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公開番号
2024155696
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-31
出願番号
2023200255
出願日
2023-11-27
発明の名称
炭素系微生物電子シャント材料、その製造方法及びその使用
出願人
広東省科学院生態環境與土壤研究所
,
Institute of Eco-environmental and Soil Sciences, Guangdong Academy of Sciences
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C01B
32/05 20170101AFI20241024BHJP(無機化学)
要約
【課題】稲田湛水過程でのヒ素の還元及び放出を大幅に低減させて土壌中のヒ素の生物活性を低下させ、イネによるヒ素の吸収を減少させるとともに、メタン生成過程での電気生成微生物とメタン生成微生物の種間の電子伝達を遮断し、稲田土壌からのメタン排出を効果的に抑制し、最終的に稲田土壌中のヒ素活性の低減と温室効果ガス排出削減の目標を同時に達成する、炭素系微生物電子シャント材料の製造方法を提供する。
【解決手段】多孔質炭素材料とドーパミンとを反応させて、ドーパミン変性多孔質炭素材料を得るステップ(1)と、前記ドーパミン変性多孔質炭素材料とレザズリンとを反応させて、炭素系微生物電子シャント材料を得るステップ(2)と、を含む、炭素系微生物電子シャント材料の製造方法を提供する。製造された炭素系微生物電子シャント材料は、電荷を蓄積する能力を有し、微生物駆動による異化ヒ素及び鉄の還元過程での電子を遮断することができる。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
多孔質炭素材料とドーパミンとを反応させて、ドーパミン変性多孔質炭素材料を得るステップ(1)と、
前記ドーパミン変性多孔質炭素材料とレザズリンとを反応させて、炭素系微生物電子シャント材料を得るステップ(2)と、
を含む、ことを特徴とする炭素系微生物電子シャント材料の製造方法。
続きを表示(約 490 文字)
【請求項2】
前記多孔質炭素材料と前記レザズリンとの質量比が20:1~5である、ことを特徴とする請求項1に記載の炭素系微生物電子シャント材料の製造方法。
【請求項3】
前記ドーパミンと前記レザズリンとのモル濃度比が10:1~5である、ことを特徴とする請求項1に記載の炭素系微生物電子シャント材料の製造方法。
【請求項4】
ステップ(1)において、前記反応の時間が1~3hである、ことを特徴とする請求項1に記載の炭素系微生物電子シャント材料の製造方法。
【請求項5】
ステップ(1)において、前記反応の温度が25℃である、ことを特徴とする請求項1に記載の炭素系微生物電子シャント材料の製造方法。
【請求項6】
ステップ(2)において、前記反応の時間が0.5~3hである、ことを特徴とする請求項1に記載の炭素系微生物電子シャント材料の製造方法。
【請求項7】
ステップ(2)において、前記反応の温度が25~35℃である、ことを特徴とする請求項1に記載の炭素系微生物電子シャント材料の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子材料の技術分野に関し、特に炭素系微生物電子シャント材料、その製造方法及びその使用に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
水稲は、中国の最も重要な食糧作物である。稲田土壌は、貴重な自然資源であるが、近年、人間活動の影響のため、稲田土壌の重金属(メタロイド)汚染は厳しくなり、農産物の産量や安全性に深刻な危害を及ぼし、人間の健康に脅威を与えている。ヒ素(As)は、汚染面積の割合が最大ではないが、その毒性が強く(グループ1発がん性物質)、生態系や人間へのリスクが高いため、注目されている。また、稲田は陸地湿地の主要な構成部分でもあり、無視できない温室効果ガスの排出源であり、報告によると、世界で毎年稲田から排出されるメタンは総排出量の15~20%を占め、しかも、メタンによる温度上昇効果は二酸化炭素の28倍である。そのため、いかに稲田土壌のヒ素汚染修復と温室効果ガス削減を同時に実現するかは現在解決すべき重大な環境問題であり、これは、国の食糧の安全な生産の保障や炭素ニュートラル目標の実現に対して重要な意義を持つ。
【0003】
稲田の湛水条件下で微生物駆動による異化ヒ素の還元放出はヒ素活性を高める主要な原因である。現在稲田土壌のヒ素汚染修復技術は、例えば土壌の溶出、物理的修復法、植物抽出法で表土を除去するなど、主に原位置安定化と除去に基づいているが、大面積の工事応用では、土壌の溶出と物理的修復法は、工事量が多く、表土の物理構造が破壊され、土壌の肥沃力が低下し、大量の有機肥料を加えて表土の再構築を行う必要があり、しかもコストが高い。植物抽出法は、時間がかかり、土壌の正常な耕作に影響する。原位置安定化技術は、ヒ素不動態化剤を添加することにより、末端で土壌中のヒ素を吸着固定することができ、土壌中のヒ素のリスクを低減し、修復しながら生産することを可能にするため、ますます注目されているが、ヒ素不動態化剤は温室効果ガスの削減を同時に実現することができない。例えば、関連技術では、ゼロ価鉄とバイオ炭を利用して鉄系バイオ炭を製造し、稲田土壌のヒ素の酸化と吸着固定を促進し、土壌中のヒ素の生物有効性を低下させ、また、泥炭、還元性鉄粉及び/又は第一鉄塩を利用して稲田土壌中のカドミウムとヒ素の不動態化を同時に実現する関連技術特許もある。しかし、上記の技術は、温室効果ガスの排出削減を考慮していない一方で、ゼロ価鉄が電子供与体として微生物のメタン産生を促進することを発見した研究がある。泥炭はメタン生成微生物の基質となり、メタン生成を促進することができる。さらに、稲田の温室効果ガス削減について、中国特許出願CN202010690911.7(中国特許出願公開第111972233号:特許文献1)は、稲田にバイオ炭と木酢酸を加えて稲田の温室効果ガスを削減させる技術を提案しているが、バイオ炭の表面はマイナスの電気を帯びており、メタロイドであるヒ素に対する不動態化に不利であることが研究によりわかった。したがって、これらの技術は、稲田土壌のヒ素汚染修復と温室効果ガス削減を同時に実現するのに適していない。
【0004】
以上から、稲田土壌のヒ素汚染リスクを効果的に低減しつつ、稲田の温室効果ガス排出を削減させるという複数目標の共同対策をいかに実現するかは現在直面している重大な技術的課題である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
中国特許出願公開第111972233号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、従来技術に存在する上記技術的課題の少なくとも1つを解決することを目的とする。そのために、本発明は、循環充放電機能を有する炭素系微生物電子シャント材料、その製造方法及びその使用を提供することを目的とする。本発明による炭素系微生物電子シャント材料は、電荷を蓄積する能力を有し、微生物駆動による異化ヒ素及び鉄の還元過程での電子を遮断し、稲田湛水過程でのヒ素の還元及び放出を大幅に低減することができ、これにより、土壌中のヒ素の生物活性を低下させ、イネによるヒ素の吸収を減少させるとともに、メタン生成過程での電気生成微生物とメタン生成微生物の種間の電子伝達を遮断し、稲田土壌からのメタン排出を効果的に抑制し、最終的に稲田土壌中のヒ素活性の低減と温室効果ガス排出削減の目標を同時に達成することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明が採用する技術的解決手段は、以下の通りである。
【0008】
本発明の第1態様は、
多孔質炭素材料とドーパミンとを反応させて、ドーパミン変性多孔質炭素材料を得るステップ(1)と、
前記ドーパミン変性多孔質炭素材料とレザズリンとを反応させて、炭素系微生物電子シャント材料を得るステップ(2)と、
を含む、炭素系微生物電子シャント材料の製造方法を提案する。
【0009】
本発明のいくつかの実施形態では、前記多孔質炭素材料と前記レザズリンとの質量比が20:1~5である。
【0010】
本発明のいくつかの実施形態では、前記多孔質炭素材料と前記レザズリンとの質量比が10:1である。
(【0011】以降は省略されています)
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