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公開番号
2024150629
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-23
出願番号
2024117059,2024094448
出願日
2024-07-22,2021-12-20
発明の名称
大腸菌FimH変異体およびその使用
出願人
ファイザー・インク
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
C07K
14/245 20060101AFI20241016BHJP(有機化学)
要約
【課題】改善された生化学的特性および免疫原性をもたらす大腸菌(E.coli)突然変異FimHポリペプチドの設計、そのようなポリペプチドを含む組成物、ならびにこれらの使用を提供する。
【解決手段】野生型FimHポリペプチドのアミノ酸配列と比べた少なくとも1個のアミノ酸突然変異を含む、突然変異したFimHポリペプチドであって、突然変異位置が特定の配列に従ってナンバリングされた群から選択された、FimHポリペプチドが提供される。
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
野生型FimHポリペプチドのアミノ酸配列と比べた少なくとも1個のアミノ酸突然変異を含む、突然変異したFimHポリペプチドであって、突然変異位置が、F1、P12、G14、G15、G16、A18、P26、V27、V28、Q32、N33、L34、V35、R60、S62、Y64、G65、L68、F71、T86、L107、Y108、L109、V112、S113、A115、G116、V118、A119、A127、L129、Q133、F144、V154、V155、V156、P157、T158、V163およびV185からなる群から選択され、アミノ酸位置が、配列番号59に従ってナンバリングされる、突然変異したFimHポリペプチド。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2020年12月23日に出願された米国仮出願第63/130,153号、2021年5月7日に出願された米国仮出願第63/185,425号、および2021年11月23日に出願された米国仮出願第63/282,244号に基づく優先権を主張する。前述の出願のそれぞれの全内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
続きを表示(約 6,200 文字)
【0002】
配列表の参照
本出願は、EFS-Webを介して電子的に出願され、.txt形式の電子的に提出された配列表を含む。.txtファイルは2021年11月17日に作成され、220KBのサイズを有する、「PC072713_ST25_17Nov2021.txt」の表題の配列表を含有する。この.txtファイルに含まれる配列表は、本明細書の一部であり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
発明の技術分野
本開示は、突然変異した大腸菌(Escherichia coli)FimHポリペプチドおよびその使用方法に関する。
【背景技術】
【0004】
尿路感染(UTI)は、女性の5人に1人が、その生涯で少なくとも1回は罹り、著しい罹患率(mobidity)および死亡率の原因となり、医療制度に相当な負担をかける。いくつかの異なる細菌が、UTIを引き起こし得るが、最も一般的な原因(症例の90~95%)は、グラム陰性細菌大腸菌(Escherichia coli)(大腸菌(E.coli))である。大部分の大腸菌(E.coli)UTIは、尿路病原性大腸菌(E.coli)(UPEC)によって引き起こされ、UPECは、胃腸管に定着し、糞便細菌叢から尿生殖路に移動し、そこで宿主尿路上皮細胞に接着し、これにより、尿路の上行性感染のためのレザーバーを確立する。接着は、上皮層におけるマンノシル化糖タンパク質に結合する、または尿中に分泌される、1型フィムブリエを含む線毛アドヘシンによって容易となる。1型フィムブリエは、臨床UPEC単離物の間で高度に保存されており、アクセサリータンパク質(FimC、FimD)、様々な構造サブユニット(FimE、FimF、FimG)およびFimHと呼ばれるアドヘシンをコードするfimと呼ばれる遺伝子のクラスターによってコードされる。FimHは、ヒト膀胱感染の側面を模倣するマウスモデルにおけるUTI感染の全ての特徴に必須である(Hannanら、PLoS Pathog.2010 Aug 12;6(8):e1001042;doi:10.1371/journal.ppat.1001042;Schwartzら、Infect Immun.2011 Oct;79(10):4250~9.doi:10.1128/IAI.05339-11)。マンノシル化受容体を模倣することによりFimHを標的とする低分子阻害剤は、UTIにおけるFimHの役割をさらに実証し、動物モデルにおける治療薬としての見込みを示している(Cusumano CKら、Sci Transl Med.2011;3(109):109ra115.doi:10.1126/scitranslmed.3003021)。加えて、FimHは、大腸菌(E.coli)ヒト膀胱炎単離物において正の選択下にあり(Chen SLら、Proc Natl Acad Sci U S A.2009 Dec 29;106(52):22439~44.doi:10.1073/pnas.0902179106)、正に選択された残基は、膀胱炎のマウスモデルにおいてビルレンスに影響を与え得る(Schwartz、D.J.ら、Proc Natl Acad Sci U S A 110、15530~15537、doi:10.1073/pnas.1315203110(2013))。
【0005】
FimHは、2つのドメインである、マンノシル化糖タンパク質への結合の原因となるレクチン結合ドメイン(FimH
LD
)と、ピリンドメインで構成される。ピリンドメインは、ドナー鎖交換と呼ばれる機構により、FimHを、FimGなどの線毛の他の構造サブユニットに連結するように機能する(Le Trong、Iら、J.Struct Biol.2010 Dec;172(3):380~8.doi:10.1016/j.jsb.2010.06.002)。FimHピリンドメインは、FimGのN末端β鎖のための結合部位を提供する溝を生じる不完全免疫グロブリンフォールドを形成し、FimHおよびFimGの間に強い分子間連結を形成する。FimH
LD
は、可溶性の安定した形態で発現され得るが、全長FimHは、ペプチド形態でまたは融合タンパク質として、シャペロンFimCと複合体形成しない限り、またはFimGのドナー鎖ペプチドで補完されない限り(Barnhart MMら、Proc Natl Acad Sci U S A.(2000)Jul 5;97(14):7709~14;Sauer MMら、Nat Commun.(2016)Mar 7;7:10738;Barnhart MMら、J Bacteriol.2003 May;185(9):2723~30)、単独では不安定である(Vetsch、M.ら、J.Mol.Biol.322:827~840(2002);Barnhart MMら、Proc Natl Acad Sci U S A.(2000)Jul 5;97(14):7709~14)。グリシン-セリンリンカーを介してFimGドナーペプチドを全長FimHに連結することによる全長FimH分子の設計および発現は、以前に記載されており(2021年5月6日に発表されたPCT国際公開番号WO2021/084429)、これは、FimH-DSGと命名された。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
FimH
LD
は、機能的免疫原性を刺激するその能力の観点から、不十分な免疫原であると考えられる。いくつかの研究は、結合抗体価は、アジュバントありおよびなしでFimH
LD
により惹起され得るが、機能的中和力価は、アジュバントの存在下でのみ観察されたことを示唆する(2021年5月6日に発表されたPCT国際公開番号WO2021/084429)。研究は、マンノシドリガンドに対して低減した親和性を有するオープンコンフォメーションでFimHをロックすることが、機能的免疫原性を改善することを示唆する(Kisiela、D.I.ら、Proc Natl Acad Sci U S A 110、19089~19094(2013)。したがって、野生型FimHと比べて改善された機能的免疫原性をもたらす、マンノシドリガンドに対する低減した親和性および改善された生化学的特性を有する新規FimH変異体の必要性が当業界にはある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、改善された生化学的特性および免疫原性をもたらす大腸菌(E.coli)FimH突然変異ポリペプチドの設計、そのようなポリペプチドを含む組成物、ならびにこれらの使用に関する。例えば、一態様では、本開示は、野生型FimHポリペプチドのアミノ酸配列と比べた少なくとも1個のアミノ酸突然変異を含む、突然変異したFimHポリペプチドであって、突然変異位置が、F1、P12、G14、G15、G16、A18、P26、V27、V28、Q32、N33、L34、V35、R60、S62、Y64、G65、L68、F71、T86、L107、Y108、L109、V112、S113、A115、G116、V118、A119、A127、L129、Q133、F144、V154、V155、V156、P157、T158、V163およびV185からなる群から選択され、アミノ酸位置が、配列番号59に従ってナンバリングされる、突然変異したFimHポリペプチドを提供する。
【0008】
さらなる態様では、突然変異したFimHポリペプチドは、F1I;F1L;F1V;F1M;F1Y;F1W;P12C;G14C;G15A;G15P;G16A;G16P;A18C;P26C;V27A;V27C;V28C;Q32C;N33C;L34C;L34N;L34S;L34T;L34D;L34E;L34K;L34R;V35C;R60P;S62C;Y64C;G65A;L68C;F71C;T86C;L107C;Y108C;L109C;V112C;S113C;A115V;G116C;V118C;A119C;A119N;A119S;A119T;A119D;A119E;A119K;A119R;A127C;L129C;Q133K;F144C;V154C;V156C;P157C;T158C;V163I;およびV185I、またはこれらのいずれかの組合せからなる群から選択される少なくとも1個の突然変異を含む。例えば、突然変異したFimHポリペプチドは、突然変異G15AおよびG16Aを含む。さらに、例えば、突然変異したFimHポリペプチドは、突然変異P12CおよびA18Cを含む。さらに、例えば、突然変異したFimHポリペプチドは、突然変異G14CおよびF144Cを含む。さらに、例えば、突然変異したFimHポリペプチドは、突然変異P26CおよびV35Cを含む。さらに、例えば、突然変異したFimHポリペプチドは、突然変異P26CおよびV154Cを含む。さらに、例えば、突然変異したFimHポリペプチドは、突然変異P26CおよびV156Cを含む。さらに、例えば、突然変異したFimHポリペプチドは、突然変異V27CおよびL34Cを含む。さらに、例えば、突然変異したFimHポリペプチドは、突然変異V28CおよびN33Cを含む。さらに、例えば、突然変異したFimHポリペプチドは、突然変異V28CおよびP157Cを含む。さらに、例えば、突然変異したFimHポリペプチドは、突然変異Q32CおよびY108Cを含む。さらに、例えば、突然変異したFimHポリペプチドは、突然変異N33CおよびL109Cを含む。さらに、例えば、突然変異したFimHポリペプチドは、突然変異N33CおよびP157Cを含む。さらに、例えば、突然変異したFimHポリペプチドは、突然変異V35CおよびL107Cを含む。さらに、例えば、突然変異したFimHポリペプチドは、突然変異V35CおよびL109Cを含む。さらに、例えば、突然変異したFimHポリペプチドは、突然変異S62CおよびT86Cを含む。さらに、例えば、突然変異したFimHポリペプチドは、突然変異S62CおよびL129Cを含む。さらに、例えば、突然変異したFimHポリペプチドは、突然変異Y64CおよびL68Cを含む。さらに、例えば、突然変異したFimHポリペプチドは、突然変異Y64CおよびA127Cを含む。さらに、例えば、突然変異したFimHポリペプチドは、突然変異L68CおよびF71Cを含む。さらに、例えば、突然変異したFimHポリペプチドは、突然変異V112CおよびT158Cを含む。さらに、例えば、突然変異したFimHポリペプチドは、突然変異S113CおよびG116Cを含む。さらに、例えば、突然変異したFimHポリペプチドは、突然変異S113CおよびT158Cを含む。さらに、例えば、突然変異したFimHポリペプチドは、突然変異V118CおよびV156Cを含む。さらに、例えば、突然変異したFimHポリペプチドは、突然変異A119CおよびV155Cを含む。さらに、例えば、突然変異したFimHポリペプチドは、突然変異L34NおよびV27Aを含む。さらに、例えば、突然変異したFimHポリペプチドは、突然変異L34SおよびV27Aを含む。さらに、例えば、突然変異したFimHポリペプチドは、突然変異L34TおよびV27Aを含む。さらに、例えば、突然変異したFimHポリペプチドは、突然変異L34DおよびV27Aを含む。さらに、例えば、突然変異したFimHポリペプチドは、突然変異L34EおよびV27Aを含む。さらに、例えば、突然変異したFimHポリペプチドは、突然変異L34KおよびV27Aを含む。さらに、例えば、突然変異したFimHポリペプチドは、突然変異L34RおよびV27Aを含む。さらに、例えば、突然変異したFimHポリペプチドは、突然変異A119NおよびV27Aを含む。さらに、例えば、突然変異したFimHポリペプチドは、突然変異A119SおよびV27Aを含む。さらに、例えば、突然変異したFimHポリペプチドは、突然変異A119TおよびV27Aを含む。さらに、例えば、突然変異したFimHポリペプチドは、突然変異A119DおよびV27Aを含む。さらに、例えば、突然変異したFimHポリペプチドは、突然変異A119EおよびV27Aを含む。さらに、例えば、突然変異したFimHポリペプチドは、突然変異A119KおよびV27Aを含む。さらに、例えば、突然変異したFimHポリペプチドは、突然変異A119RおよびV27Aを含む。さらに、例えば、突然変異したFimHポリペプチドは、突然変異G15AおよびV27Aを含む。さらに、例えば、突然変異したFimHポリペプチドは、突然変異G16AおよびV27Aを含む。さらに、例えば、突然変異したFimHポリペプチドは、突然変異G15PおよびV27Aを含む。さらに、例えば、突然変異したFimHポリペプチドは、突然変異G16PおよびV27Aを含む。さらに、例えば、突然変異したFimHポリペプチドは、突然変異G15A、G16AおよびV27Aを含む。さらに、例えば、突然変異したFimHポリペプチドは、突然変異G65AおよびV27Aを含む。さらに、例えば、突然変異したFimHポリペプチドは、突然変異V27AおよびQ133Kを含む。さらに、例えば、突然変異したFimHポリペプチドは、突然変異G15A、G16A、V27AおよびQ133Kを含む。さらに、例えば、突然変異したFimHポリペプチドは、配列番号2~58および60~64のうちいずれか1つの配列を含む。さらに、例えば、本明細書に開示されている突然変異したFimHポリペプチドであって、単離されたポリペプチドが提供される。
【0009】
さらなる例では、本開示は、(i)本明細書に開示されている突然変異したFimHポリペプチド、および(ii)薬学的に許容できる担体を含む医薬組成物を提供する。
【0010】
さらなる例では、本開示は、本明細書に開示されている突然変異したFimHポリペプチドを含む免疫原性組成物を提供する。例えば、免疫原性組成物は、多糖または糖コンジュゲートまたはタンパク質などの少なくとも1つの追加の抗原をさらに含む。さらに、例えば、免疫原性組成物は、少なくとも1つのアジュバントをさらに含む。
(【0011】以降は省略されています)
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