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公開番号2024152345
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-25
出願番号2023066481
出願日2023-04-14
発明の名称熱界面構造及び該熱界面構造の形成方法
出願人株式会社ロータス・サーマル・ソリューション,国立大学法人大阪大学
代理人弁理士法人柳野国際特許事務所
主分類H01L 23/36 20060101AFI20241018BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】上記先行発明の効果をさらに安定的に発現させるべく、発熱/冷却部材(二部材)と多孔ベース板との間隙へのはんだの充填不良の発生を防止し、発熱部材あるいは冷却部材と多孔ベース板との間隙に、不足なくはんだを浸透させることができる熱界面構造を提供せんとする。
【解決手段】 二部材91、92の各々に対面する表裏の板面を有し、厚み方向に延びて表裏両板面に開口する複数の貫通孔111を有する良熱伝導性の多孔ベース板11と、多孔ベース板の貫通孔内に充填されるとともに表裏の板面と部材との間にも介在し、二部材の対向面に密接する低融点金属層12とを備え、多孔ベース板11の板面に、貫通孔よりも小さく微細な多数の孔からなる微細ポーラス皮膜112が形成され、低融点金属層12が微細ポーラス皮膜112の孔に進入した状態で密着する。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
二部材の間に設けられ、熱伝導を促進する熱界面構造であって、
前記二部材の各々に対面する表裏の板面を有し、厚み方向に延びて表裏両板面に開口する複数の貫通孔を有する良熱伝導性の多孔ベース板と、
前記多孔ベース板の前記貫通孔内に充填されるとともに、前記多孔ベース板の前記表裏の板面の少なくとも一方の板面と部材との間にも介在し、前記二部材の対向面に密接する低融点金属層とを備え、
前記多孔ベース板の前記少なくとも一方の板面に、前記貫通孔よりも小さく微細な多数の孔からなる微細ポーラス皮膜が形成されており、
該板面と部材との間の低融点金属層が、前記微細ポーラス皮膜の孔に進入した状態で密着していることを特徴とする熱界面構造。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記多孔ベース板の前記貫通孔による空隙率が、30~80vol%である、請求項1記載の熱界面構造。
【請求項3】
二部材の間に設けられ、熱伝導を促進する熱界面構造の形成方法であって、
厚み方向に延びて表裏両板面に開口する複数の貫通孔を有する良熱伝導性の多孔ベース板と、該多孔ベース板の前記表裏の板面の少なくとも一方の板面側に配置される低融点金属の板材とを、前記二部材の間に挟み込み、
前記多孔ベース板の前記少なくとも一方の板面には、前記貫通孔よりも小さく微細な多数の孔からなる微細ポーラス皮膜があらかじめ形成されており、
当該挟み込んだ状態で、前記低融点金属を融点以上に加熱して溶融させることにより、該低融点金属を前記多孔ベース板の前記貫通孔内に充填させるとともに、当該充填部に連続して前記表裏の板面上に広がり、前記微細ポーラス皮膜に進入した低融点金属の膜を形成し、
当該状態で、前記低融点金属を融点以下に冷却して固化させることにより、前記膜が前記二部材の対向面および前記多孔ベース板の表裏面に密着した低融点金属層を形成することを特徴とする熱界面構造の形成方法。
【請求項4】
前記多孔ベース板の前記表裏の板面の一方の板面側に前記低融点金属の板材を配置し、他方の板面に前記微細ポーラス皮膜があらかじめ形成され、
前記低融点金属を融点以上に加熱して、前記低融点金属を前記多孔ベース板の前記一方の板面側から前記貫通孔内に充填させ、当該充填部に連続して他方の板面上に広がり、当該他方の板面とこれに対向する部材との間に、前記微細ポーラス皮膜に進入した前記低融点金属の膜を形成する、請求項3記載の熱界面構造の形成方法。
【請求項5】
二部材の間に設けられ、熱伝導を促進する熱界面構造の形成方法であって、
厚み方向に延びて表裏両板面に開口する複数の貫通孔を有し、且つ表裏の板面の少なくとも一方の板面に前記貫通孔よりも小さく微細な多数の孔からなる微細ポーラス皮膜が形成されている良熱伝導性の多孔ベース板と、該多孔ベース板の前記一方又は他方の板面上に、少なくとも一部が前記貫通孔に進入した状態で密着した低融点金属の板材とを有する熱界面構造材を構成し、
該熱界面構造材を、前記二部材の間に挟み込み、
当該挟み込んだ状態で、前記低融点金属を融点以上に加熱して溶融させることにより、該低融点金属が前記表裏の板面上に広がり、前記微細ポーラス皮膜に進入した低融点金属の膜を形成し、
当該状態で、前記低融点金属を融点以下に冷却して固化させることにより、前記貫通孔に前記低融点金属が充填され、且つ前記膜が前記二部材の対向面および前記多孔ベース板の表裏面に密着した低融点金属層を形成することを特徴とする熱界面構造の形成方法。
【請求項6】
前記多孔ベース板の前記表裏の板面の一方の板面に前記微細ポーラス皮膜が形成され、且つ前記熱界面構造材の前記低融点金属の板材が、前記多孔ベース板の他方の板面上に、少なくとも一部が前記貫通孔に進入した状態で密着しており、
前記低融点金属を融点以上に加熱して溶融させることにより、該低融点金属が前記表裏の板面上に広がり、前記微細ポーラス皮膜に進入した低融点金属の膜を形成する、請求項5記載の熱界面構造の形成方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、二部材の間に設けられ、二部材間の熱伝導を促進する(熱抵抗を下げる)熱界面構造に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
この種の熱界面構造としては、従来から、半導体チップ等の発熱体とその冷却器であるヒートシンクとの間に、熱伝導性シリコーンシートや熱伝導性テープ、熱伝導性ペーストなどの熱界面材料を設けることが用いられている(例えば、特許文献1参照。)。はんだ、とりわけSn基はんだで冶金的に接合することは界面熱抵抗を下げる上で有効である。しかしながら、Sn基はんだの熱伝導率50W/m K程度が限界である。
【0003】
冶金的に接合する他の手段として、金属微粒子の焼結反応を活用した接合技術が挙げられる。特にAgやCuの微粒子を用いることによって、冶金的接合による界面熱抵抗の低減と、材質そのものの高熱伝導率(200W/m K以上)が期待できる。しかしながら、接合時に焼結反応を促進するため加熱だけでなく加圧が必要であり、接合工程が複雑になるという問題がある。
【0004】
これに対し、本発明者らは、すでに、発熱部材と冷却部材とを熱的かつ機械的に堅持するために用いられる熱界面構造であって、(1)一方向に貫通した気孔を有し、主要な伝熱パスを担う異方性Cuポーラス材料(多孔ベース板)と、(2)発熱&冷却部材との冶金的接合界面を形成し、かつ前記多孔ベース板の有する気孔を充填する充填材料(はんだ)、から構成される熱界面構造を提案している(特願2022-133874号、以下「先行発明」と称す。)。
【0005】
この熱界面構造は、発熱部材と冷却部材との間に挟み込んだあとに、はんだの融点以上に加熱する。これにより、はんだが多孔ベース板の気孔、および発熱&冷却部材と多孔ベース板との間隙に自発的に浸透する現象を活用する。本先行発明を用いることによって、主要な伝熱経路を担う多孔ベース板による高熱伝導化と、部材/多孔ベース板間へのはんだの浸透による界面熱抵抗の削減を、加熱工程のみの簡便な手法によって実現することができる。
【0006】
この先行発明は、発熱部材あるいは冷却部材と多孔ベース板との間隙に、不足なくはんだを浸透させることが重要である。しかしながら、実際のところ、前記間隙にはんだが十分充填されないことが起こり得る。具体的には、発熱・冷却部材、あるいは多孔ベース板の表裏面の表面粗さによって間隙の大きさがばらつき、はんだの浸透性が不安定となる。このため、間隙が大きい箇所でははんだが十分に浸透できないという課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開平11-58591号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、上記先行発明の効果をさらに安定的に発現させるべく、発熱/冷却部材(二部材)と多孔ベース板との間隙へのはんだの充填不良の発生を防止し、発熱部材あるいは冷却部材と多孔ベース板との間隙に、不足なくはんだを浸透させることができる熱界面構造を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち本発明は、以下の発明を包含する。
(1) 二部材の間に設けられ、熱伝導を促進する熱界面構造であって、前記二部材の各々に対面する表裏の板面を有し、厚み方向に延びて表裏両板面に開口する複数の貫通孔を有する良熱伝導性の多孔ベース板と、前記多孔ベース板の前記貫通孔内に充填されるとともに、前記多孔ベース板の前記表裏の板面の少なくとも一方の板面と部材との間にも介在し、前記二部材の対向面に密接する低融点金属層とを備え、前記多孔ベース板の前記少なくとも一方の板面に、前記貫通孔よりも小さく微細な多数の孔からなる微細ポーラス皮膜が形成されており、該板面と部材との間の低融点金属層が、前記微細ポーラス皮膜の孔に進入した状態で密着していることを特徴とする熱界面構造。
【0010】
(2) 前記多孔ベース板の前記貫通孔による空隙率が、30~80vol%である、(1)記載の熱界面構造。
(【0011】以降は省略されています)

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