さく(遅く)なることに起因して、凹状部の壁面を沿った走行風の流れは、せん断流になる。本願発明者は、一対の傾斜面部および平坦部の少なくとも一方に鉄道車両本体側に凹む凹部を設けることによって、凹部に対応する箇所の走行風の流れが、自由せん断流になることに着目した。そして、本願発明者は、走行風の流れが、せん断流から自由せん断流に変化することより、鉄道車両本体側(凹状部の壁面)への空気の流れが発生して、走行風が鉄道車両本体側に引き寄せられることを見出した。これにより、一対の傾斜面部および平坦部の少なくとも一方が、冷却部に対して走行風の上流側に設けられる凹部を有することによって、走行風を鉄道車両本体側に引き寄せることができる。その結果、鉄道車両本体の下部の凹状部に配置される冷却部に走行風を流入させ易くすることができる。さらに、冷却部による放熱をより効率よく行うことができるので、冷却部の小型化を図ることができる。
【0009】
上記一の局面による冷却装置において、好ましくは、凹部は、走行風の流れ方向の幅が20mm以上40mm以下であって、5mm以上の深さを備えている。このように構成すれば、電力変換部の冷却をより効率よく行うことができる。なお、この効果は、後述する発明者によるシミュレーションにより確認済みである。また、走行風の主流を鉄道車両本体側に引き寄せることと、走行風が凹部に侵入することによる圧力損失とのバランスをとることができる。また、凹部の深さを5mmよりも大きくすると、凹部の加工コストが高くなる。
【0010】
上記一の局面による冷却装置において、好ましくは、凹部は、一対の傾斜面部のうち、少なくとも走行風の上流側の傾斜面部に設けられている。このように構成すれば、走行風の下流側の傾斜面部に凹部を設ける場合に比べて、より効率よく走行風を鉄道車両本体側に引き寄せることができるので、冷却部に走行風をより効率よく流入させることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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