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公開番号2024154092
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-30
出願番号2023067713
出願日2023-04-18
発明の名称活性エネルギー線硬化性組成物、硬化物及び積層体
出願人DIC株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C08F 290/06 20060101AFI20241023BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】ハードコート層に求められるヘイズや全光線透過率等の他の特性を悪化させることなく、防眩性を容易かつ厳密に制御可能なハードコート層形成用の活性エネルギー線硬化性組成物、並びに、その硬化物及びその硬化塗膜を有する積層体の提供。
【解決手段】本発明は、1つ又は2つの(メタ)アクリロイルオキシ基と、水酸基(ただし、カルボキシ基を除く。)と、置換基を有していてもよい鎖状炭化水素基とからなる化合物(A)、前記化合物(A)に該当しない活性エネルギー線硬化性化合物(B)、微粒子(C)及び有機溶剤(D)を含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化性組成物に関する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
1つ又は2つの(メタ)アクリロイルオキシ基と、水酸基(ただし、カルボキシ基を除く。)と、置換基を有していてもよい鎖状炭化水素基とからなる化合物(A)、前記化合物(A)に該当しない活性エネルギー線硬化性化合物(B)、微粒子(C)及び有機溶剤(D)を含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化性組成物。
続きを表示(約 630 文字)【請求項2】
前記化合物(A)の分子量が1000以下である、請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
【請求項3】
前記活性エネルギー線硬化性化合物(B)が、側鎖に(メタ)アクリロイル基を含有するアクリル系樹脂である、請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
【請求項4】
前記活性エネルギー線硬化性化合物(B)が、水酸基を有する化合物である、請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
【請求項5】
前記微粒子(C)が有機架橋微粒子である、請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
【請求項6】
前記微粒子(C)が、アクリル微粒子、アクリル-スチレン共重合微粒子、及びポリスチレン微粒子からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
【請求項7】
前記微粒子(C)の平均粒子径が、0.05μm~10μmである、請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
【請求項8】
前記微粒子(C)の屈折率が、1.48~1.66である、請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項記載の活性エネルギー線硬化性組成物の硬化物。
【請求項10】
請求項1~8のいずれか一項記載の活性エネルギー線硬化性組成物の硬化塗膜を有する積層体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、活性エネルギー線硬化性組成物及びその硬化物、並びに当該組成物の硬化塗膜を有する積層体に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイ(LCD)、有機ELディスプレイ(OLED)、プラズマディスプレイ(PDP)等のフラットパネルディスプレイ(FPD)は様々な機能を持つ基材の積層体であり、近年、低コスト化と高精細化との要求が高まっている。
FPD表面(視認側)には各種樹脂フィルムが用いられるが、樹脂フィルムの表面は柔らかく耐擦傷性が低いため、これを補う目的で硬化塗膜(ハードコート層)をフィルム表面に設けることが一般的に行われている。具体的には、ロール状に巻いてあるフィルム原反からフィルムを塗工機へ送り出た後、活性エネルギー線硬化性組成物等からなるハードコート剤をフィルム表面に塗工・乾燥し、紫外線等の活性エネルギー線の照射によりハードコート剤を硬化してハードコート層を形成した後、再度ロール状に巻き取ることにより、ハードコート層を有するフィルム(ハードコートフィルム)が製造される。
【0003】
FPD最表層を形成するハードコート層としては、下層の樹脂フィルムを保護するのみならず、様々な機能を有するものが求められている。
求められる機能の一つとして蛍光灯などの映り込みを軽減する効果(防眩性)がある。ハードコート層に防眩性を付与する方法としては、有機又は無機の微粒子を含有するハードコート剤を用い、ハードコート層表面に微細な凹凸構造を設けて光を乱反射させる方法が知られている。
【0004】
微細な凹凸構造によるギラ付き感やざらつき感を抑制し、ヘイズによる像鮮明度の低下を抑制して高精細ながら適切な範囲の防眩性を発現させ、白ボケ抑制や視認性低下抑制を制御するためには、大きな凹凸と小さな凹凸を組み合わせて用いることが有効であるとされている。
例えば特許文献1には、重量平均分子量1万以上の光重合性(メタ)アクリル樹脂を含む光重合性成分、平均粒子径1.0~2.8μmの有機及び/又は無機微粒子、並びに、光重合開始剤を含有し、23℃における粘度が1mPa・s以上1000mPa・s以下である光硬化性樹脂組成物が開示されている。
また、特許文献2には、少なくとも透明基材フィルムと防眩層とを積層してなる防眩フィルムとして、防眩層が少なくとも屈折率の異なる第1の透光性微粒子及び第2の透光性微粒子を透光性樹脂中に含み、第1の透光性微粒子の屈折率は第2の透光性微粒子の屈折率よりも大きく、透光性樹脂と第1の透光性微粒子の屈折率差が0.04~0.20である防眩フィルムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2016-45448号公報
特開2009-86677号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の特許文献1に記載の発明は活性エネルギー線硬化性組成物の粘度、光重合性樹脂の分子量によって防眩性の制御を試みた発明であり、特許文献2に記載の発明は屈折率の異なる複数粒子の併用によって防眩性の制御を試みた発明である。しかしながらこれら特許文献1~2に記載された防眩性制御方法には未だ改良の余地があった。
加えて、特許文献1に記載の発明では、防眩性を組成物の粘度及び光重合性(メタ)アクリル樹脂の重量平均分子量で制御しているが、増粘によるレベリング性の悪化及び機械特性の低下が懸念される。
また、特許文献2では、屈折率の異なる複数の粒子により防眩性を制御しているが、粒子量を変えることで屈折率も変化するため、粒子量、粒子比率を変更すると光学特性として重要なヘイズも大きく変化し、防眩性とヘイズのバランスを取ることが困難である。
【0007】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、ハードコート層に求められるヘイズや全光線透過率等の他の特性を悪化させることなく、防眩性(透過鮮明度)を容易かつ厳密に制御可能なハードコート層形成用の活性エネルギー線硬化性組成物、並びに、その硬化物及びその硬化塗膜を有する積層体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、微粒子と共に鎖状炭化水素基と水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物を使用することにより、他の特性を損なうことなく防眩性を制御できることを見出し、本発明を完成させた。
【0009】
すなわち本発明は、以下の発明に関するものである。
(1)1つ又は2つの(メタ)アクリロイルオキシ基と、水酸基(ただし、カルボキシ基を除く。)と、置換基を有していてもよい鎖状炭化水素基とからなる化合物(A)、前記化合物(A)に該当しない活性エネルギー線硬化性化合物(B)、微粒子(C)及び有機溶剤(D)を含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化性組成物。
(2)前記化合物(A)の分子量が1000以下である、(1)の活性エネルギー線硬化性組成物。
(3)前記活性エネルギー線硬化性化合物(B)が、側鎖に(メタ)アクリロイル基を含有するアクリル系樹脂である、(1)又は(2)の活性エネルギー線硬化性組成物。
(4)前記活性エネルギー線硬化性化合物(B)が、水酸基を有する化合物である、(1)~(3)のいずれかの活性エネルギー線硬化性組成物。
(5)前記微粒子(C)が有機架橋微粒子である、(1)~(4)のいずれかの活性エネルギー線硬化性組成物。
(6)前記微粒子(C)が、アクリル微粒子、アクリル-スチレン共重合微粒子、及びポリスチレン微粒子からなる群から選択される少なくとも1種である、(1)~(5)のいずれかの活性エネルギー線硬化性組成物。
(7)前記微粒子(C)の平均粒子径が、0.05μm~10μmである、(1)~(6)のいずれかの活性エネルギー線硬化性組成物。
(8)前記微粒子(C)の屈折率が、1.48~1.66である、(1)~(7)のいずれかの活性エネルギー線硬化性組成物。
(9)(1)~(8)のいずれかの活性エネルギー線硬化性組成物の硬化物。
(10)(1)~(8)のいずれかの活性エネルギー線硬化性組成物の硬化塗膜を有する積層体。
【発明の効果】
【0010】
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、微粒子と水酸基及び鎖状炭化水素基を有する(メタ)アクリレート化合物とを併用することで、ヘイズや全光線透過率等の他の特性を悪化させることなく、所望の防眩性を有するハードコート層を形成することができる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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