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公開番号2024151680
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-25
出願番号2023065227
出願日2023-04-12
発明の名称摺動部材
出願人大阪富士工業株式会社
代理人個人,個人
主分類F16C 33/14 20060101AFI20241018BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】母材である二相ステンレス鋼の表面に肉盛層を形成する際に、肉盛層にマイクロクラックが生じ難い構造の摺動部材を提供する。
【解決手段】二相ステンレスの母材1の表面に、ニッケル合金の下層2aとコバルト合金の表層2bからなる肉盛層2を設けた摺動部材において、肉盛層を形成する母材表面を、隣り合う溝部1aが隙間なく並ぶ溝加工面とすることにより、溝部による応力分散によって肉盛層におけるマイクロクラックの発生を抑制する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
二相ステンレスの母材の表面に、ニッケル合金の下層とコバルト合金の表層からなる肉盛層を設けた摺動部材であって、前記肉盛層を形成する母材表面が、隣り合う溝部が隙間なく並ぶ溝加工面であることを特徴とする摺動部材。
続きを表示(約 170 文字)【請求項2】
前記隣り合う溝部の溝深さが40μm以上300μm以下である請求項1記載の摺動部材。
【請求項3】
前記溝部の断面形状が円弧形状であることを特徴とする請求項1又は2記載の摺動部材。
【請求項4】
前記溝部の断面形状がV字形状であることを特徴とする請求項1又は2記載の摺動部
材。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、渦巻きポンプ、斜流ポンプ、軸流ポンプなどの各種ポンプや各種バルブ、各種スクリュー等、金属同士が擦れ合う摺動面に設けることにより、摺動面のかじりの発生を抑える摺動部材に関するものである。
続きを表示(約 1,000 文字)【背景技術】
【0002】
従来、この種の摺動部材として、二相ステンレス鋼を母材とし、この母材表面に、ニッケル合金の下層とコバルト合金の表層からなる肉盛層を形成したものが知られている(特許文献1,2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2012-166237号公報
特開2018-187647号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記摺動部材の母材を構成する二相ステンレス鋼は、オーステナイト系ステンレスとフェライト系ステンレスを1:1の割合で二相混合したステンレス鋼であり、高い強度と優れた耐食性を有し、耐応力腐食割れにも優れているため、渦巻きポンプ、斜流ポンプ、軸流ポンプなどの各種ポンプや各種バルブ、各種スクリュー等、金属同士が擦れ合う摺動面の母材として使用されている。
【0005】
そして、この二相ステンレス鋼の母材の表面に、肉盛層としてコバルト合金を肉盛する際には、表層のコバルト合金層と二相ステンレス鋼の母材表面との間に、炭素含有比率が少ないニッケル合金の下層を肉盛することにより、表層のコバルト合金から母材の二相ステンレス鋼への炭素の侵入を抑制している。
【0006】
ところで、二相ステンレス鋼の表面への肉盛は、粉体プラズマアーク溶接、レーザークラッディングまたは溶射等によって行うため、肉盛層を形成する際に、残留応力によって肉盛層にマイクロクラックが発生し易く、強度の高い肉盛層が得られないという問題があった。
【0007】
そこで、この発明は、母材である二相ステンレス鋼の表面に肉盛層を形成する際に、肉盛層にマイクロクラックが生じ難い構造の摺動部材を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の課題を解決するために、この発明は、二相ステンレスの母材の表面に、ニッケル合金の下層とコバルト合金の表層からなる肉盛層を設けた摺動部材であって、前記肉盛層を形成する母材表面が、隣り合う溝部が隙間なく並ぶ溝加工面であることを特徴とするものである。
【0009】
前記隣り合う溝部の溝深さは、40μm以上300μm以下とする。
【0010】
前記溝部の断面形状は、円弧形状又はV字形状とすることができる。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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