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公開番号2024153704
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-29
出願番号2024115701,2022177111
出願日2024-07-19,2016-03-07
発明の名称発光素子、発光装置、表示装置、電子機器および照明装置
出願人株式会社半導体エネルギー研究所
代理人
主分類H10K 50/12 20230101AFI20241022BHJP()
要約【課題】蛍光発光材料を有する発光素子において、発光効率の高い発光素子を提供する。
【解決手段】蛍光発光材料と、ホスト材料と、を有し、ホスト材料は、第1の有機化合物
と、第2の有機化合物と、を有し、第1の有機化合物、及び第2の有機化合物は、第1の
有機化合物と、第2の有機化合物と、が励起錯体を形成する機能を有し、励起錯体が呈す
る発光は、遅延蛍光成分の占める割合が5%以上であり、遅延蛍光成分は、蛍光寿命が1
0ns以上50μs以下の遅延蛍光成分を有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
一対の電極間に、第1の発光層と、第2の発光層と、電荷発生層と、を有し、
前記電荷発生層は、前記第1の発光層と前記第2の発光層との間に位置し、
前記第1の発光層は、蛍光寿命が10ns以上50μs以下の遅延蛍光成分を有する遅延蛍光成分の占める割合が5%以上の発光を呈する熱活性化遅延蛍光材料と、蛍光発光材料と、を有し、
前記第2の発光層は、第1の有機化合物と、第2の有機化合物と、燐光材料と、を有し、
前記熱活性化遅延蛍光材料のS1準位は、前記蛍光発光材料のS1準位よりも高く、
前記熱活性化遅延蛍光材料の発光スペクトルは、前記蛍光発光材料の吸収スペクトルの最も長波長側の吸収帯と重なりを有し、
前記熱活性化遅延蛍光材料は、前記蛍光発光材料へ励起エネルギーを供与する機能を有し、
前記第1の有機化合物のT1準位は、前記燐光材料のT1準位よりも高く、
前記第2の有機化合物のT1準位は、前記燐光材料のT1準位よりも高く、
前記第1の有機化合物と前記第2の有機化合物とは、励起錯体を形成する組み合わせであり、
前記励起錯体の発光スペクトルのピークが、前記燐光材料の吸収スペクトルの最も長波長側の吸収帯と重なり、
前記蛍光発光材料からの発光及び前記燐光材料からの発光が得られる、発光素子。
続きを表示(約 340 文字)【請求項2】
請求項1において、
前記熱活性化遅延蛍光材料は、π電子過剰型複素芳香環骨格及びπ電子不足型複素芳香環骨格を有する複素環化合物である、発光素子。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の発光素子と、基板と、を有する発光装置。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の発光素子と、カラーフィルタまたはトランジスタの少なくとも一方と、を有する表示装置。
【請求項5】
請求項4に記載の表示装置と、筐体またはタッチセンサの少なくとも一方と、を有する電子機器。
【請求項6】
請求項1または請求項2に記載の発光素子と、筐体またはタッチセンサの少なくとも一方と、を有する照明装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、発光素子、または該発光素子を有する表示装置、電子機器、及び照
明装置に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【0002】
なお、本発明の一態様は、上記の技術分野に限定されない。本明細書等で開示する発明
の一態様の技術分野は、物、方法、または、製造方法に関する。または、本発明の一態様
は、プロセス、マシン、マニュファクチャ、または、組成物(コンポジション・オブ・マ
ター)に関する。そのため、より具体的に本明細書で開示する本発明の一態様の技術分野
としては、半導体装置、表示装置、液晶表示装置、発光装置、照明装置、蓄電装置、記憶
装置、それらの駆動方法、または、それらの製造方法、を一例として挙げることができる

【背景技術】
【0003】
近年、エレクトロルミネッセンス(Electroluminescence:EL)
を利用した発光素子の研究開発が盛んに行われている。これら発光素子の基本的な構成は
、一対の電極間に発光性の物質を含む層(EL層)を挟んだ構成である。この素子の電極
間に電圧を印加することにより、発光性の物質からの発光が得られる。
【0004】
上述の発光素子は自発光型であるため、これを用いた表示装置は、視認性に優れ、バッ
クライトが不要であり、消費電力が少ない等の利点を有する。さらに、薄型軽量に作製で
き、応答速度が高いなどの利点も有する。
【0005】
発光性の物質に有機化合物を用い、一対の電極間に当該発光性の物質を含むEL層を設
けた発光素子(例えば、有機EL素子)の場合、一対の電極間に電圧を印加することによ
り、陰極から電子が、陽極から正孔(ホール)がそれぞれ発光性のEL層に注入され、電
流が流れる。そして、注入された電子及び正孔が再結合することによって発光性の有機化
合物が励起状態となり、励起された発光性の有機化合物から発光を得ることができる。
【0006】
有機化合物が形成する励起状態の種類としては、一重項励起状態(S

)と三重項励起
状態(T

)があり、一重項励起状態からの発光が蛍光、三重項励起状態からの発光が燐
光と呼ばれている。また、発光素子におけるそれらの統計的な生成比率は、S

:T


1:3である。そのため、蛍光を発する化合物(蛍光性化合物)を用いた発光素子より、
燐光を発する化合物(燐光性化合物)を用いた発光素子の方が、高い発光効率を得ること
が可能となる。したがって、三重項励起状態を発光に変換することが可能な燐光性化合物
を用いた発光素子の開発が近年盛んに行われている。
【0007】
燐光性化合物を用いた発光素子のうち、特に青色の発光を呈する発光素子においては、
高い三重項励起エネルギー準位を有する安定な化合物の開発が困難であるため、未だ実用
化に至っていない。そのため、より安定な蛍光性化合物を用いた発光素子の開発が行われ
ており、蛍光性化合物を用いた発光素子(蛍光発光素子)の発光効率を高める手法が探索
されている。
【0008】
三重項励起状態の一部を発光に変換することが可能な材料として、熱活性化遅延蛍光(
Thermally Activated Delayed Fluorescence
:TADF)体が知られている。熱活性化遅延蛍光体では、三重項励起状態から逆項間交
差により一重項励起状態が生成され、一重項励起状態から発光に変換される。
【0009】
熱活性化遅延蛍光体を用いた発光素子において、発光効率を高めるためには、熱活性化
遅延蛍光体において、三重項励起状態から一重項励起状態が効率よく生成するだけでなく
、一重項励起状態から効率よく発光が得られること、すなわち蛍光量子収率が高いことが
重要となる。しかしながら、この2つを同時に満たす発光材料を設計することは困難であ
る。
【0010】
そこで、熱活性化遅延蛍光体と、蛍光性化合物と、を有する発光素子において、熱活性
化遅延蛍光体の一重項励起エネルギーを、蛍光性化合物へと移動させ、蛍光性化合物から
発光を得る方法が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
(【0011】以降は省略されています)

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