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公開番号2024151067
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-24
出願番号2023064191
出願日2023-04-11
発明の名称画像処理装置、印刷装置、画像処理方法、及びプログラム
出願人キヤノン株式会社
代理人弁理士法人谷・阿部特許事務所
主分類B41J 2/21 20060101AFI20241017BHJP(印刷;線画機;タイプライター;スタンプ)
要約【課題】異なるドットサイズの混在による一様性及び粒状性の悪化に加え、階調段差の発生も抑制することが可能な量子化処理の手法を提供することを目的とする。
【解決手段】画像データに基づき記録媒体上にドットを形成するための画像処理装置であって、画像データの画素値をM値からN値(N<M)に変換する量子化処理を行う際の最大量子化値を、画像データで指定されている色空間の色域の大きさに応じて決定する決定手段と、量子化処理後の画像データにおいてとり得る量子化値を決定手段で決定された最大量子化値とした量子化処理を、画像データに対して行う量子化手段と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図7
特許請求の範囲【請求項1】
画像データに基づき記録媒体上にドットを形成するための画像処理装置であって、
前記画像データの画素値をM値からN値(N<M)に変換する量子化処理を行う際の最大量子化値を、前記画像データで指定されている色空間の色域の大きさに応じて決定する決定手段と、
量子化処理後の前記画像データにおいてとり得る量子化値を、前記決定手段で決定された最大量子化値とした量子化処理を前記画像データに対して行う量子化手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記画像データにおける色空間を、その色域の大きさに応じて分類する分類手段をさらに備え、
前記決定手段は、前記分類手段による分類の結果に基づき前記最大量子化値を決定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記分類手段は、前記画像データにおける色空間を、色域の大きさに基づき予め定めた複数の色域グループのうちいずれかの色域グループに分類し、
前記決定手段は、
前記画像データにおける色空間が、前記複数の色域グループのうち第1色域グループに分類された場合、第1最大量子化値に決定し、
前記画像データにおける色空間が、前記複数の色域グループのうち前記第1色域グループよりも色域の小さい第2色域グループに分類された場合、前記第1最大量子化値よりも小さい第2最大量子化値に決定する、
ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記分類手段は、前記画像データにおける色空間を、前記複数の色域グループそれぞれに属する色空間を規定したテーブルを参照して、前記複数の色域グループのうちいずれかの色域グループに分類する、ことを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記分類手段は、前記画像データにおける色空間の色域を、色域グループ毎に定めた基準色域と比較することで、前記複数の色域グループのうちいずれかの色域グループに分類する、ことを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記分類手段は、色域グループ毎に定められた前記基準色域のうち、前記画像データにおける色空間の色域を内包するものの中で最小の基準色域に対応する色域グループに、前記画像データにおける色空間を分類する、ことを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記分類手段は、前記画像データにおいてオブジェクト毎に色空間が異なる場合、オブジェクト毎に前記分類を行う、ことを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記決定手段は、前記複数の色域グループそれぞれに対応する最大量子化値を規定したテーブルを用いて前記決定を行う、ことを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記最大量子化値は、前記ドットの形成がサイズの異なる複数のドットを用いて行われる場合における最大のドットサイズに対応する、ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記最大量子化値は、前記ドットの形成が同一サイズの1種類のドットを用いて行われる場合における、1画素当たりの最大ドット数に対応する、ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、画像データの量子化技術に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
擬似階調法を用いて所定の階調域の画像を印刷装置で記録する際、多値の画像データを量子化する必要がある。例えば大中小といった複数のサイズのドットを形成できるインクジェット方式の印刷装置では多値量子化(マルチレベル量子化)をまず行う。そして、多値量子化の結果に応じて、複数サイズのドットをどのような割合で形成するか(すなわち、各サイズのドットの存在率)を決定し、インクの吐出動作を行う。特許文献1には、特定階調範囲については1種類のドットのみで画像形成を行うようなインク吐出特性とすることで、ドットサイズの混在を防ぎ、一様性や文字細線の再現性が悪くなることを抑制する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2015-104903号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の技術では、特定階調範囲内の階調値については1種類のドットのみで画像形成を行うが、特定階調範囲を超えた階調値については異なるサイズのドットも使用して画像形成が行われる。その結果、特定階調範囲の境界を跨ぐ部分で階調の違いが目立ってしまう(階調段差が生じる)という課題が存在する。本開示は、係る点に鑑みてなされたものであり、異なるドットサイズの混在による一様性及び粒状性の悪化に加え、階調段差の発生も抑制することが可能な量子化処理の手法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示に係る画像処理装置は、画像データに基づき記録媒体上にドットを形成するための画像処理装置であって、前記画像データの画素値をM値からN値(N<M)に変換する量子化処理を行う際の最大量子化値を、前記画像データで指定されている色空間の色域の大きさに応じて決定する決定手段と、量子化処理後の前記画像データにおいてとり得る量子化値を、前記決定手段で決定された最大量子化値とした量子化処理を前記画像データに対して行う量子化手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、異なるドットサイズの混在による一様性及び粒状性の悪化に加え、階調段差の発生も抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
多値階調データに対するドットの打ち込み量の吐出特性を示す図
sRGB色空間とCRPC6色空間の色域を示す図
(a)はsRGB色空間とJapanColor色空間との間で彩度と明度を比較した図、(b)は広色域色空間と狭式色空間にて黒ベタを再現する際のドット使用箇所を示す図
中ドットと大ドットの混在を防止する吐出特性を示す図
印刷システムの構成の一例を示す図
印刷装置の内部構成を示す断面概略図
実施形態1に係る、情報処理装置及び印刷装置における論理構成を示す機能ブロック図
量子化レベルとドットサイズの関係を示す図
量子化レベルとドット発数の関係を示す図
(a)及び(b)は、色域分類に用いるテーブルの一例を示す図
(a)~(c)は、色域分類の手法を説明する図
(a)及び(b)は、最大量子化レベルの決定に用いるテーブルの一例を示す図
(a)~(c)は、最大量子化レベルの異なる吐出特性を示す図
(a)は広色域Grの色域と狭色域Grの色域との違いを表した図、(b)及び(c)は吐出特性を示す図
(a)及び(b)は、全てのドットサイズで100%まで使用する場合の広色域Grと狭色域Grの吐出特性を示す図
広色域色空間での黒ベタ細線を広色域印刷と狭色域印刷で行った場合のドット模式図
狭色域色空間での黒ベタ細線を広色域印刷と狭色域印刷で行った場合のドット模式図
(a)は広色域Grの色域と中間色域Grと狭色域Grの色域との違いを表した図、(b)~(d)は吐出特性を示す図
実施形態2に係る、情報処理装置及び印刷装置における論理構成を示す機能ブロック図
異なる色空間の2つのオブジェクトが配置されている原稿データの一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本実施形態について、図面を参照して説明する。尚、以下の実施形態は本発明を必ずしも限定するものではない。また、本実施形態において説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。各実施形態の説明に入る前に、本開示の解決課題についてさらに詳しく説明しておく。
【0009】
[解決課題の詳細]
図1は、多値階調データに対するドットサイズの異なるドットの打ち込み量の吐出特性を示す図である。複数のドットサイズを階調値に応じて切り替えて印刷する方式では、図1に示すように、ドットサイズの小さいドットを100%打ち込む前にドットサイズが次に大きいドットを使用していく制御が行われるのが一般的である。これにより、ドットサイズの変化を滑らかにして階調段差を防止している。また、オフセット印刷の分野では、ISO規格に準拠した「オフセット印刷基準」が制定され、例えば日本では「JananColor」、北米では「SWAP」や「GRACoL」、ヨーロッパでは「Euroscale」が標準として運用されている。これらオフセット印刷基準では、標準紙、標準インキ、ベタ色標準測定値などが定められており、ICCプロファイルによって色再現が定義されている。
【0010】
図2は、「sRGB」の色域とGRACoLで定義されている「CRPC6」の色域を、Lab色空間のab平面上にプロットした図である。図2に示すように、オフセット印刷基準に従ったCRPC6の色域(色再現可能な範囲)は、sRGB色空間に比べて狭い。これは、abの軸(彩度軸)だけではなく、Lの軸(明度軸)でも同様である。そして、同じRGB色空間に属する「AdobeRGB」や「DisplayP3」に対しても、オフセット印刷基準に従ったCRPC6の色域は狭い。ここで、商業印刷分野で用いられる印刷指示データ(一般に「印刷ジョブ」と呼ばれる。)に含まれる画像データにおいては顧客の求める色空間が指定されるところ、例えばsRGBのような広い色域による印刷とCRPC6のような狭い色域による印刷の両方に、一つの印刷装置で対応することが必要となる。
(【0011】以降は省略されています)

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