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公開番号
2024151221
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-24
出願番号
2023064449
出願日
2023-04-11
発明の名称
動き追跡装置、放射線治療システム、および動き追跡方法
出願人
株式会社日立製作所
,
国立大学法人北海道大学
代理人
弁理士法人ウィルフォート国際特許事務所
主分類
A61N
5/10 20060101AFI20241017BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約
【課題】リアルタイムの画像を基に腫瘍の動きをマーカレスで高い精度で追跡することを可能にする。
【解決手段】特定領域における標的および組織の動きを追跡する動き追跡装置は、リアルタイムでの標的および組織の三次元の動きを推定した推定3D運動と、リアルタイムでの標的および組織の二次元の動きを推定した推定2D運動とを取得する動き推定器と、所定の参照時点での特定領域の二次元画像である参照2D画像と、リアルタイムでの特定領域の二次元画像であるリアルタイム2D画像とを取得する画像取得器と、推定2D運動と参照2D画像とを用いて、リアルタイムの特定領域の二次元画像を疑似する疑似リアルタイム2D画像を生成する画像シミュレータと、疑似リアルタイム2D画像とリアルタイム2D画像との比較に基づいて、推定3D運動を補正する推定補正器と、を有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
特定領域における標的および組織の動きを追跡する動き追跡装置であって、
リアルタイムでの前記標的および前記組織の三次元の動きを推定した推定3D運動と、リアルタイムでの前記標的および前記組織の二次元の動きを推定した推定2D運動とを取得する動き推定器と、
所定の参照時点での前記特定領域の二次元画像である参照2D画像と、リアルタイムでの前記特定領域の二次元画像であるリアルタイム2D画像とを取得する画像取得器と、
前記推定2D運動と前記参照2D画像とを用いて、リアルタイムの前記特定領域の二次元画像を疑似する疑似リアルタイム2D画像を生成する画像シミュレータと、
前記疑似リアルタイム2D画像と前記リアルタイム2D画像との比較に基づいて、前記推定3D運動を補正する推定補正器と、
を有する動き追跡装置。
続きを表示(約 1,200 文字)
【請求項2】
前記動き推定器は、予め撮像された画像に基づいて構築された動きモデルを用いて、前記推定3D運動および前記推定2D運動を特定する、
請求項1に記載の動き追跡装置。
【請求項3】
前記動き推定器は、前記推定3D運動を三次元ベクトル場として推定し、前記推定2D運動を二次元ベクトル場として推定する、請求項1に記載の動き追跡装置。
【請求項4】
前記動き推定器は、前記推定3D運動の三次元ベクトル場を二次元平面に投影することにより前記推定2D運動の二次元ベクトル場を生成する、
請求項3に記載の動き追跡装置。
【請求項5】
前記動き推定器は、前記参照時点の三次元形状を二次元平面に投影した投影画像を、画像レジストレーションによって、前記推定3D運動に基づく三次元形状を前記二次元平面に投影した投影画像に一致させるように変形した変形画像における二次元形状の運動を示す二次元ベクトル場を、前記推定2D運動の二次元ベクトル場として生成する、
請求項3に記載の動き追跡装置。
【請求項6】
前記推定補正器は、複数の二次元平面について、前記疑似リアルタイム2D画像を前記リアルタイム2D画像に位置合わせする二次元補正ベクトルを算出し、
算出された複数の前記二次元補正ベクトルに基づいて三次元補正ベクトルを生成し、
前記三次元補正ベクトルを用いて前記推定3D運動を補正する、
請求項1に記載の動き追跡装置。
【請求項7】
前記動き推定器が、前記推定補正器により補正された前記推定3D運動を使用して、前記標的および前記組織の前記推定3D運動および前記推定2D運動を算出することにより、前記推定3D運動の補正を反復する、
請求項1に記載の動き追跡装置。
【請求項8】
請求項1に記載の動き追跡装置と、
前記追跡装置によって推定/補正された前記3D運動に基づいて、前記標的に治療用放射線を送達する治療コントローラと、
を有する放射線治療システム。
【請求項9】
特定領域における標的および組織の動きを追跡するための動き追跡方法であって、
コンピュータが、
リアルタイムでの前記標的および前記組織の三次元の動きを推定した推定3D運動と、リアルタイムでの前記標的および前記組織の二次元の動きを推定した推定2D運動とを取得し、
所定の参照時点での前記特定領域の二次元画像である参照2D画像と、リアルタイムでの前記特定領域の二次元画像であるリアルタイム2D画像とを取得し、
前記推定2D運動に従って、前記参照2D画像を変形することにより、疑似リアルタイム2D画像を生成し、
前記疑似リアルタイム2D画像と前記リアルタイム2D画像との比較に基づいて、前記推定3D運動を補正する、
を有する動き追跡方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は放射線治療の技術に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)
【背景技術】
【0002】
放射線治療では、電離放射線が標的に照射される。例えば、癌細胞を死滅させるために高エネルギー粒子ビームが腫瘍領域に向けられる。治療の効果を最大化し、治療による副作用を最小限に抑えるには、周囲の健康な組織を温存しながら、放射線を腫瘍に集中させることが重要である。しかしながら、呼吸による人体の動きにより、治療線の精度が低下する恐れがある。したがって、放射線の正確な線量を腫瘍に確実に送達するために動き管理が必要とされる。
【0003】
X線イメージングなどのリアルタイムの医療イメージング技術は、体組織のリアルタイムの動きに関する情報を提供する。このような情報は、治療ビームを誘導し、腫瘍に線量を正確に送達するために使用することができる。リアルタイムの医用画像は通常、腫瘍のコントラストが低いため、外科手術によって基準マーカを患者の体内に挿入する場合がある。体内の基準マーカを使用すれば腫瘍の動きの追跡精度は向上するが、基準マーカ自体が侵襲的であり、また基準マーカが患者の体内で移動する恐れもある。
【0004】
特許文献1には、基準マーカを使用せずに標的のリアルタイムの動きを追跡する方法が開示されている。この方法は、予め標的領域を示す画像を生成し、生成された画像をリアルタイム画像と一致させる。例えば、治療前にまずCT画像からデジタル再構成画像(DRR)を作成する。次に、治療中に撮影されたリアルタイムのX線画像とDRRとの間で最適な一致を特定する。対応するCT画像を介して腫瘍の位置が決定される。
【0005】
特許文献2および3には、2D磁気共鳴画像法(MRI)画像などにより得られる2D運動から腫瘍の3次元(3D)運動を推定する技術を用いたマーカーレス追跡法が開示されている。特許文献2では、線形回帰によって変換モデルを構築し、2次元の動きと3次元の動きの関係を特定している。特許文献3では、機械学習によってその関係を特定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特表2006-515187号公報
特表2017-537717号公報
特表2022-513427号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示されているようなマッチングベースの方法は、DRRとリアルタイムX線画像の両方の腫瘍のコントラストがそれらの画像の有効な一致を保証するのに十分となりうる、肺などの特定の位置の腫瘍の治療に対しては適用することができる。しかし、膵臓などの一部の腫瘍では、DRRとリアルタイムX線画像の両方において腫瘍領域周辺の十分なコントラストを得ることは困難であるため、該して有効な一致を得ることができない。さらに、DRRは、通常、CT画像を2次元(2D)平面に投影することによって作成されるので、DRRにおける特徴とリアルタイムのX線画像における特徴とが必ずしも一致しない。これらの理由から、現状ではマッチングベースのマーカーレス追跡方法の活用が制限されている。
【0008】
特許文献2および特許文献3のいずれの方法も、学習段階において、事前知識に基づいて2D運動と3D運動との関係性を確立する。しかし、2D運動と3D運動との関係性は治療中にも変化する可能性がある。そのため、事前知識に基づくこれらの方法では2D運動から3D運動への正確な変換が行われない可能性がある。
【0009】
本開示に含まれるひとつの目的は、リアルタイムの画像を基に腫瘍の動きをマーカレスで高い精度で追跡することを可能にする技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示に含まれるひとつの態様による動き追跡装置は、特定領域における標的および組織の動きを追跡する動き追跡装置であって、リアルタイムでの前記標的および前記組織の三次元の動きを推定した推定3D運動と、リアルタイムでの前記標的および前記組織の二次元の動きを推定した推定2D運動とを取得する動き推定器と、所定の参照時点での前記特定領域の二次元画像である参照2D画像と、リアルタイムでの前記特定領域の二次元画像であるリアルタイム2D画像とを取得する画像取得器と、前記推定2D運動と前記参照2D画像とを用いて、リアルタイムの前記特定領域の二次元画像を疑似する疑似リアルタイム2D画像を生成する画像シミュレータと、前記疑似リアルタイム2D画像と前記リアルタイム2D画像との比較に基づいて、前記推定3D運動を補正する推定補正器と、を有する。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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