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公開番号2024155865
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-31
出願番号2024068174
出願日2024-04-19
発明の名称極低温流体を分注するための装置及び方法
出願人エア プロダクツ アンド ケミカルズ インコーポレイテッド,AIR PRODUCTS AND CHEMICALS INCORPORATED
代理人個人,個人,個人,個人
主分類F17C 6/00 20060101AFI20241024BHJP(ガスまたは液体の貯蔵または分配)
要約【課題】極低温流体を分注するための装置及び方法を提供すること。
【解決手段】極低温流体を分注するための装置及びプロセスは、極低温流体を燃料タンク内に分注するように構成された装置及びプロセスを含むことができる。実施形態は、例えば、車両の燃料タンク内に液体水素を分注するように構成されることができる。実施形態は、分注中に、燃料タンクを充填する、又は燃料タンクを実質的に充填するために(例えば、燃料タンクを90%の充填率のレベル又は95%の充填率のレベルに充填するなど)ポンプの使用が必要でないように提供されることができる。これにより、実施形態は、極低温蒸発損及び一時的放出損を回避することが可能になると共に、電力消費を低減し、メンテナンスコストを低減し、分注開始がより迅速に起こることを可能にする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
極低温流体分注のための装置であって、
タンクに接続可能な圧力調整機構を備え、前記圧力調整機構は、極低温液体を前記タンク内に貯蔵するように構成されており、前記圧力調整機構が接続可能な前記タンクは、前記極低温液体を少なくとも1つのディスペンサに供給するように配置されており、
前記圧力調整機構は、車両燃料タンクを充填するために、前記タンクからの前記極低温液体が前記少なくとも1つのディスペンサに供給されることの検出に応答して、前記タンクの圧力を第1の事前選択圧力から第2の事前選択圧力まで上昇させ、これにより、前記極低温流体が、前記ディスペンサを介して前記タンクから前記車両燃料タンクへ出力可能であるように構成されており、かつ
前記圧力調整機構は、前記車両燃料タンクの充填が停止又は完了されることの検出に応答して、前記タンクの前記圧力を前記第2の事前選択圧力から前記第1の事前選択圧力に減少させるように構成されており、
前記圧力調整機構は、前記第2の事前選択圧力から前記第1の事前選択圧力への前記タンクの前記圧力の前記減少が、前記タンクから少なくとも1つの極低温流体を取り出して、取り出された前記少なくとも1つの極低温流体を、圧縮ガスとして、前記タンクに接続可能な貯蔵ユニット内に貯蔵することを含むように構成されており、前記取り出された少なくとも1つの極低温流体は、前記タンクから取り出された前記極低温液体及び/又は前記タンクから取り出された極低温ガスを含み、
前記圧力調整機構は、前記第1の事前選択圧力から前記第2の事前選択圧力への前記タンクの圧力の前記上昇が、前記貯蔵ユニット内に貯蔵された前記圧縮ガスを前記タンクに供給することを含むように構成されている、装置。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記極低温流体は水素で構成されており、前記極低温液体は液体水素で構成されており、前記極低温ガスは水素ガスで構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記タンク及び前記ディスペンサを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記圧力調整機構は、前記タンクと前記貯蔵ユニットとの間に接続された補助ポンプ、又は前記貯蔵ユニットと前記タンクとの間に接続された圧縮機を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記圧力調整機構は、前記タンクと前記圧縮機との間に配置された気化器をさらに備える、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記圧力調整機構は、前記補助ポンプと前記貯蔵ユニットとの間に配置された気化器をさらに備える、請求項4に記載の装置。
【請求項7】
前記タンクと前記ディスペンサとの間に配置された補助ポンプを備え、前記補助ポンプは、前記タンクが、前記車両燃料タンクを実質的に充填された状態から完全に充填された状態まで充填するために前記第2の事前選択圧力になった後、前記極低温液体の流れを前記タンクから前記ディスペンサに輸送するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記車両燃料タンクの前記実質的に充填された状態は、100%未満の充填率かつ少なくとも90%の充填率である、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記圧力調整機構は、
前記第2の事前選択圧力から前記第1の事前選択圧力への前記タンクの前記圧力の前記減少中に、前記タンクから前記極低温ガス及び/又は前記極低温液体を受け取り、加熱されたガスを出力するように配置された気化器と、
前記加熱されたガスを受け取って、前記加熱されたガスを圧縮して前記圧縮ガスを形成し、前記圧縮ガスを前記貯蔵ユニットに供給するように配置された圧縮機と、を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記圧力調整機構は、
前記第2の事前選択圧力から前記第1の事前選択圧力への前記タンクの前記圧力の前記減少中に、前記タンクから前記極低温ガス及び/又は前記極低温液体を受け取り、加熱されたガスを出力するように配置された気化器、
前記極低温ガス及び/又は前記極低温液体が前記気化器を通過して、前記加熱されたガスとして出力されるように、前記第2の事前選択圧力から前記第1の事前選択圧力への前記タンクの前記圧力の前記減少中に、前記極低温ガスの流れ及び/又は前記極低温液体の流れを前記タンクから前記貯蔵ユニットまで輸送するように配置された補助ポンプ、を含む、請求項1に記載の装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、極低温流体(例えば、液体水素、液体メタンなど)を分注するための装置及び方法に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
水素生成及び供給システムの例が、米国特許第6,401,767号、同第6,474,078号、同第6,619,336号、同第6,708,573号、同第6,745,801号、同第6,786,245号、同第7,028,724号、同第7,328,726号、同第7,793,675号、同第7,921,883号、同第8,020,589号、同第8,286,675号、同第8,365,777号、同第8,453,682号、同第8,899,278号、同第9,074,730号、同第9,151,448号、同第9,261,238号、同第9,279,541号、同第9,404,620号、同第9,863,583号、同第10,502,649号、及び同第10,508,770号から理解されることができる。
【0003】
極低温流体分注システムは、典型的には、デバイスによる流体の使用のために、ポンプを利用して、その流体をそのデバイスに向かって供給する。極低温流体分注を容易にする助けとするために使用されるポンプの例が、米国特許第6,474,078号及び米国特許出願公開第2014/0096540号から理解されることができる。
【発明の概要】
【0004】
本発明者らは、極低温流体(例えば、水素)の損失を最小限に抑えるのを助け、一方で、分注を開始するのに必要とされる時間の量を低減し、燃料タンク充填プロセスの全体にポンプ又は他の機械的原動機を使用することがある従来の分注から生じ得る蒸発損及び他の極低温流体損失を低減するために、極低温流体分注のための新しいプロセス及び極低温流体分注のための新しい装置が必要であると判断した。いくつかの実施形態は、車両燃料タンクに極低温液体を供給するための分注動作を可能にする際に遅延がないか、又はごく最小限の遅延(例えば、5秒未満、10秒未満、30秒未満、60秒未満など)であり得るように、起動時間が著しく低減されることを可能にすることができる。
【0005】
実施形態はまた、極低温流体の流れを輸送するためのポンプの実質的な使用を介して生じる可能性のある摩擦、及び他の機械的及び熱力学的損失に関連する損失を著しく低減する助けとなる場合もある。例えば、いくつかの実施形態は、燃料タンクの充填のために、又は燃料タンクを実質的に充填されたレベルに充填するために、極低温流体を燃料タンクに分注するのにポンプを必要としないように提供されることができる。車両燃料タンクの実質的に充填されたレベルは、例えば、少なくとも90%の充填率かつ100%未満の充填率、95%以上に充填率かつまた100%未満の充填率、97%以上の充填率かつ100%未満の充填率のレベル、又は車両燃料タンクの実質的な充填である他の好適な充填レベルとすることができる(例えば、著しい量の燃料がポンプを使用せずに燃料タンクに提供され、したがって、燃料タンクが少なくとも80%の充填率から100%の充填率となることができるなど)。ポンプの使用又はポンプの実質的な使用を回避することによって、機械的摩擦損失及び他のポンプ関連の損失(例えば、極低温流体のポンプ移送から形成される一時的蒸気放出など)並びに非効率性を回避することができる。
【0006】
本発明者らの装置の一実施形態によって又はプロセスの一実施形態の使用によって充填される燃料タンクを有する車両は、例えば、トラック、自動車、バス、ボート、ドローン、鉄道、航空機、建設車両及び鉱山車両、又は他のタイプの車両とすることができる。そのような車両は、例えば、産業用車両又は大型輸送車両(例えば、バス、建設車両、商品又は材料の輸送のためのトラックなど)とすることができる。
【0007】
第1の態様では、極低温流体分注のための装置は、極低温液体をタンク内に貯蔵するように構成されたタンクに接続可能な圧力調整機構を含む。圧力調整機構が接続可能なタンクは、極低温液体を少なくとも1つのディスペンサに供給するように配置されることができる。圧力調整機構は、車両燃料タンクを充填するために、タンクからの極低温液体が少なくとも1つのディスペンサに供給されることの検出に応答して、タンクの圧力を第1の事前選択圧力から第2の事前選択圧力まで上昇させ、したがって、極低温流体がタンクから車両燃料タンクへディスペンサを介して出力可能であるように構成されることができる。圧力調整機構は、車両燃料タンクの充填が停止又は完了されることの検出に応答して、タンクの圧力を第2の事前選択圧力から第1の事前選択圧力に減少させるように構成されることができる。圧力調整機構は、第2の事前選択圧力から第1の事前選択圧力へのタンクの圧力の減少が、タンクから少なくとも1つの極低温流体を取り出して、取り出された少なくとも1つの極低温流体を、タンクに接続可能な貯蔵ユニット内の圧縮ガスとして貯蔵することを含むように構成されることができる。取り出された少なくとも1つの極低温流体は、タンクから取り出された極低温液体及び/又はタンクから取り出された極低温ガスを含むことができる。圧力調整機構は、第1の事前選択圧力から第2の事前選択圧力へのタンクの圧力上昇が、貯蔵ユニット内に貯蔵された圧縮ガスをタンクに供給することを含むように構成されることができる。
【0008】
第2の態様では、極低温流体は、水素又は天然ガスを含むことができる。例えば、極低温流体は水素を含むことができ、極低温液体は液体水素で構成されることができ、極低温ガスは水素ガスで構成されることができる。別の実施例として、極低温流体はメタンを含むことができ、極低温液体は液体メタンで構成されることができ、極低温ガスはメタンガスで構成されることができる。
【0009】
第3の態様では、装置は、他の要素を含むことができる。例えば、装置は、タンク及び/又はディスペンサを含むことができる。いくつかの実装態様では、ディスペンサは、極低温液体による車両燃料タンクの充填中に、車両燃料タンクからのガスが両燃料タンクから貯蔵ユニットに通過可能であるように車両燃料タンクに接続可能とすることができる。
【0010】
第4の態様では、圧力調整機構は、タンクと貯蔵ユニットとの間に接続された補助ポンプ、又は貯蔵ユニットとタンクとの間に接続された圧縮機を含むことができる。いくつかの実装態様では、圧力調整機構はまた、タンクと圧縮機との間に配置された気化器も備えることができる。いくつかの実施形態では、気化器はまた(又は代替的に)、補助ポンプと貯蔵ユニットとの間に配置されることもできる
(【0011】以降は省略されています)

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