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公開番号
2024154514
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-31
出願番号
2023068345
出願日
2023-04-19
発明の名称
といし測定手段及びそれを用いたドレス実施システムと研削盤
出願人
株式会社シギヤ精機製作所
代理人
弁理士法人森特許事務所
主分類
B24B
49/18 20060101AFI20241024BHJP(研削;研磨)
要約
【課題】高精度ではあるが測定距離の短い非接触式のセンサによるといしの研削面の位置の検出を、一般といしにも適用可能としたといし測定手段及びそれを用いたドレス実施システムと研削盤を提供する。
【解決手段】研削盤に用いるといし測定手段10であって、研削盤に装着しているといしの研削面の位置を測定する非接触式の第1センサ30と、といしの研削面の位置を測定し、第1センサ30よりも測定距離が短く、かつ測定精度の高い非接触式の第2センサ20とを備え、第1センサ30と第2センサ20とにより、2段階でといしの研削面の位置を測定可能にしている。このことにより、交換時のといしの径が不明であっても、といしと、第2センサ20のうち研削面との対向部との干渉を防止して、短時間でといしの研削面の位置を高精度に測定可能になる。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
研削盤に用いるといし測定手段であって、
研削盤に装着しているといしの研削面の位置を測定する非接触式の第1センサと、
前記といしの研削面の位置を測定し、前記第1センサよりも測定距離が短く、かつ測定精度の高い非接触式の第2センサとを備え、
前記第1センサと前記第2センサとにより、2段階で前記といしの研削面の位置を測定可能にしたことを特徴とするといし測定手段。
続きを表示(約 1,000 文字)
【請求項2】
前記第1センサ及び前記第2センサの各センサの検出面との対向部と、前記といしのドレスに用いるドレッサが本体と一体になっている請求項1に記載のといし測定手段。
【請求項3】
研削盤に用いるといしのドレスを実施するためのドレス実施システムであって、
前記研削盤は、前記といしとワークとが相対的に移動可能であり、
前記ドレスを行うドレッサと、
といし測定手段と、
制御手段とを備えており、
前記相対的な移動により、前記といしと前記ワークとの対向距離が調整される方向をX軸方向、前記X軸方向と直交する方向をZ軸方向とすると、
前記といし測定手段は、
前記といしとの間で、相対的にX軸方向及びZ軸方向に移動可能であり、
研削盤に装着しているといしの研削面の位置を測定する非接触式の第1センサと、
前記といしの研削面の位置を測定し、前記第1センサよりも測定距離が短く、かつ測定精度の高い非接触式の第2センサとを備え、
前記第1センサと前記第2センサとにより、2段階で前記といしの研削面の位置を測定可能にしたものであり、
前記制御手段は、
前記といしに対向させた前記第1センサで、前記といしの研削面の位置を測定した後、前記といしに対向させた前記第2センサで、前記といしの研削面の位置を測定し、
前記相対的な移動により、前記第2センサによる測定時には、前記第2センサと前記といしとの対向距離を、前記第1センサによる測定時における前記第1センサと前記といしとの対向距離よりも短くすることを特徴とするドレス実施システム。
【請求項4】
前記制御手段は、前記第2センサによる前記といしの研削面の位置の測定に基づいて、前記ドレスの開始時における前記といし及び前記ドレッサの座標を設定し、前記座標の位置から前記ドレッサによりドレスを実施させ、ドレス実施後に、ワーク加工時の基準となる前記X軸の座標系の設定であるX軸座標系設定を行う請求項3に記載のドレス実施システム。
【請求項5】
前記ドレスの開始時における座標の設定、前記ドレスの実施及び前記X軸座標系設定の3つの工程から任意の工程を選択でき、選択した任意の工程までを実施して終了させるようにした請求項3に記載のドレス実施システム。
【請求項6】
請求項3から5のいずれかに記載のドレス実施システムを備えた研削盤。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、研削盤に用いるといしについて、といしの研削面の位置の測定を、高精度かつ自動的に行うことができるといし測定手段及びそれを用いたドレス実施システムと研削盤に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)
【背景技術】
【0002】
研削盤に用いるといしは、交換時等にドレッサにより、研削面の目直しや形直しを行うドレスが実施される。ドレス時のドレス座標の設定は、作業者が目視でといしとドレッサ接触させるティーチング作業により行うことができる。しかし、ティーチング作業は、といしとドレッサが接触するドレスポイントを目視するため、装置の中に身体が入り込む場合もあり安全面の懸念があった。また、人手による作業は時間がかかるだけでなく、といしとドレッサを衝突させないためには高い熟練度が求められていた。
【0003】
前記の問題は、ドレス時だけでなく、ワークの研削開始時においても同様である。このため近年では、非接触式のエアセンサを用いて、といし径を検出することにより、ティーチング作業を省いた自動化の試みが提案されている。例えば特許文献1、2に記載の自動研削装置においては、エアセンサの空気噴射ノズルからといしに向かって空気を吹き付けて、といし径を検出するようにしている。このことにより、作業者がティーチング作業を行うことなく研削加工を開始できることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2020-110893号公報
特開2018-34297号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、エアセンサは測定距離が短く、使用状態によるといし径の変化の大きい一般といしの測定には適していなかった。具体的には、一般といしを新たな一般といしに交換した場合、一般といしはといし径の変化が大きく、といし径が不明であるため、といしと空気噴射ノズルとの干渉を防ぐには、といしの初期位置は、といしの研削面が空気噴射ノズルから十分離れた位置に設定する必要があった。
【0006】
この場合、といしを空気噴射ノズルに近づける速度が速いと、といしの行き過ぎによる流れ込みにより、測定精度が低下する懸念があった。したがって、エアセンサで一般といしのといし径を検出するには、といしを十分離れた位置から、徐々に空気噴射ノズルに近づける必要があった。この方法では、測定完了までに非常に長い時間を要するので、エアセンサによるといし径の検出は、対象がCBNホイール等のといし径変化の小さい超砥粒ホイールに限られていた。
【0007】
本発明は、前記のような従来の問題を解決するものであり、高精度ではあるが測定距離の短い非接触式のセンサによるといしの研削面の位置の検出を、一般といしにも適用可能としたといし測定手段及びそれを用いたドレス実施システムと研削盤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明のといし測定手段は、研削盤に用いるといし測定手段であって、研削盤に装着しているといしの研削面の位置を測定する非接触式の第1センサと、前記といしの研削面の位置を測定し、前記第1センサよりも測定距離が短く、かつ測定精度の高い非接触式の第2センサとを備え、前記第1センサと前記第2センサとにより、2段階で前記といしの研削面の位置を測定可能にしたことを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、高精度ではあるが測定距離の短い第2センサを有効に活用できる。具体的には、第1センサでといしの研削面の位置を測定した後は、といしの送り速度を高めて素早くといしを、第2センサのうち検出面(研削面)との対向部に近接し、かつ当該対向部に干渉しない位置まで送ることができる。この後は、第2センサを用いて、といしの研削面の位置を高精度に測定可能になる。すなわち、本発明のといし測定手段を用いれば、交換時のといしの径が不明であっても、といしと、第2センサのうち研削面との対向部との干渉を防止して、短時間でといしの研削面の位置を高精度に測定可能になる。このため、本発明は、使用状態による寸法変化の大きい一般といしのドレス実施の際にも適用可能となる。また、本発明はといし交換時だけではなく、大型機等の熱変形の大きな機械の場合は、コールドスタート時のドレス実施にも有効になる。
【0010】
前記本発明のといし測定手段においては、前記第1センサ及び前記第2センサの各センサの検出面との対向部と、前記といしのドレスに用いるドレッサが本体と一体になっていることが好ましい。この構成によれば、本体のうちドレッサに近い部位に、各センサの検出面との対向部を配置できるので、熱変形などがあっても、ドレッサと当該対向部との位置関係が変化しにくくなるようにすることができる。あわせて、本発明のといし測定手段の既存の装置への取り付けも容易になる。
(【0011】以降は省略されています)
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