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公開番号2024154732
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-31
出願番号2023068729
出願日2023-04-19
発明の名称電力変換装置
出願人株式会社デンソー
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類H02M 7/48 20070101AFI20241024BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】外部充電制御を簡易に実施できる電力変換装置を提供する。
【解決手段】電力変換装置20は、バッテリ10と、回転電機30と、充電器11と、を備えるシステムに適用される。電力変換装置20は、各相巻線32U~32Wに流れる電流を制御する各スイッチSUH~SWLを有し、各相上アームスイッチSUH~SWHのドレインを接続している正極側経路Lpが、バッテリ10の正極側に電気的に接続可能とされ、かつ各相下アームスイッチSUL~SWLのソースを接続している負極側経路Lnが、バッテリ10の負極側に電気的に接続可能とされたインバータ40と、負極側経路Lnに、充電器11の負極側が電気的に接続可能とされた負極側接続部81と、各相導電部材50U~50Wに、充電器11の正極側が電気的に接続可能とされた正極側接続部80と、を備える。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
充放電可能な蓄電部(10)と、
複数相の電機子巻線(32U~32W)を有し、前記蓄電部を電源として駆動する回転電機(30)と、
前記蓄電部の充電電力を供給する充電器(11)と、を備えるシステムに適用される電力変換装置(20)において、
前記電機子巻線に流れる電流を制御する上下アームの電流スイッチ(SUH~SWL)を相数分有し、各相における上アームの前記電流スイッチの高電位側端子を接続している正極側経路(Lp)が、前記蓄電部の正極側に電気的に接続可能とされ、かつ各相における下アームの前記電流スイッチの低電位側端子を接続している負極側経路(Ln)が、前記蓄電部の負極側に電気的に接続可能とされたインバータ(40)と、
前記負極側経路に、前記充電器の負極側が電気的に接続可能とされた負極側接続部(81)と、
各相において上下アームの前記各電流スイッチの接続点及び前記各電機子巻線の端部を接続している線電流経路(34U~34W,42U~42W,50U~50W)のうち少なくとも1相の線電流経路に、前記充電器の正極側が電気的に接続可能とされた正極側接続部(80)と、を備える、電力変換装置。
続きを表示(約 1,900 文字)【請求項2】
前記正極側接続部及び前記負極側接続部を介して前記充電器及び前記蓄電部が電気的に接続された状態において、前記回転電機の出力トルクを所定値以下にしつつ、前記充電器の出力電圧を昇圧し、昇圧された電圧を蓄電部に供給する昇圧動作を行うべく、前記電流スイッチのスイッチング制御を行う制御部と、を備える、請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項3】
各相のうち、前記回転電機のロータ(31)における電気角に応じて定められる相であり、前記回転電機の出力トルクが前記所定値以下となるように、前記電機子巻線に流すq軸電流を0又は0付近の値とした場合に、前記線電流経路に流れる電流の向きが他の相とは逆向きである相を特定相とし、
各相のうち、前記昇圧動作中に前記線電流経路に流れる電流の向きが、前記正極側接続部側から前記電機子巻線側に向かう向きである相を充電入力相とし、
前記スイッチング制御が行われることに先立ち、前記充電入力相が前記特定相となるように、前記ロータの電気角を調整する処理、及び前記充電入力相を定める処理の少なくともいずれかである事前処理を行う処理部を備える、請求項2に記載の電力変換装置。
【請求項4】
前記正極側接続部及び各相の前記線電流経路を接続する充電経路(Lc,Lu~Lw)と、
各相の前記充電経路に設けられた充電スイッチ(Qu~Qw)と、を備え、
前記処理部は、前記事前処理として、前記ロータの電気角に基づいて、前記各充電スイッチのうちいずれかをオンすることにより、前記充電入力相を定める処理を行う、請求項3に記載の電力変換装置。
【請求項5】
前記正極側接続部及び各相の前記線電流経路のうちいずれかを接続する充電経路(Le)を備え、
前記充電入力相は、前記充電経路を介して前記正極側接続部と前記線電流経路とが接続された相であり、
前記処理部は、前記事前処理として、前記充電入力相が前記特定相となる電気角の範囲内に、前記ロータの電気角が含まれるように、前記電流スイッチのオンオフによって前記各電機子巻線に電流を流すことにより前記ロータを回転させ、前記ロータの電気角を調整する処理を行う、請求項3に記載の電力変換装置。
【請求項6】
前記充電入力相が前記特定相となる電気角の範囲には、第1範囲と、前記第1範囲外の第2範囲とが含まれ、
前記処理部は、前記事前処理として、前記第1範囲及び前記第2範囲のうち現状における前記ロータの電気角から近い方である特定範囲に前記ロータの電気角が含まれるように、前記電流スイッチのオンオフによって前記各電機子巻線に電流を流すことにより前記ロータを回転させ、前記ロータの電気角を調整する処理を行う、請求項5に記載の電力変換装置。
【請求項7】
前記回転電機のロータ(31)の電気角に基づいて、各相の前記線電流経路に流れる電流の大きさの比であって、前記回転電機の出力トルクが前記所定値以下となるように、前記電機子巻線に流れるq軸電流が0又は0付近の値となる電流比を設定する設定部を備え、
前記制御部は、各相の前記線電流経路に流れる電流の大きさの比が前記設定部により設定された前記電流比になるように、前記スイッチング制御を行う、請求項2~6のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項8】
各相のうち、前記昇圧動作中に前記線電流経路に流れる電流の向きが、前記正極側接続部側から前記電機子巻線側に向かう向きである相を充電入力相とし、
前記制御部は、前記スイッチング制御において、
前記蓄電部の電圧及び前記充電器の充電電力の電圧に基づいて、前記昇圧動作の昇圧比を算出し、
前記昇圧比及び前記電流比に基づいて、各相のうち充電入力相以外の相における下アームの前記電流スイッチのデューティ比を算出し、
各相の上アームの前記電流スイッチ及び前記充電入力相における下アームの前記電流スイッチをオフすると共に、前記デューティ比に基づいて、各相のうち充電入力相以外の相における下アームの前記電流スイッチをオンオフする、請求項7に記載の電力変換装置。
【請求項9】
前記各電流スイッチには、逆並列にダイオード(DUH~DWL)が接続されており、
前記充電器の充電電力の電圧が前記蓄電部の電圧よりも高い場合に、前記正極側接続部及び前記負極側接続部を介して前記充電器及び前記蓄電部が電気的に接続された状態において、前記電流スイッチをオフする制御部を備える、請求項1に記載の電力変換装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、インバータを備える電力変換装置に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
この種の電力変換装置としては、電気自動車等の蓄電部と、蓄電部の充電電力を供給する充電器を備えるシステムに適用されるものが知られている。電力変換装置は、充電器から蓄電部へ電力を供給する外部充電制御を行う際に、充電器の出力電圧を昇圧し、昇圧した電圧を蓄電部へ供給する昇圧動作を行うべく、インバータのスイッチング制御を行う。これにより、電力変換装置とは別に昇圧コンバータを設けることなく外部充電制御を行うことが可能となり、システムの小型化が図られる。このような技術の例として、特許文献1に開示された技術が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2022-160202号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
外部充電制御を簡易に実施できる電力変換装置が望まれている。
【0005】
例えば、特許文献1には、3レベルインバータの直流側に接続された2つのコンデンサの中間端子に充電器の正極側が接続される構成が記載されている。この構成を2レベルインバータに採用した場合、インバータ及びインバータに接続されたコンデンサの構造を変更することが必要となることに起因して、外部充電制御を簡易に実施できないことが懸念される。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、外部充電制御を簡易に実施できる電力変換装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、
充放電可能な蓄電部と、
複数相の電機子巻線を有し、前記蓄電部を電源として駆動する回転電機と、
前記蓄電部の充電電力を供給する充電器と、を備えるシステムに適用される電力変換装置において、
前記電機子巻線に流れる電流を制御する上下アームの電流スイッチを相数分有し、各相における上アームの前記電流スイッチの高電位側端子を接続している正極側経路が、前記蓄電部の正極側に電気的に接続可能とされ、かつ各相における下アームの前記電流スイッチの低電位側端子を接続している負極側経路が、前記蓄電部の負極側に電気的に接続可能とされたインバータと、
前記負極側経路に、前記充電器の負極側が電気的に接続可能とされた負極側接続部と、
各相において上下アームの前記各電流スイッチの接続点及び前記各電機子巻線の端部を接続している線電流経路のうち少なくとも1相の線電流経路に、前記充電器の正極側が電気的に接続可能とされた正極側接続部と、を備える。
【0008】
本発明によれば、各相において上下アームの各電流スイッチの接続点及び各電機子巻線の端部を接続している線電流経路のうち少なくとも1相の線電流経路に、充電器の正極側が電気的に接続可能とされると共に、負極側経路に、充電器の負極側が電気的に接続可能とされる。この場合、電力変換装置及び回転機器において構造が変更されることを抑制しつつ、インバータ及び巻線を介して充電器を蓄電部に電気的に接続できる。そのため、インバータに昇圧動作を行わせるための構成を簡易に実現できる。その結果、外部充電制御を簡易に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
第1実施形態に係る充電システムの全体構成図。
昇圧動作の一例を示す図。
昇圧動作の一例を示す図。
制御装置が行う処理の機能ブロック図。
充電入力相と、特定相との対応関係を示す図。
制御装置が行う制御の処理手順を示すフローチャート。
通常充電制御の一例を示す図。
第2実施形態に係る充電システムの全体構成図。
特定範囲の説明に用いる図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1実施形態>
以下、本発明に係る電力変換装置を具体化した第1実施形態について、図面を参照しつつ説明する。本実施形態において電力変換装置は、電気自動車やハイブリッド車両等の電動車両に搭載されている。
(【0011】以降は省略されています)

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