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公開番号
2024151547
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-25
出願番号
2023064983
出願日
2023-04-12
発明の名称
比例弁
出願人
リンナイ株式会社
代理人
弁理士法人青莪
主分類
F16K
1/32 20060101AFI20241018BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約
【課題】比例弁であって、ダイヤフラム5に連結される弁体6に設けた上側バネ受け座61と流出室3に設けた下側バネ受け座31との間に弁体6を上方に付勢するバネ8を介設し、上側バネ受け座61に、バネ8を芯決めする芯決め部621と下方に向けて径方向内方に傾斜してのびるバネガイド部622とを有する突起部62を突設するものにおいて、衝撃でバネ8が強く圧縮しても、バネ8が上側バネ受け座61の芯決め部621で芯決めされる状態に確実に復帰させることができるようにする。
【解決手段】突起部62を、バネガイド部622からバネ8が下方に最大限圧縮したときのバネ8の上端よりも下方までのびる延長部623を有するものとする。更に、バネガイド部622及び延長部623の外面を、バネ8が圧縮状態から伸長する際に、バネ8の上端が弁体6の外周部の短筒部6bの下端面に乗り上げることを防止できるように形成する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
上側の流入室と、下側の流出室と、流入室と流出室との間の弁座とを有する弁筐と、流入室の上端面を閉塞するダイヤフラムと、ダイヤフラムに連結された、弁座の流出室側の面に対向し、外周部に下方にのびる短筒部を有する弁体と、弁体に下方への押圧力を付与すると共にこの押圧力を可変するソレノイドとを備える比例弁であって、
弁体に設けた上側のバネ受け座と流出室に設けた下側のバネ受け座との間に、弁体を上方に付勢するコイルバネが介設され、各バネ受け座に、コイルバネに内挿される突起部が設けられ、この突起部は、コイルバネの上下両端の各座巻部の内周面に近接対向してコイルバネを芯決めする芯決め部を有し、上側のバネ受け座の突起部は、更に、芯決め部の下端から下方に向けて弁体の径方向内方に傾斜してのびるバネガイド部を有するものにおいて、
上側のバネ受け座の突起部は、バネガイド部の下端から更に下方にのびる延長部を有し、延長部の下端の位置は、弁体が弁座に着座している状態で、コイルバネが下方に最大限圧縮したときのコイルバネの上端の座巻部の上端よりも下方になるように設定され、バネガイド部及び延長部の外面は、当該外面の母線が、全長に亘り、当該母線から周方向に180°離れた弁体の短筒部の下端内周縁の部分を中心として当該母線を含む仮想面上に描かれる、コイルバネの上端の座巻部の中心径に等しい半径の円弧よりも上側のバネ受け座の突起部の径方向外方に位置するように形成されることを特徴とする比例弁。
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【請求項2】
前記上側のバネ受け座の前記突起部の前記バネガイド部及び前記延長部は、円筒状の突起部本体の外周面の周囲複数箇所に突設したリブで構成されることを特徴とする請求項1記載の比例弁。
【請求項3】
前記延長部は、その外面の母線が上下方向に真直なストレート形状になるように形成されることを特徴とする請求項1又は2記載の比例弁。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、上側の流入室と、下側の流出室と、流入室と流出室との間の弁座とを有する弁筐と、流入室の上端面を閉塞するダイヤフラムと、ダイヤフラムに連結された、弁座の流出室側の面に対向し、外周部に下方にのびる短筒部を有する弁体と、弁体に下方への押圧力を付与すると共にこの押圧力を可変するソレノイドとを備える比例弁に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、この種の比例弁では、弁体に設けた上側のバネ受け座と流出室に設けた下側のバネ受け座との間に、弁体を上方に付勢するコイルバネを介設している。そして、コイルバネの付勢力により弁体の自重をキャンセルして、自重の影響で制御精度が悪化することを回避できるようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、このものでは、上側と下側の各バネ受け座に、コイルバネに内挿される突起部を設けている。この突起部は、コイルバネの上下両端の各座巻部の内周面に近接対向してコイルバネを芯決めする芯決め部を有し、コイルバネが傾かないようにしている。上側のバネ受け座の突起部は、更に、芯決め部の下端から下方に向けて弁体の径方向内方に傾斜してのびるバネガイド部を有している。
【0004】
然し、従来例のものは、バネガイド部の長さが短いため、以下の不具合を生ずることが判明した。即ち、輸送時等に比例弁に衝撃が加わると、コイルバネが強く圧縮して、コイルバネの上端の座巻部が瞬間的に上側のバネ受け座のバネガイド部の下端、即ち、突起部の下端よりも下方に変位し、コイルバネが伸長する際に、上端の座巻部が上側のバネ受け座の突起部下端面に乗り上げて、弁体に対し上動不能になってしまうことがある。また、上端の座巻部が上側のバネ受け座のバネガイド部の下端よりも下方に変位した状態で弁体に対し径方向に大きくずれて、コイルバネが伸長する際に、上端の座巻部が弁体の短筒部下端面に乗り上げて、弁体に対し上動不能になってしまうこともある。このように上端の座巻部が弁体に対し上動不能になると、上端の座巻部を上側のバネ受け座の芯決め部で芯決めできなくなり、正常な流量制御を行えなくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2018-71640号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、以上の点に鑑み、衝撃でコイルバネが強く圧縮しても、上端の座巻部が上側のバネ受け座の芯決め部で芯決めされる状態に確実に復帰させることができるようにした比例弁を提供することをその課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、上側の流入室と、下側の流出室と、流入室と流出室との間の弁座とを有する弁筐と、流入室の上端面を閉塞するダイヤフラムと、ダイヤフラムに連結された、弁座の流出室側の面に対向し、外周部に下方にのびる短筒部を有する弁体と、弁体に下方への押圧力を付与すると共にこの押圧力を可変するソレノイドとを備える比例弁であって、弁体に設けた上側のバネ受け座と流出室に設けた下側のバネ受け座との間に、弁体を上方に付勢するコイルバネが介設され、各バネ受け座に、コイルバネに内挿される突起部が設けられ、この突起部は、コイルバネの上下両端の各座巻部の内周面に近接対向してコイルバネを芯決めする芯決め部を有し、上側のバネ受け座の突起部は、更に、芯決め部の下端から下方に向けて弁体の径方向内方に傾斜してのびるバネガイド部を有するものにおいて、上側のバネ受け座の突起部は、バネガイド部の下端から更に下方にのびる延長部を有し、延長部の下端の位置は、弁体が弁座に着座している状態で、コイルバネが下方に最大限圧縮したときのコイルバネの上端の座巻部の上端よりも下方になるように設定され、バネガイド部及び延長部の外面は、当該外面の母線が、全長に亘り、当該母線から周方向に180°離れた弁体の短筒部の下端内周縁の部分を中心として当該母線を含む仮想面上に描かれる、コイルバネの上端の座巻部の中心径に等しい半径の円弧よりも上側のバネ受け座の突起部の径方向外方に位置するように形成されることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、コイルバネが衝撃で下方に最大限圧縮しても、コイルバネの上端の座巻部は、上側のバネ受け座の延長部の下端、即ち、上側のバネ受け座の突起部の下端よりも下方に変位することはない。そのため、上端の座巻部が上側のバネ受け座の突起部下端面に乗り上げて、弁体に対し上動不能となることを防止できる。また、後記詳述する如く、上端の座巻部が弁体の短筒部下端面に乗り上げて、弁体に対し上動不能となることも防止できる。従って、衝撃でコイルバネが強く圧縮しても、上端の座巻部は、上側のバネ受け座の延長部とバネガイド部とに案内されて、芯決め部に外挿される位置まで確実に上動し、即ち、上端の座巻部が芯決め部で芯決めされる状態に確実に復帰させることができ、流量制御の正確性を損なうことがない。
【0009】
また、本発明において、上側のバネ受け座の突起部のバネガイド部及び延長部は、円筒状の突起部本体の外周面の周囲複数箇所に突設したリブで構成されることが望ましい。これによれば、弁体を樹脂成形する場合、弁体全体の形状を安定させることができ、更に、使用する樹脂量を削減することができ、有利である。
【0010】
更に、本発明において、上記延長部は、その外面の母線が上下方向に真直なストレート形状になるように形成されることが望ましい。これによれば、延長部をロボットチャックで掴み易くなり、加工性、組立性が向上する。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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