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公開番号
2024154516
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-31
出願番号
2023068347
出願日
2023-04-19
発明の名称
嵌合コネクタ
出願人
矢崎総業株式会社
代理人
弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
主分類
H01R
13/631 20060101AFI20241024BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】プレートの相対移動機能を維持すること。
【解決手段】レバー部材40は、第1レバー位置から第2レバー位置に向けて回動させることでコネクタ嵌合力を雄フレーム部材20と雌コネクタ2との間に作用させ、コネクタ嵌合力で雄フレーム部材に近づけた雌コネクタからの入力でプレート係止体22を撓み変形させて、プレート係止体によるプレート32の係止状態を解除し、かつ、雌コネクタからの入力で第1フード位置のフード部材30を第2フード位置に向けて押し動かして相対移動させ、一方、第2レバー位置から第1レバー位置に向けて回動させることでコネクタ抜去力を雄フレーム部材と雌コネクタとの間に作用させ、コネクタ抜去力で雄フレーム部材から引き離された雌コネクタからの入力でプレート係止体を撓み変形させ、かつ、雌コネクタからの入力で第2フード位置のフード部材を第1フード位置に向けて相対移動させること。
【選択図】図5
特許請求の範囲
【請求項1】
レバー部材の回動動作に伴いコネクタ間を挿抜可能位置と嵌合完了位置との間で相対移動させる雄コネクタと雌コネクタを備え、
前記雄コネクタは、雄端子金具と、雄端子接続部を飛び出させたまま前記雄端子金具を収容する雄フレーム部材と、筒内にて筒軸方向に前記雌コネクタを前記挿抜可能位置と前記嵌合完了位置との間で相対移動させる筒状のフード部を有し、かつ、筒内に収容された前記雄フレーム部材に対して前記挿抜可能位置での第1フード位置と前記嵌合完了位置での第2フード位置との間で筒軸方向に相対移動させる筒状のフレーム収容部を有し、かつ、前記フード部と前記フレーム収容部の境界に配置されたプレートを有する筒状のフード部材と、前記雄フレーム部材との間の回転軸の軸周りに回動可能で、その回動に伴うコネクタ嵌合力又はコネクタ抜去力を前記雌コネクタとの間で作用させるレバー部材と、を備え、
前記プレートは、前記第1フード位置で前記雄端子接続部の先端を前記フード部に侵入させ、かつ、前記第2フード位置で前記フード部における前記雄端子接続部の飛出し量を前記第1フード位置のときよりも増加させる端子挿通孔を有し、
前記雄フレーム部材には、前記プレートを前記第1フード位置で係止する可撓性を持たせたプレート係止体が複数箇所に設けられ、
前記プレート係止体は、前記フード部材が前記第1フード位置のときに前記プレートの端部をその板厚方向で挟み込む第1プレート係止突起及び第2プレート係止突起を有し、
前記レバー部材は、前記挿抜可能位置のときの第1レバー位置から前記嵌合完了位置のときの第2レバー位置に向けて前記雄フレーム部材に対して前記回転軸の軸周りで一方に回動させることで前記コネクタ嵌合力を前記雄フレーム部材と前記雌コネクタとの間に作用させ、前記コネクタ嵌合力で前記雄フレーム部材に近づけた前記雌コネクタからの入力で前記プレート係止体を撓み変形させて、前記プレート係止体による前記プレートの係止状態を解除し、かつ、前記雌コネクタからの入力で前記第1フード位置の前記フード部材を前記第2フード位置に向けて押し動かして相対移動させ、一方、前記第2レバー位置から前記第1レバー位置に向けて前記雄フレーム部材に対して前記回転軸の軸周りで他方に回動させることで前記コネクタ抜去力を前記雄フレーム部材と前記雌コネクタとの間に作用させ、前記コネクタ抜去力で前記雄フレーム部材から引き離された前記雌コネクタからの入力で前記プレート係止体を撓み変形させ、かつ、前記雌コネクタからの入力で前記第2フード位置の前記フード部材を前記第1フード位置に向けて相対移動させることを特徴とした嵌合コネクタ。
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【請求項2】
前記雌コネクタは、前記嵌合完了位置で前記雄端子接続部が嵌合接続される雌端子接続部を有する雌端子金具と、前記雌端子金具を収容する雌フレーム部材と、を備え、
前記雌フレーム部材は、前記コネクタ嵌合力又は前記コネクタ抜去力を前記レバー部材から受けるガイド軸と、前記プレート係止体による前記プレートの端部の係止状態を解除するためのプレート係止解除部と、を有し、
前記フード部材が前記第1フード位置のときには、前記第1プレート係止突起が前記フード部の筒内に配置され、かつ、前記第2プレート係止突起が前記フレーム収容部の筒内に配置され、
前記プレート係止解除部は、前記レバー部材を前記第1レバー位置から前記第2レバー位置に向けて回動させた際に、前記ガイド軸を介して受けた前記コネクタ嵌合力で前記第1プレート係止突起の傾斜面を押動しながら前記プレート係止体を撓み変形させることによって、前記第1プレート係止突起を乗り越え、かつ、前記プレートを押動しながら前記プレートと一緒に前記第2プレート係止突起を乗り越えて、前記フード部材を前記第1フード位置から前記第2フード位置へと相対移動させることを特徴とした請求項1に記載の嵌合コネクタ。
【請求項3】
前記プレート係止解除部は、前記レバー部材を前記第2レバー位置から前記第1レバー位置に向けて第3レバー位置まで回動させ、更に、前記レバー部材を前記第3レバー位置から前記第1レバー位置に向けて第4レバー位置まで回動させた際に、前記ガイド軸を介して受けた前記コネクタ抜去力で前記第2プレート係止突起の傾斜面を押動しながら前記プレート係止体を撓み変形させることによって、前記第1プレート係止突起及び前記第2プレート係止突起を乗り越え、
前記雌フレーム部材は、外壁面から突出させ、前記フード部材における可撓性を持たせたフード係止体を係止するフード係止突出体を有し、
前記フード係止突出体は、前記フード係止体のフード係止突起を前記第2フード位置で係止して、前記嵌合完了位置から前記挿抜可能位置に向けた前記フード部材と前記雌フレーム部材との間の離間方向の動きを係止する係止面を有し、かつ、前記レバー部材を前記第2レバー位置から前記第4レバー位置まで回動させた際に、撓み変形した前記プレート係止体の前記第2プレート係止突起を前記プレートが乗り越えるまで前記係止面で前記フード係止突起を係止し続けることによって、前記フード部材を前記第2フード位置から前記第1フード位置に向けて相対移動させることを特徴とした請求項2に記載の嵌合コネクタ。
【請求項4】
前記フード係止突出体としての第1フード係止突出体には、前記係止面に連なる傾斜係止面を設け、
前記フード部材には、前記フード係止体としての第1フード係止体の他に、第2フード係止体を設け、
前記雄フレーム部材には、前記レバー部材を前記第2レバー位置から回動して前記第4レバー位置まで到達させたときに、前記フード部材の前記第2フード係止体を係止し、前記レバー部材を前記第4レバー位置から前記第1レバー位置まで回動させた際に、前記第2フード係止体を係止し続けて前記フード部材を前記第1フード位置に止める第2フード係止突出体を設け、
前記第1フード係止突出体の前記係止面は、前記レバー部材を前記第4レバー位置から前記第1レバー位置に向けて回動させた際に、前記フード係止突起に作用させた力で前記第1フード係止体を撓み変形させて、前記フード係止突起を前記傾斜係止面に乗り上げさせる傾斜面に形成され、
前記傾斜係止面は、前記嵌合完了位置の前記雄コネクタと前記雌コネクタとの間にその相互間を脱離させる引き離し力が加えられるまで前記フード係止突起を係止し、その相互間に前記引き離し力が加えられた際に、前記フード係止突起に作用させた力で前記第1フード係止体を更に撓み変形させて、前記フード係止突起に前記第1フード係止突出体を乗り越えさせる傾斜面に形成されることを特徴とした請求項3に記載の嵌合コネクタ。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、嵌合コネクタに関する。
続きを表示(約 4,200 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、嵌合コネクタにおいては、2つのコネクタの内の何れか一方に、コネクタ間の嵌合力の増加に要する嵌合補助力又はコネクタ間の抜去力の増加に要する抜去補助力を発生させるための挿抜補助構造が設けられたものが存在する。例えば、その挿抜補助構造付きの一方のコネクタとしては、挿抜補助構造としてのレバー部材(所謂LIFレバー)を備えるレバー式コネクタが知られている。この嵌合コネクタにおいては、レバー部材をレバー式コネクタと他方の相手方コネクタとの間(コネクタ間)が挿抜可能状態のときの第1レバー位置からコネクタ間が嵌合完了状態のときの第2レバー位置へと回動させることによって、レバー式コネクタと相手方コネクタとの間にコネクタ嵌合力を発生させ、その相互間を引き付けて嵌合接続させる。そして、この嵌合コネクタにおいては、レバー部材を第2レバー位置から第1レバー位置へと回動させることによって、レバー式コネクタと相手方コネクタとの間にコネクタ抜去力を発生させ、その相互間を引き離しながら嵌合完了状態を解除させる。レバー式コネクタと相手方コネクタとの間が挿抜可能状態のときには、レバー式コネクタと相手方コネクタが通電不能な状態になり、レバー式コネクタと相手方コネクタを嵌合完了状態へと嵌合接続させ始めることもできれば、レバー式コネクタと相手方コネクタを分離させることもできる。また、レバー式コネクタと相手方コネクタとの間が嵌合完了状態のときには、レバー式コネクタと相手方コネクタが通電可能な状態になる。
【0003】
レバー式コネクタは、相手方コネクタとの間で嵌合完了状態になっているときに、この相手方コネクタを嵌入させ、この相手方コネクタの相手方端子金具を筒内の端子金具に嵌合接続させる筒状のフード部を有している。このレバー式コネクタにおいては、相手方コネクタとの間で挿抜可能状態になっているときに、端子金具をフード部の筒内から退避させる。このレバー式コネクタは、相手方コネクタとの間で挿抜可能状態になっているときに、フード部の筒内への端子金具の飛出しを抑え、相手方コネクタとの間で嵌合完了状態になっているときに、フード部の筒内への端子金具の飛出し量を増加させるプレートを有している。このレバー式コネクタにおいては、端子金具を保持する端子保持部に対してプレートをレバー部材の動きに連動して相対移動させることによって、プレートの貫通孔からのフード部の筒内への端子金具の飛出し量を調整する。
【0004】
この種の嵌合コネクタについては、例えば、下記の特許文献1から5に開示されている。特許文献1から4に記載のレバー式コネクタにおいては、端子保持部とフード部とが一体になったハウジングに対してプレートを相対移動させる。一方、特許文献5に記載のレバー式コネクタにおいては、端子保持部に対してフード部とプレートとが一体になった部材を相対移動させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2019-091610号公報
特開2019-212521号公報
特開2020-149869号公報
特開2021-157971号公報
特開2019-096535号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、この従来の嵌合コネクタにおいては、レバー式コネクタと相手方コネクタとを分離させた単体状態のときに、そのレバー式コネクタの端子金具の先端を周辺部品等から保護する必要がある。ここでは、その端子保護機能をレバー式コネクタのプレートに担わせている。このため、この嵌合コネクタにおいては、レバー部材の回動動作が繰り返されたとしても、そのレバー部材の動きに連動してプレートを適切な位置に相対移動させる必要がある。
【0007】
そこで、本発明は、プレートの相対移動機能を維持し得る嵌合コネクタを提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、レバー部材の回動動作に伴いコネクタ間を挿抜可能位置と嵌合完了位置との間で相対移動させる雄コネクタと雌コネクタを備え、前記雄コネクタは、雄端子金具と、雄端子接続部を飛び出させたまま前記雄端子金具を収容する雄フレーム部材と、筒内にて筒軸方向に前記雌コネクタを前記挿抜可能位置と前記嵌合完了位置との間で相対移動させる筒状のフード部を有し、かつ、筒内に収容された前記雄フレーム部材に対して前記挿抜可能位置での第1フード位置と前記嵌合完了位置での第2フード位置との間で筒軸方向に相対移動させる筒状のフレーム収容部を有し、かつ、前記フード部と前記フレーム収容部の境界に配置されたプレートを有する筒状のフード部材と、前記雄フレーム部材との間の回転軸の軸周りに回動可能で、その回動に伴うコネクタ嵌合力又はコネクタ抜去力を前記雌コネクタとの間で作用させるレバー部材と、を備え、前記プレートは、前記第1フード位置で前記雄端子接続部の先端を前記フード部に侵入させ、かつ、前記第2フード位置で前記フード部における前記雄端子接続部の飛出し量を前記第1フード位置のときよりも増加させる端子挿通孔を有し、前記雄フレーム部材には、前記プレートを前記第1フード位置で係止する可撓性を持たせたプレート係止体が複数箇所に設けられ、前記プレート係止体は、前記フード部材が前記第1フード位置のときに前記プレートの端部をその板厚方向で挟み込む第1プレート係止突起及び第2プレート係止突起を有し、前記レバー部材は、前記挿抜可能位置のときの第1レバー位置から前記嵌合完了位置のときの第2レバー位置に向けて前記雄フレーム部材に対して前記回転軸の軸周りで一方に回動させることで前記コネクタ嵌合力を前記雄フレーム部材と前記雌コネクタとの間に作用させ、前記コネクタ嵌合力で前記雄フレーム部材に近づけた前記雌コネクタからの入力で前記プレート係止体を撓み変形させて、前記プレート係止体による前記プレートの係止状態を解除し、かつ、前記雌コネクタからの入力で前記第1フード位置の前記フード部材を前記第2フード位置に向けて押し動かして相対移動させ、一方、前記第2レバー位置から前記第1レバー位置に向けて前記雄フレーム部材に対して前記回転軸の軸周りで他方に回動させることで前記コネクタ抜去力を前記雄フレーム部材と前記雌コネクタとの間に作用させ、前記コネクタ抜去力で前記雄フレーム部材から引き離された前記雌コネクタからの入力で前記プレート係止体を撓み変形させ、かつ、前記雌コネクタからの入力で前記第2フード位置の前記フード部材を前記第1フード位置に向けて相対移動させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る嵌合コネクタにおいては、レバー部材を第1レバー位置から第2レバー位置まで回動させた際に、雌コネクタからの入力でプレート係止体を撓み変形させて、このプレート係止体によるプレートの係止状態を解除する。そして、この嵌合コネクタにおいては、その雌コネクタからの入力で第1フード位置のフード部材を第2フード位置に向けて相対移動させる。また、本発明に係る嵌合コネクタにおいては、レバー部材を第2レバー位置から第1レバー位置まで回動させた際に、雌コネクタからの入力でプレート係止体を撓み変形させ、かつ、雌コネクタからの入力で第2フード位置のフード部材を第1フード位置に向けて相対移動させる。このように、本発明に係る嵌合コネクタは、プレートの相対移動機能を維持するべく、雌コネクタからの入力を利用してフード部材を相対移動させる。従って、本発明に係る嵌合コネクタは、そのプレートによる雄端子金具の保護機能を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、実施形態の挿抜可能位置(第1レバー位置)の嵌合コネクタを示す斜視図である。
図2は、実施形態の挿抜可能位置(第1レバー位置)の嵌合コネクタを雌コネクタ側から見た平面図である。
図3は、実施形態の嵌合完了位置(第2レバー位置)の嵌合コネクタを示す斜視図である。
図4は、実施形態の嵌合完了位置(第2レバー位置)の嵌合コネクタを雌コネクタ側から見た平面図である。
図5は、図4のX1-X1線断面図である。
図6は、実施形態の嵌合コネクタを示すコネクタ嵌合接続前の斜視図である。
図7は、実施形態の嵌合コネクタを別角度から見たコネクタ嵌合接続前の斜視図である。
図8は、雄コネクタを主要部品毎に分けた分解斜視図である。
図9は、雌コネクタを主要部品毎に分けた分解斜視図である。
図10は、図2のY1-Y1線断面から雄コネクタを抜き出した図である。
図11は、図4のY1-Y1線断面の部分拡大図である。
図12は、実施形態の第3レバー位置の嵌合コネクタを示す斜視図である。
図13は、実施形態の第3レバー位置の嵌合コネクタを雌コネクタ側から見た平面図である。
図14は、実施形態の第4レバー位置の嵌合コネクタを示す斜視図である。
図15は、実施形態の第4レバー位置の嵌合コネクタを雌コネクタ側から見た平面図である。
図16は、図6のA部拡大図である。
図17は、図13のX2-X2線断面の部分拡大図である。
図18は、図15のX3-X3線断面の部分拡大図である。
図19は、実施形態の第5レバー位置の嵌合コネクタを示す斜視図である。
図20は、実施形態の第5レバー位置の嵌合コネクタを雌コネクタ側から見た平面図である。
図21は、図20のX2-X2線断面の部分拡大図である。
図22は、図2のX4-X4線断面図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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